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プロローグ
生まれ変わったら王子でした
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「はぁぁぁぁ!もーブランシュ様素敵すぎるぅぅぅぅ!」
姉、優里の奇声がリビングに響く毎日が我が家の日常だ。
まったく女って好きだよねぇこういう甘々王子様系キャラ。歯が浮きそうになる甘い言葉をヒロインに囁きかける眉目秀麗、成績優秀、運動神経抜群とかいう完璧超人。
まぁ設定は王子だし?将来王になるために小さい頃から色々叩き込まれてるんだろうけど俺から言わせてもらえればこんな王子が王になったら国が滅ぶだろ。
身分違いのヒロインに惹かれて婚約者がいるのにも関わらず好意を寄せた上に学園卒業間近で婚約破棄してヒロインと結ばれる。
わがままが過ぎますぜイケメン王子。悪役令嬢扱いされる婚約者の公爵令嬢。
確かにこの娘の言動はきついものがあるけど言ってる事は正直貴族の常識の範囲だと思う。
まぁちょっと取り巻きはどうにかしろよと言いたいけどこれも王子がろくに構わなかったからじゃないかと思うわ。
あ、さっき女は~とか言ったけど正確には拗らせスイーツ女子ね。女性全てがうちの暴君姉みたいだとは思っていないから。
「大~~!プリン食べたい。ちょっとコンビニ行って買ってきて。」
幼い頃から植え付けられた姉への恐怖心に俺は逆らえない。
うちの姉は高校時代に剣道の全国大会個人で3連覇達成した剣道馬鹿で幼い頃から俺は彼女の打ち込み人形扱いを受けてきた。
俺だって幼い頃から合気道をやって去年の全国大会個人優勝とかしてるんだけど身に刻まれた恐怖心というものは中々になくならないものなのだ。
なので断ろうとした瞬間に姉から向けられた殺気の篭った視線に何も言えずすごすごと買い物の準備に入るのだった。
いや、剣道で後の先とは言うけど怖過ぎだろ。そんなんだから彼氏もでき
「おい。早く行けや。」
俺の心を読んだかのようなドスの効いた低い声に俺は慌てて家を飛び出した。
怖すぎるだろうちの姉。
コンビニまでは徒歩10分だ。別に自転車で行くほどじゃない。あー慌てて出たからマイバック用の袋忘れちまった。
数円だけどもったいないよねほんと。
プリンといっても安物を買っていったら何されるかわからない。うちの姉はこのコンビニのオリジナルブランドで売っているスペシャルプレミアまろやか生プリンがお気に入りだ。
値段は1個480円プリン1つになかなかいい値段だ。金払ってくれるのかね。払ってくれないんだろうなぁ・・・
プリン1つで500円近い出費。ついでに漫画雑誌を買ったらもう1000円くらいになる。
バイト増やすかなぁ。そんな事をぼんやり考えながらの帰宅途中。
俺は強い衝撃と共に意識を失った。
----------
瞼に当たる柔らかな日差しが眩しくて俺は目を覚ました。
肌触りのいい上質のシーツがかけられたベッド。シルク製だろうか?これまた肌触りのいいパジャマ。あれ?俺こんなの持ってたっけ?
というか、部屋に見覚えがない。どう見ても高級なホテルのようなこの寝室はどこなのだ。
【コンコンコン】
「お目覚めでしょうか、ブランシュタイン様。」
部屋がノックされ呼びかけられる。俺の名前はマサルだしちょっと色々よくわからなくて混乱でぼーっとしているため返事できなかった。
【コンコンコン】
再び扉がノックされる。
「ブランシュタイン様?お目覚めではありませんか?」
声は若い女性だろうか。部屋間違ってますよー。返事したほうがいいのか?
しかしここどこだよ。なんで俺こんなとこいるんだ?暴君姉に使いパシリさせられて帰り道に何か・・・あれ?トラックに轢かれ・・・た?
あれ?もしかして俺、死んだ?う・・・頭が・・・
【コンコンコン】
「ブランシュタイン様?お目覚めの時間が過ぎておりますので入らせていただきますよ?」
ノックと共に確認の声がかけられる。俺は頭痛でそれどころじゃない。数秒待って返事がない事を確認したのか扉が開かれた。
「失礼します。・・・なんだ、起きていらっしゃるのなら返事していただけたらいいのに。」
そんな事を言いながらこちらに近づいてくるメイドさん。
だから俺は・・・マサルだ・・・ぐぁ!頭が・・・割れる!?
頭を押さえて蹲る俺にメイドさんは異変に気付き駆け寄る。
「ブランシュタイン様!?いかがなさいましたか!?」
駆け寄ってくるけど答える余裕はなく、俺は再び気を失った。
夢の中で俺に知らない私の記憶が流れ込んでくる。
何故こうなったかわからないが俺と私が1つになってしまったらしい。
自我の強いのは俺。体は私。マサルという異世界の者が死に、ブランシュタインという異世界の者の体に魂と記憶が宿ったらしい。
それを理解した途端、俺の目の前に1人の男が現れた。
ブランシュタインと呼ばれていた男。俺の魂が宿った異世界の者。
短く切り揃えた金髪に蒼の瞳のイケメン。いや、年齢的にはまだ10歳ぐらいだからイケメンというのはおかしいかもしれない。
どこかで見たことがあると俺は思った。しかし異世界に知り合いなど当然いない。
うーん誰だ?何かの本で見た。あれは馬鹿姉の部屋の・・・いや、ブランシュタイン?それって姉がやってたゲームのあのキャラのフルネームだった気が・・・あぁ!?
そうだよ。あのゲームの設定資料集に載ってたブランシュタインの幼少期ラフにそっくりだよ!
え?つーことは俺、あのゲームの世界に転生したとかいう展開な訳!?
なんでそんなことに!?
「あの、いいでしょうか?」
一人で百面相しているとブランシュ様が声をかけてきた。
「あああすいません王子。ほったらかしにしてました。つかホントすいませんなんか知らんけど押しかけてしまって、すぐに出て行きますんで。
つかどうやったら出られるんだ?念じればいけるのか?出ろ出ろー!」
慌て過ぎてなんか支離滅裂になってるとクスリと笑われた。
「いえ、事情は私も理解しましたので大丈夫です。自分の未来も。
ゲーム。でしたか?マサル様のお姉様がしておられたものの通りと私の未来がなるのであればそれは恐ろしいことです。
マサル様が常に考えられている通りこの国はいずれ破滅するでしょう。」
フォローしつつ真面目な顔に戻りそう語り始めた。まだ10歳(ブランシュ様の記憶から年齢もわかった)なのにすごくしっかりしてるな。
「あなたが私に宿った理由はわかりません。しかしただ宿るだけでなく意識があなたに寄せられたということにはきっと意味があると思います。
私はこの国の第一王子。いずれ王太子となり将来はこの国を背負う王とならなければなりません。
そして王になる限りはこの国を豊かで平穏に保たなければならない。
しかし私には未来を知る事が出来てもそれを回避する手立てがわからない。
だからマサル様。自分勝手な言い分ですが私と一緒にこの国を救ってくださいませんか?」
勝手にやってきたのは俺なのに何故かお願いされている。
最後の記憶通りならどうせ俺は死んでいるんだ。彼に協力するのはやぶさかでは無い。
俺自身彼の記憶が流れ込んだことで他人事じゃなくなっている。
乗りかかった船というやつだ。なら最後まで付き合うのが筋だろう。
「俺はあなたとは違って庶民です。俺が主体となるとその辺は少し粗暴になるかもしれませんよ?」
了承の意味を込めて手を差し出しながら尋ねる。
「大丈夫です。私も実は割に城のもの達を困らせてますから。」
そう言いながら彼は俺の手を取り握手を交わす。
「じゃあ、これからよろしく。私。」
「はい、よろしくお願いします。俺。」
お互い笑顔でそう答えると僕は急速に意識が浮上していくのを感じた。
----------
「ブランシュ様!ブランシュ様ぁ!」
叫ぶようなシェーラの呼びかけに僕は目を覚ました。
夢の中で記憶の統合が無事終わり、頭痛はすっかり無くなっている。
窓の外はすっかり暗くなり、ベッド脇の机の上におかれたランプの柔らかな光が部屋を照らしていた。
「ふふ、シェーラ。昔の呼び方に戻ってますよ。」
彼女に視線を向けそう言うと、彼女は目から大粒の涙を溢れさせた。
「ブランシュ様!お目覚めに・・・よがっだぁぁぁ!」
腰を抜かしてシェーラがその場に座り込み号泣しだすと、騒ぎを聞きつけて扉が勢いよく開かれる。
「目覚めたかブラン!心配したぞ?」
入ってきたのは父でありこの国の王のシュヴァイセン。
豪快だが思慮深く、国民に慕われる良き王だ。
なんでこんないい王様があのゲームでは最後王子の愚行を許してしまうんだろうか。
「心配をかけました。父上。」
笑顔を見せてそう答えると父上も安心したようだ。
