姉妹チート

和希

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対立

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(1)

「空、起きて。今日から学校だよ」
「そうだったね」

 翼に起こされて学校に行く仕度をする。
 翼はそれを待ってる。
 準備が終るとダイニングに降りる。
 そして朝食をとって、身支度を整える。
 天音は寝坊したらしい。
 夏休みで生活リズムを思いっきり崩したらしく、昨日も大地と夜遅くまでメッセージのやり取りをしてたんだそうだ。
 母さんに怒られてた。
 母さんといえば、母さんのお腹も目立ってきた。
 翼たちは興味津々だ。
 水奈が迎えに来た。
 玄関に向かうと靴を履いて家を出る。

「行ってきま~す」

 天音の声が響き渡る。

「水奈、夏休みの間に済ませたか?」
「いや、天音は?」
「あいつどんだけ迫っても全然反応無いんだよ。5年生だと違うのかと思ってな」
「学はやっぱりまじめだからな。一緒に寝ても妹を寝かしつける感覚だよ。やっぱり私が子供なんだろうか?」

 小学生の会話じゃないよう気がする天音と水奈の会話を聞きながら僕と翼は登校していた。
 ちなみに翼は言いつけを守っている。
 中学生になるまでは許しませんという母さんの言いつけを。
 中学生になったら好きにしていい。
 そう前向きにとらえているようだけど。
 学校に着くと天音達と別れて教室に向かう。
 教室にはSHのメンバーが集まっていた。
 だけどそんな時間もすぐに終わり朝礼が始まる。
 朝礼が終ると皆体育館に集まる。
 そして始業式が始まり退屈な時間を過ごす。
 2学期は割と行事が多い。
 努力遠足なんてものもある。
 鷲見にある歴史資料館に歩いていく。
 子供の足で2時間くらいかかる。
 面倒な行事だ。
 あとは社会見学と運動会。
 校長の長い話が終ると皆体育館を出る。
 教室で夏休みの宿題の提出が始まる。
 エアコンは直っていた。
 授業は来週から。
 僕達は昇降口で天音たちを待つ。
 光太と麗華さんは帰って行った。
 学は恋を待っているようだ。
 SH4年生組と2年生組が戻ってきた。
 様子がおかしい。
 何かあったのだろうか?
 天音も水奈も機嫌が悪い。
 どうしたんだろう?

(2)

 2学期最初の日。
 またもや転校生が来た。
 転校生をつれて教室に行く。
 嫌な予感しかしない。
 扉を開けようとした。
 開かない。
 また天音か。
 つっかえ棒でもしてるんだろう。
 全く次から次へと……。
 反対側の扉を開く。

「天音!新学期早々いい加減にしなさ……い?」

 目の前突然現れた人体解剖の人形。
 驚いて尻もち着いた。

「天音流は隙を生じぬ二段構え!!」

 天音が叫ぶ。

「天音!早く理科室に返してきなさい!!」

 人形をどかすと私は天音に言う。

「桜子久しぶり!」

 この子は人の話を聞いていない。
 相手をするだけで無駄だ。
 私は転校生をつれて教室に入る。
 黒板に転校生の名前を書く。
 山本喜一。
 彼は笑顔で挨拶する。

「今日から皆さんと一緒に生活することになりました。山本喜一です。よろしくお願いしま……す!?」

 一瞬何が起こったのか自分でも分からなかった。
 目の前に自分の今日のスカートの柄が見えた。
 何をされたのか分からなかったけど取りあえず無意識にスカートを押さえその場に座り込む。
 何が起こったのか児童たちにもわからなかったようだ。
 最近佐は忙しいから、子供たちも夜更かしするし良いや。
 そんな気分で適当に地味な下着を選んでいたことを後悔してた。
 いや、そうじゃない!

