元世界最強の傭兵の超能力学園生活

アンフィニ祐

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2:ニッポン

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 そうして組織のプライベートジェットに乗り込み、ついに10年近く離れていた故郷、ニッポンに帰ってきた。

「そうだ、ジョン。」
「どうしたんです?」
「お前はこれから永井政宗として生きることになる。いいな?」
「永井はそこら辺からとってきたんでしょうけど、政宗の由来を聞いてもいいですか?」
「妖刀マサムネからさ!」
「……そんなことだと思いましたよ。」

 一見スーツを着たこのそこら辺を歩いてそうな女性は上着のボタンを外し、そのシャツを見せつけてくる。
 ニッポン、ラブ。
 そうでかでかと書かれているシャツを俺に見せつけてくる。
 そう、シャツにも書いているがこの人、傭兵組織の幹部の癖して日本大好きウーマンなのだ。
 普通、戦争に関わるような人間はそういうものには興味がないものだろうに。
 これが多様性の時代なのだろうか。

「ジョン。」
「?」
「ニッポンでの生活、楽しむといい!」
「……そうですね。楽しみますよ。」
「困ったことがあったらいつでも帰ってきてくれ!いつでも待ってる。」

 幹部セシリアはそう告げるとくるりと身を翻し、組織の東京支部へと向かっていった。

 あの人たちは優しい。
 組織を抜けると言えば手厚くここまで送り届けてくれた。
 俺に居場所を用意してくれた。
 いつでも帰ってきてくれていいと言ってくれた。
 俺にできるのは迷惑をせめてでもかけないように過ごすことだけだろう。

「ありがとうございました!」

 被っていた帽子を脱ぎ、敬礼をした。
 それにセシリアはふり向かず手をふわふわと振って返すのだった。

「ジョンも独立……かぁ。弟の独立というのはちょっと寂しいものがあるな。」

 セシリアにとって血がつながっていなくとも組織の人間は血のつながらない家族として扱われる。
 傭兵会社アレスというのはそういうものなのだ。
 たとえ組織から離れてもその関係が変わることはきっとないのだろう。

「これからどうするかねぇ。」

 渡された地図を広げ、渡された一軒家の位置を再確認した。

「ここかぁ。」

 空港からかなり数十キロ離れている。
 こりゃあ結構時間がかかるぞ。

 元傭兵の体力からなのか、数十キロ歩くことに関してはそれほどしんどさを感じないのだ。
 彼はスーツケースを引き、空港を後にするのだった。

「にしても色々あるんだなぁ。」

 俺が歩いて家まで何で行くのかって?
 電車使えよって?
 ……迷路過ぎて何が何だかわからないんだ。
 びっくりだぜ。
 路線表見ても何が何だかだ。
 諦めて自転車を購入し、そのまま家まで行くことにした。

 その道中、ふと高校入試の冊子が目に入った。

「高校……か。」

 俺も日本で言えば中3なんだよな。

 政宗ジョンはペラペラと本屋で本をめくりながら入試内容を見ていた。
 その真後ろにリムジンがピタリと止まり、彼の日照権はいともたやすく奪われた。
 後ろを振り向くとVLT可視光線透過率が30%前後のスモークがかかってはいたが、傭兵業のおかげが中が見えた。
 その中に居たのは、かつての幼馴染だった。

「そういえば、あいつも来年度から高校生か。」

 どこの学校に行くんだろうな。
 昔からお嬢様だったし、お嬢様学校だろうか。
 ………ちょっと、調べてみるか。
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