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頂点
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(1)
「なんだてめぇ?」
様々な色の特攻服を着て喧嘩をしている連中の一人が僕に話しかけてきた。
どうして、この手の類の輩は港や埠頭を好むのだろう?
僕は一人でこの地に来た。
理由は喧嘩の仲裁。
県内の族の頭が集まってるらしい。
「私もついていこうか?」
美希は心配だったらしい。
もちろん僕が怪我する事じゃない。
暴走して死人を出すんじゃないか?
そんな心配だったらしい。
「”アレ”は置いていくよ。それに終わったらきっとお腹ペコペコだから」
そう言って笑うと美希は「わかった」と笑顔で返した。
「あんまり遅くなっちゃだめだよ」
「分かってる」
美希は僕達に救援を求めた浅井徹と中村加奈子を家に送るらしい。
「人の話聞いてるのか?何者だてめぇ?」
図体は僕よりはるかにでかい。
鍛えている様だ。
そんな奴が僕を睨みつける。
まずは名乗る事から始めようか。
「片桐空。SHのリーダー」
僕が名乗ると連中は騒めく。
一人狼狽えているのは勝次だ。
「お前の出る幕じゃない、引っ込んでろ!」
一番体格のでかい奴が僕につかみかかろうとする。
僕はその腕を躱して、男の顎を掴み持ち上げる。
「人の話は最後まで聞いた方がいいよ?」
「邪魔するとお前もやっちまうぞ」
特攻服の色を見ると、多分彼が雪華団の頭の今村真琴だろう。
僕は男を掴んだまま、真琴たちに向かって告げる。
「お前たちの目的は”誰が地元で一番強いか?”なんだろ?」
「それがお前とどう関係があるんだ?」
真琴が聞くと、とりあえず男を放り投げて答えた。
「お前らだけで小競り合いしても決着つかないだろ?」
永遠と闘争が続くのみ。
だからハッキリさせてやる。
「まとめてかかってきてもいい。僕が相手になってやる」
お前達が全力を出しても倒せない男がこうして目の前に立ってやってるんだ。
「なんなら僕を倒せたら、”空の王”という称号もくれてやる」
真琴達が考えていた。
そして最初に襲い掛かったのは真琴だった。
木刀を僕に向かって振り下ろす。
半身で躱すとみぞおちに膝蹴りを打ち込む。
よろめく真琴の顔を殴り飛ばす。
すると他のメンバーも僕に襲い掛かって来た。
冷静に一人ずつ叩きのめす。
一度倒れても何度も立ち上がってくる。
その度に僕は何度でも殴り飛ばす。
何度でも繰り返す。
やがて全員の戦意を削いだようだ。
座り込んで黙ってしまう。
「もう終わり?」
僕が挑発しても完全に戦意を喪失したようだ。
それを確認すると僕は勝次に近づく。
「お前何やってるの?」
「SHには関係ないだろ」
「ああ、SHは関係ない。だから僕一人で来た。それより僕の質問に答えろ。お前何やってるの?」
「地元で一番偉い奴を今日ハッキリさせる為に来た」
「その割には勝次は一度も僕にかかってこなかったじゃないか?」
「……お前が最強だってのは俺だって知ってるよ」
「じゃあ、この喧嘩に意味はないね?」
勝次は何も言わなかった。
「……勝次。お前の力は何の為にある?」
「わかんねーよ」
「そうか。じゃあ、話をしてやる。僕の家に中村加奈子さんが来た」
「加奈子が?」
勝次が僕の顔を見る。
僕は頷いた。
「お前等がバカな事をしようとしてるのを止めて欲しいとお願いしに来たんだ」
「加奈子は関係ない。これは男の意地の問題だ」
舐められたままでは終われないと、勝次は言う。
「そうか……じゃあ、僕が止めてあげるって言った時に加奈子さんが大粒の涙を流したのは知ってるか?」
喧嘩を止めてやると言った時に涙した加奈子さんの事をどう思う?
「キスするタイミングに苦戦するくらい大切な彼女を泣かせるのは、お前の意地には関係ないのか?」
よく考えろ。
お前の力は何の為にある?
「それでもまだ納得がいかないなら、何度でも叩きのめしてやる。そんなしょぼいプライド僕がへし折ってやる」
勝次はじっと僕を見ていた。
他のやつらにも言う。
「君達にも大切な人いるんじゃないのか?君達に何かあった時、その人がどんな気持ちか考えた事はあるのか?」
誰も何も答えなかった。
全員納得したらしい。
「早く行け。直に警察が来る。見つかってからじゃ遅いから」
後始末は僕がする。
そう言うと皆黙ってバイクにまたがって帰っていった。
「やっぱり地元で一番強いのはSHなんだな」
勝次がそう言って笑うと、勝次もまたバイクにまたがって帰っていった。
僕も車に乗って家に帰る。
「おかえり~今日はハンバーグだよ」
美希の声が聞こえてくる。
今頃勝次たちも帰るべき場所に帰っているだろう。
(2)
空に制圧された俺達は皆帰っていった。
俺は帰ると車に乗り換えて加奈子の家に行く。
「あ、勝次。大丈夫?」
「ああ、お前のせいで空にこてんぱんだ」
「怪我したの?」
「俺だってFGのメンバーだ。空に喧嘩売るなんて馬鹿な真似しねーよ」
「そっか」
加奈子は「良かった」と安心していた。
その笑顔を守るための力……か。
「加奈子、お前今から外出しても大丈夫か?」
「今更どうこういう親じゃないよ。ちょっと待ってて」
加奈子はそう言うと準備して外に出て来た。
加奈子を車に乗せると走り出す。
「ねえ?どこ行くの?」
「内緒だ」
車は別府インターで降りて山を下る。
明礬温泉を抜けて地元必須のデートスポットに行く。
「いつ来ても綺麗だね」
加奈子を嬉しそうに言う。
俺は緊張していた。
加奈子にとっては数あるかもしれない。
だけど俺が本気で好きになったのは加奈子だけだ。
少しだけ勇気を出せばいい。
あとは加奈子が気づいてくれる。
俺は決意すると加奈子の肩を抱き寄せる。
驚いた加奈子は俺を見る。
俺も加奈子の顔を見ていた。
やがて少し恥ずかしそうにしているのが分かった。
そして加奈子との初めてのキス。
キスの後加奈子は抱き着いてきた。
「私でよかったの?」
「加奈子以外にいねーよ」
「ありがとう。……ねえ?」
「どうした?」
「今日お泊りでも構わないよ?」
さすがに俺は動揺した。
そんな俺を見て加奈子は笑う。
「あんまり待たせるなよ」
今頃他の奴等も大切な人と会って、その事を確かめているのだろう。
愛と希望をばらまくセイクリッドハート。
あいつらは文字通り地元の頂点に辿り着いた。
(3)
「ははっ」
夕食を済ませて風呂に入るとテレビを見ていた。
するとスマホを見ていた美希が笑い出す。
「どうしたの?」
美希に聞いてみた。
「スマホ見て」
美希が言うので見てみた。
紗奈からの報告だ。
今日は帰ってこないと思った勝次が1人で帰って来た。
そして勝次が紗奈に聞いたらしい。
「女性と一泊する時に必須な事ってあるか?」
「……勝次まだしてなかったの?」
「今日やっとキス出来たんだぞ」
「ゴムくらい買っときなよ」
そしてその顛末を聞いてSHのチャットは爆笑してた。
「あいつあのナリでまだ未経験だったのかよ!」
遊と粋が爆笑している。
天音と大地は新婚旅行に行っている。
しかしチャットを見たらしい。
天音はベッドの上で笑い転げているそうだ。
水奈も同じらしい。
「あいつ人を笑わせるセンスあり過ぎだろ!」
問題はその後だ。
勝次が言ったらしい。
「お前らSHが地元の頂点だと伝えてくれ」
そんなものにまったく興味が無いんだけど。
「まあ、空の王は九州最強だからな!」
水奈と天音が口をそろえて言う。
「あんまり空を困らせないで」
そう言う美希も笑っているのが分かった。
「次は全国制覇でも狙うか?空の王」
遊が言う。
さすがにそこまでは考えてない。
時間になると美希からスマホを没収される。
ここからは私に構ってと訴えてくる。
美希を抱えてベッドに入る。
「ねえ?空」
「どうしたの?」
「今年は色々あったね」
「そうだね」
「来年はもっと大変だよ?」
きっと色々あるんだろうな。
美希は僕に抱きつく。
「例え何があっても私達は一緒だよ」
「ああ、何があろうと一緒だ」
そう言って僕達は眠りにつく。
僕達は色んな喜怒哀楽を共にして歩いていくのだろう。
「なんだてめぇ?」
様々な色の特攻服を着て喧嘩をしている連中の一人が僕に話しかけてきた。
どうして、この手の類の輩は港や埠頭を好むのだろう?
僕は一人でこの地に来た。
理由は喧嘩の仲裁。
県内の族の頭が集まってるらしい。
「私もついていこうか?」
美希は心配だったらしい。
もちろん僕が怪我する事じゃない。
暴走して死人を出すんじゃないか?
そんな心配だったらしい。
「”アレ”は置いていくよ。それに終わったらきっとお腹ペコペコだから」
そう言って笑うと美希は「わかった」と笑顔で返した。
「あんまり遅くなっちゃだめだよ」
「分かってる」
美希は僕達に救援を求めた浅井徹と中村加奈子を家に送るらしい。
「人の話聞いてるのか?何者だてめぇ?」
図体は僕よりはるかにでかい。
鍛えている様だ。
そんな奴が僕を睨みつける。
まずは名乗る事から始めようか。
「片桐空。SHのリーダー」
僕が名乗ると連中は騒めく。
一人狼狽えているのは勝次だ。
「お前の出る幕じゃない、引っ込んでろ!」
一番体格のでかい奴が僕につかみかかろうとする。
僕はその腕を躱して、男の顎を掴み持ち上げる。
「人の話は最後まで聞いた方がいいよ?」
「邪魔するとお前もやっちまうぞ」
特攻服の色を見ると、多分彼が雪華団の頭の今村真琴だろう。
僕は男を掴んだまま、真琴たちに向かって告げる。
「お前たちの目的は”誰が地元で一番強いか?”なんだろ?」
「それがお前とどう関係があるんだ?」
真琴が聞くと、とりあえず男を放り投げて答えた。
「お前らだけで小競り合いしても決着つかないだろ?」
永遠と闘争が続くのみ。
だからハッキリさせてやる。
「まとめてかかってきてもいい。僕が相手になってやる」
お前達が全力を出しても倒せない男がこうして目の前に立ってやってるんだ。
「なんなら僕を倒せたら、”空の王”という称号もくれてやる」
真琴達が考えていた。
そして最初に襲い掛かったのは真琴だった。
木刀を僕に向かって振り下ろす。
半身で躱すとみぞおちに膝蹴りを打ち込む。
よろめく真琴の顔を殴り飛ばす。
すると他のメンバーも僕に襲い掛かって来た。
冷静に一人ずつ叩きのめす。
一度倒れても何度も立ち上がってくる。
その度に僕は何度でも殴り飛ばす。
何度でも繰り返す。
やがて全員の戦意を削いだようだ。
座り込んで黙ってしまう。
「もう終わり?」
僕が挑発しても完全に戦意を喪失したようだ。
それを確認すると僕は勝次に近づく。
「お前何やってるの?」
「SHには関係ないだろ」
「ああ、SHは関係ない。だから僕一人で来た。それより僕の質問に答えろ。お前何やってるの?」
「地元で一番偉い奴を今日ハッキリさせる為に来た」
「その割には勝次は一度も僕にかかってこなかったじゃないか?」
「……お前が最強だってのは俺だって知ってるよ」
「じゃあ、この喧嘩に意味はないね?」
勝次は何も言わなかった。
「……勝次。お前の力は何の為にある?」
「わかんねーよ」
「そうか。じゃあ、話をしてやる。僕の家に中村加奈子さんが来た」
「加奈子が?」
勝次が僕の顔を見る。
僕は頷いた。
「お前等がバカな事をしようとしてるのを止めて欲しいとお願いしに来たんだ」
「加奈子は関係ない。これは男の意地の問題だ」
舐められたままでは終われないと、勝次は言う。
「そうか……じゃあ、僕が止めてあげるって言った時に加奈子さんが大粒の涙を流したのは知ってるか?」
喧嘩を止めてやると言った時に涙した加奈子さんの事をどう思う?
「キスするタイミングに苦戦するくらい大切な彼女を泣かせるのは、お前の意地には関係ないのか?」
よく考えろ。
お前の力は何の為にある?
「それでもまだ納得がいかないなら、何度でも叩きのめしてやる。そんなしょぼいプライド僕がへし折ってやる」
勝次はじっと僕を見ていた。
他のやつらにも言う。
「君達にも大切な人いるんじゃないのか?君達に何かあった時、その人がどんな気持ちか考えた事はあるのか?」
誰も何も答えなかった。
全員納得したらしい。
「早く行け。直に警察が来る。見つかってからじゃ遅いから」
後始末は僕がする。
そう言うと皆黙ってバイクにまたがって帰っていった。
「やっぱり地元で一番強いのはSHなんだな」
勝次がそう言って笑うと、勝次もまたバイクにまたがって帰っていった。
僕も車に乗って家に帰る。
「おかえり~今日はハンバーグだよ」
美希の声が聞こえてくる。
今頃勝次たちも帰るべき場所に帰っているだろう。
(2)
空に制圧された俺達は皆帰っていった。
俺は帰ると車に乗り換えて加奈子の家に行く。
「あ、勝次。大丈夫?」
「ああ、お前のせいで空にこてんぱんだ」
「怪我したの?」
「俺だってFGのメンバーだ。空に喧嘩売るなんて馬鹿な真似しねーよ」
「そっか」
加奈子は「良かった」と安心していた。
その笑顔を守るための力……か。
「加奈子、お前今から外出しても大丈夫か?」
「今更どうこういう親じゃないよ。ちょっと待ってて」
加奈子はそう言うと準備して外に出て来た。
加奈子を車に乗せると走り出す。
「ねえ?どこ行くの?」
「内緒だ」
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明礬温泉を抜けて地元必須のデートスポットに行く。
「いつ来ても綺麗だね」
加奈子を嬉しそうに言う。
俺は緊張していた。
加奈子にとっては数あるかもしれない。
だけど俺が本気で好きになったのは加奈子だけだ。
少しだけ勇気を出せばいい。
あとは加奈子が気づいてくれる。
俺は決意すると加奈子の肩を抱き寄せる。
驚いた加奈子は俺を見る。
俺も加奈子の顔を見ていた。
やがて少し恥ずかしそうにしているのが分かった。
そして加奈子との初めてのキス。
キスの後加奈子は抱き着いてきた。
「私でよかったの?」
「加奈子以外にいねーよ」
「ありがとう。……ねえ?」
「どうした?」
「今日お泊りでも構わないよ?」
さすがに俺は動揺した。
そんな俺を見て加奈子は笑う。
「あんまり待たせるなよ」
今頃他の奴等も大切な人と会って、その事を確かめているのだろう。
愛と希望をばらまくセイクリッドハート。
あいつらは文字通り地元の頂点に辿り着いた。
(3)
「ははっ」
夕食を済ませて風呂に入るとテレビを見ていた。
するとスマホを見ていた美希が笑い出す。
「どうしたの?」
美希に聞いてみた。
「スマホ見て」
美希が言うので見てみた。
紗奈からの報告だ。
今日は帰ってこないと思った勝次が1人で帰って来た。
そして勝次が紗奈に聞いたらしい。
「女性と一泊する時に必須な事ってあるか?」
「……勝次まだしてなかったの?」
「今日やっとキス出来たんだぞ」
「ゴムくらい買っときなよ」
そしてその顛末を聞いてSHのチャットは爆笑してた。
「あいつあのナリでまだ未経験だったのかよ!」
遊と粋が爆笑している。
天音と大地は新婚旅行に行っている。
しかしチャットを見たらしい。
天音はベッドの上で笑い転げているそうだ。
水奈も同じらしい。
「あいつ人を笑わせるセンスあり過ぎだろ!」
問題はその後だ。
勝次が言ったらしい。
「お前らSHが地元の頂点だと伝えてくれ」
そんなものにまったく興味が無いんだけど。
「まあ、空の王は九州最強だからな!」
水奈と天音が口をそろえて言う。
「あんまり空を困らせないで」
そう言う美希も笑っているのが分かった。
「次は全国制覇でも狙うか?空の王」
遊が言う。
さすがにそこまでは考えてない。
時間になると美希からスマホを没収される。
ここからは私に構ってと訴えてくる。
美希を抱えてベッドに入る。
「ねえ?空」
「どうしたの?」
「今年は色々あったね」
「そうだね」
「来年はもっと大変だよ?」
きっと色々あるんだろうな。
美希は僕に抱きつく。
「例え何があっても私達は一緒だよ」
「ああ、何があろうと一緒だ」
そう言って僕達は眠りにつく。
僕達は色んな喜怒哀楽を共にして歩いていくのだろう。
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