姉妹チート

和希

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心の場所

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「あら、天音お帰り。どうしたの?」

 愛莉が聞く。
 私の体調は最悪だった。
 昨日まで新婚旅行でイタリアに行ってた。
 観光もしたけどとにかく食べまくった。
 そして昨日帰国した。
 そこまでは普通の新婚旅行だ。

「やっぱ日本が一番だよな!久々にラーメン食いたい!」

 そう言って今日の明け方まで大地とはしごしていた。
 そのツケが今来ただけだ。

「愛莉。悪いけど空の部屋使ってもいいか?」
「顔色悪いけど大丈夫?まあ、少し休みなさい」

 大地はその間ただ笑っているだけだった。
 大地が愛莉に土産を渡している間に私は2階に上がって空の部屋に行った。

「いいか、絶対に徹夜したことは黙ってろ!」

 大地にはそう言っておいた。
 多分大丈夫だろう。
 私はベッドに倒れるとそのまま寝ていた。
 起きたのは昼過ぎだった。
 起きて1階に降りると大地とパパが何か話をしていた。
 愛莉はパパの隣で話を聞いていたが、私に気付いたようだ。

「天音、ちょっとここに座りなさい」

 愛莉は少し怒っている様だ。
 大地のやつまさか……

「大地から話は聞きましたよ」

 やっぱり。
 大地を睨みつける。
 大地は何か必死に伝えようとしている様だ。
 首をただ振っている。

「黙ってろって言っただろ!」

 きっと空や翼ならこんな簡単な罠に引っかからなかっただろう。
 愛莉はその一言を待っていたようだ。

「何を隠していたのですか?大地から聞いたのはイタリアでの土産話だけですよ?」

 愛莉にはめられた。
 必死に何か言い訳がないか考える。
 するとパパが言った。

「……そうか毎日パスタだとやっぱりラーメンが恋しくなるよね」
「だろ!いやぁ、昨日の豚骨ラーメンは染みたんだ。それにさ……」
「……つまり昨夜は休まずにラーメンを食べて……それだけじゃないですよね?隠してる事を全部話しなさい!」

 よくよく考えると朝まで飲んでてアルコールの匂いに気付かないわけがない。
 
「いいですか!今さら徹夜で何をしようがやることをやっていたら母さんも何も言いません。ですが、同棲前に天音に伝えた事をわすれたのですか?」

 どんなことがあっても夫を信じなさい。
 そんな単純な事を忘れていた。
 やばい、どうすればいい。

「ねえねえ天音」

 冬吾がリビングにやってきた。

「どうしたんだ冬吾」
「やっぱりイタリアの路地でサッカーボールで遊んでいる子とかいるの?」

 冬吾の興味はそっちだったようだ。

「僕達は観光でいったからそう言うところは見てないんだ」

 大地が代弁する。

「そっかぁ。父さん、料理はスペインとイタリアどっちが美味しいの?」
「……父さんは魚介が苦手でね」

 パエリアとかに興味が無いらしい。

「冬吾はスペインに興味があるの?」
「だって一番サッカーが上手い選手が集まる国なんでしょ?」

 高額の年棒を貰ってるんだから上手いに決まってる。
 なるほどな。

「誠司とも話していたんだ。イタリアとスペインどっちがいいんだろう?って」

 将来海外に移籍するつもりなんだろう。
 冬吾が上手く話をそらしてくれた。
 そう思ったら冬吾はとんでもない事を言いだした。

「でも誠司が不思議な事を言っていたんだ」
「何を言ってたんだ?」
「イタリアの白人の女性も捨てがたいけど、スペインの女性は情熱的にしてくれるんだって。意味がわからなくてさ」
「冬吾は誠司の言う事を真に受けたらいけません!」

 愛莉が冬吾を叱る。
 後日愛莉は水奈のお母さんに連絡して、水奈の父さんは散々な目にあったらしい。
 それはともかく、再び状況が悪くなる。
 しかし行った先がイタリアでよかった。
 東南アジアやカリブだったら絶望的だっただろう。

「やっぱりピザの記事はペラペラなのかい?」

 父さんの興味は二日酔いで苦しんでる娘より、ピザにいったらしい。

「冬夜さん。今はそんな話をしてる場合ではありません!」
「でも愛莉だって新婚旅行はイタリアに行きたかったって言ってたじゃないか」
「私はピザが食べたくて言ったわけじゃありません」
「じゃあ、何が好きなの?」
「観光とか色々あるじゃないですか」
「だったら大地に聞こうよ。僕としてはそっちの方が興味がある」
「……そうですね」
 
 本当にパパは愛莉もいとも簡単に操る。
 大地もそのうちそうなるのだろうか?
 その後私達の土産話を聞きながら昼食をとっていた。
 夕方ごろにはそろそろ出ようと大地が言う。

「夕食くらい食べて言ったらいいのに」
「天音を少し休ませてあげたいから」
 
 外食して家で休むそうだ。

「天音。二日連続で徹夜なんて許しませんからね」

 そんな体力ねーよ。

「僕の実家に行くのはまた明日にしよう」

 大地は運転しながらそう言う。

「わたしは嫁としてまだまだだな」
「どうして?」
「大地を信じる事が出来なかった」

 まだまだ未熟なようだ。

「それは僕も同じだよ。天音にちゃんと信頼される夫になりたい」
「……ありがとう」

 翌日大地の家に挨拶に行く。
 
「本当にイタリアでよかったの?」

 大地の母さんが聞いてきた。
 翼達は地中海のクルーズだった。
 大地の母さん的には世界一周くらいさせないと気が済まないらしい。

「大地はまだ大学があるんだ。世界一周は無理があるよ」
「だったら卒業してからでもいいでしょ」
「卒業しても会社を任せるんでしょ?」
「社長が3ヶ月くらい不在だったからってあたふたするような会社必要ない!」

 大地の父さんは今でも苦労しているらしい。
 これでも4大グループの総帥なんだけどな。
 話をして家に帰る。

「私は大地のお母さんに似るかもしれないな」
「え!?」

 性格的にそうだろと大地に言う。
 大地は苦笑していた。
 でも大地は何も心配しなくていいんだ。
 ちゃんと大地を支えてあげられる嫁になってみせるから。
 例え共に毒を食らう事になっても喜んで食べよう。
 そう思った。
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