空色の瞳の少女

月樹《つき》

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前編

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 生まれてすぐにその美しい瞳の光を失った少女マナは、周りの人達から同情され大切に育てられた。

 その瞳に何も映さなくても、穢れなき美しさを持つ少女は人々を惹きつけ、その評判は村中に広まり…
 とうとうその噂を聞いた村長が娘を気に入り、跡取り息子の婚約者にも選ばれた。
 家族や村の人達は、少女が幸せになれるに違いないとその婚約を心から喜んだ。

 でも…彼女の表情に笑顔が浮かぶことはなく、婚約者が根気強く話し掛けても、少女は『はい』か『いいえ』と答えることしかない…。
 そして、いつも彼女の美しい空色の瞳は虚空を見つめていた…。
 やがて婚約者の彼は学園に通い始め、様々な人々と交流し…そこで恋をした。
 マナのような美しさはないけれど、嬉しい時は大声で笑い、人が悲しむ時は共に涙を流し、理不尽なことには本気で怒る…彼が好きになったのは、そんな少女だった。

 人見知りの激しい盲目の少女マナは、婚約者と同じ学園には通えなかった。
 元々会話の少なかった二人の仲は、彼が学園に通い始めたことで更に距離があいて…
 とうとうこの婚約は解消されることになった。

 元々村長からの希望で結ばれた婚約だったため、少し多めの慰謝料が支払われることで無事円満に解消された。

 その後…家族は必死に止めたけれど、ろくに仕事もできず嫁ぐこともできない自分が居ても足手まといになるだけだからと、少女は本人の意志で北の果てにある修道院で暮らす一生を選んだ。


 ~・~・~・~・~


「ねえ、どうして君は目が見えないをしているの?」

 修道院にある井戸から水汲みをしていた少女マナに話し掛ける者がいた。




が美しいマナに話し掛けているわ』
『早く助けないと、マナが襲われてしまう!!
 でも…怖くて近づけない…』
『誰か!!院長先生を呼んできて~!!』




 他の修道女達が盲目の美しい少女を心配して助けを求めに行く間も、マナは信じられない…という表情で自分に話し掛ける男性の顔を

 そうマナにはみんながと言ったその男性の顔がしっかり

「ほら、驚いた顔をして…やっぱり見えているんでしょ?
 マナ好きだったよね?
 だって…学生時代からずっと付き合ってきて、結婚の約束までしたを捨ててまで選んだ男の顔なんだから…」

 化け物と呼ばれた彼の言葉にマナの表情は驚愕で歪み…思わず言葉がこぼれた…。

「えっ…セイ君…?」

 そう。マナには人には言えないがあったのだ…。

 ■□■□■□■□

 お読みいただきありがとうございます。

 前編・中編・後編・エピローグ

 の四部構成のお話です。
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