6 / 39
白珪学園編
第六話 ツバキ先輩
しおりを挟む
「そんなのどうやって見分けるんですか?
自己申告制とか…?」
幽霊が見えるか、見えないかなんて本人にしか分からないのに…どうやって私達が見える人と判断されたのかしら?
やっぱりそういうのを引きつけそうな暗~い雰囲気を漂わせているとか…?
倶利伽羅くんはともかく、私には当てはまりませんね…
と、ぶつぶつ独り言を呟きながら、考えておりましたら…
「君…本当、見た目に反して、不遜な性格してるよね…」
倶利伽羅くんが、呆れ返って見下げてきます…。
そうかしら…?常にヒトの鑑となるよう心掛けているつもりですのに…
「君を鑑にしていたら、みんな王様のようになっちゃうよ…」
「あら、みんなが王様のようになれるなんて…素敵♡」
私がそう答えたら、倶利伽羅くんは言葉につまり…もう相槌を打つのもあきらめてしまいました。
「あの~っ、ちょっといいですか?」
どうやら大道寺先輩は、私達の会話が途切れるのを待ってくれていたようです。
「幽霊が見える見えないは自己申告ではなく…本当に二人とも見えているから勧誘しています。
そもそも見える人しか、この校舎に入ることは出来ません…。
つまり、この部屋にいるということが、すでに条件を満たしているということになります」
やっと言い切れたと、満足気な大道寺先輩。
え~っ、この部屋に入れるのが条件って…扉は勝手に開いていましたけど…。
また大道寺先輩を、胡散臭い者を見る目で見ていると…
「いやいやいや…だって君達、さっきからツバキ先輩と普通に話ししているじゃないですか…」
それが何か?
「えっ…本当に分かってないの…?
ツバキ先輩、どう見ても幽霊じゃないですか?足透けてるし…」
女性の足をマジマジと見るなんて、そんな破廉恥な…と思いつつも、あらためてツバキ先輩のスカートから下に目を向けると…
「あら…透けてる…」
膝から下がフェードアウトしてました。
「皆野さん、まさか今まで気付いていなかったの…?」
もう何度目だろう…。倶利伽羅くんに残念なものを見る目で見られるの…
『本当、面白いわね。今年の新入部員は…』
ツバキ先輩がまた楽しそうにケラケラ笑った。
『あらためまして、この幽霊倶楽部メルティキッスのオブザーバー、香坂椿です。よろしくね』
ツバキ先輩はどっからどう見ても普通の女子中学生にしか見えない…足を見なかったら…。
でも、それより気になったのは…
「オブザーバー?ツバキ先輩は、部員じゃないんですか?」
「一応、部員は白珪学園に在籍する中学生に限るという制限がありますから…なので、現在部員は僕1人になります」
私の疑問に答えてくれたのは、大道寺先輩だ。
『私は曾てはこの学校に在籍していたけれど、結局卒業する前に亡くなっちゃったから、卒業生にもなれない…中途半端な存在ね』
ツバキ先輩はちょっと悲しいのを誤魔化すように、おどけて見せた。
「ということは、ツバキ先輩はこの学校で亡くなって、取り憑いた地縛霊とかですか?」
「「・・・・」」
ちょっと、私の言い方がストレート過ぎたのか、倶利伽羅くんと大道寺先輩が無言の圧をかけてくる…。
『あら?この学校で自殺した生徒だとでも思った?
違うわよ~。この学校はこのクラブを発足してから、自殺者は1人も出していないもの。
このクラブでは、そういったことを未然に防ぐことも役割のひとつなの。
そもそも、私…幽霊になるまで、この学校に通ったことないもの…』
ツバキ先輩は二人の無言の批難を和らげようとしてくれたのか、説明を始めた。
「えっ?でも先輩…さっき、この学校に在籍していたって…」
『籍はあったわよ。でも、私、重い病気を患っていたから…結局中学の時は、一回も学校に通えなかったのよ…。
そして、卒業を待たずに、そのまま病院で亡くなったの…』
「じゃあ、一度も通えなかった中学校に未練があって、幽霊になったのですか?」
またストレートに聞きすぎて、二人に睨まれた…。
でも、当のツバキ先輩は、そんなこと気にしていなかったようで…
『学校というよりも…初恋の人にかな…?』
幽霊なのに、そう呟いたツバキ先輩の頬は、ほんのり赤く染まっていた…。
■□■□■□■□■
お読みいただきありがとうございます。
自己申告制とか…?」
幽霊が見えるか、見えないかなんて本人にしか分からないのに…どうやって私達が見える人と判断されたのかしら?
やっぱりそういうのを引きつけそうな暗~い雰囲気を漂わせているとか…?
