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第一話 波乱の結婚式
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私はクリスティーナ。
これから教会で結婚式を挙げるため、純白のウェディングドレスを身に纏い、夫が来るのを今か今かと待っていました。
でも…なかなか現れない夫…。
そう…婚約者じゃなくて、もう既に入籍しているので夫になります…。
どうして入籍と結婚式、順番が逆なのかと申しますと…それにはのっぴきならない事情があるのですが…
「こんな大切な時にアーサーはどうしたの?フィリップ、ちょっとあなた…あの子の従者でしょ?今すぐ探して来てちょうだい!!」
緊急事態にイライラした義母が、従者のフィリップを怒鳴りつけます。
賓客である王太子殿下も居られる席なので、義父であるガーランド公爵が義母に落ち着くように諫めていましたら…
ちょうどそこへ…
「閣下!!アーサー様が…こちらに向かう途中馬車の事故に遭われて…お亡くなりになりました…」
教会に駆け込んでくるガーランド家家令…。
「「「クリスティーナ様!!」」」
「クリスティーナ!!誰か、クリスティーナを安静なところへ運んでくれ!彼女はいまとても大切な時期なんだ!」
慌てて報告に来た家令の言葉が、人々が待つ教会中に響いたところで…私はショックのあまりその場で卒倒しました。
義父が私を呼ぶ声が、更に追い打ちを掛けます…
だって、そのセリフで思い出してしまったのだもの…
(何で私…よりによって…異世界系ドロ沼恋愛推理小説『可憐な白い花は手折られる~この子誰の子?~』のヒロインに転生してるの!?)
最初の卒倒は夫が亡くなったショックで…
二度目は自分が『~この子誰の子?~』のヒロインだと知ったショックで気を失った…。
~・~・~・~・~
前世の私、山崎真由は、大学からの付き合いの彼とそのまま27歳で結婚。
出産を機にしばらく保育士の仕事から離れて専業主婦となり、子供達が幼稚園に通っている空いた時間に、大好きなドロドロの昼ドラを見るという…ごくありふれた、でも贅沢な生活を送っていた…。
『可憐な白い花は手折られる~この子誰の子?~』は、そんな私の暇つぶしになればと親友のミドリが貸してくれた小説だった。
異世界、ミステリー、ドロ沼恋愛と明らかにおかしい組み合わせをミックスした小説で、序章を読んだだけでお腹いっぱいになってしまい、途中で読むのを止めてしまったのだけれど…。
まさか、そんな小説の世界に転生するなんて…知ってたら最後まで読んだのに…。
~・~・~・~・~
このお話、まず異世界小説にありがちな婚約解消(この小説の場合、破棄でなく解消です)に持っていくための展開がちょっとおかしい…。
ヒロインはお城で行われる王太子妃教育の帰りに、いきなり覆面の男に拐われて、気を失っているうちに純潔を奪われ、王太子妃になる資格を失ってしまう…。
王室に入るには、純潔が絶対条件だから…。
ヒロインがいきなり暴漢に襲われるって…そんなトラウマになりそうな始まり方はどうなんだろう…。
次に恋愛要素としては…ドロ沼恋愛小説なので、お相手も1人ではなく、3人も出てくる。しかもヒロインは父親が誰かわからない子をすでに妊娠中…。
1人目がこれから結婚式を挙げるはずだった夫のガーランド公爵子息アーサー。
彼はクリスティーナの元婚約者である王太子の側近として、ずっと王太子妃となるため努力してきたクリスティーナにほのかな恋心を抱きながらも、自分が仕える王太子の婚約者だからと陰から見守って来た人。
クリスティーナが婚約解消された後は、傷つき今にも儚くなってしまいそうな彼女に優しく寄り添う。事件によって父親の分からない子供を身籠ってしまった彼女を、自分が夫として母子共に支えると誓う、包容力のあるイケメン
長い銀髪に菫色の瞳を持つ綺麗系イケメン。
早々に死亡でドロ沼恋愛劇場から退場するけれど…。
2人目は、最初の婚約者の王太子ローランド・バイオレット。
クリスティーナとは幼い頃からの付き合いで家族のような関係。
クリスティーナがアルバー公爵家では人形のように扱われているのを知り、自分が彼女の唯一の家族になろうと思っていた。
思わぬ事件で、クリスティーナと婚約解消することになったが、その後も妹のように大切に扱う。自分の従兄弟で側近のアーサーとの結婚も、それでクリスティーナが幸せになれるなら…と複雑ながらも心から祝福する。
色々とバイオレット王国にとって有利な条件を出してまで婚姻を望んだ隣国の姫ナターシャと婚約を結び直すも…少なくとも王太子妃教育を完璧に終えた状態で嫁いでくるように条件を出しているので、その準備に2年はかかると思われる。
今は独り身を満喫している。
王家の血を引く男子にだけ現れる菫色の瞳に眩い金髪という、甘いマスクの優しいお兄さん系イケメン。
3人目は夫となる予定だったアーサーの従者のフィリップ。
実はこのフィリップはアーサーの異母弟で、アーサーが亡くなったことでガーランド公爵家の後継者となる。
兄の従者時代から本物のお姫様のクリスティーナに憧れていた。
黒髪に菫色の瞳。母親が異国の舞姫だったため、ちょっとエキゾチックな顔立ちの細マッチョイケメン。
これだけ聞くと、単なる逆ハーじゃない?どこがドロ沼??と思うでしょ?
