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第15話 触手を斬られる触手怪人
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静かな湖畔の木陰で奇妙な集団は食事をしていた。
傍から見れば近づきたくはない怪人軍団である。
もっとも彼ら自身は楽しそうではあるが……
「ふぅ、食ったぜぇ。ご馳走さまだぜスイちゃん」
「はいです、むふふー」
スイはご機嫌であった。
正秀に食事を褒められたからではなく、為次の頭を膝に乗せて……
いわゆる膝枕をしているからだ。
「ふぁぁぁ、眠くなっちゃった」
「どうぞどうぞ、ゆっくりとスイの膝枕で寝るのです」
「うん……」
そんな仲良くする為次とスイを見た正秀は嬉しそうに微笑んでいる。
「じゃあ俺はもりもり博士を手伝って来るぜ」
もりもり博士は一足先に昆虫採集へと行っていた。
ここは二人に気を利かせようと、正秀は手伝いを理由にこの場を離れることにした。
「行ってらっしゃいませです」
「おう」
正秀が去ると為次とスイは二人っきりに…… はならない。
周りでは怪人共が酒を呑んで調子に乗っている。
「キッシャシャー」
「「「ウヒョウヒョー」」」
何をやっているのか分からないが、盆踊りみたいなことをやっていた。
表情がいまいち分からないので、どうだか知らないが多分楽しいのであろう。
と、そこへ……
何処から聞き覚えのある美しい声が聴こえてくる……
「そこまでですっ!」
声の主を見上げる怪人軍団。
そこには天より舞い降りるピンクのコスチュームに身を包んだ魔法少女の姿がある。
「キシャー! 何奴っ!?」
「うおっ!? なんなの?」
為次も眠りそうになっていたところで、慌てて起き上がった。
目の前に1人の少女が着地するとスティックを掲げながらポーズを決めている。
「子供達に恐怖を与え遊びを邪魔す怪人。この乙女戦士ピーチエールが許しません! 成敗します!」
突然、言い掛かりを付けてくる魔法少女に怪人軍団は困惑している。
「貴様は何を言っているシャー?」
「俺達は弁当食ってただけなんだけど……」
「ビッチ様がスイとタメツグ様の楽しい時間をじゃまするのですぅ」
「そうだねー」
「何を言っている? とは、こちらのセリフです。私は子供達から湖の近くに怪人が居るので怖くて遊べないと教えて頂いたのです」
どうやら到着した時に居たガキどもがチクリやがったらしい。
こちらはピクニックをしているだけで何もしていないのに、なんとも遺憾である。
だが、ピーチエールが現れたのは実に都合がいい。
今日は何もせずに作戦失敗と思っていた所に好都合以外の何者でもない。
だから為次はここぞとばかりに煽るのだ。
「やあやあ、魔法少女。この前は大変気持ち良さそうで、さぞかし満足してもらえたでしょう。うひひひ」
「な、な、な、何を言っているのですか! 第一あなたは見たところ人間のようですが…… あっ!?」
為次の近くで座っているスイを見てピーチエールは驚いた。
忘れる筈もない。
バッタ怪人との戦闘後に割り込んできた挙句、戦いに敗れてしまった少女であったから……
「あ、なたは…… やはり怪人の仲間でしたか。ならばそちらの男性も……」
そう言いながら為次に向かってスティックを差し向けた。
「やあやあ、俺を忘れたのかな?」
「え? 何者なのですか?」
「酷いなぁ、一昨日は楽しく一緒に遊んだじゃない」
「何を言っているのですか? あなたのことなど知りません」
「へぇ…… じゃあこれで思い出すかな」
と、為次は両腕から数本の触手をウネウネと生やしながらニタニタと笑う。
「っ!? ま、まさか…… その触手はっ!」
「そのまさかだ…… ょおもぐもぐぐー」
全身を肉塊へと変化させ着ていた服を体内に取り込むと、ピーチエールが忘れる筈もない触手怪人へと姿を変えた。
すると、これから起こるであろうことを予期するかの如く一筋の色風が吹き抜け、ピーチエールの長い髪を揺らし、短いスカートは風を孕みピンクのショーツをチラリと覗かせる。
「触手怪人っ! くっ…… あなただけは、あなただけは許しません!」
凌辱の恐怖が蘇り手が震えるが、正義の名の下に一歩も引く気はない。
ピーチエールは凛として立ちスティックを構える。
「もぐぐもぐぐ(そういやさ、この前ってばどうやってクラゲ怪人を倒したの?)」
「何を相変わらずもぐもぐ言っているのですかっ?」
言葉の解らないピーチエールに蛇男は通訳してあげることにした。
見かけに寄らず意外と親切らしい。
「シャー、触手怪人はどうやってクラゲ怪人を倒したのかと聞いている」
「え? あ、はい。それは…… って、教える分けがありません。何故あなたなんかに」
「もっ(チッ)」
「シャー、触手怪人はチッと言っている」
「そんなことまで通訳しないでくださいっ」
さすがに手の内までは明かそうとしてくれなかった。
実際には隙きをついて握り締めていたスティックに少しづつ魔力を込めていたのだ。
なんとかホーリーボンバーが撃てるまで溜めて反撃したのであった。
「もぐぐもぐぐ(まあいいや、んじゃぁ今回もっと)」
そう言うと、触手怪人は触手鞭で襲い掛かる。
しかし、ピーチエールは慌てた様子も無くスティックをかざす。
「何度も同じ手が通用すると思ったら大間違いですっ!」
打棒の頭に付けられたハート型の鈍器の先から光の刃が伸びる。
そのまま遅い来る触手を横一文字で薙ぎ払う。
「セイントランサーっ! はぁっ!」
ズバッ ズバッ
2本の触手が3分の1くらいの所から切断されてしまった。
触手には神経が通っているせいで、かなり痛い。
「もぐひぃもぐぐー(うっギャー!? 痛ってぇぇぇ!)」
「はうっ、タメツグ様の触手がっ」
見ていたスイは大慌てだ。
大好きな触手が斬られてしまい泥だらけになってしまった。
これでは拾って食べても口の中がジャリジャリしてしまう。
当然、触手怪人もスイの行動などお見通しだ。
「もぐぐ! もぐぐっ(拾って食うなよっ! スイ。あと手出しもしないでね)」
「シャー、スイ怪人よ。触手怪人は拾い食いするな、手出しもするなと言っている」
「なんですとっ!? うにゅ、にゅ、にゅ…… バレてるのです」
悔しがるスイを横目にピーチエールは攻勢を仕掛ける。
「大人しく観念なさいっ、はっ、とっ!」
セイントランサーが触手をかすめる。
触手怪人は辛うじて避けるが、ウネウネした触手が邪魔で光の刃によってジワジワと刻まれてしまう。
避けきれない攻撃だけは気功を使ってなんとか捌くも、使用限度が有るし非常に疲れてしまうせいで無駄遣いはできない。
はっきり言って人間の姿で戦った方が強いのは間違いなかった。
「もっぐももぐも(くそっ、刃物とじゃ分が悪いな…… どうしよう…… あっ、そうだっ!)」
触手怪人は思いついた。
何も一人で戦う必要はない。
折角、蛇男が居るので手伝ってもらえばいいと。
しかも自分の言葉は怪人にしか理解されないようなので相手に知れずに指示を出すことができる。
先程スイを戦闘に参加させないようにしたのは、単に怪人VS魔法少女の戦いへメカ少女を参戦させるのは些か無粋であろうと考えたからだ。
「やあっ、はっ! どうしました? 逃げてばかりでは勝てませんよ」
「もぐっもぐぐも(くそっ、蛇男! 俺が隙きを作るから後ろからやっちゃってよっ)」
「キシャー! 任せろ触手怪人」
「もぐ(よしゃ)」
触手怪人は蛇男が自分の後ろに居るのを確認すると、気を集中して目にも止まらぬ速さで移動しピーチエールの背後を取った。
しかし、呆気なく振り向かれると同時にセイントランサーの斬撃を浴びてしまう。
咄嗟に飛び退いて避けるも残った触手の先端を切断されてしまった。
「もっぐぐもーもぐぐー(痛ってぇぇぇ! このっ、これでも喰らえ!)」
と、10本以上の触手を一斉に上下左右から叩き付ける。
ピーチエールはその一本づつを見極め斬り落として行くが……
「やぁ、とぅ…… きゃっ」
切断された箇所から緑色の体液が飛び散りピーチエールへと降り注ぐ。
「もぐっぐも!(蛇男! 今だ!)」
「シャー!」
合図と共に蛇男は地面を滑りピーチエールの背後へと迫る。
そして気持ち悪い緑汁の気を取られている所へガブリと太ももへ噛み付いた!
