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㉚水没2
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「昼間の食洗機に夢中になってる啓介さん、すっごく可愛かったです♡」
純也は、ベッドの上で床ドンの体勢をとり自分の下に啓介を閉じ込めた。
昼食の片付けを終え二人一緒に帰宅し、その後はずっと家の中でゆっくり過ごせたことで、余裕のある夜の時間を迎えていた。
啓介の気持ちも、あれからは持ち直したようで外の天気を気にしながらも、あのレストランでの時ほど落ち込んだ様子はなかった。
「っっ、可愛いわけないだろっ!それに、お前、怒ってたじゃないか!!」
「怒ってたんじゃないです!心配してたんです!危ないからっっ!!」
純也は、伸し掛かるように顔を近付けると触れ合うぎりぎりの距離で強く主張した。
可愛いと言われたことに照れているのか、距離が近いことが恥ずかしいのか、一度息を飲むと啓介は黙って視線をずらした。
「今も可愛い♡♡」
「んっむ、ちゅっ♡」
もともと僅かしかなった距離は一瞬でなくなり、二人の唇が重なった。
「ね、啓介さん♡挿入れないから、してもいい?お願い♡♡」
今日の様子だと明日も水が引くことはないだろうが、何かあった時に動けない体では困る。
それに、啓介は明日も水の引いていないコースを放ったらかしにする気はなかった。
純也も、啓介のそういった性格は十分に承知している。分かっていても、今日はこのまま寝るなんてできない。
純也は昼間に見た、自分の仕事場である厨房の常日頃使い慣れた食洗機で、無邪気に目を輝かせる啓介に胸を掴まれたままだった。
何もしないまま寝るなんて無理!!あんな可愛い啓介さんを、厨房で見れるなんて!!
仕事場というのは、なぜあんなにも背徳間が生まれるのだろう。
ときめいただけで、罪な気がしてしまう。
しかし、その背徳感や罪悪感が純也の中の欲を更に燃え上がらせるのも事実だ。
「んっ、」
首筋にキスを落とされ啓介の体が、小さく揺れる。
「・・・あまり激しくしないなら、挿入れてもいい・・・。」
「えっ!!!」
驚きすぎて、そのまま声に出してしまった・・・。
「どうしたの?啓介さんっ!!明日、休みじゃないよね?普段の日に、いいなんて・・・。」
嬉しくないわけがない。願ってもないことだ。けれど、ありえなさすぎて、すぐには受け入れられない。
ストイックで真面目な啓介が、仕事のパフォーマンスが落ちるようなことを自ら申し出るなんて・・・。
啓介の明日の出勤時間は、いつもより遅いが仕事内容は普段と変わらず肉体労働だ。
「今日みたいな日に、一人じゃないことに安心した・・・。」
純也が、啓介から告げられたのは意外な言葉だった。
「コースが浸水したのは初めてじゃない・・・天災だから仕方ないと言っても・・・一日でも早く復旧させないと他の部署にも迷惑をかけるだろ?でも・・・部下達に無理をしいるわけにもいかないし・・・それに7番ホールはオープンに合わせてリニューアルしたばかりだったのに・・・いろいろ気になって・・・」
「啓介さん・・・。」
「前までは一人だったから・・・けど・・・今回は、お前がいる・・・。」
「安心する・・・。」
啓介は、自分の顔のすぐ横に置かれた純也の手に頬を擦り寄せた。
「うん、安心して・・・。シーズン中のコースが復旧作業で開けられなくても、俺と倉本さんの料理でお客さんは繋ぎ止めとくよ・・・」
一番最初に再開するのはレストランだ。次に宿泊施設、最後に復旧作業の完了したゴルフコースだ。
客の中にはコースの開いているシーズン中しか利用しない客もいる。ゴルフを楽しむ層にとっては、ただでさえ限られた期間しかないゴルフシーズンが、数日に渡り奪われてしまうのは、かなりのがっかり案件のはずだ。
自分のできることで、啓介の不安が軽くならできるだけのことをしたい。
