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第7話 触手怪人の触手を食す
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―― 翌朝
もりもり博士を含め皆は手術台に並べてある朝食を食べていた。
大きなテーブルが無いので代わりに食卓として使っているのだ。
天井にぶら下がっている工具が落ちてきそうだが特には気にしない連中である。
身の回りの世話は量産型怪人がしてくれている。
昨日、助けた3匹の量産型なのであろうか? 意外と親切だ。
「為次…… 手で食べろよ……」
「だってぇ……」
為次は触手を器用に使い食べ物を口に運んでいた。
5本も出しており、食卓でウネっているので他の人にとっては極めて煩わしい。
だが、お構い無しに触手を伸ばして大皿から唐揚げを摘もうとする。
グサッ
「いぎゃぁ!?」
触手に激痛が走り慌てて引っ込める。
見ると先っぽにフォークが突き刺さっていた。
スイも唐揚げを取ろうとして誤って触手を刺してしまったらしい。
「はう、スイのフォークを返してほしいのです」
「もー……」
「為次が悪いんだぜ、横着ばかりして」
「そんなに羨ましがらなくていいよ」
「全然、羨ましく無いんだぜ……」
「はいはい。ところで今日の予定は?」
「儂かの?」
「うん」
「お主の作戦とやらを聞いてからと思っていたのじゃが」
「ああ、そっか」
「聞かせてもらえるかの?」
「下らない作戦立てるなよ、為次」
「いやもう完璧だって」
と、自信満々で話す作戦内容はこうである。
魔法少女を仲間にしてしまえば以後の戦闘はやらなくて済むとのことだ。
もちろん二つ返事で仲間になるなど有り得ないのは百も承知である。
だから洗脳をしてしまおうとの魂胆らしい。
傷めつけても逆効果なのは理解している。
ならば快楽を与えてやろうとの、エロゲー脳の算段である!
「と言う分けで、俺様の触手を使って凌辱の限りを尽くすのだっ!!」
「死ね」
グサッ
「痛ってーぇぇぇっ!?」
有無を言わさず、正秀にフォークで触手をぶっ刺されてしまった。
「前々から頭がおかしいと思ってたが、ここまでとはな……」
「何すんの、もー」
「フォークは返してもらうのです」
スイが2本のフォークを抜くと、傷痕からピュッピュッと緑色の体液が飛び出し唐揚げにかかった。
「汚ねぇなぁ、食えなくなっただろ」
「大丈夫だってば」
正秀は嫌悪感丸出しの目で為次を見るが、もりもり博士は意外と乗り気のようだ。
緑汁の付いた唐揚げを為次の皿に取り分けながら言う。
「中々に面白い作戦じゃのう」
「でしょでしょ」
「もりもり博士まで何を言ってんだよ」
「だって考えてごらんよマサ。毎回ピーチエールを殴り飛ばすのってはどうなの? それこそ可愛そうでしょ」
「うるせぇよ。タブレットん中のエロゲー全部消すぞ」
「うぶぁ!? なんで知ってるし……」
「戦闘中に車内で遊んでりゃ分かるだろっ」
「ぬぐぐぐ…… まだ3本遊んでないのあるからやめて」
「じゃがのうマサヒデよ」
「なんだよ? もりもり博士」
「こ奴の言うことも、もっともじゃ」
「はぁ?」
「ピーチエールを仲間にしてしまえば、ことは平和的に進むじゃろうて。政府を乗っ取るアブベーンを誘き出すにも好都合じゃ」
「いやまあ…… 確かにそうだけどな……」
「あの娘もむにゅりんによって洗脳じゃか騙されておるかで、その心を解き放ってやるのも必要じゃろう」
「うーん、もっともらしくは聞こえるが…… 何か違うような気がするぜ」
