異世界に吹っ飛ばされたんで帰ろうとしたら恐怖の触手怪人現る

おっぱいもみもみ怪人

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第6話 恐怖の触手怪人誕生す

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 人類怪人化計画

 もりもり博士の悲願である。

 人が怪人となれば特殊な能力を持った新たなる人類が生まれる。
 科学の力によって次のステップに進化できるならば、間違いなく人類の繁栄は約束されることであろうとの思いからだ。
 もっとも、今はそれどころではない。
 謎の蛸怪人によって政府は乗っ取られている現状をどうにかしなければ、進化どころか人類の存亡すら危ういのだ。

 「で、どうすんの」

 すぐにでも改造してもらいたい為次は訊いた。
 するともりもり博士は傍らにある手術台を指しながら言う。

 「よかろう、そこのベッドに横になるのじゃ」

 「え、これって……」

 と、上を見る。
 そこには天井からアームに繋がれたドリルやノコギリなどが沢山ぶら下がっていた。
 為次はてっきり人が入れる程のガラス管で改造するのだと思っていたのだが……

 「何をしておる? 早く横になるのじゃ」

 「このベッドでやんの?」

 「当然じゃ」

 「なあ為次、俺は不安しかないぜ」

 「う、うん……」

 「とっととするのじゃ! ほれっ」

 ドンッ

 もりもり博士は為次を突き飛ばした。

 「うわっ」

 よろけて手術台に転がると同時にガシャガシャと拘束具が出てきて、身動きが取れなくなってしまった。

 「タメツグ様が捕まってしまったのです。スイも縛ってほしいのです」

 「スイちゃん……」

 「では、早速始めるかのう」

 「ちょ、ま……」

 問答無用で改造手術に取り掛かるもりもり博士。
 近くの機械を弄るとぶら下がっている機器が降りてきた。

 ギュィィィン チュイーン ギギギギギッ

 「にぎゃぁぁぁぁぁっ!!」

 有無を言わさずドリルが腹に穴を開け、ノコギリが四肢を切断する。
 麻酔も打ってくれないので尋常ではない激痛が走る。
 しかも、ナノマシンのせいで気絶すらできない始末だ。

