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第三話 王位継承権を持つ子
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クリスティーナの生んだ赤ちゃんが菫色の瞳を持つことは、しばらく世間には秘されることになった。
そしてすぐにガーランド公爵家の人達も呼ばれ、クリスティーナと赤ちゃんの今後について話し合われることになったのだけれど…
「「「「「「・・・・」」」」」」
集まった人達は、赤ちゃんの瞳の色を見て、みんな無言だ…。
だって…この菫色の瞳…本当に王族の血を引く男子にしか生まれないんだもの。
紫系の瞳の子供が生まれることがあっても、このバイオレット王家特有の菫色は、王族の血が入ってないと絶対生まれない。
もし王様が一夜の過ちで生まれた庶子などがいたとしても、その色ですぐ分かるため王家に届けられるので、王族の血統は完全に管理されている。
つまり…クリスティーナを襲った犯人は、すでに死亡したアーサー様か、この中にいることになる…。
(おかしい…小説の中にこんな展開はなかったと思う…。
最初の方で読むのを止めてはしまったけれど…生まれた赤ちゃんが菫色の瞳をしている!?
なんて、ドロ沼展開に重要なキーワードはあらすじか、宣伝文句に出てくるはずだ…)
私がそんな風に推測している間に、フリーズ状態から解けた人々が話し始めた。
まず最初に声を上げたのはローランド様で…
「もう、私の子供ということで…クリスティーナは王家に嫁いできたら良いのではないかな?」と爽やかに言ってのけた…。
「誰が父親か分からない子供を、次の王太子にするわけには行かないだろう…ナターシャ姫との婚約はどうするつもりだ?」
王様も誰の子か分からない…と言いつつも、犯人が身内であることは確実なので、歯切れが悪い…。
「彼女が2年で王太子妃教育を終えられるとは思わないですし…そもそも彼女は王太子妃となる条件を満たしていないから、結婚は無理でしょう…」
そう言うローランドの発言に、親世代が理由が分からない…という顔をしているのに対し、フィリップは納得したような顔で頷いた。
「ナターシャ姫の男好きは有名ですからね…。
そもそも、あちらの国でも適齢期は18歳ぐらいなのに…仮にも王族で22歳になっても婚約者がいないのは、母親が平民なのもありますが…素行が悪くて誰も嫁にもらいたがらないからですしね…」
フィリップも呆れたようにため息をつきながら告げる。
「つまり、お前は初めから結婚するつもりがないのに、あれだけの条件をふっかけて婚約したのか?」
ナターシャ姫との婚約を了承する際に、様々な条件を出し、了承させたのはローランドだった。
彼は為政者としても優秀だが、外交官としてもやり手なのだ。
「ちゃんと純潔でなければ王家に嫁げないことは、取り交わした契約書の中に記載されておりますし、もしあちらの契約不履行で婚約が破棄された時も、今回約束した条件は継続される旨も記されております。
たぶん医者を買収でもして誤魔化すつもりでしたでしょうが、我が王家の医者は買収されるようなことはありませんし、医者はこちらから派遣した医者の診断しか認めないことも文書にちゃんと明記しておりますので大丈夫ですよ」
そういったあたりは本当に抜かりない、優秀な王太子だった。
「いくら断ってもあきらめないので、これだけ条件をつけたらさすがに断ってくるだろうと箇条書きにした契約内容を、よく読みもしないでサインしたのはあちらなので、私の知ったことではありません。
国家間のちゃんと文書に残した契約なので、さすがにあちらもゴネることはできないでしょう」
ローランド王太子はとても良い笑顔で微笑んだ。
王様は一気に疲れたような表情で皆の顔を見回した後、
「とりあえずクリスティーナはしばらく王宮で体を休めるように…。
そして菫色の瞳を持って生まれたこの赤児は、今のところ王位継承権第4位を持つ王子とする」
と告げた。
それはフィリップに次ぐ順位だった…。
■□■□■□■□
お読みいただきありがとうございます。
そしてすぐにガーランド公爵家の人達も呼ばれ、クリスティーナと赤ちゃんの今後について話し合われることになったのだけれど…
「「「「「「・・・・」」」」」」
集まった人達は、赤ちゃんの瞳の色を見て、みんな無言だ…。
だって…この菫色の瞳…本当に王族の血を引く男子にしか生まれないんだもの。
紫系の瞳の子供が生まれることがあっても、このバイオレット王家特有の菫色は、王族の血が入ってないと絶対生まれない。
もし王様が一夜の過ちで生まれた庶子などがいたとしても、その色ですぐ分かるため王家に届けられるので、王族の血統は完全に管理されている。
つまり…クリスティーナを襲った犯人は、すでに死亡したアーサー様か、この中にいることになる…。
(おかしい…小説の中にこんな展開はなかったと思う…。
最初の方で読むのを止めてはしまったけれど…生まれた赤ちゃんが菫色の瞳をしている!?
なんて、ドロ沼展開に重要なキーワードはあらすじか、宣伝文句に出てくるはずだ…)
私がそんな風に推測している間に、フリーズ状態から解けた人々が話し始めた。
まず最初に声を上げたのはローランド様で…
「もう、私の子供ということで…クリスティーナは王家に嫁いできたら良いのではないかな?」と爽やかに言ってのけた…。
「誰が父親か分からない子供を、次の王太子にするわけには行かないだろう…ナターシャ姫との婚約はどうするつもりだ?」
王様も誰の子か分からない…と言いつつも、犯人が身内であることは確実なので、歯切れが悪い…。
「彼女が2年で王太子妃教育を終えられるとは思わないですし…そもそも彼女は王太子妃となる条件を満たしていないから、結婚は無理でしょう…」
そう言うローランドの発言に、親世代が理由が分からない…という顔をしているのに対し、フィリップは納得したような顔で頷いた。
「ナターシャ姫の男好きは有名ですからね…。
そもそも、あちらの国でも適齢期は18歳ぐらいなのに…仮にも王族で22歳になっても婚約者がいないのは、母親が平民なのもありますが…素行が悪くて誰も嫁にもらいたがらないからですしね…」
フィリップも呆れたようにため息をつきながら告げる。
「つまり、お前は初めから結婚するつもりがないのに、あれだけの条件をふっかけて婚約したのか?」
ナターシャ姫との婚約を了承する際に、様々な条件を出し、了承させたのはローランドだった。
彼は為政者としても優秀だが、外交官としてもやり手なのだ。
「ちゃんと純潔でなければ王家に嫁げないことは、取り交わした契約書の中に記載されておりますし、もしあちらの契約不履行で婚約が破棄された時も、今回約束した条件は継続される旨も記されております。
たぶん医者を買収でもして誤魔化すつもりでしたでしょうが、我が王家の医者は買収されるようなことはありませんし、医者はこちらから派遣した医者の診断しか認めないことも文書にちゃんと明記しておりますので大丈夫ですよ」
そういったあたりは本当に抜かりない、優秀な王太子だった。
「いくら断ってもあきらめないので、これだけ条件をつけたらさすがに断ってくるだろうと箇条書きにした契約内容を、よく読みもしないでサインしたのはあちらなので、私の知ったことではありません。
国家間のちゃんと文書に残した契約なので、さすがにあちらもゴネることはできないでしょう」
ローランド王太子はとても良い笑顔で微笑んだ。
王様は一気に疲れたような表情で皆の顔を見回した後、
「とりあえずクリスティーナはしばらく王宮で体を休めるように…。
そして菫色の瞳を持って生まれたこの赤児は、今のところ王位継承権第4位を持つ王子とする」
と告げた。
それはフィリップに次ぐ順位だった…。
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お読みいただきありがとうございます。
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