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邪気眼侍を産みし者 其ノ壱
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「ねえ桐野。弥助が言っていた――」
「ああ。確実に奴だろう」
万屋で桐野とさくらは白衣の僧侶について話していた。
果し合いが終わり、傷口が開いた弥助が診療所に運ばれた後のことである。
強張った顔のさくらに「あの男ならばやる」とあっさり言ってのけた。
「人の人生を狂わせることにかけては天下無双だ。おそらく弥助の師である永須斎も引き込まれてしまったのだろう」
「……桐野。言いたくないのなら言わなくていいけど、あの人とどういう知り合いなの?」
一歩踏み込んださくらに桐野は腕を押さえた。
しかしいつもの発作ではない。
本当に痛みをこらえているような、あるいは今も痛みに耐えているような、苦痛に満ちた顔になった。
その表情にさくらは胸を締め付けられる――桐野が答えたくないと示しているけれど、それでも訊かないといけないと彼女は決意した。
「ごめん、撤回するわ。教えてほしいの。言いたくないことでも、あたしは聞かないといけないわ」
「……何ゆえだ?」
「弥助のこともあるけど、桐野が苦しむのは見たくないの」
「我が、苦しんでいると?」
「あたしはあなたと弥助を仲間だと思っているわ。恩もたくさんある。だから……」
桐野は大きなため息をついた。
そしてしばらく黙って、さくらと向き合った。
「我が相棒が帰還したら話そう。我と奴の関係、そして奴の正体について」
「そうね。弥助にも言わないといけないわね――」
話がついた直後のことだった。
万屋の戸を乱雑かつ遠慮なしに開けた者がいた。
まるで壊すほどの激しい音を立てて中に入ってきたのは――中年の婦人だった。
鬼の形相で桐野を睨みつけるその様は鬼子母神のようだった。
「えっ!? あ、だ、誰――」
「政明ちゃん! 弥助が怪我をしたって本当なの!? それにあなたまで危ないことしたらしいじゃない!」
金切り声で喚き散らす婦人の顔はとても真っ青だった。
怒りを通り越して感情がぐちゃぐちゃになっているようだ。
さくらは「な、なによこの人!?」と慄く。
「桐野の知り合いなの!?」
「い、いや、その……」
「ああん!? 政明ちゃん、その子誰!? また邪気眼とか言って変なことしているんじゃあないでしょうね!」
婦人は武家の奥方のような折り目正しい服装をしていた。
髪も整えており薄く化粧もしている。興奮していなければ美人として映るだろう。
「さあ帰るわよ! さっさと立って!」
婦人が桐野の左腕を取った――そのとき、いつかの辻斬りにやられた刀傷が見えてしまった。
「こ、この傷――」
「な、なんでもない! だから放せ!」
「なんでもなくないでしょ! 弥助から説明なかったわよ!」
怒りのあまり、青を通り越して真っ白になる――そこへもう一人の闖入者がやってきた。
「おいおい正江。そんなに興奮するなよ。政明が怖がっているだろ」
今度は気の弱そうな優男だった。
婦人と同じくらいの年齢で帯刀している。小綺麗な恰好していて武士というよりは学者のような雰囲気を醸し出していた。
さくらは優男を見て桐野に似ているわと思った。しかしどうして似ているのかは判然としなかった。
「旦那様! 私は政明ちゃんのことを思って言っているのよ!」
「分かっているって。だから俺も一緒に来たんだ」
二人が話している間に桐野は引きつった顔で後ずさりしている。
逃げようとしているのだろう。それを察知した婦人――正江は「どこへ行くのかしら!」と怒鳴った。
「話はまだ済んでなくてよ!」
「……うっ! 邪気眼が疼く! 去れ、ここから去れ!」
「はあ!? ――母親に向かってなんてことを言うのよ!」
正江から出た言葉にさくらは驚愕した。