「無事なら良い。しかしもう遅い。今日はこのままゆっくり休むが良い。」
「はい。父上。」
僕の無事を確認すると父上はそう言い部屋を去っていった。
随分心配をかけてしまったらしい。仕方ないとはいえ申し訳なくなるな。
「でば、ぶらんじゅだいんざま、わだぐじもしづれいじます。」
鼻を啜りながらシェーラもそういって部屋を去ったので僕は再び眠りについた。
姉、優里の奇声がリビングに響く毎日が我が家の日常だ。
まったく女って好きだよねぇこういう甘々王子様系キャラ。歯が浮きそうになる甘い言葉をヒロインに囁きかける眉目秀麗、成績優秀、運動神経抜群とかいう完璧超人。
まぁ設定は王子だし?将来王になるために小さい頃から色々叩き込まれてるんだろうけど俺から言わせてもらえればこんな王子が王になったら国が滅ぶだろ。
身分違いのヒロインに惹かれて婚約者がいるのにも関わらず好意を寄せた上に学園卒業間近で婚約破棄してヒロインと結ばれる。
わがままが過ぎますぜイケメン王子。悪役令嬢扱いされる婚約者の公爵令嬢。
確かにこの娘の言動はきついものがあるけど言ってる事は正直貴族の常識の範囲だと思う。
まぁちょっと取り巻きはどうにかしろよと言いたいけどこれも王子がろくに構わなかったからじゃないかと思うわ。
あ、さっき女は~とか言ったけど正確には拗らせスイーツ女子ね。女性全てがうちの暴君姉みたいだとは思っていないから。
「大~~!プリン食べたい。ちょっとコンビニ行って買ってきて。」
幼い頃から植え付けられた姉への恐怖心に俺は逆らえない。
うちの姉は高校時代に剣道の全国大会個人で3連覇達成した剣道馬鹿で幼い頃から俺は彼女の打ち込み人形扱いを受けてきた。
俺だって幼い頃から合気道をやって去年の全国大会個人優勝とかしてるんだけど身に刻まれた恐怖心というものは中々になくならないものなのだ。
なので断ろうとした瞬間に姉から向けられた殺気の篭った視線に何も言えずすごすごと買い物の準備に入るのだった。
いや、剣道で後の先とは言うけど怖過ぎだろ。そんなんだから彼氏もでき
「おい。早く行けや。」
俺の心を読んだかのようなドスの効いた低い声に俺は慌てて家を飛び出した。
怖すぎるだろうちの姉。
コンビニまでは徒歩10分だ。別に自転車で行くほどじゃない。あー慌てて出たからマイバック用の袋忘れちまった。
数円だけどもったいないよねほんと。
プリンといっても安物を買っていったら何されるかわからない。うちの姉はこのコンビニのオリジナルブランドで売っているスペシャルプレミアまろやか生プリンがお気に入りだ。
値段は1個480円プリン1つになかなかいい値段だ。金払ってくれるのかね。払ってくれないんだろうなぁ・・・
プリン1つで500円近い出費。ついでに漫画雑誌を買ったらもう1000円くらいになる。
バイト増やすかなぁ。そんな事をぼんやり考えながらの帰宅途中。
俺は強い衝撃と共に意識を失った。
----------
瞼に当たる柔らかな日差しが眩しくて俺は目を覚ました。
肌触りのいい上質のシーツがかけられたベッド。シルク製だろうか?これまた肌触りのいいパジャマ。あれ?俺こんなの持ってたっけ?
というか、部屋に見覚えがない。どう見ても高級なホテルのようなこの寝室はどこなのだ。
【コンコンコン】
「お目覚めでしょうか、ブランシュタイン様。」
部屋がノックされ呼びかけられる。俺の名前はマサルだしちょっと色々よくわからなくて混乱でぼーっとしているため返事できなかった。
【コンコンコン】
再び扉がノックされる。
「ブランシュタイン様?お目覚めではありませんか?」
声は若い女性だろうか。部屋間違ってますよー。返事したほうがいいのか?
しかしここどこだよ。なんで俺こんなとこいるんだ?暴君姉に使いパシリさせられて帰り道に何か・・・あれ?トラックに轢かれ・・・た?
あれ?もしかして俺、死んだ?う・・・頭が・・・
【コンコンコン】
「ブランシュタイン様?お目覚めの時間が過ぎておりますので入らせていただきますよ?」
ノックと共に確認の声がかけられる。俺は頭痛でそれどころじゃない。数秒待って返事がない事を確認したのか扉が開かれた。
「失礼します。・・・なんだ、起きていらっしゃるのなら返事していただけたらいいのに。」
そんな事を言いながらこちらに近づいてくるメイドさん。
だから俺は・・・マサルだ・・・ぐぁ!頭が・・・割れる!?
