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月樹《つき》

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白珪学園編

第三十七話 留学生がやって来た④

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(どうしてこのメンバーでランチをしているのかしら…?)

 今は学園の昼休み。
 普段、教室で食べることが多いタカラも、今日はユカリおばあちゃんとヒデおじいちゃんが町内会の旅行で出掛けていてお弁当がないため、食堂でランチを食べることにしました。

 おばあちゃんは私を1人置いていくのが心配だからと、旅行を断ろうとしましたが…
 せっかく年1回の町内会旅行なので是非行ってほしいと勧めました。
 幸いにも、日本にはコンビニというとても便利なお店があるので、1日2日くらいは私一人でも問題ありません。
 それに一度コンビニ弁当やコンビニスイーツというものを満喫してみたかったので、良い機会です♪
 私は満面の笑顔で二人を送り出したのでした。

 もちろん普段ユカリおばあちゃんのお弁当を食べている倶利伽羅くんも一緒です。

 そこまでは良かったのですが…問題は…
 


「いや~、好きな子と一緒に食べる食事は美味しいね♡」
 と私の方を見て微笑む生徒会長…。

「そんな…好きな子だなんて…」
 と明らかに視線が合っていない会長に、隣から熱い視線を送る花村先輩。

 ちなみに私と倶利伽羅くんが並んで座っている前の席に、生徒会長と花村先輩が陣取っています。
 私の向かいに生徒会長、倶利伽羅君の向かいに花村先輩の順…。
 もちろん一緒に食べているつもりは全くありません…。


「タカラ…明日は俺が作るから、教室で食べよう…」
 前の二人からじっと見られて食べる状況に、居心地悪そうにそう言う倶利伽羅くんに…
「倶利伽羅くんって料理出来たの?」
 そう尋ねると…
「にぎり飯は作れる」
 と誇らしげに胸を張られました…。

 二人でそんな会話をしていたら…

「タカラちゃんは多才だから、料理も得意だったりする?手作りのお弁当が食べたいな~♪」
 と満面の笑顔で聞いてくる生徒会長と…
「私、料理得意です。今度お弁当お持ちしますね♡」
 と横から勝手に自分を売り込む花村先輩。


「良かったですね会長♪花村先輩が手作りのお弁当持って来てくれるそうですよ。
 私達は明日は購買のパンにしましょう」
 と前半は会長に向かって、後半は倶利伽羅くんに向かって告げますと…

「もしかして皆野さん、料理出来ないの?」
 と花村先輩にあおられました。
 ここは負けずに受けて立ちたいところですが…

「私も料理してみようと思いキッチンに立ったことはあるのです。
 でも、謎の異臭がして…紫の煙が立ち昇り…怪しい緑色の物体が出来たため、キッチンには二度と立たないよう家族から言われておりまして…」
 私が残念そうに首をすくめてそう告げますと…

「料理を作っていて謎の異臭…?」
「紫の煙…?」
「緑色の物体って…」

 とその場にいた三人とも絶句してしまいました…。



「やっぱり手作りのお弁当は…いいかな…」
 引きつった笑顔で、素早く会長が先程の発言を撤回し…
「購買のパンも悪くない…」
 倶利伽羅くんも何かボソボソと言ってました。
 花村先輩は無言のまましばらく固まったあと、さっさと話題を変えることにしたようです。

「そう言えば…明日から来る留学生、三人とも皆野さんのクラスに入るらしいよ。
 女の子のスカーレットだけ、うちにホームステイすることになって、昨日うちに来たんだけれど…」
 そう言って花村先輩は微妙な顔をしました…。

「ああ聞いている。普通は1人ずつ異なるクラスに入るのに、どうしても同じクラスがいいとゴリ押しした留学生ね…」
 会長も入る前から嫌な予感がするのか浮かない様子…。

 当事者のうちのクラスの反応はというと…
 とにかく元々定員ギリギリのクラスに三人も人が増えたため、教室がいっぱいいっぱい…

 しかも三人揃って後ろの席に横並びで…とかリクエストまであり…みんな最初から少し不満に思いながら席を用意しました。

「三人とも親が大富豪だそうで、アメリカのカメリア学園ではやりたい放題みたいよ…。
 まあそう言っても、ここは日本だし…留学は冬休みまでの短期間だから…でしょう…頑張って♪」
 無責任なエールを送る花村先輩。

 こういう時、期待を裏切らないを持って生まれた少女タカラ。

 倶利伽羅は嫌な予感をひしひしと感じていた…。


■□■□■□■□

お読みいただきありがとうございます。
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