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現代編 序章
第1話 戦争
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―― 時は西暦20XX年
世界は第三次世界大戦の戦火に包まれていた。
東京は核により壊滅、首都機能を名古屋へと移転。
その名古屋も本土上陸した敵が目前へと迫っていた。
自衛隊は厳しい戦闘を強いられていた。
北陸より上陸され、撤退に相次ぐ撤退により、前線は岐阜県まで押されていた。
岐阜山中の最前線では、僅かに生き残った部隊が撤退を始めていた。
部隊は郡上における戦闘で大敗を期し南下。
関まで撤退し新たな防衛拠点を築く予定である。
その戦闘の最中、二人の隊員が逃げ遅れ山の中で身を潜めていた……
一人は肩まである長めの髪に整った顔立ちをした男性である。
目つきは悪いものの、このような時代でなければ、街でナンパでもしていただろうと言う感じだ。
名前は 山崎 為次10式戦車の運転手担当である。
もう一人は少し背も高く、見た目もナイスガイで素敵な男性だ。
女には不自由しないであろう顔立ちであり、街を歩いているだけでモテるかも知れない。
名前は 水谷 正秀10式戦車の砲手担当である。
現在、彼らの位置は黒岳。
郡上より東に行った山の付近である。
「ねー、俺たち何でこんな方に来てる分け?」
為次は歩き疲れウンザリした表情で言った。
体力のある正秀は振り向くと、まだまだ余裕そうに返す。
「10式やられてから、銃弾の中を無我夢中で走ったからな」
「あー、うん…… そういや車長は無事かなぁ?」
「脱出時に腕だけあったのは確認したぜ」
「……そ、そうすか。はぁ、まぁ疲れちゃった」
もう、どうでもいい感じの為次は近くの岩に腰掛け地面を見つめると蟻が行列を成して行進しているのを見つけた。
近くに落ちていた木の枝を拾い進路を邪魔するように置くと正秀を見上げて言う。
「これから、どうしよっかねー」
「今更、南下したところで敵の制圧区だろうからな、包囲されてるようなものだぜ」
「マジすか」
「とは言ってもな。このままって分けにもいかないし、ここから南東にある御前ケ岳にでも行くか」
「御前ケ岳? なんかあるの?」
「自衛隊の研究施設だ、東京壊滅直後に向こうの方から移設したらしい」
「へぇー……」
「無事かは分からないけどな……」
為次は、おもむろに立ち上がると、腰のホルスターから拳銃を抜く。
「ここに居ても死ぬのを待つだけだしね、今夜の内に移動しますかー」
彼に唯一残った武器であるデザートイーグルの弾を確認する。
そんな自衛隊にはもちろん、日本にある筈もない拳銃を見る正秀は怪訝そうな顔をする。
「なんでお前そんなの持ってるんだ?」
「警察の押収品から貰ってきたの」
そう言いながら為次は月の光に照らされ銀色に光るデザートイーグルを見て笑った。
「本当に貰ったのかよ……」
「まあ、細かいことは置いといてねぇ」
正秀は呆れて、それ以上は何も言わなかった。
只、羽虫の死骸を運ぶアリが邪魔そうに枝を迂回するのを見るだけであった。
そして、彼らは暗闇の中で移動を開始する。
時折見える灯りや銃声を避けるように……
御前ケ岳の方面へと……
※ ※ ※ ※ ※
しばらく進むと、壊れて殆ど役に立ってない柵が見えてきた。
その内側には崩れかけた白い建物が建っている。
どうやら、この建物が正秀の言っていた自衛隊の研究施設らしい。
「ここだな、なんとか無事に見つからず来れたようだぜ」
正秀はそう言いながらも、廃墟を前に為次から目を逸らしていた。
「ボロボロなんすけど……」
「お、おう……」
「まあいいや、何か使えそうな物がないか探してみましょか」
「だな」
今にも崩れそうな建物に入ると、中は散乱しており人影はまったく無かった。
「はぁ…… ただの廃墟だねこりゃ」
疲れと目的地の惨状に為次は益々ウンザリ気味に言った。
床に散らばった薬莢を蹴飛ばしながら進むと、奥に扉が見えてきた。
為次は扉に近づきドアノブに手を掛けるが……
ガチャ ガチャ
「うーん、開きませんよ」
歪んでいるのだろうか?
