198 / 535
運命は廻る
しおりを挟む
(1)
「まあ、色々あったけど無事後期も終える事が出来て……」
「空!うだうだ言ってねーでさっさと始めろ!!」
「……乾杯」
と、いうわけで駅前の焼き鳥屋で後期の打ち上げをしていた。
来月からはまた新入生が来る。
SHのメンバーも増える。
勢いに乗っているSH。
父さん達もいつもこうして騒いで楽しんでいたのだろうか?
「空、今日はホテル取っておいたから思いっきり騒ごう」
美希がそう言って食べ物をたくさん取ってくれる。
「わざわざホテルに泊まらなくても私の家、部屋が空いてるのに」
天音が言う。
「2人っきりで過ごしたいし」
「そんなのいつもそうだろ!?」
確かに毎日が美希と夢のような生活だ。
イーリスの事件以降今のところは何も無かった。
平穏な日々がようやく戻ってきたようだ。
「空、大活躍だったんだってな?」
光太がジョッキを持って来た。
「まあ、大変だったよ」
「でも羨ましいぜ」
「何が?」
光太はにやりと笑って言う。
「お前王様なんだって?」
それを蒸し返すのか。
あの事件以来僕の事を”空の王”と揶揄うメンバーが増えた。
もちろん天音と水奈を筆頭に。
しかも九州最大の暴走族の九頭竜會を壊滅させたことでその名は九州全土に知れ渡ってしまった。
「光太はなりたいのか?」
僕が聞いてみた。
「いや、俺にその器はないだろ」
「まあ、あまり空を困らせないでやっておくれ」
そう言って来たのは善明だった。
善明は戦闘から離れていたので実の母親に首を絞められるという難は逃れた。
「学!今夜は徹夜だからな!!」
「……ほどほどにしとけ」
学は水奈を止めるのを諦めたらしい。
大地も天音を止めるのを諦めてこっちに来ている。
あ、そうか。
「大地は天音との生活慣れた?」
そろそろ一年経つだろ?
大地はくすりと笑う。
「ああ見えて家ではしっかりしてくれてるんです」
天音が家事をサボれば、天音の手に負えない程天音をこき使ってると、大地が大地の母さんに叱られるらしい。
それで天音が気を使ってるんだそうだ。
「そう言えば、空の所には愛莉来たりするか?」
天音が僕に聞いてきた。
母さんは毎週必ず天音の様子を見に来るらしい。
しかも抜き打ちで。
抜き打ちの理由は天音が偶に朝まで遊んで学校サボったことがあったから。
そういえばうちにはあまり母さん来ないな。
近いからかな?
「お前らはまだいいよ、うちは水奈の父さんが大変でな……」
休日前に必ず来るらしい。
そしてその相手をさせられるのは学。
頭にきた水奈が母さんを呼んで強制連行するのが毎度のパターンらしい。
今年は恋が高校卒業して大学に進学して要と同棲するそうだ。
二人共学費はともかく生活費はバイトして頑張るらしい。
問題無いようにあったが、学の母さんは悩みがあるらしい。
学の母さんが家にいない間、千帆と姫乃の面倒は当然父親が見る。
あんなに父親を毛嫌いしていた恋の変貌を見ると千帆と姫乃もそうなるんじゃないかと不安で仕方ないみたいだ。
もちろん恋が要と一緒だからと実家と同じ行動をとるんじゃないかという心配もあるそうだ。
そういや、天音と翼が成長を競っていた時父さん苦労してたなぁ。
同じ事が茜にも言えるらしいけど。
母さんも悩んでいる様だ。
そういえば……
「光太は今日来ても大丈夫なのか?」
子供の世話しなくていいのか?
「ああ、今はまた光吉に戻ったんだ」
実家が近くだから何かあったら光太の母さんが世話してくれるらしい。
もともと麗華が通勤に不便だからアパートを借りた。
だけど麗華は育児に専念すると決めたからその問題はない。
問題は光太が仕事をしている間、麗華一人で双子を世話しなければならない。
色々考えて引っ越したらしい。
って双子だったのか!?