 「やかましいのう、男なら我慢せんか」

 「無理無理無理! 死ぬぅ、いぎゃぎゃぎゃぎゃ!!」

 ドドドドッ チュイーン チュイーンッ

 おろし金みたいなので皮を剥がれ、出刃包丁みたいなので筋を切られる。
 為次は行きも絶え絶え、あっという間に瀕死状態で見ている方が痛々しい。

 「うっぶ…… うっぶ……」

 今しがた聞こえていた悲鳴もなくなり、血の泡を吹いていた。

 「こりゃ、さすがにヤバイぜ……」

 「タメツグ様は蟹さんになられました」

 「うーむ、おかしいのう……」

 「おかしいって、大丈夫だよな? もりもり博士」

 「お、おお。大丈夫、大丈夫じゃ。何も心配は要らぬ。多分の……」

 視線は宙に浮きしどろもどろで、あからさまに大丈夫ではない様子だ。

 「うぉ…… スイちゃん! ヒールポーションだ。ヒールポーションをぶっかけるんだぜ!」

 「なぅ? はいです。エンチャントヒールです」

 言われるようにヒールポーションを作ると、小瓶からチョロチョロと為次にかける。

 「スイちゃん、もっとだ! もっと大量にかけないと死んでしまうぜ!」

 「はうぅ!? タメツグ様が死んだら駄目なのです」

 「お、おう」

 あたふたするスイを横目に正秀は近くに何か無いかと探す。

 「マサヒデ様! ポーションセットが全然足らないのです。うぇぇぇん、なんとかしてほしいのですぅ…… わぁぁぁん、マシャヒデざまぁっ」

 「ちょっと待つだスイちゃん。おっ、アレだ」

 見つけたのは水道の近くに転がるホースであった。
 急いで繋げると蛇口を捻って為次にぶっかける。

 「よし、スイちゃんヒールをかけまくるんだっ」

 「うぇぇぇ…… はいです。エンチャントぐすっ…… ヒール」

 ジョボ ジョボ ジョボ……

 ホースから出ている水から湯気が立っている。
 どうやら間違えてお湯を出してしまったようだ。
 それでも相変わらずヒールの効果は絶大だ。

 「うげぇぇっぇ!? 痛だだだだだ、じぬぅぅぃ」

 為次の喚き声が復活してきた。
 だが、天井から吊るされた大工道具や調理器具は容赦なく身体をグチャグチャにしていく。

 「お主らは何故お湯をかけておる!? 気でも狂ったか?」

 もりもり博士の言い分はもっともである。
 どう見ても腐乱死体のホースでお湯をかける気が狂った人にしか見えない。

 「いいから、もりもり博士は早く改造手術を進めてくれっ」

 「う、うむ。分かっておる……」

 ギコギコギコ ウィーン ドドドド

 「エンチャントヒール! エンチャントヒール! エンチャントヒール!」

 ジョボ ジョボ ジョボ

 「うぎゃぁぁぁぁぁ!」

 ドコドコドコ ベリベリベリ チュイーンッ

 「エンチャントヒール! エンチャントヒール! エンチャントヒール!」

 ジョボ ジョボ ジョボ

 「ぎぇぇぇぇ…… 死ぬぅぅぃ…… 痛ーい!!」

 バキバキドコ ギコギコギコ ドンドコドン

 「エンチャントヒール! エンチャントヒール! エンチャントヒぃぃぃぃぃル!」

 ジョボ ジョボ ジョボ……

 「ぬぎゃぁっぁっぁっ」

 変な工具に身体をグチャグチャにされヒールで回復する。
 それの繰り返しであった。

 いつ終わるとも知れない悲惨な改造手術は延々と続くのであった。

 ……………
 ………
 …

 ―― 3時間後

 「ふうぅ、良し? 完成じゃ? 成功じゃ?」

 ジョボ ジョボ ジョボ……

 「なんで疑問文なんだよっ」

 改造手術は一応のとこ終わったらしいが、為次の見た目は至って普通であった。
 もりもり博士は首を傾げ、魔力を使い切ったスイは水浸しの床でひっくり返っている。

 ジョボ ジョボ ジョボ……

 「あっついわっ! なんで熱湯かけてんのっ!」

 お湯をかけ続けられる為次は飛び起きた。

 「お、為次起きたか」

 「もー、ベタベタだよ」

 「悪りぃ、悪りぃ」

 水道を止めながら、まったく悪びれる様子のない正秀。
 掛けていなかったら死んでいたかも知れないので当たり前だが。

 「はー、死ぬかと思ったは」

 「スイちゃんに礼を言っとけよ、ずっとヒールしててくれたんだからな」

 「えー……」

 床を見るとスイが虚ろな目で為次を見ている。
 何か言いたそうではあるが、喋る元気も無いらしい。
 口をパクパクさせながら転がっていた。

 そんなスイを気にもせずもりもり博士は為次に問いかける。

 「おかしいのう…… タメツグよ何も変わりはないのか?」

 「あー、うん」

 「ふーむ……」

 「これだけ苦労して失敗なのか? もりもり博士」

 苦労したといえども、仲間が変な怪人になっていないので正秀は少し安心していた。

 「成功した筈じゃがの……」

 「多分、成功してるよっ、と」

 為次は手術台から飛び起きると扉へと向かう。

 「どこ行くんだよ?」

 「ちょっと待ってて」

 そう言い残すと研究室から出て行ってしまった。

 ……………
 ………
 …

 待つこと30分、為次が戻って来た。

 「ただいま」

 「何してたんだよ?」

 「レオでナノマシンの調整してた」

 「んん? 調整?」

 「ナノマシンじゃと?」

 「爺さん手術は成功してたよ」

 「何も変わっておらん様子じゃが……」

 「ナノマシンが人体の形状維持をするからね、設定を変えて触手形態も俺だよって登録したの」

 「じゃあ触手怪人に変身できるってことなのか?」

 「うん。見てて」

 次の瞬間、為次の体がドロドロと溶け出して着ていた服を内側へと取り込み始めた。
 皮膚の色は赤黒く変色し、肉は液状化していく。
 見るみる内に人間の姿は原型を無くし縦長の肉塊となってしまった。
 本体はまるでスライムのようだが、そこら中から触手が生えており一本々がウニウニと動いているので気持ち悪い。
 スケッチブックに描かれていた触手怪人そのものであった。