「まあまあ細かいことは置いといて、爺さんの作戦で魔法少女を誘い出してから実践しよう。そうしよう」
「仕方ねーな……」
正秀は腑に落ちない表情をしながらも、渋々了承するのであった。
スイはといえば、興味は無いといった感じで唐揚げを食べながら口の周りにマヨネーズを付けまくっている。
「スイ、口にいっぱい付いてるよ」
優しい為次は触手で拭いてあげようとするが……
「もぐもぐ…… もがっ!?」
ブチ ブチ ブチ
「いぎゃぁぁぁっ!」
先っぽを噛み千切られてしまった。
痛みのあまり振り回す触手から再び緑汁が食卓へと飛び散る。
「もっちゅ、もっちゅ…… ごくん。はう? タメツグ様どうされました?」
「俺の触手食べないでよっ!」
「なぅー?」
「スイちゃん……」
……………
………
…
なんだかんだで悲惨な朝食を皆は食べ終わった。
量産型怪人の片付けが終わると、早速ブリーフィングタイムである。
もりもり博士が得意気に作戦内容を話してくれる。
「今回の作戦は極めて危険が伴う。皆、心してかかるのじゃぞ」
「なんでもいいから、はよ」
「どうせまた下らない作戦だろ」
「ですです」
「お主ら…… まあ良い…… では本日の作戦じゃが、その名もマンホール強奪作戦じゃ!」
「「はぁー……」」
予想通りの下らなさに為次と正秀は溜息を漏らす。
それでも、もりもり博士はドヤ顔で続けるのだ。
「街のマンホールを奪えば人が落ちてトンデモナイことになってしまうのじゃ。じゃが敢えて実行することによってマンホールを再び設置する必要がある」
「マンホールって秘密基地の通路の出入り口じゃぁ……」
地下水路の主な出入り口であるマンホールを撤去するのはどうかと思う為次。
しかし、もりもり博士は気にもせず説明を続ける。
「当然マンホールは金属製じゃ。政府が黙って見過ごす分けがない。小娘は否応なしに現れること間違い無しじゃ!」
「まあいいか、んで今回の怪人は?」
「為次怪人が居るのに普通の怪人も要るのか?」
「……だって、俺一人だとエッチなことが……」
「ああ、だったな。為次、お前って女が苦手だったもんな」
「言わないでよ……」
「スイならいつでも練習に使って下さいなのです。ふんすっ」
と、為次に擦り寄る。
「使わないから……」
「んで、怪人ってのは?」
正秀が訊くともりもり博士はガラス管へ近寄り、何やら操作を始める。
「今回はタメツグのリクエストに応えた力作じゃ」
「為次の?」
大きなレバーを下ろしながら叫ぶもりもり博士。
「出でよっ! クラゲ怪人、お主の恐ろしさを皆に見せつけるのじゃ!!」
ガラス管の中にあった謎の液体が無くなると同時に扉が開く。
中からは頭部が半透明で髭のように触手を生やす怪人が出て来た。
「クラーッ、クラックラ。俺様がクラゲ怪人だ。人間共を恐怖のどん底の落してくれるゲェ」
大袈裟なゼスチャーをしながら意味不明なセリフを言うクラゲ怪人を見る正秀は、今すぐにでも叩っき斬りたい衝動に駆られるが、ここは大人として我慢である。
為次はといえば、スイがおっぱいを当てながら執拗に迫って来るので戸惑っていた。
「ねースイ。ちょっと離れてよ」
「嫌なのです。タメツグ様に触ってほしいのです」
「後にしてよ」
「今がいいのですっ!」
スイは息遣いも荒く、頬を染めながら主の体を弄っている。
「スイちゃん、今日はやけに積極的だな」
「どうかしちゃったのかなぁ?」
「なんだか体が熱くて変になりそうです……」
そんな戸惑う三人を見て、もりもり博士が説明してくれる。
「さっき触手を食べてしまったからのう。しばらくすれば元に戻るから安心せい」