美希と驚いていた。
たしかみなみも双子だって言ってたな。
「写真見るか?可愛いぜ!」
そう言って光太はスマホを見せてくれた。
よく分からない。
親目線で見ると違うのだろう。
美希は羨ましそうに見てた。
光太は出産時に立ち会ったらしい。
麗華と一緒に呼吸をしていたそうだ。
「五月蠅いから外で待ってて!」
そう言って追い出されたそうだ。
克樹のところも双子らしい。
「私も子供作りたいんだけど、あのド変態がいつ来るか分からないから安心して出来ないんだ」
水奈がポロリとこぼす。
「水奈はまだ大学に入ったばかりだろ。まだ早い」
「別に学が働くなら私が大学辞めても問題ないだろ?」
「お前は何のために大学に入ったんだ?」
「暇つぶし」
「……親だって水奈の事を思って大学にいかせたんだろ?そのくらいはしっかりしろ」
「その親が”天音より先に子供作れ”って言うんだぜ?矛盾してないか?」
「なんだと?」
天音が反応した。
「そう言う勝負なら相手してやるぜ!大地!!帰ったらすぐ子作りするぞ!」
「天音だってまだ学生だろ!?」
「んなもん辞めても問題ない!」
「天音が良くても僕が親に殺されるよ!」
大地も苦労してるんだな。
「そろそろラストオーダーのお時間です」
店員がやってくると最後のドリンクを注文する。
時間になると店に出て相談する。
皆春休みだし週末だ。
家に帰る者はいなかった。
問題は2次会の場所だ。
光太と克樹に任せると大変な事になる。
僕と学が悩んでいると、光太がお構いなしに言う。
「2次会は男女分かれてやろうぜ」
二人を除く男性陣は苦笑いをしていた。
「どうして分かれる必要があるの?」
翼が聞く。
「そ、そりゃお互い聞かれたくない事とかあるだろ?」
「ほ、ほら。ホストクラブなんて俺達行っても楽しくないし」
克樹が余計な事を言う。
翼は黙ってスマホを光太に見せる。
「旦那が妙な真似をしたら帰る家がないと思えと伝えて」
しかしこの人数だ。
そんなに行けるところないだろ。
しかし油断していた。
今年はそんなに飲みに出なかったから今まで気づかなかった。
「私は別に構わないぜ。光太の行きたいところに行ってみようぜ!」
天音と水奈が言い出す。
もちろん大地と学が説得する。
あまり巻き込まれたくないな。
いい手があった。
「善明。善明達もどうせホテルとってるんだろ?」
「まあね。そうでもしないとノルマをこなせないから」
最低このくらいのお金は使いなさい。
羨ましいノルマを課せられているらしい。
まあ、善明の事だから多分そうだろうと思った。
「僕達と善明は別行動するからあとは皆で盛り上がってよ」
善明が勧める店なら間違いなないだろう。
「お前らだけずりーぞ!!」
天音が言う。
「ぼ、僕達も善明について行かない?」
大地が便乗した。
「湿っぽい店でちまちま飲むなんて私は嫌だ」
「僕は天音とそういうムードで楽しんでみたいんだ」
「……大地の要望なら仕方ないな」
「んじゃ、俺達はカラオケでも行くか」
学が言う。
話がまとまると、皆解散した。
僕達も善明の勧めるバーに入る。
美希も上機嫌のようだ。
「しかし空は彼女の扱い方まで覚えたのかい?」
注文を終えた善明が聞いてきた。
ただ、あのまま風俗なんて行ったら間違いなく美希の機嫌を損ねる。
そう思ってそんな最悪の状況を回避する方法を探しただけだと善明に言う。
「あ、私がいなかった行くつもりだったの?」
「前にも言ったけど、そんなお金があったら美希と焼肉食べるよ」
「空は他の女の裸とか下着とか興味ないのか?」
「あるわけないだろ?それ以上の物があるんだったら話は別だけど」
そう、天音に答えた。
「善明もそう言えばそういうのに興味示さないね」
「前にも言ったけどそんな物より自分の命が大切ですから」
そんな真似したら間違いなく実の親に吊るされる。
恐らく本気だろう。
だけど大地は違う回答を出した。
「気持ちの問題だよ。天音」
