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第六話 家族
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「おはよう」
「…おはようございます。
どうしてローランド様がここに?」
朝起きると、いきなりキラキラしい笑顔が出迎えてくれた…。
「ぐっすり眠れた?」
「はい…お陰様で…」
確かに、ずっと眠れていなかったのに…赤ちゃんが生まれてからは、何故か久しぶりにちゃんと眠れた…。
「そろそろ僕達の赤ちゃんの名前を考えないといけないね…。
空なんてどう?そして二人目が生まれたら海と名付けよう…」
いつもの王子様らしい優しい微笑みで見つめてくるローランド様。
でも…目がイタズラを仕掛けて嬉しそうな時の…よく知っている人の目をしている…。
「ローランド様…あなたは誰なの?」
「もう気づいているんでしょ?真由」
「…透なの…?」
私が戸惑いながらも、そう答えると…ローランド様は、正解というように頷いてくれた。
「私達は何もしなくても、婚約者だったのに…どうしてこんなややこしいことを…?」
襲われて、発見された時からおかしい…とは思っていた…。
破落戸に襲われたはずなのに…すごく綺麗なコテージのプリンセスベッドに、衣服をきっちり着込んで寝かされていたし…。
生まれた赤ちゃんを見た時は…まず間違いなく、赤ちゃんの父親はローランド様だと思った…。
目元に泣きぼくろがあるところまで、そっくりで…。
そう言えば、透と空もよくそっくり親子と言われていたっけ…
「君も気がついていたんでしょ?この世界が君の読んでいた『可憐な白い花は手折られる~この子誰の子?~』によく似た世界だと…」
「どうして、透がその小説を知っているの…!?」
「いや~、真由がどんな話に興味を持って読んでいるのか気になって…。
結局最後まで読んじゃったんだよね~。
真由は、途中で読むの諦めたでしょ?」
「・・・・」
アレを読まれていたなんて…。
「あっ、大丈夫だから…読んでみたのはそれだけで、他にたくさんあった、キラキラしい表紙の本は読んでいないから…」
自分の読んでいる本を、その辺に放置しておくんじゃなかったと、前世の自分の…ズボラな行動を後悔した…。
「でも、おかげで最悪の事態を回避することが出来たので、『前世の僕、良くやった!!』と自分で自分を褒めたい気持ちだったよ」
ローランド様の高貴な顔で、透の言いそうなことを言われると…何が変な感じ…。
それから、透はクリスティーナが辿るはずだった未来を教えてくれた。
「僕以外の知らない破落戸が君を穢し、そんな男の子供を産むなんて…絶対許せなかったからね…。
それなら予定よりも先に僕が襲ってしまえば良いと思ったんだ」
爽やかな笑顔でそんなこと言われても…
「襲われないように護衛をつけて気をつけるとかじゃダメだったの?」
「ナターシャは小説の中のナターシャより、たちが悪い女でね…。
クリスティーナを婚約者から降ろすために、どんな汚い手を使ってくるか分からないし…異世界転生にありがちな物語の強制力というのが働いたらどうしよう…とも怖れていた…。
だから、なるべく話に沿った形で、未来を変えることにしたんだ…」
そう語るローランド様の顔は、真剣だった…。
「でも…それだったら、アーサー様を助ける事も出来たんじゃ…」
彼は物語と同じ、結婚式当日に馬車事故で亡くなってしまった…。
「アーサーなら生きているよ」
「えっ…?」
あっさりとそう言ってのけるローランド様に驚愕の目を向けると…
「もしかして、僕よりアーサーの方が好きになっちゃった?物語の中では、この後フィリップとも恋に落ちるしね…真由って以外と逆ハー願望が…?」
疑わしそうな目で見てくる透に…
「ありません!!ただ本当に困った時に親切にしてくれた人に思いを寄せるのは普通でしょ?