「あぎぃっ!?」
鋭い痛みにピーチエールは目線を下げると、巨大な蛇の頭が足に食らい付き牙を立てている。
咄嗟にセイントランサーを振り下ろし払い除けようとしたが、蛇男はすぐに口を離し距離を取って避けた。
「くっ、2人掛かりですか…… 卑怯ですよ……」
太ももには2箇所の傷跡ができ、1つは膝上までのブーツを突き破っており、生足の傷からは血が流れていた。
「もっぐぐー(怪人は卑怯なんだよー)」
「シャー、怪人は卑怯だと言っている」
「このぉ!」
それでもピーチエールは足の痛みを堪え果敢に挑む。
標的を蛇男に定め斬り掛かる!
が……
ガクンと片膝を付いてしまった。
「なっ!? あ、足が……」
足にまったく力が入らない。
先程まであった痛みも感じない。
「シャ、シャ、シャー、俺様の毒を喰らってまともに動ける筈もないシャー」
「ど、毒ですって!? くっ……」
ピーチエールはどうにか立ち上がろうとするが、逆に両膝を付いてしまう。
そこへ量産型怪人がワラワラと寄って来る。
「「「ウヒョヒョー、ウヒョヒョー」」」
なんだか嬉しそうだ。
ドカッ
と、ピーチエールの尻を蹴り上げた。
「きゃぁっ!」
思わず両手を付いて四つん這いになってしまう。
量産型怪人はここぞとばかりにピーチエールをいたぶり始めるのだ。
ドカッ バキッ!
「あっ、あうっ、ぐはっ、うがぁ」
顔面を蹴られ口の中が切れると鉄の味が広がるのも束の間、腹を蹴り上げられ鈍い痛みが全身に広がる。
魔法のコスチュームによってダメージは軽減されているものの限度はある。
量産型といえども怪人の力は強く徐々にピーチエールは追い詰められてゆく。
「シャ、シャー、どうだピーチエール? 量産型怪人に嬲られるのはっ」
ゲシッ! ゲシッ! ボカボカッ!!
「いっ! ガハッ、ぐはぁっ!!」
何も言い返せる状態ではない。
セイントランサーで反撃をしようにも、片手を地面から離せば倒れてしまい二度と起き上がれなくなるだろう。
必至に耐えているが……
「ヒョーッ!!」
1匹の量産型怪人が股間を目掛けて蹴りを入れた!
グチュッ
「ひぎゃぁぁぁぁぁっ!」
つま先がマンコの入り口にメリ込み、クリトリスが潰れるではないかと思う程の衝撃にピーチエールは絶叫した。
そのまま地面に突っ伏し股間を押さえながら悶える。
そんなピーチエールの姿を見ながら量産型怪人は小躍りで喜ぶのであった。
傍から見れば近づきたくはない怪人軍団である。
もっとも彼ら自身は楽しそうではあるが……
「ふぅ、食ったぜぇ。ご馳走さまだぜスイちゃん」
「はいです、むふふー」
スイはご機嫌であった。
正秀に食事を褒められたからではなく、為次の頭を膝に乗せて……
いわゆる膝枕をしているからだ。
「ふぁぁぁ、眠くなっちゃった」
「どうぞどうぞ、ゆっくりとスイの膝枕で寝るのです」
「うん……」
そんな仲良くする為次とスイを見た正秀は嬉しそうに微笑んでいる。
「じゃあ俺はもりもり博士を手伝って来るぜ」
もりもり博士は一足先に昆虫採集へと行っていた。
ここは二人に気を利かせようと、正秀は手伝いを理由にこの場を離れることにした。
「行ってらっしゃいませです」
「おう」
正秀が去ると為次とスイは二人っきりに…… はならない。
周りでは怪人共が酒を呑んで調子に乗っている。
「キッシャシャー」
「「「ウヒョウヒョー」」」
何をやっているのか分からないが、盆踊りみたいなことをやっていた。
表情がいまいち分からないので、どうだか知らないが多分楽しいのであろう。
と、そこへ……
何処から聞き覚えのある美しい声が聴こえてくる……
「そこまでですっ!」
声の主を見上げる怪人軍団。
そこには天より舞い降りるピンクのコスチュームに身を包んだ魔法少女の姿がある。
「キシャー! 何奴っ!?」
「うおっ!? なんなの?」
為次も眠りそうになっていたところで、慌てて起き上がった。
目の前に1人の少女が着地するとスティックを掲げながらポーズを決めている。
「子供達に恐怖を与え遊びを邪魔す怪人。この乙女戦士ピーチエールが許しません! 成敗します!」
突然、言い掛かりを付けてくる魔法少女に怪人軍団は困惑している。
「貴様は何を言っているシャー?」
「俺達は弁当食ってただけなんだけど……」
