銃とナイフとストレンジ

和谷ノア

文字の大きさ
1 / 11

プロローグ クリア

しおりを挟む
始まりは宇宙から飛来した隕石だった。

 米国の経済水域である海上に、直径50メートルの隕石が落下した。その大きさからか、落下の衝撃で沿岸部住居の窓ガラスが割れるなどしたらしいが、それ以上の被害が報告されたわけではないので、世界のメディアは「人類始まって以来の巨大隕石」と高らかに報道し、隕石は米国政府に保管される形で、このニュースは終わりを迎えようとしていた。

 このままただの歴史的記念日になって、何年後かに「あの隕石すごかったね~」とたわいもない話のネタにでもなってくれれば良かったと、心底思う。

 しかし現実はそうはいってくれない。

 隕石落下から二週間後、事態が急変する。

 突如世界各地で非化学的な物体が出現し始めた。

 俗に言う“化け物”が確認されたのだ。姿、形、大きさは様々で国や地域によって異なっており、人のような形をしている者もいれば、動物のような奴もいた。

 凄まじい速さで地面を駆ける奴もいれば、空を滑空する奴もいた。
後に、その化け物達が人に危害をくわえるという報告が後を絶たなくなる。
 
 ある物は建物を破壊し、ある物は人に傷害を負わせ、ある物は人を殺し、ある物は人を食らった。
 
 このような報告が次々と舞い込んで来る中、事態を重く見た世界政府は原因究明を急いだ。

 結果、とある過程が浮上する。

 それは、隕石の落下による地球のダメージにより、空間に歪みができあがり、その歪みから繋がるはずのない他の世界の化け物、後に異形いぎょうと呼ばれる者がこちらにやって来たというものだった。
 対策を講じようと軍隊が動くが、奴らには軍隊の使う現代の銃火器などは効き目が薄かったのだ。
 
 このまま為す術なく、人類側が蹂躙されるだけに思えた。
 
 そんな時、伝令が飛び込んでくる。
 
 なんと、ある集団が、異形共を倒したという。
 その集団の使う特殊な武器は、一般的な銃火器とは異なり、異形達の身体に効果的なダメージを与えることが出来ていた。結果、次々と周囲の異形を刈り尽くしていくことに成功。

 世界政府はすぐにその集団に取り入り、協力させてほしいと願い出たことにより大規模な一掃作戦が敢行された。

 世界政府の協力と、その集団「クリア」の活躍により、世界中にはびこっている異形共を一時的に殲滅することに成功した。

 後にクリアはこのような声明をだす。

「奴らはまだまだ発生し、我々の平和を脅かすだろう。奪われた物の敵を討ちたいのならば、大切な物を守りたいのであるならば、どうか、力を貸してほしい。我々と共に、武器を取り立ち向かってくれる仲間を募っている!!」

 その後人員が急増。

 いったい誰が言い出したのやら、人々はこの出来事を「透明な集いとうめいなつどい」と呼んだ。


 これが「俺」の所属する“政府公認対異形組織せいふこうにんたいいぎょうそしき クリア”の最初の活躍である。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

処理中です...