「山本君!何をやってるの!」
「桜子!そんな地味なパンツじゃ旦那に浮気されるぞ!」

 そう言って揶揄う児童たちもいた。
 そうやって彼のこのクラスのデビューは飾られた。
 その時知らなかった。
 児童全員が私と彼に声をかけているものだと思っていた。
 意外な一団が彼の事をただ静かに見ている事など知る由も無かった。
 その後体育館で始業式があった。
 校長の話など聞かずに私語をする天音達。
 校長から「静かにしなさい!」と怒鳴られても「話が面白くないから仕方ないだろ!だからヅラなんだよ!」と水奈が返す。
 それを聞いて全校児童が笑う。
 校長は怒りに震えている。
 皆その事件で気づかなかった。
 私のクラスが一人かけていることに。
 その子が何をしていたのか知らない。
 私は職員室で教頭に呼び出されて叱られていた。
 初日から最悪だった。
 教室に帰る。
 教室に入ると何かに躓いてこけた。
 足に痛みが走る。
 皆が笑う中起き上がって足を見ると何故かカッターが固定されていた。
 扉のにはピアノ線が張られた跡があった。
 その後に誰かが切ったらしい。
 ピアノ線が張られていたままだったら。
 そのピアノ線に足を躓いていたら。
 背筋が凍る。

「天音!またあなたの仕業?」

 私が言ったが天音たちは黙ったまま。
 私は言った後冷静に考えた。
 天音達がやったなら真っ先に名乗り出るはずだ。
 いつもそうだった。
 天音達は確信犯なのだから。
 それに手口も違う。
 いつもの彼女達の意図を感じられない。

「これは誰がやったのですか!?素直に名乗り出なさい!」

 誰も手をあげずにじっとしている。
 そんな中一人にやりと笑っている人物がいた。
 山本喜一だ。

「山本君あなたがやったの?」
「そうでーす。で、それがどうかしたんですか?」

 悪びれる様子がない。

「あなた始業式の時間どこにいたの?」
「教室で色々考えてました」
「皆体育館で式をしていたのに一人だけ勝手な真似が許されると思っているの?」
「皆がやってるから自分もやるなんて主体性のない人間になるなと親に教わってきました」

 主体性がない?

「あなたのやってることは”協調性がない”っていうのよ!」
「俺はそんな檻の中に閉じこもっているつもりはありません。前の学校でもそうでした」

 全く自分が悪いと思っていないらしい。
 どうして私クラスにはこう問題児ばかり集まるのだろう?
 問題はこれだけで済むはずがなかった。
 もっと大きな何かに発展していく。

(3)

「今日からみんなと一緒に勉強していくことになった山本勝次君と山本沙菜さんです。仲良くしてあげてね」
「山本勝次です。よろしくお願いします」
「山本沙菜です。よろしくお願いします」

 2人が自己紹介されると適当に席を決められる。
 2人の紹介が終ると担任から挨拶があって始業式に行く。
 始業式を終えると担任が教室に戻ってくるまで時間があった。
 多分天音さん達の件が問題になっているのだろう。
 私は瑞穂や恋と話をしていた。
 すると勝次君が黒板をバン!と叩く。

「このクラスを仕切ってるの誰だ?」

 誰も返事をしなかった。そんなものいないのだから当然だ。
 勝次君はそれを見てにやりと笑う。

「じゃあ、今日からこのクラスは俺が支配する!俺に逆らうものは容赦しない!」

 誰も相手にしない。馬鹿馬鹿しい。だけど彼は本気だったようだ。
 勝次君は机を思いっきり蹴飛ばす。
 瑞穂は突然の事で泣き出す。

「なめてんじゃねーぞ!このクラスじゃ俺が絶対だ!誰も逆らう事は許さない!ちゃんと話を聞け!」
「何一人勝手な事言ってるんだ?」

 天が言う。
 すると勝次君は天に近づくと天を思いっきり殴り飛ばす。
 吹き飛ばされる天。
 クラスから悲鳴が上がる。

「ちょうどいい、俺に逆らうとどうなるか見せてやる」

 そう言って倒れた天を蹴りつける勝次君。
 大原兄弟が勝次君を止めようとするが二人も殴り飛ばされる。

「いいぜ?何人来ても。文句ある奴は出てこい」

 小泉君は我関せずを決めていた。
 やれやれ。

「ちょ、ちょっと繭」

 恋の声で勝次君は私に気が付く。

「お、いきなり俺に一目惚れか?いいぜ?そういうのも受け付けるぜ?」
「乱暴なだけの荒っぽい男に惚れるような教育を母から受けておりません。あなたの所業が目に余るので止めに来ました」
「俺に逆らうとその可愛い顔に傷が入っても知らないぞ」
「出来るものならどうぞ」
「女子だからって良い気になってんじゃねーぞ」

