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もうバラしました

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「……数日前、城下町で女の子抱きましたよね?」
 シーズベルト様の眉がぴくりと動いた。いまいち感情までは分からない。
 もうすこし揺さぶることにした。
「その子、本当は自分は男だって言いましたよね。その美少女、オレなんですよ」
 シーズベルトは黙ったままだ。
 この目、めっちゃ疑ってるな。
 「どうしてそんなこと知っているんだ」と疑問に思いつつも、信用しきれない顔だ。
 ……仕方ない。
 あの日のことは、オレにとっても断トツ一位の大変な黒歴史で思い返したくもないのだが。

「『喉が渇いた』って言ったオレに、『ふうん。じゃあ大好きなミルクあげるね?』ってブツぶち込んできましたよね。で出したあとは『ごっくんしようねー』で口塞いできましたよね?
 で飲んだ後は『ご褒美だよー』ってぶち込んできましたよね?
 『イッてるからやめてください!」って言っても腰振ってきましたよね?マジイッてるときに強制的にさらにいかされるのきっついから。
 他にも他にも『ただしイケメンに限る』ってつけても際どいっつーかアウトなこと、いくつもいくつも。
 まだ言いましょうか?」

 オレが話すたびに、眉間の皺が増えたシーズベルト様は首を振った。
「……いや、いい」
 正直この攻撃は、オレのダメージもすっごくデカいので、これ以上繰り出さずに済むのは助かる。
 あの時の話でこんな反応見せるなんて、やっぱアーテル確定だな。

「確かに顔はちょっと可愛いが……。彼女には似てないな」
 オレの顔をじろじろ見ながらぶつぶつ言った声は耳に届かなかった。
 これでなんとか信じてもらえたかな?
 じゃあとっとと解放してくれー。
 オレの胸中をよそに、シーズベルト様がいきなりズボンのベルトに手を伸ばした。何を思ったかカチャカチャと外し始める。

「は?えっ?
 な、なんですか?」
 慌てて阻止しようと手を伸ばすが、非力なオレが敵うはずがない。
 シーズベルト様の手でベルトはあっさりはずされ、パンツごとズボンが引きずりおろされた。
 貧相なオレのものがこんにちはしている!
 なんだよ、こいつ両刀だったのか!?
 オレは違うぞ!
 リディアの処女は奪われたけど、アルバートの処女は断固として守るからな!
「男装かと思ったが、男なんだな」
 どうやら確認したかっただけのようで、脱がせたズボンを再び履かせてくれた。
 オレの心配は杞憂に終わった。
 よかった。
 マジよかった。
 余計な一言がなければ。

「……小ぶりだな」
「余計なお世話です」
 確かにあんたのご立派なのよりだいぶ控えめサイズだけども!
 なんなら一般男性の平均より小さい自覚はあるけども!
 いちいち言わなくていいじゃないか。




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