チェンジ☆彡

月樹《つき》

文字の大きさ
3 / 3

中編

しおりを挟む
 うちはミニチュアダックスフンドの円蔵エンゾーというオス犬を飼っている。

 この名前はお母さんが好きなイタリア映画に出てくる役の名前からとって付けられた。

 漢字は、仔犬の頃円蔵が、お母さんの財布から勝手にお札を抜き取って、自慢気に加えて歩いていた姿が可愛いかったから…

『この子はお金が好きな子に違いない!!』とこの字を当てはめたそうだ。

 そんな円蔵を連れて夕方の散歩に出掛けていた時に、たまたま水上君がゴールデンレトリバーのリオを連れて散歩しているところに出会した…。

 フレンドリーなリオは、円蔵を見て…

『友達見つけた~!!』と突進して来た。
 不意を突かれた水上君は思わず手綱を離してしまい…

 円蔵はいきなりデッカイのが飛びかかって来たので、驚いてスッと避けた。

 リオにモロに飛びつかれ、思い切りすっ転んだのは反射神経の鈍い梨子の方だった…。 

「えっ…野々村…?ごめん、うちのリオが…。大丈夫か…?」
 そう言って水上君は梨子に手を差し伸べ、立ち上がらせてくれたけれど、転んだショックでか、梨子は何も言葉を発せなかった…。

「ごめん!!本当にごめんな。大丈夫か?家、帰れる?一緒に病院行こうか?」

 と聞いて、梨子はすごい勢いで首をブンブン横に振った。病院に行くのは、あまり好きじゃないらしい…。

 あまりにも激しい拒絶に、水上君もそれ以上しつこく言うのは諦めた。
 それでも最後まで心配してくれた彼は、本当に良い人だと思う。

「大丈夫か?リオが本当にごめん。もし何かあったら言って。じゃあまた明日…学校で」






 そう言って手を振りながら、リオを連れて家に帰った水上君は気がついていなかった…。

 水上君が連れているリオは本当はで、円蔵に引っ張られて家に帰った梨子がだということを…。



 ■□■□■□■□

 お読みいただきありがとうございます。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

雪嶺後宮と、狼王の花嫁

由香
キャラ文芸
後宮に降る雪は、呪いではなく嘆きだった。 巫女として献上された少女セツナは、 封じられた狼王の“花嫁”としての前世を思い出す。 人と妖、政と信仰の狭間で、 彼女が選ぶのは従属ではなく均衡。 雪嶺を舞台に描く、異種婚姻×後宮伝承譚。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

裏切りの代償

中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。 尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。 取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。 自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

お姫様は死に、魔女様は目覚めた

悠十
恋愛
 とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。  しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。  そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして…… 「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」  姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。 「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」  魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……

後宮なりきり夫婦録

石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」 「はあ……?」 雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。 あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。 空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。 かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。 影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。 サイトより転載になります。

15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~

深冬 芽以
恋愛
 交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。  2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。  愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。 「その時計、気に入ってるのね」 「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」 『お揃いで』ね?  夫は知らない。  私が知っていることを。  結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?  私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?  今も私を好きですか?  後悔していませんか?  私は今もあなたが好きです。  だから、ずっと、後悔しているの……。  妻になり、強くなった。  母になり、逞しくなった。  だけど、傷つかないわけじゃない。

処理中です...