 特に格闘技を習ってるわけじゃなさそうだ。
 軽くパンチを躱して手を掴み投げ飛ばす。
 女子だから容赦する必要ない。
 母様にそう教わった。

「弱い者いじめをするような男子に誰が恋心を抱きましょうか?いい気になってるのはあなたの方ではなくて?」
「良い度胸だ!」

 勝次君は起き上がる。
 すると担任が入ってくる。

「これは何の騒ぎだ!皆席に戻りなさい」

 皆は席に戻る。
 ボロボロになる天に担任が気付いた。

「如月君何があったの?」

 天は何も言わない。

「どうして何も言わないの?皆もどうして黙っているままなの?」

 担任が聞く。
 だが誰も真相を話そうとしない。
 言えば次の標的は自分だ。
 そう思っていたのだろう。

「如月君は廊下で燥いでいて派手に転んでました」

 勝次君が言う。
 私が静かに立ち上がる。

「嘘はいけません。如月君は山本君に理不尽な暴力を受けていました」

 私が言った。
 勝次君は私を睨みつけるが動じない。

「山本君は自分が絶対だ。誰も逆らうななどと理不尽な要求をしていました」
「本当なの?山本君」
「そんなわけないじゃないですか?なあ皆!」

 勝次君が言う。

「山本君の言う通りです。如月君は転んでました」

 皆が言う。
 理不尽な暴力に屈するのが大半の人間。
 ここで討論していてもしょうがない。

「先生、如月君を保健室に連れて行ってあげてもよろしいでしょうか?」
「そうね、酒井さんお願い」
「はい」

 そうして私は如月君と保健室に向かう。

「ありがとうな、酒井」
「気にしないで、あなたのとった行動は勇敢だった。見事です」

 そんな勇敢な者を見捨てるような真似は酒井家では絶対に許されない。
 ただそれだけの事。

「酒井は強いんだな。それに引き換え俺は」

 天は泣いていた。
 悔しいのだろう。
 だから私は声をかける。

「私は強くなんてない。単純に武術をたしなんでいただけ。強いというのは理不尽な暴力に立ち向かう人の事。さっきも言ったけどあなたは勇敢だった」
「……ありがとう」

 保健室で天は手当てを受けて教室に戻った。
 皆の私達を見る目が変わっているのに気づいた。
 明らかな敵意。
 どうやら私達が教室から離れていた数分の間に彼の脅しがこのクラスを支配したらしい。
 私と天だけじゃない。
 どうやら大原君や恋や瑞穂も巻き込んだようだ。
 始業式の日は私達の学校全体を巻き込む闘争の幕開けとなった。

(4)

 水奈と教室に入る。
 いつものメンバーで話をしていた。
 すると喜一がやってきた。

「お前たちも水島先生揶揄って遊んでるんだって?」

 水奈が何か言おうとしたけど私が止めた。
 相手にするだけ無駄だ。
 相談した結果、出た答え。

「俺も混ぜてくんない?」
「断る」

 私はそう言った。

「いいじゃん、やるなら皆で徹底的にやろうぜ」
「やりたきゃ一人でやれ。私達を巻き込むな」
「なんだよ?ビビってるの?噂だけの腰抜けか?」

 立ち上がる祈を宥める。

「やろうっていうなら受けてたつぜ?言っとくけど俺の弟喧嘩めちゃ強いよ」
「へえ」

 こいつの弟の事はSHの皆は知ってる。
 繭一人にやられた程度の強さらしい。
 どうせ大したことはできない。
 放っておけ。

「なんかしらけるわ。いいや、じゃあ俺一人好きにさせてもらう」

 そう言って、喜一は桜子の机に向かった。

「本当にいいの?」

 花が聞く。

「様子を見よう。あいつがどの程度なのかまだ分からない」

 パパが言ってた。
 戦うならまず相手を観察しろと。
 相手の規模や戦力をしっかり把握する事からだと言ってた。
 あいつの口車に乗らなかったのも理由がある。
 パパの言いつけ。
 人を傷つけるような、人の心に傷をつけるような真似は絶対にするな。
 それからあいつの悪戯を観察していた。
 黒板消し落としからはじまり、授業中に消しゴムを頭にぶつけたり、授業の妨害を始めたりやりたい放題だった。
 クラスの皆の中にも喜一に同調する者が現れて、所謂学級崩壊が起こった。
 授業がつまらないなら寝てればいい。粋のように教室を抜ければいい。
 桜子ちゃんはスカートを穿くのを止めてパンツスタイルに変えた。
 それでも喜一はとまらない。
 どこで覚えたのか、桜子ちゃんが背中を向けた瞬間、隙あればブラのホックを外す。
 いつしかこのクラスの主導権は喜一が握っていた。
 私達は大人しくしていた。
 今の状態で何をしても楽しくない。
 SHのメンバーは静かに見守っていた。
 しかし、それはある日突然終わる。
 桜子は日毎にやつれていた。
 毎日起こる学級崩壊。
 愛莉達を通じて知った事だけど桜子は異動願を出したらしい。
 愛莉が私の仕業だと誤解して私は説教された。
 説教を止めたのはパパだった。

「天音たちは何もしてない。子供を信じてあげて」

 私達だって告げ口なんてせこい真似はしない。
 だけどパパにはお見通しだった。
 その日も類にもれず授業が成り立たない日。
 事件は給食の時間に起こった。
 その日はカレーライスだった。
 喜一はご飯の上に生きたゴキブリを投入し桜子に食わせようとした。
 SHの中で真っ先にキレたのは他でもない私だった。

「桜子!そのカレーに手を付けるな!」

 私は桜子に怒鳴った。
 桜子は手を止める。
 皆も私を見ている。
 喜一はとうとう私の逆鱗に触れた。
 片桐家の絶対唯一の決まり事。

 食べ物を冒涜するような真似は絶対に許さない。

 私は桜子の机に向かいカレーライスを奪い取ると喜一の前に立つ。

 パパごめん。

「お前のカレーライスだ。しっかり食え!」

 私はカレーの入った皿を喜一の顔にぶつけた。
 喜一の舌の上をゴキブリが這ったらしい。
 慌てて吐き出す喜一。

「天音!やめなさい!!」
「なにすんだよ!」

 カレー塗れになって怒り狂った喜一が私に掴みかかるが、その手を取って床に投げつける。
 CQCくらいゲームやってれば大体わかる。

「給食のおばさんに謝れ!!てめーのせいで一人分カレー台無しだぞ!」

 私は桜子ちゃんに掴まれるが喜一を蹴り続けた。
 片桐家では食に対する冒涜は絶対に許されない。
 暴動は私と喜一を皮切りにクラス中に飛び火する。
 喜一を援護する者。
 SHの皆はそいつらを打ちのめしていく。

「金魚の糞みたいなてめーらに舐められて黙ってる俺達だと思うなよ!」

 遊が叫ぶ。
 他のクラスからも騒ぎを聞きつけた教師が介入して騒ぎは収まった。
 当然だけど親を呼び出される。
 今回ばかりは粋のお母さんも強制的に呼び出された。
 1時間くらい説教を受けて家に帰る。
 愛莉は何も言わない。
 私は悪い事はしていない。
 悪いと思ったのは楽しい給食の時間を台無しにしてしまったこと。
 その日家族会議が行われた。
 翼と空が必死に私を弁護してくれる。
 愛莉とパパは話を聞いている。
 子供の主張にまずは耳を貸す。
 いつものパターンだ。
 パパが出てきたときは愛莉は何も言わない。
 愛莉はパパに審判を委ねる。
 翼と空の主張を終えた後パパは考える。

「天音が正しい」

 パパの判決が下った。

「他に話すことは無いんじゃないのか?愛莉」
「そうですね、天音も給食の時間を台無しにしたことは反省してるようですし」

 愛莉が言う。

「もういいよ。話は終わりだ。部屋に戻りなさい」

 パパが言うと部屋に戻る。

「でさ、天音は今後どうするわけ?」

 翼が聞いた。

「売られた喧嘩なら倍返しが掟だって言ってたろ?」
「天音言ってる意味分かってる?授業をまじめに受けろっていうんだよ?天音が」
「大義名分がたつじゃねーか!徹底抗戦だ」
「まあ、天音の性分からしてそうだろね」
「あたぼーよ!」

 転校生は風を巻き起こした。
 最初は小さな旋風だけどそれは勢力を拡大し学校全体にまで広がるのだった。
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