押しても引いても開かない。
「別に扉から入らなくても、そっちの穴から行けるだろ」
正秀は近くの壁を指して言った。
「ん? こっち?」
見ると確かに壁が崩れて穴が開いていた。
二人は、その穴から隣の部屋に入って行く。
そこは、鉄骨が剥き出しの広い部屋で、どうやら倉庫か車庫かと思われる。
為次は広い部屋の片隅を見ると、何やら戦車らしきものが確認できた。
「っ!?、戦車っス!」
「ほんとか? 何処だ?」
暗闇の中、目を凝らしながら更に確認してみる為次。
「こ、これは…… レオ2、長いお鼻にNATO迷彩、A6かな? まだ綺麗だお。なんでこんな物がここにあんの?」
「研究施設だからな、研究の為に輸入したんだろう。多分」
正秀の説明をよそに、為次は車体によじ登ると車長ハッチを開けて中に入った。
戦車兵である彼らにとってみれば、生産国は違えども同じ戦車だ。
ある程度は知ったものである。
「うんしょ、うんしょ」
車長席の下にある砲手席の更に下にある穴から運転席に入ることができる。
ドイツの戦車であるレオパルト2は、運転手ハッチが狭い。
ハッチの直ぐ上に楔型の装甲が覆いかぶさっており邪魔だ。
なので、こちらから出入りすることが多い。
運転席に着くと、しばらく周りを見回して色々と確認をしてみる。
「これか…… 燃料は満タン、電圧も問題ないな。頼む、動いてくれよ」
レオパルト2のエンジンスイッチを入れる。
すると、ディーゼルエンジンが轟音を鳴り響かせ唸りを上げた。
ドゥルルルルル!
それに慌てたのは正秀である。
咄嗟に運転手ハッチを叩きながら叫ぶ。
「ば、バカやろう! 何やってんだよ!」
「えー、何って、これで部隊と合流するの」
「そんなことじゃない! 敵に見つかるだろ!」
「かまうかっ、どうせこのままだとすぐ見つかって殺されちゃうんだから今でも後でも同じでしょ」
「くそっ!」
悪態をつく正秀は、すぐに車長席に着くと、砲塔の稼働、残弾数などの確認を始める。
「問題ない、砲弾もじゅうぶんあるようだぜ」
「はいはい」
「砲手席だと装填に手間がかかるから、俺は車長席だがいいな?」
砲手席は車長席の前下にあり、装填手席は車長席の左隣にある。
つまり、砲手席から装填手席に移動するのは大変なのだ。
「もちろん構いませんよ。砲手謙、装填手兼、車長さん、頑張って下さい」
「やはり自動装填じゃないと面倒臭いぜ」
10式には砲弾の自動装填装置が付いていた。
その為に乗員は3名でよかった。
しかし、このレオパルト2は違う。
昔ながらの人力による砲弾の装填が必要なのだ。
本来は四人で運用すべき車両であるが、今は二人しか居ない。
「すまねーな、発射速度が可なり落ちそうだぜ」
「まあ、仕方ないよ。嘆いていてもどうにもならんでしょ」
「ははっ、お前のその楽観主義なとこは少しは見習った方がいいかな」
為次は戦車を動かし始めると、脆くなった壁を突き破り建物の外へと移動し始める。
それに合わせ、何も言わずに政秀は砲塔を後ろへと旋回させる。
砲身が傷まないようにする為だ。
戦車が建物の外へ出ると、政秀は直ぐに車長席のパノラマサイトを覗き周囲の警戒にあたる。
逆に為次はペリスコープを覗くのをやめると、運転手ハッチを開け頭だけを出す。
その方が周りが見やすいからだ。
「とりあえず、このまま南へ突っ切るしかないね」
「だな。周囲に敵影も見当たらないようだぜ」
「うひゃひゃ。こりゃ、ついてるねぇ」
稼働可能状態の戦車を拾い、敵影も見当たらない状況に為次はご機嫌だ。
「ドローンも今のところは大丈夫みたいだな」
ドローン……
戦闘方法を大きく変えてしまった兵器。