「何? 触手って毒なの?」
と、為次は訊いた。
「正確には触手から分泌される潤滑液じゃの。本来は触手をスムースに動かす為のものじゃが催淫効果があるのじゃ」
「クラーッ、クラックラ……」
決め台詞を言ったクラゲ怪人だが、皆に無視されて少し悲しそうに後ろで笑っている。
だけど相変わらずスルーされてしまう。
「クラーッ……」
クラゲ怪人をよそに為次は大歓喜である。
「マジでか!? 俺最強じゃん。完全に対魔法少女怪人だは」
「で、スイちゃんはどうするんだ?」
「仕方ないけど、お留守番だね」
「嫌ですー! タメツグ様から離れたくないのです!」
「もー。ワガママ言わないでよ」
「おっぱい揉んでくれないと、おかしくなりそうですぅ……」
「おっぱいって……」
「そうじゃ。実戦の前に、この娘で試してみては如何かの?」
「おおっ! もりもり博士、そいつはナイスアイディアだぜ」
スイに全然手を付けようとしない為次を前々からもどかしく思っていた正秀は、ここぞとばかりに言った。
「いやでも…… うーん……」
スイは為次のことが大好きであるし、為次自身もそれは知っている。
だがそれは彼女の錯覚であるかも知れない不安を今でも拭えないのも事実であった。
スイを買ったのは実に不本意なのである。
殺されそうになっていた所を助ける為に思わず買ってしまっただけであり、後は自由にしてあげるつもりであった。
生まれて以来、悲惨な生活を送っていたスイが突然助けられ優しく接してくれる男に出会ってしまった。
そうなれば相手を思う気持ちを愛や恋と勘違いしてしまうのは当然ではないかと為次は考えてしまう。
にも拘わらずスイは為次とは離れたくない一心で、ここまで付いて来てしまったのだ。
「お前もいい加減に覚悟を決めたらどうだ?」
「覚悟って…… そんなん知らんし」
「タメツグ様ぁ…… んんっ……」
「ほら、スイちゃんが可哀想だろ」
「だってぇ…… そもそも催淫効果ってどんなもんなの?」
「聞いて驚くのじゃっ、なんと感度は最大で100倍となるのじゃぁっ!! しかも全身性感帯じゃぞ」
「何に考えてんだ糞爺ぃっ!」
「スイちゃん、触手ごと食ってたけど大丈夫なのか?」
「なんだか体が火照っておかしくなりそうなのですぅ……」
「数時間もすれば徐々に治まるじゃろうて」
「数時間も無理なのです。タメツグ様ぁ…… 助けてほしいのです」
「ほら為次、いい加減に諦めろよ」
「ぐっ……」
さすがにこのままでは、ちょっと可哀想かなと為次も思う。
仕方ないので本番まではしなくとも、愛撫でもしてやれば多少は納まるだろうと考えた。
「じゃ俺達は別の部屋に行っててやるからな、お前らは隣の休憩所のベッドでいいだろ」
「ちょ、まっ」
「もりもり博士行こうぜ」
「では、客間にでも行こうかの」
「おう。ほらクラゲも行くぜ」
「クラッ!?」
「どうかしたのか?」
ようやく相手にしてもらえたクラゲ怪人は少し嬉しそうだ。
「い、いや。俺様の恐ろしさを存分に説明してやるゲェ! クラークラックラ」
「おう」
皆は研究所から出て行ってしまい、後には為次とスイが残されてしまった。
「行っちゃった……」
「です……」
二人はお互いに恥ずかしそうに見つめ合う。
スイの生暖かい吐息が首筋を撫でる度に、なんとも言えない気分になってしまう。
さすがに後には引けないかと諦めた為次は優しく触手を全身に絡めスイを抱き上げた。
「んっ…… ああっ、くふぅん……」
触手を掴むスイの手に力が入る。
感じるのを堪えているのが伺えた。
普段は非力で人など持ち上げるのは困難な為次であるが、触手は意外とパワーがあるみたいだ。