頭を押さえて蹲る俺にメイドさんは異変に気付き駆け寄る。
「ブランシュタイン様!?いかがなさいましたか!?」
駆け寄ってくるけど答える余裕はなく、俺は再び気を失った。
夢の中で俺に知らない私の記憶が流れ込んでくる。
何故こうなったかわからないが俺と私が1つになってしまったらしい。
自我の強いのは俺。体は私。マサルという異世界の者が死に、ブランシュタインという異世界の者の体に魂と記憶が宿ったらしい。
それを理解した途端、俺の目の前に1人の男が現れた。
ブランシュタインと呼ばれていた男。俺の魂が宿った異世界の者。
短く切り揃えた金髪に蒼の瞳のイケメン。いや、年齢的にはまだ10歳ぐらいだからイケメンというのはおかしいかもしれない。
どこかで見たことがあると俺は思った。しかし異世界に知り合いなど当然いない。
うーん誰だ?何かの本で見た。あれは馬鹿姉の部屋の・・・いや、ブランシュタイン?それって姉がやってたゲームのあのキャラのフルネームだった気が・・・あぁ!?
そうだよ。あのゲームの設定資料集に載ってたブランシュタインの幼少期ラフにそっくりだよ!
え?つーことは俺、あのゲームの世界に転生したとかいう展開な訳!?
なんでそんなことに!?
「あの、いいでしょうか?」
一人で百面相しているとブランシュ様が声をかけてきた。
「あああすいません王子。ほったらかしにしてました。つかホントすいませんなんか知らんけど押しかけてしまって、すぐに出て行きますんで。
つかどうやったら出られるんだ?念じればいけるのか?出ろ出ろー!」
慌て過ぎてなんか支離滅裂になってるとクスリと笑われた。
「いえ、事情は私も理解しましたので大丈夫です。自分の未来も。
ゲーム。でしたか?マサル様のお姉様がしておられたものの通りと私の未来がなるのであればそれは恐ろしいことです。
マサル様が常に考えられている通りこの国はいずれ破滅するでしょう。」
フォローしつつ真面目な顔に戻りそう語り始めた。まだ10歳(ブランシュ様の記憶から年齢もわかった)なのにすごくしっかりしてるな。
「あなたが私に宿った理由はわかりません。しかしただ宿るだけでなく意識があなたに寄せられたということにはきっと意味があると思います。
私はこの国の第一王子。いずれ王太子となり将来はこの国を背負う王とならなければなりません。
そして王になる限りはこの国を豊かで平穏に保たなければならない。
しかし私には未来を知る事が出来てもそれを回避する手立てがわからない。
だからマサル様。自分勝手な言い分ですが私と一緒にこの国を救ってくださいませんか?」
勝手にやってきたのは俺なのに何故かお願いされている。
最後の記憶通りならどうせ俺は死んでいるんだ。彼に協力するのはやぶさかでは無い。
俺自身彼の記憶が流れ込んだことで他人事じゃなくなっている。
乗りかかった船というやつだ。なら最後まで付き合うのが筋だろう。
「俺はあなたとは違って庶民です。俺が主体となるとその辺は少し粗暴になるかもしれませんよ?」
了承の意味を込めて手を差し出しながら尋ねる。
「大丈夫です。私も実は割に城のもの達を困らせてますから。」
そう言いながら彼は俺の手を取り握手を交わす。
「じゃあ、これからよろしく。私。」
「はい、よろしくお願いします。俺。」
お互い笑顔でそう答えると僕は急速に意識が浮上していくのを感じた。
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「ブランシュ様!ブランシュ様ぁ!」
叫ぶようなシェーラの呼びかけに僕は目を覚ました。
夢の中で記憶の統合が無事終わり、頭痛はすっかり無くなっている。
窓の外はすっかり暗くなり、ベッド脇の机の上におかれたランプの柔らかな光が部屋を照らしていた。
「ふふ、シェーラ。昔の呼び方に戻ってますよ。」
彼女に視線を向けそう言うと、彼女は目から大粒の涙を溢れさせた。
「ブランシュ様!お目覚めに・・・よがっだぁぁぁ!」
腰を抜かしてシェーラがその場に座り込み号泣しだすと、騒ぎを聞きつけて扉が勢いよく開かれる。
「目覚めたかブラン!心配したぞ?」
入ってきたのは父でありこの国の王のシュヴァイセン。
豪快だが思慮深く、国民に慕われる良き王だ。
なんでこんないい王様があのゲームでは最後王子の愚行を許してしまうんだろうか。
「心配をかけました。父上。」
笑顔を見せてそう答えると父上も安心したようだ。
「無事なら良い。しかしもう遅い。今日はこのままゆっくり休むが良い。」
「はい。父上。」
僕の無事を確認すると父上はそう言い部屋を去っていった。
随分心配をかけてしまったらしい。仕方ないとはいえ申し訳なくなるな。
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