「ビッチ様がスイとタメツグ様の楽しい時間をじゃまするのですぅ」
「そうだねー」
「何を言っている? とは、こちらのセリフです。私は子供達から湖の近くに怪人が居るので怖くて遊べないと教えて頂いたのです」
どうやら到着した時に居たガキどもがチクリやがったらしい。
こちらはピクニックをしているだけで何もしていないのに、なんとも遺憾である。
だが、ピーチエールが現れたのは実に都合がいい。
今日は何もせずに作戦失敗と思っていた所に好都合以外の何者でもない。
だから為次はここぞとばかりに煽るのだ。
「やあやあ、魔法少女。この前は大変気持ち良さそうで、さぞかし満足してもらえたでしょう。うひひひ」
「な、な、な、何を言っているのですか! 第一あなたは見たところ人間のようですが…… あっ!?」
為次の近くで座っているスイを見てピーチエールは驚いた。
忘れる筈もない。
バッタ怪人との戦闘後に割り込んできた挙句、戦いに敗れてしまった少女であったから……
「あ、なたは…… やはり怪人の仲間でしたか。ならばそちらの男性も……」
そう言いながら為次に向かってスティックを差し向けた。
「やあやあ、俺を忘れたのかな?」
「え? 何者なのですか?」
「酷いなぁ、一昨日は楽しく一緒に遊んだじゃない」
「何を言っているのですか? あなたのことなど知りません」
「へぇ…… じゃあこれで思い出すかな」
と、為次は両腕から数本の触手をウネウネと生やしながらニタニタと笑う。
「っ!? ま、まさか…… その触手はっ!」
「そのまさかだ…… ょおもぐもぐぐー」
全身を肉塊へと変化させ着ていた服を体内に取り込むと、ピーチエールが忘れる筈もない触手怪人へと姿を変えた。
すると、これから起こるであろうことを予期するかの如く一筋の色風が吹き抜け、ピーチエールの長い髪を揺らし、短いスカートは風を孕みピンクのショーツをチラリと覗かせる。
「触手怪人っ! くっ…… あなただけは、あなただけは許しません!」
凌辱の恐怖が蘇り手が震えるが、正義の名の下に一歩も引く気はない。
ピーチエールは凛として立ちスティックを構える。
「もぐぐもぐぐ(そういやさ、この前ってばどうやってクラゲ怪人を倒したの?)」
「何を相変わらずもぐもぐ言っているのですかっ?」
言葉の解らないピーチエールに蛇男は通訳してあげることにした。
見かけに寄らず意外と親切らしい。
「シャー、触手怪人はどうやってクラゲ怪人を倒したのかと聞いている」
「え? あ、はい。それは…… って、教える分けがありません。何故あなたなんかに」
「もっ(チッ)」
「シャー、触手怪人はチッと言っている」
「そんなことまで通訳しないでくださいっ」
さすがに手の内までは明かそうとしてくれなかった。
実際には隙きをついて握り締めていたスティックに少しづつ魔力を込めていたのだ。
なんとかホーリーボンバーが撃てるまで溜めて反撃したのであった。
「もぐぐもぐぐ(まあいいや、んじゃぁ今回もっと)」
そう言うと、触手怪人は触手鞭で襲い掛かる。
しかし、ピーチエールは慌てた様子も無くスティックをかざす。
「何度も同じ手が通用すると思ったら大間違いですっ!」
打棒の頭に付けられたハート型の鈍器の先から光の刃が伸びる。
そのまま遅い来る触手を横一文字で薙ぎ払う。
「セイントランサーっ! はぁっ!」
ズバッ ズバッ
2本の触手が3分の1くらいの所から切断されてしまった。
触手には神経が通っているせいで、かなり痛い。
「もぐひぃもぐぐー(うっギャー!? 痛ってぇぇぇ!)」
「はうっ、タメツグ様の触手がっ」
見ていたスイは大慌てだ。
大好きな触手が斬られてしまい泥だらけになってしまった。
これでは拾って食べても口の中がジャリジャリしてしまう。
当然、触手怪人もスイの行動などお見通しだ。
「もぐぐ! もぐぐっ(拾って食うなよっ! スイ。あと手出しもしないでね)」
「シャー、スイ怪人よ。触手怪人は拾い食いするな、手出しもするなと言っている」
「なんですとっ!? うにゅ、にゅ、にゅ…… バレてるのです」
悔しがるスイを横目にピーチエールは攻勢を仕掛ける。
「大人しく観念なさいっ、はっ、とっ!」
セイントランサーが触手をかすめる。
触手怪人は辛うじて避けるが、ウネウネした触手が邪魔で光の刃によってジワジワと刻まれてしまう。
避けきれない攻撃だけは気功を使ってなんとか捌くも、使用限度が有るし非常に疲れてしまうせいで無駄遣いはできない。
はっきり言って人間の姿で戦った方が強いのは間違いなかった。
「もっぐももぐも(くそっ、刃物とじゃ分が悪いな…… どうしよう…… あっ、そうだっ!)」
触手怪人は思いついた。
何も一人で戦う必要はない。
折角、蛇男が居るので手伝ってもらえばいいと。
しかも自分の言葉は怪人にしか理解されないようなので相手に知れずに指示を出すことができる。
先程スイを戦闘に参加させないようにしたのは、単に怪人VS魔法少女の戦いへメカ少女を参戦させるのは些か無粋であろうと考えたからだ。
「やあっ、はっ! どうしました? 逃げてばかりでは勝てませんよ」
「もぐっもぐぐも(くそっ、蛇男! 俺が隙きを作るから後ろからやっちゃってよっ)」
「キシャー! 任せろ触手怪人」
「もぐ(よしゃ)」
触手怪人は蛇男が自分の後ろに居るのを確認すると、気を集中して目にも止まらぬ速さで移動しピーチエールの背後を取った。
しかし、呆気なく振り向かれると同時にセイントランサーの斬撃を浴びてしまう。
咄嗟に飛び退いて避けるも残った触手の先端を切断されてしまった。
「もっぐぐもーもぐぐー(痛ってぇぇぇ! このっ、これでも喰らえ!)」
と、10本以上の触手を一斉に上下左右から叩き付ける。
ピーチエールはその一本づつを見極め斬り落として行くが……
「やぁ、とぅ…… きゃっ」
切断された箇所から緑色の体液が飛び散りピーチエールへと降り注ぐ。
「もぐっぐも!(蛇男! 今だ!)」
「シャー!」
合図と共に蛇男は地面を滑りピーチエールの背後へと迫る。
そして気持ち悪い緑汁の気を取られている所へガブリと太ももへ噛み付いた!
「あぎぃっ!?」
鋭い痛みにピーチエールは目線を下げると、巨大な蛇の頭が足に食らい付き牙を立てている。
咄嗟にセイントランサーを振り下ろし払い除けようとしたが、蛇男はすぐに口を離し距離を取って避けた。
「くっ、2人掛かりですか…… 卑怯ですよ……」
太ももには2箇所の傷跡ができ、1つは膝上までのブーツを突き破っており、生足の傷からは血が流れていた。
「もっぐぐー(怪人は卑怯なんだよー)」
「シャー、怪人は卑怯だと言っている」
「このぉ!」
それでもピーチエールは足の痛みを堪え果敢に挑む。
標的を蛇男に定め斬り掛かる!
が……
ガクンと片膝を付いてしまった。
「なっ!? あ、足が……」
足にまったく力が入らない。
先程まであった痛みも感じない。
「シャ、シャ、シャー、俺様の毒を喰らってまともに動ける筈もないシャー」
「ど、毒ですって!? くっ……」
ピーチエールはどうにか立ち上がろうとするが、逆に両膝を付いてしまう。
そこへ量産型怪人がワラワラと寄って来る。
「「「ウヒョヒョー、ウヒョヒョー」」」
なんだか嬉しそうだ。
ドカッ
と、ピーチエールの尻を蹴り上げた。
「きゃぁっ!」
思わず両手を付いて四つん這いになってしまう。
量産型怪人はここぞとばかりにピーチエールをいたぶり始めるのだ。
ドカッ バキッ!
「あっ、あうっ、ぐはっ、うがぁ」
顔面を蹴られ口の中が切れると鉄の味が広がるのも束の間、腹を蹴り上げられ鈍い痛みが全身に広がる。
魔法のコスチュームによってダメージは軽減されているものの限度はある。
量産型といえども怪人の力は強く徐々にピーチエールは追い詰められてゆく。
「シャ、シャー、どうだピーチエール? 量産型怪人に嬲られるのはっ」
ゲシッ! ゲシッ! ボカボカッ!!
「いっ! ガハッ、ぐはぁっ!!」
何も言い返せる状態ではない。
セイントランサーで反撃をしようにも、片手を地面から離せば倒れてしまい二度と起き上がれなくなるだろう。
必至に耐えているが……
「ヒョーッ!!」
1匹の量産型怪人が股間を目掛けて蹴りを入れた!
グチュッ
「ひぎゃぁぁぁぁぁっ!」
つま先がマンコの入り口にメリ込み、クリトリスが潰れるではないかと思う程の衝撃にピーチエールは絶叫した。
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