スイを絡み取り隣の休憩所へ行くと、そっとベッドへ寝かせるのであった……
もりもり博士を含め皆は手術台に並べてある朝食を食べていた。
大きなテーブルが無いので代わりに食卓として使っているのだ。
天井にぶら下がっている工具が落ちてきそうだが特には気にしない連中である。
身の回りの世話は量産型怪人がしてくれている。
昨日、助けた3匹の量産型なのであろうか? 意外と親切だ。
「為次…… 手で食べろよ……」
「だってぇ……」
為次は触手を器用に使い食べ物を口に運んでいた。
5本も出しており、食卓でウネっているので他の人にとっては極めて煩わしい。
だが、お構い無しに触手を伸ばして大皿から唐揚げを摘もうとする。
グサッ
「いぎゃぁ!?」
触手に激痛が走り慌てて引っ込める。
見ると先っぽにフォークが突き刺さっていた。
スイも唐揚げを取ろうとして誤って触手を刺してしまったらしい。
「はう、スイのフォークを返してほしいのです」
「もー……」
「為次が悪いんだぜ、横着ばかりして」
「そんなに羨ましがらなくていいよ」
「全然、羨ましく無いんだぜ……」
「はいはい。ところで今日の予定は?」
「儂かの?」
「うん」
「お主の作戦とやらを聞いてからと思っていたのじゃが」
「ああ、そっか」
「聞かせてもらえるかの?」
「下らない作戦立てるなよ、為次」
「いやもう完璧だって」
と、自信満々で話す作戦内容はこうである。
魔法少女を仲間にしてしまえば以後の戦闘はやらなくて済むとのことだ。
もちろん二つ返事で仲間になるなど有り得ないのは百も承知である。
だから洗脳をしてしまおうとの魂胆らしい。
傷めつけても逆効果なのは理解している。
ならば快楽を与えてやろうとの、エロゲー脳の算段である!
「と言う分けで、俺様の触手を使って凌辱の限りを尽くすのだっ!!」
「死ね」
グサッ
「痛ってーぇぇぇっ!?」
有無を言わさず、正秀にフォークで触手をぶっ刺されてしまった。
「前々から頭がおかしいと思ってたが、ここまでとはな……」
「何すんの、もー」
「フォークは返してもらうのです」
スイが2本のフォークを抜くと、傷痕からピュッピュッと緑色の体液が飛び出し唐揚げにかかった。
「汚ねぇなぁ、食えなくなっただろ」
「大丈夫だってば」
正秀は嫌悪感丸出しの目で為次を見るが、もりもり博士は意外と乗り気のようだ。
緑汁の付いた唐揚げを為次の皿に取り分けながら言う。
「中々に面白い作戦じゃのう」
「でしょでしょ」
「もりもり博士まで何を言ってんだよ」
「だって考えてごらんよマサ。毎回ピーチエールを殴り飛ばすのってはどうなの? それこそ可愛そうでしょ」
「うるせぇよ。タブレットん中のエロゲー全部消すぞ」
「うぶぁ!? なんで知ってるし……」
「戦闘中に車内で遊んでりゃ分かるだろっ」
「ぬぐぐぐ…… まだ3本遊んでないのあるからやめて」
「じゃがのうマサヒデよ」
「なんだよ? もりもり博士」
「こ奴の言うことも、もっともじゃ」
「はぁ?」
「ピーチエールを仲間にしてしまえば、ことは平和的に進むじゃろうて。政府を乗っ取るアブベーンを誘き出すにも好都合じゃ」
「いやまあ…… 確かにそうだけどな……」
「あの娘もむにゅりんによって洗脳じゃか騙されておるかで、その心を解き放ってやるのも必要じゃろう」
「うーん、もっともらしくは聞こえるが…… 何か違うような気がするぜ」
「まあまあ細かいことは置いといて、爺さんの作戦で魔法少女を誘い出してから実践しよう。そうしよう」
「仕方ねーな……」
正秀は腑に落ちない表情をしながらも、渋々了承するのであった。
スイはといえば、興味は無いといった感じで唐揚げを食べながら口の周りにマヨネーズを付けまくっている。
「スイ、口にいっぱい付いてるよ」
優しい為次は触手で拭いてあげようとするが……
「もぐもぐ…… もがっ!?」
ブチ ブチ ブチ
「いぎゃぁぁぁっ!」
先っぽを噛み千切られてしまった。
痛みのあまり振り回す触手から再び緑汁が食卓へと飛び散る。
「もっちゅ、もっちゅ…… ごくん。はう? タメツグ様どうされました?」
「俺の触手食べないでよっ!」
「なぅー?」
「スイちゃん……」
……………
………
…
なんだかんだで悲惨な朝食を皆は食べ終わった。
量産型怪人の片付けが終わると、早速ブリーフィングタイムである。
もりもり博士が得意気に作戦内容を話してくれる。
「今回の作戦は極めて危険が伴う。皆、心してかかるのじゃぞ」
「なんでもいいから、はよ」
「どうせまた下らない作戦だろ」
「ですです」
「お主ら…… まあ良い…… では本日の作戦じゃが、その名もマンホール強奪作戦じゃ!」
「「はぁー……」」
予想通りの下らなさに為次と正秀は溜息を漏らす。
それでも、もりもり博士はドヤ顔で続けるのだ。
「街のマンホールを奪えば人が落ちてトンデモナイことになってしまうのじゃ。じゃが敢えて実行することによってマンホールを再び設置する必要がある」
「マンホールって秘密基地の通路の出入り口じゃぁ……」
地下水路の主な出入り口であるマンホールを撤去するのはどうかと思う為次。
しかし、もりもり博士は気にもせず説明を続ける。
「当然マンホールは金属製じゃ。政府が黙って見過ごす分けがない。小娘は否応なしに現れること間違い無しじゃ!」
「まあいいか、んで今回の怪人は?」
「為次怪人が居るのに普通の怪人も要るのか?」
「……だって、俺一人だとエッチなことが……」
「ああ、だったな。為次、お前って女が苦手だったもんな」
「言わないでよ……」
「スイならいつでも練習に使って下さいなのです。ふんすっ」
と、為次に擦り寄る。
「使わないから……」
「んで、怪人ってのは?」
正秀が訊くともりもり博士はガラス管へ近寄り、何やら操作を始める。
「今回はタメツグのリクエストに応えた力作じゃ」
「為次の?」
大きなレバーを下ろしながら叫ぶもりもり博士。
「出でよっ! クラゲ怪人、お主の恐ろしさを皆に見せつけるのじゃ!!」
ガラス管の中にあった謎の液体が無くなると同時に扉が開く。
中からは頭部が半透明で髭のように触手を生やす怪人が出て来た。
「クラーッ、クラックラ。俺様がクラゲ怪人だ。人間共を恐怖のどん底の落してくれるゲェ」
大袈裟なゼスチャーをしながら意味不明なセリフを言うクラゲ怪人を見る正秀は、今すぐにでも叩っき斬りたい衝動に駆られるが、ここは大人として我慢である。
為次はといえば、スイがおっぱいを当てながら執拗に迫って来るので戸惑っていた。
「ねースイ。ちょっと離れてよ」
「嫌なのです。タメツグ様に触ってほしいのです」
「後にしてよ」
「今がいいのですっ!」
スイは息遣いも荒く、頬を染めながら主の体を弄っている。
「スイちゃん、今日はやけに積極的だな」
「どうかしちゃったのかなぁ?」
「なんだか体が熱くて変になりそうです……」
そんな戸惑う三人を見て、もりもり博士が説明してくれる。
「さっき触手を食べてしまったからのう。しばらくすれば元に戻るから安心せい」
「何? 触手って毒なの?」
と、為次は訊いた。
「正確には触手から分泌される潤滑液じゃの。本来は触手をスムースに動かす為のものじゃが催淫効果があるのじゃ」
「クラーッ、クラックラ……」