天候が落ち着いて、復旧作業が開始したら一日でも早くコースを再開させなければならない。
責任感の強いこの人は、きっと無理をするだろう。
その時は、また注意しなくては。
「あぁ、よろしく頼む・・・今回も見物客が来るだろうから・・・。」
純也の頼もしい言葉に啓介はちゃんと笑ってくれた。
が、聴き逃がせない言葉があった。
「見物客?」
「コースが浸水すると、それを見にくる客がいるんだ。普段は見れない景色だからって・・・。レストランからだとよく見えるだろ?俺たちが、作業してるのも普段はあまり目にすることがないから、珍しいらしくて・・・」
純也はコースが浸水するのは、今回が初めての経験で当然、そんな客がいるなどとは知らなかった。
雨水に浸かったコースなんて見たいか?微塵も理解できない。
そんな・・・よく分からない癖の人達の目に、仕事中の啓介さんが晒されるなんて・・・どこに変質者がいるか分からないのに・・・。
啓介は作業着の下に黒いアンダーを着ていて、これも会社から用意してくれる制服だ。
色は黒と決まっているが長袖、半袖、ノースリーブ、ハイネック、ユーネックなど組み合わせが何パターンかあり、各自、好きなものを注文できる。
このアンダー、スポーツメーカー製で吸汗速乾、UVカット、超ストレッチ等かなり機能的であり、ありがたい存在だが体のラインが結構際立つのだ。
そして、コース管理の従業員達は、作業中はほとんどの者が、上着を脱いでいる。
啓介も例に漏れず。
この話の流れでアンダー姿が、いやらしいから上着を脱ぐなとも言いづらい。
ついさっき、自分を頼ってくれた恋人に心の狭い真似はしたくない。
「見られてると気になるから・・・レストランから一番見える区域は朝一に終わらすことにしている。」
「ですね!!仕事に集中できていいと思います!!」
良かった!!啓介さんの危険が少しでも減って!!
「・・・パジャマ脱がしていい?」
返事を聞く前に純也の手は、啓介の前開きのパジャマのボタンを一つ外している。
中断してしまったが、手に入れたチャンスを逃がすようなもったいない真似はしない。
「純也!!部屋を暗くしてからにしてくれ!!」
慌てたように啓介が、純也の手を止める。またしても純也は、明るい中での営みを実現できなかった。
しかし、可愛い。
パジャマの合わせのところを握り締めて、恥ずかしそうにしている姿が最高だ。
仕事の話をしていた時の大人の男は、もういない。
体はいやらしくて立派な大人なんだけど♡♡
純也は、ベッドの上で床ドンの体勢をとり自分の下に啓介を閉じ込めた。
昼食の片付けを終え二人一緒に帰宅し、その後はずっと家の中でゆっくり過ごせたことで、余裕のある夜の時間を迎えていた。
啓介の気持ちも、あれからは持ち直したようで外の天気を気にしながらも、あのレストランでの時ほど落ち込んだ様子はなかった。
「っっ、可愛いわけないだろっ!それに、お前、怒ってたじゃないか!!」
「怒ってたんじゃないです!心配してたんです!危ないからっっ!!」
純也は、伸し掛かるように顔を近付けると触れ合うぎりぎりの距離で強く主張した。
可愛いと言われたことに照れているのか、距離が近いことが恥ずかしいのか、一度息を飲むと啓介は黙って視線をずらした。
「今も可愛い♡♡」
「んっむ、ちゅっ♡」
もともと僅かしかなった距離は一瞬でなくなり、二人の唇が重なった。
「ね、啓介さん♡挿入れないから、してもいい?お願い♡♡」
今日の様子だと明日も水が引くことはないだろうが、何かあった時に動けない体では困る。
それに、啓介は明日も水の引いていないコースを放ったらかしにする気はなかった。
純也も、啓介のそういった性格は十分に承知している。分かっていても、今日はこのまま寝るなんてできない。
純也は昼間に見た、自分の仕事場である厨房の常日頃使い慣れた食洗機で、無邪気に目を輝かせる啓介に胸を掴まれたままだった。
何もしないまま寝るなんて無理!!あんな可愛い啓介さんを、厨房で見れるなんて!!