倶利伽羅くんはともかく、私には当てはまりませんね…
と、ぶつぶつ独り言を呟きながら、考えておりましたら…
「君…本当、見た目に反して、不遜な性格してるよね…」
倶利伽羅くんが、呆れ返って見下げてきます…。
そうかしら…?常にヒトの鑑となるよう心掛けているつもりですのに…
「君を鑑にしていたら、みんな王様のようになっちゃうよ…」
「あら、みんなが王様のようになれるなんて…素敵♡」
私がそう答えたら、倶利伽羅くんは言葉につまり…もう相槌を打つのもあきらめてしまいました。
「あの~っ、ちょっといいですか?」
どうやら大道寺先輩は、私達の会話が途切れるのを待ってくれていたようです。
「幽霊が見える見えないは自己申告ではなく…本当に二人とも見えているから勧誘しています。
そもそも見える人しか、この校舎に入ることは出来ません…。
つまり、この部屋にいるということが、すでに条件を満たしているということになります」
やっと言い切れたと、満足気な大道寺先輩。
え~っ、この部屋に入れるのが条件って…扉は勝手に開いていましたけど…。
また大道寺先輩を、胡散臭い者を見る目で見ていると…
「いやいやいや…だって君達、さっきからツバキ先輩と普通に話ししているじゃないですか…」
それが何か?
「えっ…本当に分かってないの…?
ツバキ先輩、どう見ても幽霊じゃないですか?足透けてるし…」
女性の足をマジマジと見るなんて、そんな破廉恥な…と思いつつも、あらためてツバキ先輩のスカートから下に目を向けると…
「あら…透けてる…」
膝から下がフェードアウトしてました。
「皆野さん、まさか今まで気付いていなかったの…?」
もう何度目だろう…。倶利伽羅くんに残念なものを見る目で見られるの…
『本当、面白いわね。今年の新入部員は…』
ツバキ先輩がまた楽しそうにケラケラ笑った。
『あらためまして、この幽霊倶楽部メルティキッスのオブザーバー、香坂椿です。よろしくね』
ツバキ先輩はどっからどう見ても普通の女子中学生にしか見えない…足を見なかったら…。
でも、それより気になったのは…
「オブザーバー?ツバキ先輩は、部員じゃないんですか?」
「一応、部員は白珪学園に在籍する中学生に限るという制限がありますから…なので、現在部員は僕1人になります」
私の疑問に答えてくれたのは、大道寺先輩だ。
『私は曾てはこの学校に在籍していたけれど、結局卒業する前に亡くなっちゃったから、卒業生にもなれない…中途半端な存在ね』
ツバキ先輩はちょっと悲しいのを誤魔化すように、おどけて見せた。
「ということは、ツバキ先輩はこの学校で亡くなって、取り憑いた地縛霊とかですか?」
「「・・・・」」
ちょっと、私の言い方がストレート過ぎたのか、倶利伽羅くんと大道寺先輩が無言の圧をかけてくる…。
『あら?この学校で自殺した生徒だとでも思った?
違うわよ~。この学校はこのクラブを発足してから、自殺者は1人も出していないもの。
このクラブでは、そういったことを未然に防ぐことも役割のひとつなの。
そもそも、私…幽霊になるまで、この学校に通ったことないもの…』
ツバキ先輩は二人の無言の批難を和らげようとしてくれたのか、説明を始めた。
「えっ?でも先輩…さっき、この学校に在籍していたって…」
『籍はあったわよ。でも、私、重い病気を患っていたから…結局中学の時は、一回も学校に通えなかったのよ…。
そして、卒業を待たずに、そのまま病院で亡くなったの…』
「じゃあ、一度も通えなかった中学校に未練があって、幽霊になったのですか?」
またストレートに聞きすぎて、二人に睨まれた…。
でも、当のツバキ先輩は、そんなこと気にしていなかったようで…
『学校というよりも…初恋の人にかな…?』
幽霊なのに、そう呟いたツバキ先輩の頬は、ほんのり赤く染まっていた…。
■□■□■□■□■
お読みいただきありがとうございます。
13
あなたにおすすめの小説
【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。
しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。
そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。
そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。
未来スコープ ―キスした相手がわからないって、どういうこと!?―
米田悠由
児童書・童話
「あのね、すごいもの見つけちゃったの!」
平凡な女子高生・月島彩奈が偶然手にした謎の道具「未来スコープ」。
それは、未来を“見る”だけでなく、“課題を通して導く”装置だった。
恋の予感、見知らぬ男子とのキス、そして次々に提示される不可解な課題──
彩奈は、未来スコープを通して、自分の運命に深く関わる人物と出会っていく。
未来スコープが映し出すのは、甘いだけではない未来。
誰かを想う気持ち、誰かに選ばれない痛み、そしてそれでも誰かを支えたいという願い。
夢と現実が交錯する中で、彩奈は「自分の気持ちを信じること」の意味を知っていく。
この物語は、恋と選択、そしてすれ違う想いの中で、自分の軸を見つけていく少女たちの記録です。
感情の揺らぎと、未来への確信が交錯するSFラブストーリー、シリーズ第2作。
読後、きっと「誰かを想うとはどういうことか」を考えたくなる一冊です。
9日間
柏木みのり
児童書・童話
サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。
(also @ なろう)
この町ってなんなんだ!
朝山みどり
児童書・童話
山本航平は両親が仕事で海外へ行ってしまったので、義父の実家に預けられた。山間の古風な町、時代劇のセットのような家は航平はワクワクさせたが、航平はこの町の違和感の原因を探そうと調べ始める。
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。
黒地蔵
紫音みけ🐾書籍発売中
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。
※表紙イラスト=ミカスケ様
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる