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片思い②
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今、健生の手の中にはチョコレートがある。
キャンディみたいに両側が捻ってある緑色の包みのチョコレートだ。
どうしよう!うれしい!食べられない!
食べないで一生持ってるー!!
今日、あおば食品にダンボールを納品に行った際、チョコレートを貰った。名前も年齢も知らない片思いの相手に、運良く会えて挨拶をしたら、
「お疲れ様!よかったら食べて、これ。チョコなんだけど、甘いの平気?」
くれたのだ!!チョコレートを!!
胸がキュンとなるような笑顔と耳にすっと入ってくる心地よい声で、個人的に(多分)!!チョコレートを!!
あと、手渡してくれた時に、ちょっと手に触った・・・。
「食えよ。失礼だろ、逆に。」
「無理、食べないで大切にする・・・同じチョコ自分で買って食べて、次会った時、ちゃんと美味しかったって言う・・・」
「なんかきもい。だいたい、それ何処で売ってんの?見たことねぇんだけど?」
「俺もそう思ってネットで調べたら見つけたから、ポチった。」
会社の喫煙スペースで、同期の林にいつものように話を聞いてもらう。
この喜びやトキメキを、自分の胸の中だけには収めきれない。
「笑顔でチョコレートって可愛すぎねぇ?」
「いや、知らね。とりあえず、次に会った時、お礼すれば?それで、名前聞けばいーじゃん。」
「!!!何あげたらいいっ??」
「似たようなもんでいんじゃね?」
チャンスがきた!
この三ヶ月、名前を聞けないままの片思いを続けて、もはや聞くタイミングが分からなくなっていた。しかし、これならいけそうじゃないか?
そして
専門店でチョコレートを買った。
バレンタインになれば、限定商品は予約完売の人気店だ。
今度の配達で渡す!!そして名前を聞く!!
幸い、今は冬。持ち歩いてもチョコレートは溶けない。
そう気合いを入れた。
会えない・・・
あおば食品への配達は曜日や回数が決まっているわけじゃない。注文が入ったら行くシステムだ。
注文が入るのを、あの日からずっと待っていた。
三日後、そのまた三日後とあれから二回配達に行ったけれど、あの人はいなかった。
今までも、そういうことはあった。
けど、今、こんなことが起こると心がくじけそうになってしまう。
しかし、今日、また注文が入った。
明日の午前中、納品予定だ。
健生は、もう一度、自身に気合いを入れ直す。
諦めてはいけない!
名前を聞くまでは、チョコレートを持って配達に行く!!
だから、早くあの人に会わせて!!
「あ、あの、この前はチョコレートありがとうございました!!これ、お返しッス!!」
「えっ、わざわざ?」
ようやく会えた。ダンボールを搬入している倉庫で、あの人を見かけて急いでトラックにチョコレートを取りに戻った。
チョコレートの入った紙袋を差し出す。
脈拍が早くなりすぎて心臓が痛い。
このチョコレートは、やりすぎただろうか・・・
想い人のビックリした顔に、不安になってくる。
「若い子に気を使わせちゃったかな?なんかごめんね。」
「そんなっ、すげぇ嬉しかったんで俺がお礼したくて・・・」
「でも、こんな良いチョコレート貰うの申し訳ないな・・・」
困った顔をさせてしまったけれど、チョコレートは受け取ってくれた。
良かった。早く、この流れで名前を聞かなくては!
そう息を吸い込んだ時
「そうだ!好きなの選んで?いくらお返しでも、あのチョコレートをそのまま受け取れないよ。」
倉庫に設置してある自販機を指さして、あの人が笑っている。
自販機の前まで二人で行くと、遠慮しないで、と小銭が投入された。
健生は、温かい微糖の缶コーヒーのボタンをおした。
ずっと顔が火照っているから、ぜんぜん寒くなんてなかったけど。
取り出したコーヒーを握りしめ深呼吸した。
「名前、教えてくださいっ・・・」
キャンディみたいに両側が捻ってある緑色の包みのチョコレートだ。
どうしよう!うれしい!食べられない!