「気持ち?」
天音が聞き返すと大地は頷いた。
「そういうのは愛する人が一番なんだよ。愛する人が尽くしてくれる。それは上手下手関係なく感情の問題」
「……私は上手くやれてるか?」
「そうじゃなくて僕にとって天音以外の女性なんて考えられない」
「なるほどな」
天音は喜んでいる様だ。
2件ほどはしごして締めのラーメンを食べてから僕達はそれぞれの場所に向かった。
ホテルの部屋にはいるとベッドにダイブする。
「大地も頼もしくなったね」
美希が言った。
父さん流に言うと天音のトリセツを作っているんだろう。
「空はどうなの?」
「聞くまでもないよ」
「言葉じゃなくて態度で示して」
「……おいで」
そう言うと美希は僕に抱きつく。
「先にお風呂だろ?」
「そうだね」
お風呂に出るとベッドに入る。
その後春休みの過ごし方を考えていた。
(2)
「いやあ、兄貴大変だったな」
「まあな」
俺は弟の遊と2人で飲みながらカラオケの端末を奪い合いをしている紗理奈と水奈を見ていた。
なずな達も久々に会う祈達と話をしている。
光太と克樹は両側に綺麗な女性を座らせて、楽しそうにしている。
俺達はスナックに来ていた。
ここに来るまでが大変だった。
「風俗行こうぜ!」
紗理奈と水奈が言い出すと、俺達は2人を説得するのに必死だった。
何とか説得してスナックで妥協した。
妥協したのはいいが、スナックに入ると今度は「やっぱり大人っぽい女性の方がいいのか?」と水奈が勝手に落ち込みだす。
水奈くらいの歳くらいになればもう立派な大人だと思うのだが……
そんなんでスナックが閉店時間になるまで騒いで店を出る。
当然終電は無いし、始発までも時間がある。
ファミレスでも行って時間を潰そうかと思ったけど……
「カラオケ行こうぜ!」
さっきまで歌って騒いでいたのにまだ足りないらしい。
「今日は徹夜で騒いで良いって言っただろ?」
水奈が言うと「やれやれ」と2人に付き合った。
遊は学習しないのだろうか?
またしょうもない曲を歌ってなずなを怒らせている。
女性陣がアイドルグループの歌を歌い出せば粋と2人で怪しい踊りを始める。
俺は光太と話をしていた。
俺達はあと2年で大学を卒業する。
その後SHはどうするつもりだ?と聞いてみた。
「空に任せておいていいんじゃないか?」
「しかし空も仕事があるだろう」
「父さん達の渡辺班もそうやってるじゃないか」
不思議と片桐家の人間に惹かれて集まってくる。
今や地元どころか九州で最悪の集団になっていた。
善明に言わせたら「世界最悪ですよ」との事だが。
「まあ、なるようになるさ。それより心配があってな」
「どうした?」
俺は光太に聞いてみた。
「恋は要と一緒だからいいんだろうけど、瑞穂がな……」
瑞穂は彼氏と別々の進路を選んだ。
大阪で一人暮らしになる。
もちろん恋と同じ大学だから孤立は無いと思うが。
ただ、瑞穂は極度の寂しがり屋だ。
ちゃんとやれるのか不安らしい。
だけど、多分問題ないだろう。
「それにしても光太は、もう父親か。どんな気分だ」
「やる気でみなぎってるぜ!俺が一家を支えて行かなきゃいけないんだから」
光太は張り切ってるらしい。
朝になるとバスに乗って帰る。
家に帰って着替えるとベッドに入る。
「もう寝るのかよ!」
水奈が俺を見て言う。
「朝までの約束だろ?」
「少しは嫁に構ってくれてもいいんじゃないか?」
やれやれ。
俺は小さな嫁を手招きする。
これで今年度は安心して過ごせる。
だが、まだ最後の大掃除が待っているようだった。
「まあ、色々あったけど無事後期も終える事が出来て……」
「空!うだうだ言ってねーでさっさと始めろ!!」
「……乾杯」
と、いうわけで駅前の焼き鳥屋で後期の打ち上げをしていた。
来月からはまた新入生が来る。
SHのメンバーも増える。
勢いに乗っているSH。
父さん達もいつもこうして騒いで楽しんでいたのだろうか?