仕事場というのは、なぜあんなにも背徳間が生まれるのだろう。
ときめいただけで、罪な気がしてしまう。
しかし、その背徳感や罪悪感が純也の中の欲を更に燃え上がらせるのも事実だ。
「んっ、」
首筋にキスを落とされ啓介の体が、小さく揺れる。
「・・・あまり激しくしないなら、挿入れてもいい・・・。」
「えっ!!!」
驚きすぎて、そのまま声に出してしまった・・・。
「どうしたの?啓介さんっ!!明日、休みじゃないよね?普段の日に、いいなんて・・・。」
嬉しくないわけがない。願ってもないことだ。けれど、ありえなさすぎて、すぐには受け入れられない。
ストイックで真面目な啓介が、仕事のパフォーマンスが落ちるようなことを自ら申し出るなんて・・・。
啓介の明日の出勤時間は、いつもより遅いが仕事内容は普段と変わらず肉体労働だ。
「今日みたいな日に、一人じゃないことに安心した・・・。」
純也が、啓介から告げられたのは意外な言葉だった。
「コースが浸水したのは初めてじゃない・・・天災だから仕方ないと言っても・・・一日でも早く復旧させないと他の部署にも迷惑をかけるだろ?でも・・・部下達に無理をしいるわけにもいかないし・・・それに7番ホールはオープンに合わせてリニューアルしたばかりだったのに・・・いろいろ気になって・・・」
「啓介さん・・・。」
「前までは一人だったから・・・けど・・・今回は、お前がいる・・・。」
「安心する・・・。」
啓介は、自分の顔のすぐ横に置かれた純也の手に頬を擦り寄せた。
「うん、安心して・・・。シーズン中のコースが復旧作業で開けられなくても、俺と倉本さんの料理でお客さんは繋ぎ止めとくよ・・・」
一番最初に再開するのはレストランだ。次に宿泊施設、最後に復旧作業の完了したゴルフコースだ。
客の中にはコースの開いているシーズン中しか利用しない客もいる。ゴルフを楽しむ層にとっては、ただでさえ限られた期間しかないゴルフシーズンが、数日に渡り奪われてしまうのは、かなりのがっかり案件のはずだ。
自分のできることで、啓介の不安が軽くならできるだけのことをしたい。
天候が落ち着いて、復旧作業が開始したら一日でも早くコースを再開させなければならない。
責任感の強いこの人は、きっと無理をするだろう。
その時は、また注意しなくては。
「あぁ、よろしく頼む・・・今回も見物客が来るだろうから・・・。」
純也の頼もしい言葉に啓介はちゃんと笑ってくれた。
が、聴き逃がせない言葉があった。
「見物客?」
「コースが浸水すると、それを見にくる客がいるんだ。普段は見れない景色だからって・・・。レストランからだとよく見えるだろ?俺たちが、作業してるのも普段はあまり目にすることがないから、珍しいらしくて・・・」
純也はコースが浸水するのは、今回が初めての経験で当然、そんな客がいるなどとは知らなかった。
雨水に浸かったコースなんて見たいか?微塵も理解できない。
そんな・・・よく分からない癖の人達の目に、仕事中の啓介さんが晒されるなんて・・・どこに変質者がいるか分からないのに・・・。
啓介は作業着の下に黒いアンダーを着ていて、これも会社から用意してくれる制服だ。
色は黒と決まっているが長袖、半袖、ノースリーブ、ハイネック、ユーネックなど組み合わせが何パターンかあり、各自、好きなものを注文できる。
このアンダー、スポーツメーカー製で吸汗速乾、UVカット、超ストレッチ等かなり機能的であり、ありがたい存在だが体のラインが結構際立つのだ。
そして、コース管理の従業員達は、作業中はほとんどの者が、上着を脱いでいる。
啓介も例に漏れず。
この話の流れでアンダー姿が、いやらしいから上着を脱ぐなとも言いづらい。
ついさっき、自分を頼ってくれた恋人に心の狭い真似はしたくない。
「見られてると気になるから・・・レストランから一番見える区域は朝一に終わらすことにしている。」
「ですね!!仕事に集中できていいと思います!!」
良かった!!啓介さんの危険が少しでも減って!!
「・・・パジャマ脱がしていい?」
返事を聞く前に純也の手は、啓介の前開きのパジャマのボタンを一つ外している。
中断してしまったが、手に入れたチャンスを逃がすようなもったいない真似はしない。
「純也!!部屋を暗くしてからにしてくれ!!」
慌てたように啓介が、純也の手を止める。またしても純也は、明るい中での営みを実現できなかった。
しかし、可愛い。
パジャマの合わせのところを握り締めて、恥ずかしそうにしている姿が最高だ。
仕事の話をしていた時の大人の男は、もういない。
体はいやらしくて立派な大人なんだけど♡♡
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