食べないで一生持ってるー!!
今日、あおば食品にダンボールを納品に行った際、チョコレートを貰った。名前も年齢も知らない片思いの相手に、運良く会えて挨拶をしたら、
「お疲れ様!よかったら食べて、これ。チョコなんだけど、甘いの平気?」
くれたのだ!!チョコレートを!!
胸がキュンとなるような笑顔と耳にすっと入ってくる心地よい声で、個人的に(多分)!!チョコレートを!!
あと、手渡してくれた時に、ちょっと手に触った・・・。
「食えよ。失礼だろ、逆に。」
「無理、食べないで大切にする・・・同じチョコ自分で買って食べて、次会った時、ちゃんと美味しかったって言う・・・」
「なんかきもい。だいたい、それ何処で売ってんの?見たことねぇんだけど?」
「俺もそう思ってネットで調べたら見つけたから、ポチった。」
会社の喫煙スペースで、同期の林にいつものように話を聞いてもらう。
この喜びやトキメキを、自分の胸の中だけには収めきれない。
「笑顔でチョコレートって可愛すぎねぇ?」
「いや、知らね。とりあえず、次に会った時、お礼すれば?それで、名前聞けばいーじゃん。」
「!!!何あげたらいいっ??」
「似たようなもんでいんじゃね?」
チャンスがきた!
この三ヶ月、名前を聞けないままの片思いを続けて、もはや聞くタイミングが分からなくなっていた。しかし、これならいけそうじゃないか?
そして
専門店でチョコレートを買った。
バレンタインになれば、限定商品は予約完売の人気店だ。
今度の配達で渡す!!そして名前を聞く!!
幸い、今は冬。持ち歩いてもチョコレートは溶けない。
そう気合いを入れた。
会えない・・・
あおば食品への配達は曜日や回数が決まっているわけじゃない。注文が入ったら行くシステムだ。
注文が入るのを、あの日からずっと待っていた。
三日後、そのまた三日後とあれから二回配達に行ったけれど、あの人はいなかった。
今までも、そういうことはあった。
けど、今、こんなことが起こると心がくじけそうになってしまう。
しかし、今日、また注文が入った。
明日の午前中、納品予定だ。
健生は、もう一度、自身に気合いを入れ直す。
諦めてはいけない!
名前を聞くまでは、チョコレートを持って配達に行く!!
だから、早くあの人に会わせて!!
「あ、あの、この前はチョコレートありがとうございました!!これ、お返しッス!!」
「えっ、わざわざ?」
ようやく会えた。ダンボールを搬入している倉庫で、あの人を見かけて急いでトラックにチョコレートを取りに戻った。
チョコレートの入った紙袋を差し出す。
脈拍が早くなりすぎて心臓が痛い。
このチョコレートは、やりすぎただろうか・・・
想い人のビックリした顔に、不安になってくる。
「若い子に気を使わせちゃったかな?なんかごめんね。」
「そんなっ、すげぇ嬉しかったんで俺がお礼したくて・・・」
「でも、こんな良いチョコレート貰うの申し訳ないな・・・」
困った顔をさせてしまったけれど、チョコレートは受け取ってくれた。
良かった。早く、この流れで名前を聞かなくては!
そう息を吸い込んだ時
「そうだ!好きなの選んで?いくらお返しでも、あのチョコレートをそのまま受け取れないよ。」
倉庫に設置してある自販機を指さして、あの人が笑っている。
自販機の前まで二人で行くと、遠慮しないで、と小銭が投入された。
健生は、温かい微糖の缶コーヒーのボタンをおした。
ずっと顔が火照っているから、ぜんぜん寒くなんてなかったけど。
取り出したコーヒーを握りしめ深呼吸した。
「名前、教えてくださいっ・・・」
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