11 / 16
両片思い?①
しおりを挟む
「ねぇ・・・ほら・・・・」
「かっこいいよねぇ・・・」
会社の女子社員が窓から外を覗いて、さえずっている。あぁ、きっと彼が来たのだと金井は分かってしまった。
辻 健生君・・・。
彼とは、ついこの間、一緒に食事に行った。きっと自分よりだいぶ年下であるのに、よく気を回してくれて思ったよりも自然に二人で過ごせてしまった。
名前や連絡先を聞いてきたり食事に誘ってきたり、彼はどういうつもりなのだろう?
ハッキリと年齢は聞いたことはないが、見た感じ随分と若い。
時々、こちらの心臓に悪いぐらいドキリとするようなことをしてくるのも、彼が若いせいなのか・・・。
あの、写真はどうなったのだろう・・・撮れせてほしいと強請られて、ついOKしてしまった。酒が入っていたとはいえ、誰にも見せないでなんて、まるで女子みたいで思い出すたび恥ずかしくなる。
つい自分も、彼の写真をお願いしてしまった。居酒屋とはいえ、今どきのお洒落に飾り付けられたディスプレイをバッグに笑う彼は文句なくカッコいい。
酒が抜けて冷静になってから思い返すと恥ずかしいことが多かった。
毎日メッセージのやり取りはしているけれど、あの食事以来、直接会うのは初めてだ。
金井は健生に直接、一緒に行った食事が楽しかったとお礼が言いたくて席を立った。
「辻君!!」
健生が最後のダンボールを搬入し終わったところで、名前が呼ばれた。
間違いようのない、大好きな人の声だ。
「金井さん!!お疲れ様っす!」
「お疲れ様。」
「この前は、どうもありがとう。僕だけ飲んじゃって・・・ごめんね。」
「こちらこそ、ありがとうございます。気にしないでください!!俺、ほんと、普段から飲まないんで。」
わざわざ、これを言うために来てくれたのか、と思うと健生の胸は熱くなった。
相変わらず、歳も聞けなかったし家族構成も知らない。けれど、彼のこういった気遣いや優しさは、健生に希望を与え続けるのだ。
押したら、イケるんじゃね?と・・・。
「次の約束もできたの?良かったじゃん!!」
「マジ良かった!!ふわっとした感じだったから、なかったことにされたらどうしようかと思ってた!!」
林は、最近、健生の片思いに明るいものを感じている。この喫煙スペースで話を聞き始めた時は、完全に失恋覚悟だと思っていたが、今は成就する見込みが出てきた。
「次、どうすんの?違う店行くの?」
健生は、悩んでいた。勝負をしかけるなら3回目のデートで、というのは何かで聞いたことがある。
けれど、それを守っている女は知らない。隙さえあれば
いつでも自分に売り込んでくる。
「なぁ、2回目も飯だけにするべきか?」
「まぁ、普通だったら二人で出掛けたり誘われた時点で、なんとなく察するもんだけど・・・男同士だからなぁ・・・」
「何か・・・もうちょっと好意が伝わる何かをするべきか!?」
林は、とっさにヤバいと感じた。この男は、だいたいやり過ぎる。だからといって提案できるような、ちょうどいいレベルのものが急には出てこない。
「2回目なんだから、やりすぎんなよ!!2回目で失敗したら3回目はなくなるんだからなっ!!」
「やっぱ3回目のなのか?よく言うだろ?勝負をしかけるなら3回目のデートだって・・・」
聞いたことあるような・・・ないような?
なんか、こいつ、たまに少女マンガぽいな、と林は目の前のデカい強面イケメンを見ながら思った。
「かっこいいよねぇ・・・」
会社の女子社員が窓から外を覗いて、さえずっている。あぁ、きっと彼が来たのだと金井は分かってしまった。
辻 健生君・・・。
彼とは、ついこの間、一緒に食事に行った。きっと自分よりだいぶ年下であるのに、よく気を回してくれて思ったよりも自然に二人で過ごせてしまった。
名前や連絡先を聞いてきたり食事に誘ってきたり、彼はどういうつもりなのだろう?
