双子に優しく溺れるまで

マカロニチーズ

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6.かつての悪友

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「晴ちゃん!ようこそ~、我が家へ~歓迎するわぁ」

「は、はぁお邪魔します」

 車を降りたら半強制的に双子とその母親りーちゃんにでかい家に押し込められ、リビングのソファに座らされた。

 双子とりーちゃんにソファに座らせたらどこかに行ってしまってどうしたらいいのか分からずソファに座りながら周りをキョロキョロと見渡す。

「おい、なんでお前がいる。下巣が」

 軽蔑・怒りを含んだ声が響いた。

 声のしたほうを見ると大量にピアスを付けている顔が厳つい男が憎しげに睨んできた。

「知らない人に軽蔑されることなんかしてないんだが?」

 初対面の相手に罵倒されて受け流せるほど器量が広いわけではない。

 だが冷静に思うここは人の家、しかも今日会ったばかりの他人の家イコール迷惑をかけられない。

 私を警戒しながら近づいてくる厳つい男に私は一定の距離を男と保ちながら後ろに後退する。

 トンッ

 後ろは壁だった。すぐ違うところに行こうとしたがコイツは見逃さずに私の胸倉を掴み、腕を振り上げた。

「あぁ!帰ってたんだな!あきら

 ドゴンッ!!

 壁に男ーーあきらは殴っていた。

 ドッドッドッド

 心臓がうるさいほど早く高鳴っていた。

 救世主の声は悪友だった。

「あれ?なんではーちゃんがいるの?」

「ま、まぁ色んなことがあってな。ここお前ん家なのか?」

「そうそう俺ん家!壁を殴ったのは俺の弟!」

「・・・・・・昔のお前ソックリだな。ドッペルゲンガーみたいだ」

「やだなぁ。輝はすっごくいい子なんだよ。ていうか昔の話すんな」

「アレがいい子?!昔のそーちゃんそっくりだろ!!!!脳がおかしいのか?!」

「そんなことないよ」

 悪友そーちゃんもといそら。空は昔喧嘩は毎日、夜では女を食い散らしていたのだ。無駄に顔はいいため女は選り取り見取りなのだ。しかも純粋そうな清楚な顔ときた。

 私とそーちゃんは公園でボーッとしていたら話しかけられて仲良くなったって感じだ。後からなぜ話しかけたと言うと男装してイカにも悪そうな私をサンドバックにしようとしてたらしい。そうじゃなくて!

「コイツ!急にいちゃもん付けて来て殴ろうとしたんだぞ!!死ぬかと思った」

「兄さん俺そんなことしてません。信じてください。ぽっとでのオトモダチか弟どちらを信じるの?」

 こいつ堂々と嘘つくな。いっそ感心するわぁ。昔もそーちゃんにソックリだ。見た目と堂々としてるから大体全員騙されてたな。しかも意見を一切曲げない奴だったな。

 見た目は違うがそーちゃんと同じ奴が二人もいてたまるか。

「君は大好きなオニイチャンと似ているところ聞きたい?」

「え"?」

 案の定、弟クンは反応して目が輝いていた。

「ちょっ!はーちゃん?!」

 羽虫はうるさいので睨んでおく。

「そーちゃんと似ているところを教えてあげたいんだけどさっき問答無用で殴ろうとしたことを否定しちゃったらオニイチャンと似てるとこなくなっちゃうんだよね」

「どういうことだ?」

 不思議そうな顔しながら首を傾げた。見た目と裏腹に可愛い所作に頭を撫でてしまった。頭を撫でながら耳元に囁く。

「そぅちゃんは昔はすっごく喧嘩早くて目を合っただけ殴ってるんだよ」

 輝クンの顔はポカンと目口を開けていた。

「いやぁ、面白いねぇ。そーちゃん、家族に話してなかったん?」

「そうだよ、変なこと言うなよな。はぁぁぁ~」

 疲れたように手を頭に当てていた。

「お前でもそんな顔するんだねぇ。よし変なことをいいまくろうではないか」

「はーちゃん?!」

「冗談だよ。人様の家庭壊すつもりはないよ。なにその顔」

 はーちゃんは半目で疑っている顔で見てきた。顔がいいだけにそれだけで絵になるな。イケメン滅びろ。

「別にぃ、そうだゲームしよー!新しいゲーム機買ったんだよ」

「ボロボロにしてやるよ」

 私は双子とその母親が来るまで私は放心している輝をソッと(ほっといて)して対戦ゲームでそーちゃんを攻撃しまくった。

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