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―― 21階層
一人でダンジョンを探索する少女。
彼女こそ二匹にターゲットにされている魔法少女、マジカル桜夜鈴である。
ジェル助によってステータスは確認済みであるが、殆どの情報はプロテクトされているので見ることはできなかった。
その為に名前や職業、年齢など基本情報しか分かっていない。
「この階層も簡単に攻略できそうね。少しはレアなアイテムが出ればいいけど……」
マジカル桜夜鈴はパーティを組まずにたった一人で深層まで来ていた。
通常の冒険者は数人で行動するのだが、仲間は不要…… と言うよりも邪魔な存在であった。
高火力の魔法もほぼ際限無く使えるし、近接格闘も武器を持った並の戦士よりも遥かに強い。
故に他の人間が居たら攻撃に巻き込んでしまうからだ。
それに、回復魔法も使えるし、高速治癒や解毒のスキルまで持っていたりと完璧過ぎるチート級のキャラなのだ。
「……来るわね」
サーチスキルも完備である。
「グォォォォォ!(嫌だ行きたくないよ)」
グレートオーガは叫びながら魔法少女の前に現れた。
桜夜鈴は慌てる様子もなく目線を向けると、何もかもが余裕だと云わんばかりに微笑む。
「このダンジョンは雑魚しか居ないのかしら……」
「ガオォォォォォッ!(なんで僕が魔法少女の相手をしないとなんだよ!)」
「そんなに咆えた所で怖くもないわよ」
人間にはモンスターの言葉が通じないので、単に威嚇しているとしか思っていなかった。
「グォッ! オッ、オッ(この、し、死ねぇ)」
グレートオーガは死にもの狂いで攻撃を仕掛ける。
敵は最強の魔法少女だと知っているので始めから全力であった。
「無駄よ。マジカルファイヤーボール!」
桜夜鈴はあっさりと攻撃を避けると、右手に火球を出現させ敵に目掛けて投げつけた。
ドゴォ!
咄嗟に防ごうと防御体制を取ったが、片腕ごと吹き飛ばされてしまった。
「グォォォォォ……(うぎゃぁぁぁぁぁ……)」
「あらら…… 一撃で倒せなかったみたい。意外としぶといわね」
辛うじて生きているが、激痛と腕を失しなったショックで戦意は消失していた。
「ガオガオガオー、ウガガー(うわぁーん、助けてママー)」
「まだ元気みたいね。これとどめよっ」
「ガオーーーッ(やめてぇぇぇ)」
桜夜鈴は飛び上がるとグレートオーガの頭部へ空中回し蹴りをかます。
「はぁぁぁっ! マジカルキィィィックッ!」
「ガー!(ひぃぃぃ)」
グチャリと鈍い音と共に緑の血液が飛び散り、凶暴な見た目の頭が一瞬で消し飛んだ。
残った身体は数歩だけ前へ進むと、ガクリと膝を折った後に倒れてピクリとも動かなくなった。
「本当に雑魚ねぇ…… もう少し手応えのあるモンスターは居ないのかしら?」
あまりにも一方的な戦いであった。
恐ろしいまでの強さを誇る魔法少女はニヤリと笑ってから直ぐにグレートオーガの解体を始めた。
しばらくすると、ダンジョンモンスターは消失するので素材とドロップアイテムを回収する為である。
素早くアイテムを取り出すと、何事も無かったように桜夜鈴は再び先へと進むのであった。
一人でダンジョンを探索する少女。
彼女こそ二匹にターゲットにされている魔法少女、マジカル桜夜鈴である。
ジェル助によってステータスは確認済みであるが、殆どの情報はプロテクトされているので見ることはできなかった。
その為に名前や職業、年齢など基本情報しか分かっていない。
「この階層も簡単に攻略できそうね。少しはレアなアイテムが出ればいいけど……」
マジカル桜夜鈴はパーティを組まずにたった一人で深層まで来ていた。
通常の冒険者は数人で行動するのだが、仲間は不要…… と言うよりも邪魔な存在であった。
高火力の魔法もほぼ際限無く使えるし、近接格闘も武器を持った並の戦士よりも遥かに強い。
故に他の人間が居たら攻撃に巻き込んでしまうからだ。
それに、回復魔法も使えるし、高速治癒や解毒のスキルまで持っていたりと完璧過ぎるチート級のキャラなのだ。
「……来るわね」
サーチスキルも完備である。
「グォォォォォ!(嫌だ行きたくないよ)」
グレートオーガは叫びながら魔法少女の前に現れた。
桜夜鈴は慌てる様子もなく目線を向けると、何もかもが余裕だと云わんばかりに微笑む。
「このダンジョンは雑魚しか居ないのかしら……」
「ガオォォォォォッ!(なんで僕が魔法少女の相手をしないとなんだよ!)」
「そんなに咆えた所で怖くもないわよ」
人間にはモンスターの言葉が通じないので、単に威嚇しているとしか思っていなかった。
「グォッ! オッ、オッ(この、し、死ねぇ)」
グレートオーガは死にもの狂いで攻撃を仕掛ける。
敵は最強の魔法少女だと知っているので始めから全力であった。
「無駄よ。マジカルファイヤーボール!」
桜夜鈴はあっさりと攻撃を避けると、右手に火球を出現させ敵に目掛けて投げつけた。
ドゴォ!
咄嗟に防ごうと防御体制を取ったが、片腕ごと吹き飛ばされてしまった。
「グォォォォォ……(うぎゃぁぁぁぁぁ……)」
「あらら…… 一撃で倒せなかったみたい。意外としぶといわね」
辛うじて生きているが、激痛と腕を失しなったショックで戦意は消失していた。
「ガオガオガオー、ウガガー(うわぁーん、助けてママー)」
「まだ元気みたいね。これとどめよっ」
「ガオーーーッ(やめてぇぇぇ)」
桜夜鈴は飛び上がるとグレートオーガの頭部へ空中回し蹴りをかます。
「はぁぁぁっ! マジカルキィィィックッ!」
「ガー!(ひぃぃぃ)」
グチャリと鈍い音と共に緑の血液が飛び散り、凶暴な見た目の頭が一瞬で消し飛んだ。
残った身体は数歩だけ前へ進むと、ガクリと膝を折った後に倒れてピクリとも動かなくなった。
「本当に雑魚ねぇ…… もう少し手応えのあるモンスターは居ないのかしら?」
あまりにも一方的な戦いであった。
恐ろしいまでの強さを誇る魔法少女はニヤリと笑ってから直ぐにグレートオーガの解体を始めた。
しばらくすると、ダンジョンモンスターは消失するので素材とドロップアイテムを回収する為である。
素早くアイテムを取り出すと、何事も無かったように桜夜鈴は再び先へと進むのであった。
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