上 下
19 / 52

第19話 正義のヒロイン置き去りにす

しおりを挟む
 湖畔に響き渡る爆発音。
 皆は驚いて凌辱現場へと戻って来た。
 眼前には巨大なクレーターができており、1人の少女が倒れていた。

 「なんだこりゃ……」

 為次は驚きよりも疑問を持っていた。
 予想外の爆発原因が思い付かないから。

 「おい、為次。何やってんだよっ?」

 「なにごとじゃ」

 後から駆け付けた正秀はもりもり博士と一緒に目を丸くして驚いていた。

 「なんか爆発したね」

 「スイとタメツグ様の楽しい時間を邪魔して許せないのです」

 「んー……」

 「なぜ肯定しないですっ!?」

 「それより誰か倒れてるっぽいから行ってみよう、そうしよう」

 「むぅー」

 ちょっと怒り気味のスイを連れ、皆はぞろぞろと少女の元へと近寄ってみることにした。

 傍に行くと倒れている少女は見知った魔法少女の姿はではなく、銀髪の長い髪に白のシャツを着て上にはブレザーを羽織っており短めのタイトスカートを履いていた。
 衣服も破れてすすけており、お腹の辺りからボタンの合間を縫って焦げた何かが生えている。

 「誰?」

 「誰だろな?」

 「知らない人なのです」

 一見するとピーチエールには見えなかった。
 顔こそ同じであるが髪の色や服装が違うので注意して見ないと誰だか分からない。

 「この娘がモモじゃ。ピーチエールに変身する前の姿なのじゃ」

 「ああ、確かに言われてみれば……」

 「だな」

 「です」

 「お腹からなんか出てるね」

 そう言いながら、為次は焦げた長細い物を摘んでみた。

 「ビッチ様のお腹から生えてるのです」

 「そうだねー、取ってみよっと」

 引っ張るとズルズルと長い物が出てきた。
 表面に出ていない部分は焦げておらず生の蛇であった。

 「うおっ、なんだこりゃ?」

 「蛇だろ」

 「蛇です」

 「うん」

 ズボッと抜くと腹から血がドクドクと出てくる。

 「うぎゃぁ!? なんぞっ!?」

 「お、おい。為次ヤベーだろ」

 「あわわわ、止血しないと」

 慌てて為次はモモの腹を押えて出血を止めようとする。

 「げぼっ」

 今度は口からも血を吐き始めてしまった。

 「スイちゃん。ポーションだ、ポーション!」

 「はいです、エンチャントヒール。できたです」

 「おう」

 ヒールポーションを受け取った正秀は小瓶を口の中に突っ込んで無理矢理に飲ませた。
 さすがの効果抜群なスイの魔法は傷口はもちろん、体内もすぐに癒やしてくれる。
 弱々しかった呼吸も落ち着きを取り戻し、一命を取りとめた様子だ。

 「ま、大丈夫かな……」

 両手にべっとりと付いた血を気持ち悪そうに見ながら為次は言った。

 「これでピーチ…… モモちゃんも処女に…… なあ為次、やっぱり可哀想だろ」

 「……まあ」

 「それに何があったんだ? 結構な爆発だったぜ」

 「うーん、俺も見てなかったからなぁ。帰ってからサテライトの録画でも見るか」

 「撮ってたのか?」

 「当然でしょ、ステータス作らないとだし」

 「お、おう……」

 正秀は見上げると四角い小型のドローンが上空で留まっている。
 為次がサテライトと呼んでいる偵察機であり、プロペラではなく反重力と重力スラスターで自律行動を行う。
 小さいながらも高性能であらゆる波長の光を可視化可能であり成分分析などもしてくれる。
 他にも機能は限定的ながらもグラビティアーム及びトラクタービームも使用可能だ。
 普段は砲塔後部の大型雑具箱に収納されており、元々は自動装填装置の装填君が入っていたが、スイが投げ捨ててしまった為に今はサテライト置き場になっている。

 「おい、お主らアレを見るのじゃ」

 もりもり博士は少し離れた木の陰を指しながら言った。
 そこには何やら白くてふわふわした謎の物体が浮いている。
 人の頭ほどの大きさで大福餅に目玉を付けたような姿をしている。
 やけにあっさり気味の見た目だ。

 「なんだありゃぁ? 餅みたいなのが浮かんでるぜ」

 「葉っぱ巻いたら柏餅になりそ」

 「美味しそうなのです。ゴクリ」

 「うむ。食べれないとは思うが、あ奴こそがむにゅりんじゃ。ピーチエールが呼んでいた時があったからの、間違いない筈じゃ」

 「へー…… おーい! むにゅりーん!!」

 と、為次は試しに大声で呼んでみた。
 すると、意外にも反応があるのに皆は驚きだ。

 「なんだもっち! ボクがむにゅりんだもっち!」

 「お、返事した」

 「アレで喋れるんだな……」

 「こっちおいでよぉっ!」

 「ピーチエールに触れるなもっち! ボクが許さないもっち!」

 「……だからぁ、こっちおいでってばっ!」

 「ボクはむにゅりんだもっち」

 「いや…… それはもう聞いたから……」

 「なんだもっち! ボクはむにゅりんだもっち」

 「んー……」

 「おい為次。なんだか話が噛み合ってないぜ」

 「同じことしか言わないです」

 「そうだねー」

 「よしっ、俺が捕まえて来てやるぜっ」

 正秀は言うが早いか、超人的な勢いでダッシュすると一瞬でむにゅりんに近づき両手で掴んだ。
 馬鹿力で握っているせいで潰れた饅頭のようになっている。

 「何するだもっち! 放すもっち!」

 暴れてのがれようとしているみたいだが、戦士の能力を得ている正秀にとっては無駄な足掻きでしかない。
 指の隙間から白い物体がムチムチとしているだけだ。

 「ほらっ、為次。捕まえて来たぜ」

 と、為次の目の前に差し出した。
 横ではもりもり博士が驚いている。

 「なんとっ! むにゅりんを捕まえたじゃとっ!?」

 「おう、簡単だぜ」

 「本当にお主らには驚かされるのぅ……」

 「で、コイツどうすんだ?」

 正秀が訊くと為次は答える。

 「多分それが居ないと変身できないだろうし、話だけ聞いて逃がそうか」

 「おう」

 「せっかく捕まえたのに逃がすじゃと?」

 「大丈夫だよ、いつでも捕獲できるでしょ」

 「だな」

 「ふむ……」

 「じゃあ早速っと。ねぇむにゅりん」

 「なんだもっち。ボクがむにゅりんだもっち」

 「むにゅりんは何処から来たの?」

 「ボクは魔法の国から来たもっち。みんなの愛と勇気の希望の国だもっち。分かったら今すぐにボクを放すもっち」

 「魔法の国って…… 魔法の国は何処にあんの?」

 「魔法の国はみんなの心の中にあるに決まってるもっち」

 「いや…… もっと具体的に……」

 「魔法の国はみんなの心の中にあるもっち!」

 「んー…… じゃあ、モモが倒れてるけどどうすんの?」

 「ピーチエールに触れるなもっち! ボクが許さないもっち!」

 「…………」

 「やっぱり同じことしか言わないぜ……」

 「うん……」

 「どうする? もういいか?」

 「うん」

 正秀が手を放すとむにゅりんは楚々そそくさと元居た木の陰へと行ってしまった。
 相変わらずこちらを見ているだけで何をする分けでもない。

 怪人軍団はほぼ壊滅しピーチエールも気を失ったままだ。
 むにゅりんから情報を聞き出そうにも会話がまともに成立しない。
 皆は途方に暮れるしかなかった。

 「帰ろうぜ」

 正秀は言った。

 「じゃのう……」

 「うん」

 「です」

 既にピクニックの気分ではなく、やることも無いので帰ることにした。
 為次はパーカーを脱ぐとボロボロになって下着の見えているモモに被せてやるのであった。

 ……………
 ………
 …

 ―― 3時間後

 モモは気が付くと周りにはむにゅりんしか居なかった。
 起き上がるとパサリと黒いパーカーが地面に落ちた。

 「あっ(パーカー…… 誰のでしょうか?)」

 と、拾い上げる。
 考えてみるが持ち主は思い浮かばない。

 「……んんっ」

 身体はまだ火照っていた。
 触手怪人に飲まされた体液の効果は消えてはいないようだ。
 股間から愛液が垂れるのが感じられる。
 しかし、何処にも怪我はしていない。
 怪人にいたぶられ傷付き、セルフ帝王切開による傷跡すらもない。

 何より最後に使用した魔法のダメージも無いのだ。
 ピーチエールの最終手段であり、自らの体をスティックとして使い発動させる攻撃魔法のプリンセスバニッシャーだ。
 威力は高いが自身の体も傷付けてしまい、変身も維持できなくなってしまう。
 まさに切り札的な魔法である。

 「んくっ……(あそこが疼いてしまいます……)」

 モモは現状を理解しようとするよりも、怪人による凌辱が脳裏をよぎってしまう。
 未だ感じる体が愛撫を求めていたから。

 「はぁ、はぁ……(少しだけ…… 少しだけです……)」

 自然と手が股間を弄る。
 指で陰唇を拡げると残っていた精液が愛液と混じり合いネットリとしか感触が指先に伝わる。
 同時に快楽が全身を駆け巡り頭の中は真っ白となった。

 「ああああああっ!! んひぃぃぃ、いいのぉぉぉぉぉっ!! オマンコ気持ち良過ぎですぅぅぅ!!」

 足に力が入らなくなりイキながら両膝を付く。
 指は自分の意思とは関係無しにマンコをグリグリと責め、残った指も尻穴にも入って行き二穴責めとなった。

 「んほぉぉぉぉぉぅ! そ、そこは違いましゅぅぅぅ! こんなことで私は…… んふぅ! イッたりしませ……  うあああああぁぁぁイッくゥゥゥゥゥッ!!」

 プッシャァァッ! チョロ チョロ チョロ……

 マンコを弄りながら倒れ込むモモは土に顔を押し付け、立てた両膝で犬のような格好をしながら潮を吹き出す。
 一緒に黄色いおしっこまで漏らしてしまい、あまりの気持ち良さにイッてしまった。
 それでも指は止まらずに無様な自分の敗北を想像しながらオナニーをしてしまう。

 「くぉぉぉぉぉッ! くはぁっ、負けません! 正義は必ず勝ちますゥゥゥゥゥッ!! あっ! あっ! どんなにオマンコを攻撃されても屈しません! うぐぅぁ…… そこは…… あああああっ! また、また…… 来ますっ! ああっ! ダメなのにぃっ! ひぁぁぁぁぁっ!! ダメぇぇぇぇぇッッッ!!」

 ビンビンに勃った乳首を地面に擦り付け、突き出したお尻を振りながら絶頂を迎える。
 悔しそうな表情とは裏腹に口元だけは笑っていた。

 「あ……(どうして…… イッたのにもの足りません……)」

 くちゅ くちゅ クチュ……

 涙目になりながらもマンコはイヤらしい音を奏で続ける。
 時折、体がをビクビクと痙攣させるが次第に悦楽は感じなくなってしまった。
 否、感じてはいるが触手の体液が効果を失い始めたせいで先程までのようにはイけなくなっていた。

 「次こそは…… 触手怪人…… うっ、んはぁ……」

 モモは触手怪人を思い浮かべ手を止めるとオナニーをやめた。
 心の奥底に不思議な感覚が芽生える。

 とても切なく締め付けられる思い……

 知らず知らずの内に身体は触手を求めるのであった……
しおりを挟む

処理中です...