「ええ!? 桐野のお母様!? 前に亡くなったって言わなかった!?」
「ば、馬鹿者! それを言うな!」
「はあああ!? 政明ちゃん! なんで――うう」
「あ。正江?」
怒りと興奮のあまり卒倒してしまった正江を慌てて優男が支える。
そのまま床に寝かせて「もう若くないんだから」と呟く。
「今だ、逃げるぞさくら!」
「お母様、倒れたのよ!?」
「いいから! 後は頼んだ――父上!」
桐野が慌てて外に飛び出す。
追いかけながらさくらは大声で叫んだ。
「お父様も死んだんじゃなかったの!?」
◆◇◆◇
桐野とさくらが逃げた先は桜桃神社だった。
境内の隅に隠れている桐野に「どういうことか説明してほしいわ」とさくらは憮然と言った。両親は亡くなっていると聞かされたのに普通に生きている。先ほどは混乱していたが、今は少しだけ苛立ちを覚えていた。
「あの人たちは桐野の両親なの?」
「……ああそうだ。我を産みし者たちである」
「いつもみたいな言い様やめて。真剣に答えなさい」
「ふぇ!? わ、理解った……」
桐野は深呼吸してから「我は両親から逃げた」と話し始めた。
「特に母上から……我を凡愚にさせようとする」
「凡愚って……普通にさせようとしただけでしょ」
ただの反抗期じゃないとさくらは呆れ果てた。
親子喧嘩というよりも桐野が邪気眼侍であるがゆえの弊害とも言える。
「さくら、普通とはなんだ?」
「それは桐野にしてみれば武士らしくってことじゃないの?」
「我には理解らぬ概念だ」
いつの間にか三角座りになった桐野を見下ろす形になったさくら。
そんな彼女に邪気眼侍は語りだす。
「武士らしく生きるなど我には無理だった。母上の言うことを聞き父上の期待に沿うように生きる。毎日が息苦しくて行き詰っていた。それが普通ならば我は普通でなくていい」
「……だから邪気眼侍になったの?」
「元々、邪気眼は備わっていたがな」
未だに邪気眼があると言い張る桐野だが、それを半ば無視して「武士が嫌なの?」とさくらはできるかぎり優しく問う。
「武士が嫌なわけではない。ただ唯々諾々と従うのが嫌だった。なあさくら。普通ってなんだろうな」
「それは……まともに生きるってことじゃないかしら?」
「まともに生きるなどまやかしに過ぎない。世界には一人として同一の者がいない。それなのに誰がどうまともだと判断するのだ?」
「難しい問いね……」
「我が思うに、まともに生きるとは世界に迎合することだ」
桐野は顔を上げてさくらを見た。
目と目が合ってほんの少々気恥ずかしい気分になるさくらに「迎合とは運命に流されることだ」と桐野は言い放った。
「結果として自らの人生を他者の目に止まらぬように、あるいは目立たぬように息を潜める。そんなのはごめんだ。我は思いっきり息を吸って吐きたい。それだけじゃない。世界に叫びたいのだ――我は今ここにいる、と」
邪気眼侍の瞳は煌々と燃えていた。
それは爽やかな春風ではなく。
暗い情熱で渦巻く疾風のようだった。
さくらは桐野の言葉を反芻した。
改めて自分が桐野に対してどう思っているのか考える。
初めは桐野のやり方を学べば桜桃神社に相応しい巫女になれると思った。
多くの人を助けられると考えた。
だけど接しているうちに変わっていった。
桐野はいつだって真剣だった。
己が邪気眼侍であるように強いていた。
その怪しげな魅力に惹かれたのだ。
だからこそ仲間外れにされたときは悲しかったし、辻斬りに殺されたそうになったときは身を斬られる思いだった。
自分が邪気眼侍になりたいとは思わない。
その代わり仲間であり続けたいと思う。
「桐野。あたしは――」
自分の思いを口に出そうとしたさくらだが、桐野が驚愕した顔で一点を見つめているのに気づく。
彼女の後ろだ。ゆっくりと振り返る。
「ああ。やっぱりここにいたのか」
境内の裏、誰も立ち寄らない場所に来ていたのは、桐野の父親だった。
たおやかな笑みで二人を見つめていた。
幼い我が子が同年代の子供と遊んでいるのを見つめている、親の視線だった。
「ああ。確実に奴だろう」
万屋で桐野とさくらは白衣の僧侶について話していた。
果し合いが終わり、傷口が開いた弥助が診療所に運ばれた後のことである。
強張った顔のさくらに「あの男ならばやる」とあっさり言ってのけた。
「人の人生を狂わせることにかけては天下無双だ。おそらく弥助の師である永須斎も引き込まれてしまったのだろう」
「……桐野。言いたくないのなら言わなくていいけど、あの人とどういう知り合いなの?」
一歩踏み込んださくらに桐野は腕を押さえた。
しかしいつもの発作ではない。
本当に痛みをこらえているような、あるいは今も痛みに耐えているような、苦痛に満ちた顔になった。
その表情にさくらは胸を締め付けられる――桐野が答えたくないと示しているけれど、それでも訊かないといけないと彼女は決意した。
「ごめん、撤回するわ。教えてほしいの。言いたくないことでも、あたしは聞かないといけないわ」
「……何ゆえだ?」
「弥助のこともあるけど、桐野が苦しむのは見たくないの」
「我が、苦しんでいると?」
「あたしはあなたと弥助を仲間だと思っているわ。恩もたくさんある。だから……」
桐野は大きなため息をついた。
そしてしばらく黙って、さくらと向き合った。
「我が相棒が帰還したら話そう。我と奴の関係、そして奴の正体について」
「そうね。弥助にも言わないといけないわね――」
話がついた直後のことだった。
万屋の戸を乱雑かつ遠慮なしに開けた者がいた。
まるで壊すほどの激しい音を立てて中に入ってきたのは――中年の婦人だった。
鬼の形相で桐野を睨みつけるその様は鬼子母神のようだった。
「えっ!? あ、だ、誰――」
「政明ちゃん! 弥助が怪我をしたって本当なの!? それにあなたまで危ないことしたらしいじゃない!」
金切り声で喚き散らす婦人の顔はとても真っ青だった。
怒りを通り越して感情がぐちゃぐちゃになっているようだ。
さくらは「な、なによこの人!?」と慄く。
「桐野の知り合いなの!?」
「い、いや、その……」
「ああん!? 政明ちゃん、その子誰!? また邪気眼とか言って変なことしているんじゃあないでしょうね!」
婦人は武家の奥方のような折り目正しい服装をしていた。
髪も整えており薄く化粧もしている。興奮していなければ美人として映るだろう。
「さあ帰るわよ! さっさと立って!」
婦人が桐野の左腕を取った――そのとき、いつかの辻斬りにやられた刀傷が見えてしまった。
「こ、この傷――」
「な、なんでもない! だから放せ!」
「なんでもなくないでしょ! 弥助から説明なかったわよ!」
怒りのあまり、青を通り越して真っ白になる――そこへもう一人の闖入者がやってきた。
「おいおい正江。そんなに興奮するなよ。政明が怖がっているだろ」
今度は気の弱そうな優男だった。
婦人と同じくらいの年齢で帯刀している。小綺麗な恰好していて武士というよりは学者のような雰囲気を醸し出していた。
さくらは優男を見て桐野に似ているわと思った。しかしどうして似ているのかは判然としなかった。
「旦那様! 私は政明ちゃんのことを思って言っているのよ!」
「分かっているって。だから俺も一緒に来たんだ」
二人が話している間に桐野は引きつった顔で後ずさりしている。
逃げようとしているのだろう。それを察知した婦人――正江は「どこへ行くのかしら!」と怒鳴った。
「話はまだ済んでなくてよ!」
「……うっ! 邪気眼が疼く! 去れ、ここから去れ!」
「はあ!? ――母親に向かってなんてことを言うのよ!」
正江から出た言葉にさくらは驚愕した。
「ええ!? 桐野のお母様!? 前に亡くなったって言わなかった!?」
「ば、馬鹿者! それを言うな!」
「はあああ!? 政明ちゃん! なんで――うう」
「あ。正江?」
