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第21話 ドキドキの夏休みin北海道(5)
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「父上、それはどういう意味ですか?」
そう返す魁皇の声には、剣呑な雰囲気が混じる。
そんな中、私は『お母さんはママンなのに、お父さんは父上なんだ~』なんて、呑気なことを考えていたら…
「京香さん、君は本当にこんなヤリ○ン野郎が相手で良いのか!?
君のように美しく清らかな女性が、息子の相手なんてありえない!!
それとも何か弱みを握られているのかい?それなら、今すぐ言いなさい。私が解決してあげるから…」
何故かお父さんが話し始めた途端、ママンが私の耳を塞いだので、最初の方、何を言っていたのか聞こえなかったけれど、お父さんは私のことを気遣ってくれているようだわ…。
「お父様、お気遣いありがとうございます。
でも、魁皇さんに弱みを握られたりというわけではありませんので…」
(盗聴はされているかもしれませんが…)
私が笑顔で応えると…
「お父様…お父様…なんて素晴らしい響きだ。こんな可憐な子が、うちの娘に…」
何故か分からないけれど、お父様呼びがお気に召したらしい…目をつぶり何度もその言葉を噛みしめ始めた…。
「ワタシナンテ、ママンヨ!」
何故かそれに対抗するように、ママンが胸を張って言うと…
「何!?ママンだと!?なら、私はパパか…?」
(えっ…魁皇をさらに威圧感増したような顔で、おかしなこと言い始めたんですけど…)
「父上…何どさくさに紛れて、私でさえ呼んだことのないような呼び方を、京香にさせようとしているんですか!!」
魁皇が呆れた顔で、蔑むように見つめたのに対して、お父さんは…
「ふん、義理の娘がパパと呼んで何の問題がある?
私と同じ顔の息子にパパと呼ばれたところで、ちっとも嬉しくないだろう?
パパ呼びくらいで、そんなに目くじら立てて見苦しいな…ヤキモチか?」
(えっ…?お父さんの中でパパ呼び確定?
呼びませんけど…。そんなことよりも…)
「私のような、どこの馬の骨とも分からぬ娘が大切な息子さんの相手でも、気にされないのでしょうか?そのうえ、うちは早くに両親をなくしておりますので、弟と2人暮らしですし…」
お父さんに『君は本当に魁皇の恋人なのか?』と問いただされた時、てっきりそのことを咎められ、別れるように勧められるのだとばかり思った…。
それはそれで、私としては構わないのだけれど…今後のためにも、影響力の強い二階堂家当主に睨まれるのだけは避けたい…。
そう思い、お父さんが自分のことをどう思っているのか尋ねると…
「申し訳ないが、君のことは魁皇と関わりを持ち始めてすぐに、どういう生徒なのか調べさせてもらった。
そのうえで、君が奨学生として入学していること、とても優秀な生徒であることは分かっている。
幸い、うちは経済的にも、社会的地位でも特にこれ以上昇りつめる必要はないので、婚姻での結びつきは必要としていない。
だから、うちは私も含め代々恋愛結婚なのだよ。
君が生い立ちに引け目を感じる必要は一切ない。ただ…」
お父さんは、その続きを話そうかどうしようか…一瞬思案した。
「父上、京香のどこに問題があるというのですか?」
その微妙な間を不満に思った魁皇が食って掛かると…
「いや、彼女には問題ない。ただ…京香さん…君はご両親の実家について、どのくらい知っている?」
私の両親の実家…?
「全くと言っても過言ではないほど、知りません…うちの両親は結婚を反対され、実家とは縁を切って駆け落ちしたと聞いています。私達姉弟にも、祖父母のことは一切教えてくれなかったので…。
両親が亡くなったときも親戚には連絡を入れず、高階家の力をお借りして私達だけで葬儀を執り行いました…」
うちの両親は、徹底して自分達の居場所を隠すため、私が小学校に上がるまではアメリカで暮らしていた…それ程、実家とは縁を切りたかったのだと思う…。
「そうか…。うちに嫁に来るとなったら、父親の方は問題ないが…母親の方がな…」
そう話すお父さんの顔が、少し渋い顔になった。
「父上は京香のご両親をご存知なのですか?」
私達の会話を聞いていた魁皇が、不思議そうに尋ねた。
「彼女のご両親は私の紫明学院時代の同級生だからな…」
■□■□■□■□■
お読みいただきありがとうございます。
そう返す魁皇の声には、剣呑な雰囲気が混じる。
そんな中、私は『お母さんはママンなのに、お父さんは父上なんだ~』なんて、呑気なことを考えていたら…
「京香さん、君は本当にこんなヤリ○ン野郎が相手で良いのか!?
君のように美しく清らかな女性が、息子の相手なんてありえない!!
それとも何か弱みを握られているのかい?それなら、今すぐ言いなさい。私が解決してあげるから…」
何故かお父さんが話し始めた途端、ママンが私の耳を塞いだので、最初の方、何を言っていたのか聞こえなかったけれど、お父さんは私のことを気遣ってくれているようだわ…。
「お父様、お気遣いありがとうございます。
でも、魁皇さんに弱みを握られたりというわけではありませんので…」
(盗聴はされているかもしれませんが…)
私が笑顔で応えると…
「お父様…お父様…なんて素晴らしい響きだ。こんな可憐な子が、うちの娘に…」
何故か分からないけれど、お父様呼びがお気に召したらしい…目をつぶり何度もその言葉を噛みしめ始めた…。
「ワタシナンテ、ママンヨ!」
何故かそれに対抗するように、ママンが胸を張って言うと…
「何!?ママンだと!?なら、私はパパか…?」
(えっ…魁皇をさらに威圧感増したような顔で、おかしなこと言い始めたんですけど…)
「父上…何どさくさに紛れて、私でさえ呼んだことのないような呼び方を、京香にさせようとしているんですか!!」
魁皇が呆れた顔で、蔑むように見つめたのに対して、お父さんは…
「ふん、義理の娘がパパと呼んで何の問題がある?
私と同じ顔の息子にパパと呼ばれたところで、ちっとも嬉しくないだろう?
パパ呼びくらいで、そんなに目くじら立てて見苦しいな…ヤキモチか?」
(えっ…?お父さんの中でパパ呼び確定?
呼びませんけど…。そんなことよりも…)
「私のような、どこの馬の骨とも分からぬ娘が大切な息子さんの相手でも、気にされないのでしょうか?そのうえ、うちは早くに両親をなくしておりますので、弟と2人暮らしですし…」
お父さんに『君は本当に魁皇の恋人なのか?』と問いただされた時、てっきりそのことを咎められ、別れるように勧められるのだとばかり思った…。
それはそれで、私としては構わないのだけれど…今後のためにも、影響力の強い二階堂家当主に睨まれるのだけは避けたい…。
そう思い、お父さんが自分のことをどう思っているのか尋ねると…
「申し訳ないが、君のことは魁皇と関わりを持ち始めてすぐに、どういう生徒なのか調べさせてもらった。
そのうえで、君が奨学生として入学していること、とても優秀な生徒であることは分かっている。
幸い、うちは経済的にも、社会的地位でも特にこれ以上昇りつめる必要はないので、婚姻での結びつきは必要としていない。
だから、うちは私も含め代々恋愛結婚なのだよ。
君が生い立ちに引け目を感じる必要は一切ない。ただ…」
お父さんは、その続きを話そうかどうしようか…一瞬思案した。
「父上、京香のどこに問題があるというのですか?」
その微妙な間を不満に思った魁皇が食って掛かると…
「いや、彼女には問題ない。ただ…京香さん…君はご両親の実家について、どのくらい知っている?」
私の両親の実家…?
「全くと言っても過言ではないほど、知りません…うちの両親は結婚を反対され、実家とは縁を切って駆け落ちしたと聞いています。私達姉弟にも、祖父母のことは一切教えてくれなかったので…。
両親が亡くなったときも親戚には連絡を入れず、高階家の力をお借りして私達だけで葬儀を執り行いました…」
うちの両親は、徹底して自分達の居場所を隠すため、私が小学校に上がるまではアメリカで暮らしていた…それ程、実家とは縁を切りたかったのだと思う…。
「そうか…。うちに嫁に来るとなったら、父親の方は問題ないが…母親の方がな…」
そう話すお父さんの顔が、少し渋い顔になった。
「父上は京香のご両親をご存知なのですか?」
私達の会話を聞いていた魁皇が、不思議そうに尋ねた。
「彼女のご両親は私の紫明学院時代の同級生だからな…」
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お読みいただきありがとうございます。
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