複数のプロペラで空を飛ぶ無人機である。
電気で動くのだが蓄電技術の発達により、大型でありながら数週間も飛び続けることが可能だ。
このドローンにそれぞれレーダーシステムやミサイルを搭載する。
まず、レーダードローンが航空機を捉えると、次にその方向を望遠カメラで観測する。
カメラで捉えた画像をAIが既存のデータと照合し、敵味方の判別及び脅威度を判定する。
敵と判断した場合、レーザー通信により近くのミサイルドローンに撃墜要請をし、標的に向かってミサイルが発射されるのだ。
中にはジェットエンジンを搭載した物もあり、通常時はプロペラで浮いているのだが、緊急時には高高度までの迎撃任務も果たす。
その上、ほぼ自律行動でありジャミングも効かない。
この一連のシステムを常時、空に浮かべておくことで戦闘機は殆ど無力となった。
もちろんドローンも撃墜されるのだが、コストが非常に安価でありミサイルよりも安く、高価な戦闘機では割が合わなくなった。
地上を観測するドローンもあるが、偽装されるとカメラでの識別が困難な為に、どうしても人の操作によって確認する必要がある。
その為に、ジャミングに弱かった。
このドローンの出現により、現在の戦闘では地上戦が主体となっていた。
「ふんふふふ~ん♪」
「なんだ為次、ご機嫌じゃないか」
「ふふ♪」
そんな中、為次は鼻歌まじりで戦車を運転しながら思う……
例え強固な装甲に守られ、鋼鉄をも撃ち抜く砲を装備してるとは言え、所詮は戦車1両だ。
敵の1個小隊程度であろうとも撃ち合えば、ただでは済まないだろう。
ましてや、敵の最前線の部隊を抜けなければ帰還の目処も無い。
これが最後のドライブになるかも。
と……
だから鼻歌を歌っていた。
少しでも気を紛らわそうと。
そして二人は一路、関を目指すのであった。
世界は第三次世界大戦の戦火に包まれていた。
東京は核により壊滅、首都機能を名古屋へと移転。
その名古屋も本土上陸した敵が目前へと迫っていた。
自衛隊は厳しい戦闘を強いられていた。
北陸より上陸され、撤退に相次ぐ撤退により、前線は岐阜県まで押されていた。
岐阜山中の最前線では、僅かに生き残った部隊が撤退を始めていた。
部隊は郡上における戦闘で大敗を期し南下。
関まで撤退し新たな防衛拠点を築く予定である。
その戦闘の最中、二人の隊員が逃げ遅れ山の中で身を潜めていた……
一人は肩まである長めの髪に整った顔立ちをした男性である。
目つきは悪いものの、このような時代でなければ、街でナンパでもしていただろうと言う感じだ。
名前は 山崎 為次10式戦車の運転手担当である。
もう一人は少し背も高く、見た目もナイスガイで素敵な男性だ。
女には不自由しないであろう顔立ちであり、街を歩いているだけでモテるかも知れない。
名前は 水谷 正秀10式戦車の砲手担当である。
現在、彼らの位置は黒岳。
郡上より東に行った山の付近である。
「ねー、俺たち何でこんな方に来てる分け?」
為次は歩き疲れウンザリした表情で言った。
体力のある正秀は振り向くと、まだまだ余裕そうに返す。
「10式やられてから、銃弾の中を無我夢中で走ったからな」
「あー、うん…… そういや車長は無事かなぁ?」
「脱出時に腕だけあったのは確認したぜ」
「……そ、そうすか。はぁ、まぁ疲れちゃった」
もう、どうでもいい感じの為次は近くの岩に腰掛け地面を見つめると蟻が行列を成して行進しているのを見つけた。
近くに落ちていた木の枝を拾い進路を邪魔するように置くと正秀を見上げて言う。
「これから、どうしよっかねー」