 「もぐ、もぐもぐ(どう? 凄いでしょ)」

 「マジかよ……」

 「おおっ! これは素晴らしい! 大成功じゃ!」

 もりもり博士は大興奮であるが、正秀はかなり引いてる様子だ。

 「もぐぐも(スイを拾っとこう)」

 もぐもぐ言いながらスイに触手を絡め持ち上げると、そのまま手術台に寝かす。
 触手でもお姫様抱っこをされて一応は嬉しそうではあるが、魔力が枯渇しているので微妙な動きしかできない。

 「なあ為次、さっきからもぐもぐだけで何言ってるか分かんねーぜ」

 「も(え?)」

 「人型以外は喋れんからのう」

 「もぐもも(マジかよ)」

 どうやら声帯が人とは違うようで、まともには発音できないようだ。
 仕方ないので人間の姿に戻る為次。
 服は体内に取り込んだのを再利用可能なので便利だが、着替えるシーンは気持ち悪い。

 「ほんとに良かったのか? 為次。ハッキリ言って気持ち悪いぜ」

 「いやいや、見た目もカッコいいし何より便利なんだってば」

 「そうか?」

 「だってほら」

 と、腕を伸ばすと人間の姿のままで手から触手がニョロニョロと出て来た。
 横になっているスイの頬をペシペシと叩いてみる。

 「なぅー……」

 「どうどう? 好きなとこから何本でも出せるよ」

 「もう完全に人間じゃなくなっちまったな……」

 「マサも改造してもらいなよ」

 「冗談じゃねーぜ」

 そんな為次の様子を見るもりもり博士は腕を組みながら頷き納得している。

 「これで人類怪人化計画に、また一歩近づいたわい」

 「なんだよ、その変な計画は……」

 「人を強制的に進化をさせ人類を新たなるステージへと進ませるのじゃ」

 「頭、大丈夫か?」

 「んま、無理だからどうでもいいでしょ」

 「何が無理なのじゃ、こうして人体改造も成功しておろうが」

 「ハッキリ言って普通の人間じゃ改造に耐えれんよ」

 「じゃがタメツグ、お主は耐えたじゃろう?」

 「俺達は特別製だし、スイがヒールしててくれたみたいだから」

 「それでも、かなりヤバかったぜ」

 「ふーむ…… まだまだ改良の余地は必要かのう」

 「んま。とりあえず、これでピーチエール攻略作戦ができるよ」

 「攻略作戦? 為次、あんまり変なことするなよ」

 「何か良い案でもあるのかの?」

 「ムフフ。まあまあ、そう焦らないで今日はゆっくりして明日からにしよう、そうしよう。スイもぐったりしてるし」

 「…………」

 為次の嫌らしい笑いに正秀は不安を拭えないが、久しぶりの地上に、はしゃぎたい思いの方が強い。
 なので深くは追求せずに黙っておいた。

 元々の目的が食料補給と散歩である以上は正直、この星がどうなっても構わない。
 当然、人道的な面があるので無茶のし過ぎは駄目なのは皆も分かっている。
 文明に対して深入りしないように心掛けて楽しむのが一番だ。

 「では、楽しみは明日にするかのう」

 「おう。んじゃ今日は休もうぜ」

 「まだ夜まで時間がだいぶ有るけどね」

 「だな…… 1日が長いぜ……」

 自転の遅さに辟易する三人であるが、これには慣れるしかない。

 適当に時間を潰しながら1日を終えるのであった……
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