ハッキリと年齢は聞いたことはないが、見た感じ随分と若い。
時々、こちらの心臓に悪いぐらいドキリとするようなことをしてくるのも、彼が若いせいなのか・・・。
あの、写真はどうなったのだろう・・・撮れせてほしいと強請られて、ついOKしてしまった。酒が入っていたとはいえ、誰にも見せないでなんて、まるで女子みたいで思い出すたび恥ずかしくなる。
つい自分も、彼の写真をお願いしてしまった。居酒屋とはいえ、今どきのお洒落に飾り付けられたディスプレイをバッグに笑う彼は文句なくカッコいい。
酒が抜けて冷静になってから思い返すと恥ずかしいことが多かった。
毎日メッセージのやり取りはしているけれど、あの食事以来、直接会うのは初めてだ。
金井は健生に直接、一緒に行った食事が楽しかったとお礼が言いたくて席を立った。
「辻君!!」
健生が最後のダンボールを搬入し終わったところで、名前が呼ばれた。
間違いようのない、大好きな人の声だ。
「金井さん!!お疲れ様っす!」
「お疲れ様。」
「この前は、どうもありがとう。僕だけ飲んじゃって・・・ごめんね。」
「こちらこそ、ありがとうございます。気にしないでください!!俺、ほんと、普段から飲まないんで。」
わざわざ、これを言うために来てくれたのか、と思うと健生の胸は熱くなった。
相変わらず、歳も聞けなかったし家族構成も知らない。けれど、彼のこういった気遣いや優しさは、健生に希望を与え続けるのだ。
押したら、イケるんじゃね?と・・・。
「次の約束もできたの?良かったじゃん!!」
「マジ良かった!!ふわっとした感じだったから、なかったことにされたらどうしようかと思ってた!!」
林は、最近、健生の片思いに明るいものを感じている。この喫煙スペースで話を聞き始めた時は、完全に失恋覚悟だと思っていたが、今は成就する見込みが出てきた。
「次、どうすんの?違う店行くの?」
健生は、悩んでいた。勝負をしかけるなら3回目のデートで、というのは何かで聞いたことがある。
けれど、それを守っている女は知らない。隙さえあれば
いつでも自分に売り込んでくる。
「なぁ、2回目も飯だけにするべきか?」
「まぁ、普通だったら二人で出掛けたり誘われた時点で、なんとなく察するもんだけど・・・男同士だからなぁ・・・」
「何か・・・もうちょっと好意が伝わる何かをするべきか!?」
林は、とっさにヤバいと感じた。この男は、だいたいやり過ぎる。だからといって提案できるような、ちょうどいいレベルのものが急には出てこない。
「2回目なんだから、やりすぎんなよ!!2回目で失敗したら3回目はなくなるんだからなっ!!」
「やっぱ3回目のなのか?よく言うだろ?勝負をしかけるなら3回目のデートだって・・・」
聞いたことあるような・・・ないような?
なんか、こいつ、たまに少女マンガぽいな、と林は目の前のデカい強面イケメンを見ながら思った。
0
あなたにおすすめの小説
タトゥーの甘い檻
マリ・シンジュ
BL
執着系わんこ攻(大学生)× 高潔な美形教授受(30代)
どのお話も単体でお楽しみいただけます。
「先生、ここ……僕の瞳を入れるから。ずっと、僕だけを見てて」
真面目な大学教授・新城が、大学生の・羽生にだけ許した、あまりにも淫らな「わがまま」。
それは、誰にも見えない内腿の奥深くに、消えないタトゥーを刻むこと。
「下書き」と称して肌を赤く染めるペン先の冷たさ。
アトリエの無機質なライトの下、四つん這いで晒される大人の矜持。
ずっと年下の青年の、必死で、残酷で、純粋な独占欲。
愚かだと知りながら、新城はその熱に絆され、ゆっくりと「聖域」を明け渡していく――。
「……お前のわがままには、最後まで付き合う」
針が通るその時、二人の関係は一生消えない「共犯」へと変わる。
執着攻め×年上受け、密やかに刻まれる秘め事のお話。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
病弱の花
雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。
定時後、指先が覚えている
こさ
BL
職場で長く反目し合ってきた二人。
それでも定時後の時間だけは、少しずつ重なっていく。
触れるはずのなかった指先。
逸らさなかった視線。
何も始まっていないのに、
もう偶然とは呼べなくなった距離。
静かなオフィスでゆっくりと近づいていく、
等身大の社会人BL。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
息の仕方を教えてよ。
15
BL
コポコポ、コポコポ。
海の中から空を見上げる。
ああ、やっと終わるんだと思っていた。
人間は酸素がないと生きていけないのに、どうしてか僕はこの海の中にいる方が苦しくない。
そうか、もしかしたら僕は人魚だったのかもしれない。
いや、人魚なんて大それたものではなくただの魚?
そんなことを沈みながら考えていた。
そしてそのまま目を閉じる。
次に目が覚めた時、そこはふわふわのベッドの上だった。
話自体は書き終えています。
12日まで一日一話短いですが更新されます。
ぎゅっと詰め込んでしまったので駆け足です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる