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第2話 王立学園入学
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15歳になった私は、貴族が通う王立学園に通うため王都に向かうことが決まっていた。
それにチャーリーは自分も一緒について行きたいと言い出したけれど…
『こればかりは無理だよ…。だって私は端くれでも貴族だから義務として王立学園に通わないといけないけれど…。チャーリーにはそんな義務はないんだし…。
そもそも学園に通うための費用は、チャーリーのお父さんが一年働いて稼ぐお金より高いと思うよ…。そんなお金を私も立て替えてあげるのは無理だし…』
今までのお願いとは訳が違う…。それを『うん!』と頷いてあげることは出来なかった…。
『リアには無理かもしれないけれど、男爵なら俺1人の学費を出すくらい問題ないだろう?
リアの護衛として必要だからと頼んでくれないか?3年もリアと離れるなんて…耐えられないよ…』
チャーリーの熱心な懇願に、私は絆されてお父様にお願いしてみた。
うちのキャンベル男爵家は、家格こそそう高くないけれど、領内には珍しく中規模のダンジョンもあり、商業も栄えていたため、家は割と裕福だった。
だからチャーリーが言うように、1人分の学費を出すくらいそう大したことではなかったけれど…
根っからの商売人である父が、赤の他人の三年間の学費を出してあげるほどお人好しではない。
学費は立て替えても良いが、チャーリーの両親が家を担保に卒業後3年以内に返金するという約束の借用書を書くのなら…という条件を出した。
『リアの友達だから、特別に無利子で貸してあげよう』
そう言うお父様の笑顔は、商売人としての顔をしていた。
お父様から告げられた条件を、アメリアがチャーリーに話すと…
「えっ…借用書…。あんなに裕福なのに、学費くらい出してくれないの…?」
「あの商売人のお父様が無利子で6年も貸してくれること自体、かなりの破格なのだけれど…。
無理ならやはり止めた方がいいんじゃないかな…。
街の学校なら無償で通えるし、私も長期休みには帰ってくるから会えるし…」
3年分の学費は、そんなポンっと他人に与えられる金額ではない。それを出してもらえると思っていたのかな…?
今までにも時々感じていたチャーリーに対する違和感が、ちょっと大きくなった…。
結局、どうしても諦めきれなかったチャーリーは両親に頼みこみ、出世払いということで借用書を書いてもらって王立学園に通うことになった。
それにチャーリーは自分も一緒について行きたいと言い出したけれど…
『こればかりは無理だよ…。だって私は端くれでも貴族だから義務として王立学園に通わないといけないけれど…。チャーリーにはそんな義務はないんだし…。
そもそも学園に通うための費用は、チャーリーのお父さんが一年働いて稼ぐお金より高いと思うよ…。そんなお金を私も立て替えてあげるのは無理だし…』
今までのお願いとは訳が違う…。それを『うん!』と頷いてあげることは出来なかった…。
『リアには無理かもしれないけれど、男爵なら俺1人の学費を出すくらい問題ないだろう?
リアの護衛として必要だからと頼んでくれないか?3年もリアと離れるなんて…耐えられないよ…』
チャーリーの熱心な懇願に、私は絆されてお父様にお願いしてみた。
うちのキャンベル男爵家は、家格こそそう高くないけれど、領内には珍しく中規模のダンジョンもあり、商業も栄えていたため、家は割と裕福だった。
だからチャーリーが言うように、1人分の学費を出すくらいそう大したことではなかったけれど…
根っからの商売人である父が、赤の他人の三年間の学費を出してあげるほどお人好しではない。
学費は立て替えても良いが、チャーリーの両親が家を担保に卒業後3年以内に返金するという約束の借用書を書くのなら…という条件を出した。
『リアの友達だから、特別に無利子で貸してあげよう』
そう言うお父様の笑顔は、商売人としての顔をしていた。
お父様から告げられた条件を、アメリアがチャーリーに話すと…
「えっ…借用書…。あんなに裕福なのに、学費くらい出してくれないの…?」
「あの商売人のお父様が無利子で6年も貸してくれること自体、かなりの破格なのだけれど…。
無理ならやはり止めた方がいいんじゃないかな…。
街の学校なら無償で通えるし、私も長期休みには帰ってくるから会えるし…」
3年分の学費は、そんなポンっと他人に与えられる金額ではない。それを出してもらえると思っていたのかな…?
今までにも時々感じていたチャーリーに対する違和感が、ちょっと大きくなった…。
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