「今更、南下したところで敵の制圧区だろうからな、包囲されてるようなものだぜ」
「マジすか」
「とは言ってもな。このままって分けにもいかないし、ここから南東にある御前ケ岳にでも行くか」
「御前ケ岳? なんかあるの?」
「自衛隊の研究施設だ、東京壊滅直後に向こうの方から移設したらしい」
「へぇー……」
「無事かは分からないけどな……」
為次は、おもむろに立ち上がると、腰のホルスターから拳銃を抜く。
「ここに居ても死ぬのを待つだけだしね、今夜の内に移動しますかー」
彼に唯一残った武器であるデザートイーグルの弾を確認する。
そんな自衛隊にはもちろん、日本にある筈もない拳銃を見る正秀は怪訝そうな顔をする。
「なんでお前そんなの持ってるんだ?」
「警察の押収品から貰ってきたの」
そう言いながら為次は月の光に照らされ銀色に光るデザートイーグルを見て笑った。
「本当に貰ったのかよ……」
「まあ、細かいことは置いといてねぇ」
正秀は呆れて、それ以上は何も言わなかった。
只、羽虫の死骸を運ぶアリが邪魔そうに枝を迂回するのを見るだけであった。
そして、彼らは暗闇の中で移動を開始する。
時折見える灯りや銃声を避けるように……
御前ケ岳の方面へと……
※ ※ ※ ※ ※
しばらく進むと、壊れて殆ど役に立ってない柵が見えてきた。
その内側には崩れかけた白い建物が建っている。
どうやら、この建物が正秀の言っていた自衛隊の研究施設らしい。
「ここだな、なんとか無事に見つからず来れたようだぜ」
正秀はそう言いながらも、廃墟を前に為次から目を逸らしていた。
「ボロボロなんすけど……」
「お、おう……」
「まあいいや、何か使えそうな物がないか探してみましょか」
「だな」
今にも崩れそうな建物に入ると、中は散乱しており人影はまったく無かった。
「はぁ…… ただの廃墟だねこりゃ」
疲れと目的地の惨状に為次は益々ウンザリ気味に言った。
床に散らばった薬莢を蹴飛ばしながら進むと、奥に扉が見えてきた。
為次は扉に近づきドアノブに手を掛けるが……
ガチャ ガチャ
「うーん、開きませんよ」
歪んでいるのだろうか?
押しても引いても開かない。
「別に扉から入らなくても、そっちの穴から行けるだろ」
正秀は近くの壁を指して言った。
「ん? こっち?」
見ると確かに壁が崩れて穴が開いていた。
二人は、その穴から隣の部屋に入って行く。
そこは、鉄骨が剥き出しの広い部屋で、どうやら倉庫か車庫かと思われる。
為次は広い部屋の片隅を見ると、何やら戦車らしきものが確認できた。
「っ!?、戦車っス!」
「ほんとか? 何処だ?」
暗闇の中、目を凝らしながら更に確認してみる為次。
「こ、これは…… レオ2、長いお鼻にNATO迷彩、A6かな? まだ綺麗だお。なんでこんな物がここにあんの?」
「研究施設だからな、研究の為に輸入したんだろう。多分」
正秀の説明をよそに、為次は車体によじ登ると車長ハッチを開けて中に入った。
戦車兵である彼らにとってみれば、生産国は違えども同じ戦車だ。
ある程度は知ったものである。
「うんしょ、うんしょ」
車長席の下にある砲手席の更に下にある穴から運転席に入ることができる。
ドイツの戦車であるレオパルト2は、運転手ハッチが狭い。
ハッチの直ぐ上に楔型の装甲が覆いかぶさっており邪魔だ。
なので、こちらから出入りすることが多い。
運転席に着くと、しばらく周りを見回して色々と確認をしてみる。
「これか…… 燃料は満タン、電圧も問題ないな。頼む、動いてくれよ」
レオパルト2のエンジンスイッチを入れる。
すると、ディーゼルエンジンが轟音を鳴り響かせ唸りを上げた。
ドゥルルルルル!