決め台詞を言ったクラゲ怪人だが、皆に無視されて少し悲しそうに後ろで笑っている。
だけど相変わらずスルーされてしまう。
「クラーッ……」
クラゲ怪人をよそに為次は大歓喜である。
「マジでか!? 俺最強じゃん。完全に対魔法少女怪人だは」
「で、スイちゃんはどうするんだ?」
「仕方ないけど、お留守番だね」
「嫌ですー! タメツグ様から離れたくないのです!」
「もー。ワガママ言わないでよ」
「おっぱい揉んでくれないと、おかしくなりそうですぅ……」
「おっぱいって……」
「そうじゃ。実戦の前に、この娘で試してみては如何かの?」
「おおっ! もりもり博士、そいつはナイスアイディアだぜ」
スイに全然手を付けようとしない為次を前々からもどかしく思っていた正秀は、ここぞとばかりに言った。
「いやでも…… うーん……」
スイは為次のことが大好きであるし、為次自身もそれは知っている。
だがそれは彼女の錯覚であるかも知れない不安を今でも拭えないのも事実であった。
スイを買ったのは実に不本意なのである。
殺されそうになっていた所を助ける為に思わず買ってしまっただけであり、後は自由にしてあげるつもりであった。
生まれて以来、悲惨な生活を送っていたスイが突然助けられ優しく接してくれる男に出会ってしまった。
そうなれば相手を思う気持ちを愛や恋と勘違いしてしまうのは当然ではないかと為次は考えてしまう。
にも拘わらずスイは為次とは離れたくない一心で、ここまで付いて来てしまったのだ。
「お前もいい加減に覚悟を決めたらどうだ?」
「覚悟って…… そんなん知らんし」
「タメツグ様ぁ…… んんっ……」
「ほら、スイちゃんが可哀想だろ」
「だってぇ…… そもそも催淫効果ってどんなもんなの?」
「聞いて驚くのじゃっ、なんと感度は最大で100倍となるのじゃぁっ!! しかも全身性感帯じゃぞ」
「何に考えてんだ糞爺ぃっ!」
「スイちゃん、触手ごと食ってたけど大丈夫なのか?」
「なんだか体が火照っておかしくなりそうなのですぅ……」
「数時間もすれば徐々に治まるじゃろうて」
「数時間も無理なのです。タメツグ様ぁ…… 助けてほしいのです」
「ほら為次、いい加減に諦めろよ」
「ぐっ……」
さすがにこのままでは、ちょっと可哀想かなと為次も思う。
仕方ないので本番まではしなくとも、愛撫でもしてやれば多少は納まるだろうと考えた。
「じゃ俺達は別の部屋に行っててやるからな、お前らは隣の休憩所のベッドでいいだろ」
「ちょ、まっ」
「もりもり博士行こうぜ」
「では、客間にでも行こうかの」
「おう。ほらクラゲも行くぜ」
「クラッ!?」
「どうかしたのか?」
ようやく相手にしてもらえたクラゲ怪人は少し嬉しそうだ。
「い、いや。俺様の恐ろしさを存分に説明してやるゲェ! クラークラックラ」
「おう」
皆は研究所から出て行ってしまい、後には為次とスイが残されてしまった。
「行っちゃった……」
「です……」
二人はお互いに恥ずかしそうに見つめ合う。
スイの生暖かい吐息が首筋を撫でる度に、なんとも言えない気分になってしまう。
さすがに後には引けないかと諦めた為次は優しく触手を全身に絡めスイを抱き上げた。
「んっ…… ああっ、くふぅん……」
触手を掴むスイの手に力が入る。
感じるのを堪えているのが伺えた。
普段は非力で人など持ち上げるのは困難な為次であるが、触手は意外とパワーがあるみたいだ。
スイを絡み取り隣の休憩所へ行くと、そっとベッドへ寝かせるのであった……
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