「空、今日はホテル取っておいたから思いっきり騒ごう」
美希がそう言って食べ物をたくさん取ってくれる。
「わざわざホテルに泊まらなくても私の家、部屋が空いてるのに」
天音が言う。
「2人っきりで過ごしたいし」
「そんなのいつもそうだろ!?」
確かに毎日が美希と夢のような生活だ。
イーリスの事件以降今のところは何も無かった。
平穏な日々がようやく戻ってきたようだ。
「空、大活躍だったんだってな?」
光太がジョッキを持って来た。
「まあ、大変だったよ」
「でも羨ましいぜ」
「何が?」
光太はにやりと笑って言う。
「お前王様なんだって?」
それを蒸し返すのか。
あの事件以来僕の事を”空の王”と揶揄うメンバーが増えた。
もちろん天音と水奈を筆頭に。
しかも九州最大の暴走族の九頭竜會を壊滅させたことでその名は九州全土に知れ渡ってしまった。
「光太はなりたいのか?」
僕が聞いてみた。
「いや、俺にその器はないだろ」
「まあ、あまり空を困らせないでやっておくれ」
そう言って来たのは善明だった。
善明は戦闘から離れていたので実の母親に首を絞められるという難は逃れた。
「学!今夜は徹夜だからな!!」
「……ほどほどにしとけ」
学は水奈を止めるのを諦めたらしい。
大地も天音を止めるのを諦めてこっちに来ている。
あ、そうか。
「大地は天音との生活慣れた?」
そろそろ一年経つだろ?
大地はくすりと笑う。
「ああ見えて家ではしっかりしてくれてるんです」
天音が家事をサボれば、天音の手に負えない程天音をこき使ってると、大地が大地の母さんに叱られるらしい。
それで天音が気を使ってるんだそうだ。
「そう言えば、空の所には愛莉来たりするか?」
天音が僕に聞いてきた。
母さんは毎週必ず天音の様子を見に来るらしい。
しかも抜き打ちで。
抜き打ちの理由は天音が偶に朝まで遊んで学校サボったことがあったから。
そういえばうちにはあまり母さん来ないな。
近いからかな?
「お前らはまだいいよ、うちは水奈の父さんが大変でな……」
休日前に必ず来るらしい。
そしてその相手をさせられるのは学。
頭にきた水奈が母さんを呼んで強制連行するのが毎度のパターンらしい。
今年は恋が高校卒業して大学に進学して要と同棲するそうだ。
二人共学費はともかく生活費はバイトして頑張るらしい。
問題無いようにあったが、学の母さんは悩みがあるらしい。
学の母さんが家にいない間、千帆と姫乃の面倒は当然父親が見る。
あんなに父親を毛嫌いしていた恋の変貌を見ると千帆と姫乃もそうなるんじゃないかと不安で仕方ないみたいだ。
もちろん恋が要と一緒だからと実家と同じ行動をとるんじゃないかという心配もあるそうだ。
そういや、天音と翼が成長を競っていた時父さん苦労してたなぁ。
同じ事が茜にも言えるらしいけど。
母さんも悩んでいる様だ。
そういえば……
「光太は今日来ても大丈夫なのか?」
子供の世話しなくていいのか?
「ああ、今はまた光吉に戻ったんだ」
実家が近くだから何かあったら光太の母さんが世話してくれるらしい。
もともと麗華が通勤に不便だからアパートを借りた。
だけど麗華は育児に専念すると決めたからその問題はない。
問題は光太が仕事をしている間、麗華一人で双子を世話しなければならない。
色々考えて引っ越したらしい。
って双子だったのか!?