それに慌てたのは正秀である。
咄嗟に運転手ハッチを叩きながら叫ぶ。
「ば、バカやろう! 何やってんだよ!」
「えー、何って、これで部隊と合流するの」
「そんなことじゃない! 敵に見つかるだろ!」
「かまうかっ、どうせこのままだとすぐ見つかって殺されちゃうんだから今でも後でも同じでしょ」
「くそっ!」
悪態をつく正秀は、すぐに車長席に着くと、砲塔の稼働、残弾数などの確認を始める。
「問題ない、砲弾もじゅうぶんあるようだぜ」
「はいはい」
「砲手席だと装填に手間がかかるから、俺は車長席だがいいな?」
砲手席は車長席の前下にあり、装填手席は車長席の左隣にある。
つまり、砲手席から装填手席に移動するのは大変なのだ。
「もちろん構いませんよ。砲手謙、装填手兼、車長さん、頑張って下さい」
「やはり自動装填じゃないと面倒臭いぜ」
10式には砲弾の自動装填装置が付いていた。
その為に乗員は3名でよかった。
しかし、このレオパルト2は違う。
昔ながらの人力による砲弾の装填が必要なのだ。
本来は四人で運用すべき車両であるが、今は二人しか居ない。
「すまねーな、発射速度が可なり落ちそうだぜ」
「まあ、仕方ないよ。嘆いていてもどうにもならんでしょ」
「ははっ、お前のその楽観主義なとこは少しは見習った方がいいかな」
為次は戦車を動かし始めると、脆くなった壁を突き破り建物の外へと移動し始める。
それに合わせ、何も言わずに政秀は砲塔を後ろへと旋回させる。
砲身が傷まないようにする為だ。
戦車が建物の外へ出ると、政秀は直ぐに車長席のパノラマサイトを覗き周囲の警戒にあたる。
逆に為次はペリスコープを覗くのをやめると、運転手ハッチを開け頭だけを出す。
その方が周りが見やすいからだ。
「とりあえず、このまま南へ突っ切るしかないね」
「だな。周囲に敵影も見当たらないようだぜ」
「うひゃひゃ。こりゃ、ついてるねぇ」
稼働可能状態の戦車を拾い、敵影も見当たらない状況に為次はご機嫌だ。
「ドローンも今のところは大丈夫みたいだな」
ドローン……
戦闘方法を大きく変えてしまった兵器。
複数のプロペラで空を飛ぶ無人機である。
電気で動くのだが蓄電技術の発達により、大型でありながら数週間も飛び続けることが可能だ。
このドローンにそれぞれレーダーシステムやミサイルを搭載する。
まず、レーダードローンが航空機を捉えると、次にその方向を望遠カメラで観測する。
カメラで捉えた画像をAIが既存のデータと照合し、敵味方の判別及び脅威度を判定する。
敵と判断した場合、レーザー通信により近くのミサイルドローンに撃墜要請をし、標的に向かってミサイルが発射されるのだ。
中にはジェットエンジンを搭載した物もあり、通常時はプロペラで浮いているのだが、緊急時には高高度までの迎撃任務も果たす。
その上、ほぼ自律行動でありジャミングも効かない。
この一連のシステムを常時、空に浮かべておくことで戦闘機は殆ど無力となった。
もちろんドローンも撃墜されるのだが、コストが非常に安価でありミサイルよりも安く、高価な戦闘機では割が合わなくなった。
地上を観測するドローンもあるが、偽装されるとカメラでの識別が困難な為に、どうしても人の操作によって確認する必要がある。
その為に、ジャミングに弱かった。
このドローンの出現により、現在の戦闘では地上戦が主体となっていた。
「ふんふふふ~ん♪」
「なんだ為次、ご機嫌じゃないか」
「ふふ♪」
そんな中、為次は鼻歌まじりで戦車を運転しながら思う……
例え強固な装甲に守られ、鋼鉄をも撃ち抜く砲を装備してるとは言え、所詮は戦車1両だ。
敵の1個小隊程度であろうとも撃ち合えば、ただでは済まないだろう。
ましてや、敵の最前線の部隊を抜けなければ帰還の目処も無い。
これが最後のドライブになるかも。
と……
だから鼻歌を歌っていた。
少しでも気を紛らわそうと。
そして二人は一路、関を目指すのであった。
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