宇宙

あいみ

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第1話

再開

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2025年11月7日
あるニュースが世間を騒がせた。
そのニュースは日本をこえ世界で話題となった。
被害にあったのは3人。
僕の父 桜田 浩二(さくらだ こうじ)と、同僚の 伊藤 敏和(いとう としかず)、岡田 絢美 (おかだ あやみ)であった。
伊藤 敏和の娘の、伊藤 加奈子は僕と幼なじみであった。
そのニュースがでた時、僕らは10歳で、ある程度のことは理解していたつもりだったのだが、歳を重ねる度に多くの疑問が浮かんできた。
僕と加奈子は、その事件をもう一度整理するために大人になったら絶対に2人で協力し合おうと約束した。

それから15年がたった。
僕らが再開したのは25歳になった時だった。
僕のSNSにメッセージが届いた。
 
桜田 誠 さんへ
もしあなたがあの時の約束を覚えているなら、私と手を組みましょう
                           伊藤 加奈子

僕らは高校が違って、そのまま上京したので、お互い別々になっていた。
約束を忘れたのではなくて、疎遠になっていたため、どうしても会う機会がなかったのだ。
僕は加奈子と会えるのが少し嬉しくてでも、同時に緊張した。
これから、本当の事件の謎が解かれていくのだと確信を覚えたからだ。

加奈子との待ち合わせは
僕の実家からすぐ近くの、中学生の時よく通っていたカフェだった。
約束の時間は午後2時だったが、僕は1時半には到着していた。

約束通り、2時にカフェに入る音が聞こえた。加奈子だ、と思いふいに構えてしまった。
「久しぶり」
懐かしいその声が耳に伝わる。
中学生の頃より随分大人びて、頬が熱くなるのを感じた。
「久しぶり、、」
僕はなんて言ったらいいか分からずそんな返事をした。
「元気そうね、、」
加奈子とのぎこちない会話が始まった。
話して5分くらいたった時、
加奈子が本題を取り出した。
「実は私、警察官になったの。」
加奈子はあの事件をきっかけに警察官になることを決めていた。
夢が叶ったのだ。
「僕は、父さんと同じ会社に内定が決まったよ。」
加奈子は一瞬顔を強ばらせたが、いつもの笑顔に戻って、
「そうなんだね、、あ、そうだ。あの事件のこともう一度整理しましょう。」
加奈子は警察の資料書をテーブルに広げた。

僕らの父を奪った事件の内容はこうだ。
2025年11月7日
アメリカの宇宙基地から信号があった。
火星に向かったロケットが操縦を誤り大破したと。
乗員は3名皆、操縦の免許を持っておらず、しかも、宇宙飛行士ではない一般人だった。という、謎ばかりが残る事件であった。そのうち2人は僕らの父で、あと1人は、僕らが知らない人だった。加奈子は警察庁でこの事件を聞いて回ったが、この事件には一部の人しか関わっておらず、しかも、その関わった警察官は皆、警察を辞めている。
僕もあの時の事故の前、数日父が帰らなかったので、その時のことを元同僚だった人に聞いてみたのだが、何も知らないという。

今わかっている部分だけでは、到底事件を解決することはできない。
僕らの父に事件を説明して欲しいものだが、彼らはもう宇宙の塵となっている。
僕らの父を宇宙へ連れていったのはだれだ。
僕らの父を殺したのは、だれだ。
もし父らが殺されたのなら、時効である11月7日に成立してしまう。
今は7月2日、あと4ヶ月と少ししかない。
きっと、加奈子も焦っていると思う。

僕がそう考えていると、加奈子が口を開いた。

「岡田 絢美の身辺を洗ってみたんだけど、岡田さんには私達より2つ上の息子がいたみたい。でも、彼は岡田さんが亡くなった後、母子家庭だったから、祖父母へ預けられたみたい。」

「その岡田さんの息子にも事情を聞いてみたい」

「そうね、今度一緒に会いに行きましょう。」

「それにしても、時間が無い。僕に何か出来ることはあるか?」

「じゃあ、誠は、3人の関係を調べてくれる?どんな手段をつかってもいいわ。でも、刑事裁判になることは辞めてね、あと絶対自分が、桜田の息子と名乗らないこと。怪しまれるから。」

「わかった。じゃあ、次会う時は情報を整理しておくよ」

「ありがとう、また会える日は連絡するわ、じゃあ」

加奈子が店を出ていこうとした時、本能でつい、止めてしまった。

「あのさ、もしこの事件が解決出来たらさ、僕と、、」

「その時が、もし来たらね、」

僕の言葉を遮るように、加奈子は悲しそうに笑った。僕にはどういう意味があったのか、全く分からなかった。

カフェを出ると、もうには暮れかけて、綺麗な夕日が僕を包み込んだ。



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