怒りと興奮のあまり卒倒してしまった正江を慌てて優男が支える。
そのまま床に寝かせて「もう若くないんだから」と呟く。
「今だ、逃げるぞさくら!」
「お母様、倒れたのよ!?」
「いいから! 後は頼んだ――父上!」
桐野が慌てて外に飛び出す。
追いかけながらさくらは大声で叫んだ。
「お父様も死んだんじゃなかったの!?」
◆◇◆◇
桐野とさくらが逃げた先は桜桃神社だった。
境内の隅に隠れている桐野に「どういうことか説明してほしいわ」とさくらは憮然と言った。両親は亡くなっていると聞かされたのに普通に生きている。先ほどは混乱していたが、今は少しだけ苛立ちを覚えていた。
「あの人たちは桐野の両親なの?」
「……ああそうだ。我を産みし者たちである」
「いつもみたいな言い様やめて。真剣に答えなさい」
「ふぇ!? わ、理解った……」
桐野は深呼吸してから「我は両親から逃げた」と話し始めた。
「特に母上から……我を凡愚にさせようとする」
「凡愚って……普通にさせようとしただけでしょ」
ただの反抗期じゃないとさくらは呆れ果てた。
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「さくら、普通とはなんだ?」
「それは桐野にしてみれば武士らしくってことじゃないの?」
「我には理解らぬ概念だ」
いつの間にか三角座りになった桐野を見下ろす形になったさくら。
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「武士らしく生きるなど我には無理だった。母上の言うことを聞き父上の期待に沿うように生きる。毎日が息苦しくて行き詰っていた。それが普通ならば我は普通でなくていい」
「……だから邪気眼侍になったの?」
「元々、邪気眼は備わっていたがな」
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「武士が嫌なわけではない。ただ唯々諾々と従うのが嫌だった。なあさくら。普通ってなんだろうな」
「それは……まともに生きるってことじゃないかしら?」
「まともに生きるなどまやかしに過ぎない。世界には一人として同一の者がいない。それなのに誰がどうまともだと判断するのだ?」
「難しい問いね……」
「我が思うに、まともに生きるとは世界に迎合することだ」
桐野は顔を上げてさくらを見た。
目と目が合ってほんの少々気恥ずかしい気分になるさくらに「迎合とは運命に流されることだ」と桐野は言い放った。
「結果として自らの人生を他者の目に止まらぬように、あるいは目立たぬように息を潜める。そんなのはごめんだ。我は思いっきり息を吸って吐きたい。それだけじゃない。世界に叫びたいのだ――我は今ここにいる、と」
邪気眼侍の瞳は煌々と燃えていた。
それは爽やかな春風ではなく。
暗い情熱で渦巻く疾風のようだった。
さくらは桐野の言葉を反芻した。
改めて自分が桐野に対してどう思っているのか考える。
初めは桐野のやり方を学べば桜桃神社に相応しい巫女になれると思った。
多くの人を助けられると考えた。
だけど接しているうちに変わっていった。
桐野はいつだって真剣だった。
己が邪気眼侍であるように強いていた。
その怪しげな魅力に惹かれたのだ。
だからこそ仲間外れにされたときは悲しかったし、辻斬りに殺されたそうになったときは身を斬られる思いだった。
自分が邪気眼侍になりたいとは思わない。
その代わり仲間であり続けたいと思う。
「桐野。あたしは――」
自分の思いを口に出そうとしたさくらだが、桐野が驚愕した顔で一点を見つめているのに気づく。
彼女の後ろだ。ゆっくりと振り返る。
「ああ。やっぱりここにいたのか」
境内の裏、誰も立ち寄らない場所に来ていたのは、桐野の父親だった。
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