ローランド様とは離れなくてはいけなくて…頼れる家族もいなくて…
どうしてもっと早く教えてくれなかったのよ!!」
話しているうちに、あの時の…死にたいほど苦しかった気持ちを思い出し、泣きそうになるのを堪えていたら…だんだん腹が立ってきた。
透にも、私の怒りが伝わったようで…笑いを引っ込めて、真面目な顔で語り始めた。
「あの頃のクリスティーナはまだ前世の記憶が戻っていなかったから、話しても理解してもらえないと思って言えなかった…。
僕はナターシャがどう仕掛けてくるかも気になって…表立って動けなかったし…ごめん」
何とか物語の流れを変えようと、一人で画策してくれた透をそれ以上責め立てることは出来なかった…。
「それで、アーサー様はどうなったの?」
私が話の続きを促すと…
「真由は最後まで読んでいないから知らなかったと思うけれど…原作の中でも今世でも、アーサーはあんな真面目そうな顔をして、ギャンブル依存症だった…。
まあ、そうなるように導いたのは異母弟のフィリップだったんだけれどね…」
それから透は、小説の中の登場人物と今世の人物の相違点、どう透が暗躍していたのかを教えてくれた。
■□■□■□■□
お読みいただきありがとうございます。
「…おはようございます。
どうしてローランド様がここに?」
朝起きると、いきなりキラキラしい笑顔が出迎えてくれた…。
「ぐっすり眠れた?」
「はい…お陰様で…」
確かに、ずっと眠れていなかったのに…赤ちゃんが生まれてからは、何故か久しぶりにちゃんと眠れた…。
「そろそろ僕達の赤ちゃんの名前を考えないといけないね…。
空なんてどう?そして二人目が生まれたら海と名付けよう…」
いつもの王子様らしい優しい微笑みで見つめてくるローランド様。
でも…目がイタズラを仕掛けて嬉しそうな時の…よく知っている人の目をしている…。
「ローランド様…あなたは誰なの?」
「もう気づいているんでしょ?真由」
「…透なの…?」
私が戸惑いながらも、そう答えると…ローランド様は、正解というように頷いてくれた。
「私達は何もしなくても、婚約者だったのに…どうしてこんなややこしいことを…?」
襲われて、発見された時からおかしい…とは思っていた…。
破落戸に襲われたはずなのに…すごく綺麗なコテージのプリンセスベッドに、衣服をきっちり着込んで寝かされていたし…。
生まれた赤ちゃんを見た時は…まず間違いなく、赤ちゃんの父親はローランド様だと思った…。
目元に泣きぼくろがあるところまで、そっくりで…。
そう言えば、透と空もよくそっくり親子と言われていたっけ…
「君も気がついていたんでしょ?この世界が君の読んでいた『可憐な白い花は手折られる~この子誰の子?~』によく似た世界だと…」
「どうして、透がその小説を知っているの…!?」
「いや~、真由がどんな話に興味を持って読んでいるのか気になって…。
結局最後まで読んじゃったんだよね~。
真由は、途中で読むの諦めたでしょ?」
「・・・・」
アレを読まれていたなんて…。
「あっ、大丈夫だから…読んでみたのはそれだけで、他にたくさんあった、キラキラしい表紙の本は読んでいないから…」
自分の読んでいる本を、その辺に放置しておくんじゃなかったと、前世の自分の…ズボラな行動を後悔した…。
「でも、おかげで最悪の事態を回避することが出来たので、『前世の僕、良くやった!!』と自分で自分を褒めたい気持ちだったよ」
ローランド様の高貴な顔で、透の言いそうなことを言われると…何が変な感じ…。
それから、透はクリスティーナが辿るはずだった未来を教えてくれた。
「僕以外の知らない破落戸が君を穢し、そんな男の子供を産むなんて…絶対許せなかったからね…。
それなら予定よりも先に僕が襲ってしまえば良いと思ったんだ」
爽やかな笑顔でそんなこと言われても…
「襲われないように護衛をつけて気をつけるとかじゃダメだったの?」
「ナターシャは小説の中のナターシャより、たちが悪い女でね…。
クリスティーナを婚約者から降ろすために、どんな汚い手を使ってくるか分からないし…異世界転生にありがちな物語の強制力というのが働いたらどうしよう…とも怖れていた…。
だから、なるべく話に沿った形で、未来を変えることにしたんだ…」
そう語るローランド様の顔は、真剣だった…。
「でも…それだったら、アーサー様を助ける事も出来たんじゃ…」
彼は物語と同じ、結婚式当日に馬車事故で亡くなってしまった…。
「アーサーなら生きているよ」
「えっ…?」
あっさりとそう言ってのけるローランド様に驚愕の目を向けると…
「もしかして、僕よりアーサーの方が好きになっちゃった?物語の中では、この後フィリップとも恋に落ちるしね…真由って以外と逆ハー願望が…?」
疑わしそうな目で見てくる透に…
「ありません!!ただ本当に困った時に親切にしてくれた人に思いを寄せるのは普通でしょ?
ローランド様とは離れなくてはいけなくて…頼れる家族もいなくて…
どうしてもっと早く教えてくれなかったのよ!!」
話しているうちに、あの時の…死にたいほど苦しかった気持ちを思い出し、泣きそうになるのを堪えていたら…だんだん腹が立ってきた。
透にも、私の怒りが伝わったようで…笑いを引っ込めて、真面目な顔で語り始めた。
「あの頃のクリスティーナはまだ前世の記憶が戻っていなかったから、話しても理解してもらえないと思って言えなかった…。
僕はナターシャがどう仕掛けてくるかも気になって…表立って動けなかったし…ごめん」
何とか物語の流れを変えようと、一人で画策してくれた透をそれ以上責め立てることは出来なかった…。
「それで、アーサー様はどうなったの?」
私が話の続きを促すと…
「真由は最後まで読んでいないから知らなかったと思うけれど…原作の中でも今世でも、アーサーはあんな真面目そうな顔をして、ギャンブル依存症だった…。
まあ、そうなるように導いたのは異母弟のフィリップだったんだけれどね…」
それから透は、小説の中の登場人物と今世の人物の相違点、どう透が暗躍していたのかを教えてくれた。
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お読みいただきありがとうございます。
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