でも…私が覆面の男に襲われたのは、実は私を王太子妃の座から引きずり落とそうとする陰謀が絡んでいて…そこに公爵家の異母兄弟間の確執、我が家の義母義兄問題などを絡めると結構ドロドロ。
後は、隣国のナターシャ姫の存在そのものや、私との関係もドロドロかな…。
ミステリー要素としては、まず私の暴漢事件は誰が何のために仕組んだのか…?
そして、アーサー様が馬車事故で亡くなったのは偶然なのか?
これには王家の継承権問題も絡んでくる…。
先程も説明したように、王家の血を引く男子にだけ現れる菫色の瞳。
これが受け継がれているのは現バイオレット王、ローランド王太子、王弟のガーランド公爵、その息子のアーサー様、フィリップ様。
順調に行けばローランド王太子が継ぐのだろうけれど…今回のアーサー様の事故のように、突然何が起こるかは分からない。
次の王位に就くのは、果たして誰なのか…?
こんないっぱいいっぱいの情報が頭の中にドッと一気に流れ込んできて…私は許容オーバーでまた気を失った…。
■□■□■□■□
お読みいただきありがとうございます。
これから教会で結婚式を挙げるため、純白のウェディングドレスを身に纏い、夫が来るのを今か今かと待っていました。
でも…なかなか現れない夫…。
そう…婚約者じゃなくて、もう既に入籍しているので夫になります…。
どうして入籍と結婚式、順番が逆なのかと申しますと…それにはのっぴきならない事情があるのですが…
「こんな大切な時にアーサーはどうしたの?フィリップ、ちょっとあなた…あの子の従者でしょ?今すぐ探して来てちょうだい!!」
緊急事態にイライラした義母が、従者のフィリップを怒鳴りつけます。
賓客である王太子殿下も居られる席なので、義父であるガーランド公爵が義母に落ち着くように諫めていましたら…
ちょうどそこへ…
「閣下!!アーサー様が…こちらに向かう途中馬車の事故に遭われて…お亡くなりになりました…」
教会に駆け込んでくるガーランド家家令…。
「「「クリスティーナ様!!」」」
「クリスティーナ!!誰か、クリスティーナを安静なところへ運んでくれ!彼女はいまとても大切な時期なんだ!」
慌てて報告に来た家令の言葉が、人々が待つ教会中に響いたところで…私はショックのあまりその場で卒倒しました。
義父が私を呼ぶ声が、更に追い打ちを掛けます…
だって、そのセリフで思い出してしまったのだもの…
(何で私…よりによって…異世界系ドロ沼恋愛推理小説『可憐な白い花は手折られる~この子誰の子?~』のヒロインに転生してるの!?)
最初の卒倒は夫が亡くなったショックで…
二度目は自分が『~この子誰の子?~』のヒロインだと知ったショックで気を失った…。
~・~・~・~・~
前世の私、山崎真由は、大学からの付き合いの彼とそのまま27歳で結婚。
出産を機にしばらく保育士の仕事から離れて専業主婦となり、子供達が幼稚園に通っている空いた時間に、大好きなドロドロの昼ドラを見るという…ごくありふれた、でも贅沢な生活を送っていた…。
『可憐な白い花は手折られる~この子誰の子?~』は、そんな私の暇つぶしになればと親友のミドリが貸してくれた小説だった。
異世界、ミステリー、ドロ沼恋愛と明らかにおかしい組み合わせをミックスした小説で、序章を読んだだけでお腹いっぱいになってしまい、途中で読むのを止めてしまったのだけれど…。
まさか、そんな小説の世界に転生するなんて…知ってたら最後まで読んだのに…。
~・~・~・~・~
このお話、まず異世界小説にありがちな婚約解消(この小説の場合、破棄でなく解消です)に持っていくための展開がちょっとおかしい…。
ヒロインはお城で行われる王太子妃教育の帰りに、いきなり覆面の男に拐われて、気を失っているうちに純潔を奪われ、王太子妃になる資格を失ってしまう…。
王室に入るには、純潔が絶対条件だから…。
ヒロインがいきなり暴漢に襲われるって…そんなトラウマになりそうな始まり方はどうなんだろう…。
次に恋愛要素としては…ドロ沼恋愛小説なので、お相手も1人ではなく、3人も出てくる。しかもヒロインは父親が誰かわからない子をすでに妊娠中…。
1人目がこれから結婚式を挙げるはずだった夫のガーランド公爵子息アーサー。
彼はクリスティーナの元婚約者である王太子の側近として、ずっと王太子妃となるため努力してきたクリスティーナにほのかな恋心を抱きながらも、自分が仕える王太子の婚約者だからと陰から見守って来た人。
クリスティーナが婚約解消された後は、傷つき今にも儚くなってしまいそうな彼女に優しく寄り添う。事件によって父親の分からない子供を身籠ってしまった彼女を、自分が夫として母子共に支えると誓う、包容力のあるイケメン
長い銀髪に菫色の瞳を持つ綺麗系イケメン。
早々に死亡でドロ沼恋愛劇場から退場するけれど…。
2人目は、最初の婚約者の王太子ローランド・バイオレット。
クリスティーナとは幼い頃からの付き合いで家族のような関係。
クリスティーナがアルバー公爵家では人形のように扱われているのを知り、自分が彼女の唯一の家族になろうと思っていた。
思わぬ事件で、クリスティーナと婚約解消することになったが、その後も妹のように大切に扱う。自分の従兄弟で側近のアーサーとの結婚も、それでクリスティーナが幸せになれるなら…と複雑ながらも心から祝福する。
色々とバイオレット王国にとって有利な条件を出してまで婚姻を望んだ隣国の姫ナターシャと婚約を結び直すも…少なくとも王太子妃教育を完璧に終えた状態で嫁いでくるように条件を出しているので、その準備に2年はかかると思われる。
今は独り身を満喫している。
王家の血を引く男子にだけ現れる菫色の瞳に眩い金髪という、甘いマスクの優しいお兄さん系イケメン。
3人目は夫となる予定だったアーサーの従者のフィリップ。
実はこのフィリップはアーサーの異母弟で、アーサーが亡くなったことでガーランド公爵家の後継者となる。
兄の従者時代から本物のお姫様のクリスティーナに憧れていた。
黒髪に菫色の瞳。母親が異国の舞姫だったため、ちょっとエキゾチックな顔立ちの細マッチョイケメン。
これだけ聞くと、単なる逆ハーじゃない?どこがドロ沼??と思うでしょ?
でも…私が覆面の男に襲われたのは、実は私を王太子妃の座から引きずり落とそうとする陰謀が絡んでいて…そこに公爵家の異母兄弟間の確執、我が家の義母義兄問題などを絡めると結構ドロドロ。
後は、隣国のナターシャ姫の存在そのものや、私との関係もドロドロかな…。
ミステリー要素としては、まず私の暴漢事件は誰が何のために仕組んだのか…?
そして、アーサー様が馬車事故で亡くなったのは偶然なのか?
これには王家の継承権問題も絡んでくる…。
先程も説明したように、王家の血を引く男子にだけ現れる菫色の瞳。
これが受け継がれているのは現バイオレット王、ローランド王太子、王弟のガーランド公爵、その息子のアーサー様、フィリップ様。
順調に行けばローランド王太子が継ぐのだろうけれど…今回のアーサー様の事故のように、突然何が起こるかは分からない。
次の王位に就くのは、果たして誰なのか…?
こんないっぱいいっぱいの情報が頭の中にドッと一気に流れ込んできて…私は許容オーバーでまた気を失った…。
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