美希と驚いていた。
たしかみなみも双子だって言ってたな。
「写真見るか?可愛いぜ!」
そう言って光太はスマホを見せてくれた。
よく分からない。
親目線で見ると違うのだろう。
美希は羨ましそうに見てた。
光太は出産時に立ち会ったらしい。
麗華と一緒に呼吸をしていたそうだ。
「五月蠅いから外で待ってて!」
そう言って追い出されたそうだ。
克樹のところも双子らしい。
「私も子供作りたいんだけど、あのド変態がいつ来るか分からないから安心して出来ないんだ」
水奈がポロリとこぼす。
「水奈はまだ大学に入ったばかりだろ。まだ早い」
「別に学が働くなら私が大学辞めても問題ないだろ?」
「お前は何のために大学に入ったんだ?」
「暇つぶし」
「……親だって水奈の事を思って大学にいかせたんだろ?そのくらいはしっかりしろ」
「その親が”天音より先に子供作れ”って言うんだぜ?矛盾してないか?」
「なんだと?」
天音が反応した。
「そう言う勝負なら相手してやるぜ!大地!!帰ったらすぐ子作りするぞ!」
「天音だってまだ学生だろ!?」
「んなもん辞めても問題ない!」
「天音が良くても僕が親に殺されるよ!」
大地も苦労してるんだな。
「そろそろラストオーダーのお時間です」
店員がやってくると最後のドリンクを注文する。
時間になると店に出て相談する。
皆春休みだし週末だ。
家に帰る者はいなかった。
問題は2次会の場所だ。
光太と克樹に任せると大変な事になる。
僕と学が悩んでいると、光太がお構いなしに言う。
「2次会は男女分かれてやろうぜ」
二人を除く男性陣は苦笑いをしていた。
「どうして分かれる必要があるの?」
翼が聞く。
「そ、そりゃお互い聞かれたくない事とかあるだろ?」
「ほ、ほら。ホストクラブなんて俺達行っても楽しくないし」
克樹が余計な事を言う。
翼は黙ってスマホを光太に見せる。
「旦那が妙な真似をしたら帰る家がないと思えと伝えて」
しかしこの人数だ。
そんなに行けるところないだろ。
しかし油断していた。
今年はそんなに飲みに出なかったから今まで気づかなかった。
「私は別に構わないぜ。光太の行きたいところに行ってみようぜ!」
天音と水奈が言い出す。
もちろん大地と学が説得する。
あまり巻き込まれたくないな。
いい手があった。
「善明。善明達もどうせホテルとってるんだろ?」
「まあね。そうでもしないとノルマをこなせないから」
最低このくらいのお金は使いなさい。
羨ましいノルマを課せられているらしい。
まあ、善明の事だから多分そうだろうと思った。
「僕達と善明は別行動するからあとは皆で盛り上がってよ」
善明が勧める店なら間違いなないだろう。
「お前らだけずりーぞ!!」
天音が言う。
「ぼ、僕達も善明について行かない?」
大地が便乗した。
「湿っぽい店でちまちま飲むなんて私は嫌だ」
「僕は天音とそういうムードで楽しんでみたいんだ」
「……大地の要望なら仕方ないな」
「んじゃ、俺達はカラオケでも行くか」
学が言う。
話がまとまると、皆解散した。
僕達も善明の勧めるバーに入る。
美希も上機嫌のようだ。
「しかし空は彼女の扱い方まで覚えたのかい?」
注文を終えた善明が聞いてきた。
ただ、あのまま風俗なんて行ったら間違いなく美希の機嫌を損ねる。
そう思ってそんな最悪の状況を回避する方法を探しただけだと善明に言う。
「あ、私がいなかった行くつもりだったの?」
「前にも言ったけど、そんなお金があったら美希と焼肉食べるよ」
「空は他の女の裸とか下着とか興味ないのか?」
「あるわけないだろ?それ以上の物があるんだったら話は別だけど」
そう、天音に答えた。
「善明もそう言えばそういうのに興味示さないね」
「前にも言ったけどそんな物より自分の命が大切ですから」
