実は僕……

咲樹

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午前の授業は全て寝ていたらしい…。
授業終わりに先生達が
「成績優秀なのは知ってるけど、授業聞いて?
暇なんだろうけど、お願いだから聞いて??」
と目を潤ませていた。
だって教科書見ればだいたいの点数は取れるくないかな?
「はい!寝ないように心がけます。」
「寝かせないようにします。」
「城谷、お前が1番疲れてるんだろうけど頑張れよ…。」
と肩を叩いて、教室から出ていった。
「なんで僕は労ってくれないの!?」
「無自覚なのが悪いのかね…ボソッ」
「奏くん!」
「どした?」
「お腹空いた!」
「急だな…。まぁ、昼だしな。
売店行って教室で食う?それとも学食?」
うーん。どうしようかな?
学食行きたいけど、お弁当あるしな~。
「何?今日は弁当だけど、学食食いたいの?」
「!?」
「いや、顔に出てるからな?」
僕は両手で顔を隠した。
そんなに僕って顔に出やすいの!?頭にハテナマークを出しながら、考えていると、
「いいから、早く来い。昼休み終わる。」
僕は
「はーい!」
と奏くんの後について行った。
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学食に行くために廊下を歩いていた。すると、背後から
「すっ…すいません!天宮蒼君ですか!?
私、鷹嶋鞠(たかしままり)って言います。
今、お時間よろしいでしょうきゃ!」
女の子が噛みながら、今にも逃げてしまいそうな感じで立っていた。
「今からお昼行くんだけど…」
「蒼、食いたいの買っててやるから。行ってきな?」
「ほんとに?」
「あぁ、待たせるのもダメだろ?で何がいいんだ?」
「んーとね…、醤油ラーメン!!」
キラキラした目を向けようと奏くんの方を見ようとしたら、突然前が真っ暗になった。
「そんなことしなくていいから、はよ行け!
…女子が倒れた後の処理がめんどい…ボソッ」
「なんか気になること言った気がしたけど、行ってきます!お母さん!」
「うるせぇ!はよ行け!」
「はーい、んじゃ行こうか?鷹ちゃん?鞠ちゃん??」
「ははははいいぃぃっ!あっあと、名前は好きに呼んでもらって構わないです。」
「了解!」
鼻歌交じりで来た方向とは逆の廊下へ向かった。
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そして、誰も通っていない階段下につき、
「僕の呼んだ理由はなんですか??」
と聞いた。
「あのですね?ちょっと待ってくだい。」
すうはーっすうはーっと深呼吸した鷹ちゃんが
「蒼くん!わっ...私とつっ...付き合ってください!!」
「へぇ!?僕のことちゃんと知ってる??」
「え?私何か変なこと言いました?」
ちょっと僕は言いにくそうに
「だって僕...男じゃなくて、女なんだよね...」
キョトンッとした後に、引きつった顔で
「えっ...だって制服とかズボンだし、髪は結ってるけど身長は女の子の平均より高いし...」
「じゃあ、こうしたら信じてくれる??」
そう言って、僕は鷹ちゃんの手を取った。一瞬、すごい挙動不審になったけど僕が何をやるか気になったのだろう。じっと見つめていた。
僕は苦笑しながら、ほにゃんっと感触のするモノに鷹ちゃんの手をやった。
「~~~~~~~~~っ!」
と声にならない声を出ていた。そっと手を離すと、
「嘘でしょ...、私より大きい...。でも、これってさらしか何か巻いてるんじゃないの!?それでも、触った時に感じた大きさは...」
ブツブツと真剣に考えていた。けど、途中からうつろな目になりかけていた。そして...、バタンっと倒れてしまった。
「なんで!?え?えぇー!」
と僕は叫んでしまっていた。あわあわっと取り乱したけど、とりあえず...
「保健室行こ...」
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