そんな真似したら間違いなく実の親に吊るされる。
恐らく本気だろう。
だけど大地は違う回答を出した。
「気持ちの問題だよ。天音」
「気持ち?」
天音が聞き返すと大地は頷いた。
「そういうのは愛する人が一番なんだよ。愛する人が尽くしてくれる。それは上手下手関係なく感情の問題」
「……私は上手くやれてるか?」
「そうじゃなくて僕にとって天音以外の女性なんて考えられない」
「なるほどな」
天音は喜んでいる様だ。
2件ほどはしごして締めのラーメンを食べてから僕達はそれぞれの場所に向かった。
ホテルの部屋にはいるとベッドにダイブする。
「大地も頼もしくなったね」
美希が言った。
父さん流に言うと天音のトリセツを作っているんだろう。
「空はどうなの?」
「聞くまでもないよ」
「言葉じゃなくて態度で示して」
「……おいで」
そう言うと美希は僕に抱きつく。
「先にお風呂だろ?」
「そうだね」
お風呂に出るとベッドに入る。
その後春休みの過ごし方を考えていた。
(2)
「いやあ、兄貴大変だったな」
「まあな」
俺は弟の遊と2人で飲みながらカラオケの端末を奪い合いをしている紗理奈と水奈を見ていた。
なずな達も久々に会う祈達と話をしている。
光太と克樹は両側に綺麗な女性を座らせて、楽しそうにしている。
俺達はスナックに来ていた。
ここに来るまでが大変だった。
「風俗行こうぜ!」
紗理奈と水奈が言い出すと、俺達は2人を説得するのに必死だった。
何とか説得してスナックで妥協した。
妥協したのはいいが、スナックに入ると今度は「やっぱり大人っぽい女性の方がいいのか?」と水奈が勝手に落ち込みだす。
水奈くらいの歳くらいになればもう立派な大人だと思うのだが……
そんなんでスナックが閉店時間になるまで騒いで店を出る。
当然終電は無いし、始発までも時間がある。
ファミレスでも行って時間を潰そうかと思ったけど……
「カラオケ行こうぜ!」
さっきまで歌って騒いでいたのにまだ足りないらしい。
「今日は徹夜で騒いで良いって言っただろ?」
水奈が言うと「やれやれ」と2人に付き合った。
遊は学習しないのだろうか?
またしょうもない曲を歌ってなずなを怒らせている。
女性陣がアイドルグループの歌を歌い出せば粋と2人で怪しい踊りを始める。
俺は光太と話をしていた。
俺達はあと2年で大学を卒業する。
その後SHはどうするつもりだ?と聞いてみた。
「空に任せておいていいんじゃないか?」
「しかし空も仕事があるだろう」
「父さん達の渡辺班もそうやってるじゃないか」
不思議と片桐家の人間に惹かれて集まってくる。
今や地元どころか九州で最悪の集団になっていた。
善明に言わせたら「世界最悪ですよ」との事だが。
「まあ、なるようになるさ。それより心配があってな」
「どうした?」
俺は光太に聞いてみた。
「恋は要と一緒だからいいんだろうけど、瑞穂がな……」
瑞穂は彼氏と別々の進路を選んだ。
大阪で一人暮らしになる。
もちろん恋と同じ大学だから孤立は無いと思うが。
ただ、瑞穂は極度の寂しがり屋だ。
ちゃんとやれるのか不安らしい。
だけど、多分問題ないだろう。
「それにしても光太は、もう父親か。どんな気分だ」
「やる気でみなぎってるぜ!俺が一家を支えて行かなきゃいけないんだから」
光太は張り切ってるらしい。
朝になるとバスに乗って帰る。
家に帰って着替えるとベッドに入る。
「もう寝るのかよ!」
水奈が俺を見て言う。
「朝までの約束だろ?」
「少しは嫁に構ってくれてもいいんじゃないか?」
やれやれ。
俺は小さな嫁を手招きする。
これで今年度は安心して過ごせる。
だが、まだ最後の大掃除が待っているようだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる