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運命は廻る
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(1)
「まあ、色々あったけど無事後期も終える事が出来て……」
「空!うだうだ言ってねーでさっさと始めろ!!」
「……乾杯」
と、いうわけで駅前の焼き鳥屋で後期の打ち上げをしていた。
来月からはまた新入生が来る。
SHのメンバーも増える。
勢いに乗っているSH。
父さん達もいつもこうして騒いで楽しんでいたのだろうか?
「空、今日はホテル取っておいたから思いっきり騒ごう」
美希がそう言って食べ物をたくさん取ってくれる。
「わざわざホテルに泊まらなくても私の家、部屋が空いてるのに」
天音が言う。
「2人っきりで過ごしたいし」
「そんなのいつもそうだろ!?」
確かに毎日が美希と夢のような生活だ。
イーリスの事件以降今のところは何も無かった。
平穏な日々がようやく戻ってきたようだ。
「空、大活躍だったんだってな?」
光太がジョッキを持って来た。
「まあ、大変だったよ」
「でも羨ましいぜ」
「何が?」
光太はにやりと笑って言う。
「お前王様なんだって?」
それを蒸し返すのか。
あの事件以来僕の事を”空の王”と揶揄うメンバーが増えた。
もちろん天音と水奈を筆頭に。
しかも九州最大の暴走族の九頭竜會を壊滅させたことでその名は九州全土に知れ渡ってしまった。
「光太はなりたいのか?」
僕が聞いてみた。
「いや、俺にその器はないだろ」
「まあ、あまり空を困らせないでやっておくれ」
そう言って来たのは善明だった。
善明は戦闘から離れていたので実の母親に首を絞められるという難は逃れた。
「学!今夜は徹夜だからな!!」
「……ほどほどにしとけ」
学は水奈を止めるのを諦めたらしい。
大地も天音を止めるのを諦めてこっちに来ている。
あ、そうか。
「大地は天音との生活慣れた?」
そろそろ一年経つだろ?
大地はくすりと笑う。
「ああ見えて家ではしっかりしてくれてるんです」
天音が家事をサボれば、天音の手に負えない程天音をこき使ってると、大地が大地の母さんに叱られるらしい。
それで天音が気を使ってるんだそうだ。
「そう言えば、空の所には愛莉来たりするか?」
天音が僕に聞いてきた。
母さんは毎週必ず天音の様子を見に来るらしい。
しかも抜き打ちで。
抜き打ちの理由は天音が偶に朝まで遊んで学校サボったことがあったから。
そういえばうちにはあまり母さん来ないな。
近いからかな?
「お前らはまだいいよ、うちは水奈の父さんが大変でな……」
休日前に必ず来るらしい。
そしてその相手をさせられるのは学。
頭にきた水奈が母さんを呼んで強制連行するのが毎度のパターンらしい。
今年は恋が高校卒業して大学に進学して要と同棲するそうだ。
二人共学費はともかく生活費はバイトして頑張るらしい。
問題無いようにあったが、学の母さんは悩みがあるらしい。
学の母さんが家にいない間、千帆と姫乃の面倒は当然父親が見る。
あんなに父親を毛嫌いしていた恋の変貌を見ると千帆と姫乃もそうなるんじゃないかと不安で仕方ないみたいだ。
もちろん恋が要と一緒だからと実家と同じ行動をとるんじゃないかという心配もあるそうだ。
そういや、天音と翼が成長を競っていた時父さん苦労してたなぁ。
同じ事が茜にも言えるらしいけど。
母さんも悩んでいる様だ。
そういえば……
「光太は今日来ても大丈夫なのか?」
子供の世話しなくていいのか?
「ああ、今はまた光吉に戻ったんだ」
実家が近くだから何かあったら光太の母さんが世話してくれるらしい。
もともと麗華が通勤に不便だからアパートを借りた。
だけど麗華は育児に専念すると決めたからその問題はない。
問題は光太が仕事をしている間、麗華一人で双子を世話しなければならない。
色々考えて引っ越したらしい。
って双子だったのか!?
美希と驚いていた。
たしかみなみも双子だって言ってたな。
「写真見るか?可愛いぜ!」
そう言って光太はスマホを見せてくれた。
よく分からない。
親目線で見ると違うのだろう。
美希は羨ましそうに見てた。
光太は出産時に立ち会ったらしい。
麗華と一緒に呼吸をしていたそうだ。
「五月蠅いから外で待ってて!」
そう言って追い出されたそうだ。
克樹のところも双子らしい。
「私も子供作りたいんだけど、あのド変態がいつ来るか分からないから安心して出来ないんだ」
水奈がポロリとこぼす。
「水奈はまだ大学に入ったばかりだろ。まだ早い」
「別に学が働くなら私が大学辞めても問題ないだろ?」
「お前は何のために大学に入ったんだ?」
「暇つぶし」
「……親だって水奈の事を思って大学にいかせたんだろ?そのくらいはしっかりしろ」
「その親が”天音より先に子供作れ”って言うんだぜ?矛盾してないか?」
「なんだと?」
天音が反応した。
「そう言う勝負なら相手してやるぜ!大地!!帰ったらすぐ子作りするぞ!」
「天音だってまだ学生だろ!?」
「んなもん辞めても問題ない!」
「天音が良くても僕が親に殺されるよ!」
大地も苦労してるんだな。
「そろそろラストオーダーのお時間です」
店員がやってくると最後のドリンクを注文する。
時間になると店に出て相談する。
皆春休みだし週末だ。
家に帰る者はいなかった。
問題は2次会の場所だ。
光太と克樹に任せると大変な事になる。
僕と学が悩んでいると、光太がお構いなしに言う。
「2次会は男女分かれてやろうぜ」
二人を除く男性陣は苦笑いをしていた。
「どうして分かれる必要があるの?」
翼が聞く。
「そ、そりゃお互い聞かれたくない事とかあるだろ?」
「ほ、ほら。ホストクラブなんて俺達行っても楽しくないし」
克樹が余計な事を言う。
翼は黙ってスマホを光太に見せる。
「旦那が妙な真似をしたら帰る家がないと思えと伝えて」
しかしこの人数だ。
そんなに行けるところないだろ。
しかし油断していた。
今年はそんなに飲みに出なかったから今まで気づかなかった。
「私は別に構わないぜ。光太の行きたいところに行ってみようぜ!」
天音と水奈が言い出す。
もちろん大地と学が説得する。
あまり巻き込まれたくないな。
いい手があった。
「善明。善明達もどうせホテルとってるんだろ?」
「まあね。そうでもしないとノルマをこなせないから」
最低このくらいのお金は使いなさい。
羨ましいノルマを課せられているらしい。
まあ、善明の事だから多分そうだろうと思った。
「僕達と善明は別行動するからあとは皆で盛り上がってよ」
善明が勧める店なら間違いなないだろう。
「お前らだけずりーぞ!!」
天音が言う。
「ぼ、僕達も善明について行かない?」
大地が便乗した。
「湿っぽい店でちまちま飲むなんて私は嫌だ」
「僕は天音とそういうムードで楽しんでみたいんだ」
「……大地の要望なら仕方ないな」
「んじゃ、俺達はカラオケでも行くか」
学が言う。
話がまとまると、皆解散した。
僕達も善明の勧めるバーに入る。
美希も上機嫌のようだ。
「しかし空は彼女の扱い方まで覚えたのかい?」
注文を終えた善明が聞いてきた。
ただ、あのまま風俗なんて行ったら間違いなく美希の機嫌を損ねる。
そう思ってそんな最悪の状況を回避する方法を探しただけだと善明に言う。
「あ、私がいなかった行くつもりだったの?」
「前にも言ったけど、そんなお金があったら美希と焼肉食べるよ」
「空は他の女の裸とか下着とか興味ないのか?」
「あるわけないだろ?それ以上の物があるんだったら話は別だけど」
そう、天音に答えた。
「善明もそう言えばそういうのに興味示さないね」
「前にも言ったけどそんな物より自分の命が大切ですから」
そんな真似したら間違いなく実の親に吊るされる。
恐らく本気だろう。
だけど大地は違う回答を出した。
「気持ちの問題だよ。天音」
「気持ち?」
天音が聞き返すと大地は頷いた。
「そういうのは愛する人が一番なんだよ。愛する人が尽くしてくれる。それは上手下手関係なく感情の問題」
「……私は上手くやれてるか?」
「そうじゃなくて僕にとって天音以外の女性なんて考えられない」
「なるほどな」
天音は喜んでいる様だ。
2件ほどはしごして締めのラーメンを食べてから僕達はそれぞれの場所に向かった。
ホテルの部屋にはいるとベッドにダイブする。
「大地も頼もしくなったね」
美希が言った。
父さん流に言うと天音のトリセツを作っているんだろう。
「空はどうなの?」
「聞くまでもないよ」
「言葉じゃなくて態度で示して」
「……おいで」
そう言うと美希は僕に抱きつく。
「先にお風呂だろ?」
「そうだね」
お風呂に出るとベッドに入る。
その後春休みの過ごし方を考えていた。
(2)
「いやあ、兄貴大変だったな」
「まあな」
俺は弟の遊と2人で飲みながらカラオケの端末を奪い合いをしている紗理奈と水奈を見ていた。
なずな達も久々に会う祈達と話をしている。
光太と克樹は両側に綺麗な女性を座らせて、楽しそうにしている。
俺達はスナックに来ていた。
ここに来るまでが大変だった。
「風俗行こうぜ!」
紗理奈と水奈が言い出すと、俺達は2人を説得するのに必死だった。
何とか説得してスナックで妥協した。
妥協したのはいいが、スナックに入ると今度は「やっぱり大人っぽい女性の方がいいのか?」と水奈が勝手に落ち込みだす。
水奈くらいの歳くらいになればもう立派な大人だと思うのだが……
そんなんでスナックが閉店時間になるまで騒いで店を出る。
当然終電は無いし、始発までも時間がある。
ファミレスでも行って時間を潰そうかと思ったけど……
「カラオケ行こうぜ!」
さっきまで歌って騒いでいたのにまだ足りないらしい。
「今日は徹夜で騒いで良いって言っただろ?」
水奈が言うと「やれやれ」と2人に付き合った。
遊は学習しないのだろうか?
またしょうもない曲を歌ってなずなを怒らせている。
女性陣がアイドルグループの歌を歌い出せば粋と2人で怪しい踊りを始める。
俺は光太と話をしていた。
俺達はあと2年で大学を卒業する。
その後SHはどうするつもりだ?と聞いてみた。
「空に任せておいていいんじゃないか?」
「しかし空も仕事があるだろう」
「父さん達の渡辺班もそうやってるじゃないか」
不思議と片桐家の人間に惹かれて集まってくる。
今や地元どころか九州で最悪の集団になっていた。
善明に言わせたら「世界最悪ですよ」との事だが。
「まあ、なるようになるさ。それより心配があってな」
「どうした?」
俺は光太に聞いてみた。
「恋は要と一緒だからいいんだろうけど、瑞穂がな……」
瑞穂は彼氏と別々の進路を選んだ。
大阪で一人暮らしになる。
もちろん恋と同じ大学だから孤立は無いと思うが。
ただ、瑞穂は極度の寂しがり屋だ。
ちゃんとやれるのか不安らしい。
だけど、多分問題ないだろう。
「それにしても光太は、もう父親か。どんな気分だ」
「やる気でみなぎってるぜ!俺が一家を支えて行かなきゃいけないんだから」
光太は張り切ってるらしい。
朝になるとバスに乗って帰る。
家に帰って着替えるとベッドに入る。
「もう寝るのかよ!」
水奈が俺を見て言う。
「朝までの約束だろ?」
「少しは嫁に構ってくれてもいいんじゃないか?」
やれやれ。
俺は小さな嫁を手招きする。
これで今年度は安心して過ごせる。
だが、まだ最後の大掃除が待っているようだった。
「まあ、色々あったけど無事後期も終える事が出来て……」
「空!うだうだ言ってねーでさっさと始めろ!!」
「……乾杯」
と、いうわけで駅前の焼き鳥屋で後期の打ち上げをしていた。
来月からはまた新入生が来る。
SHのメンバーも増える。
勢いに乗っているSH。
父さん達もいつもこうして騒いで楽しんでいたのだろうか?
「空、今日はホテル取っておいたから思いっきり騒ごう」
美希がそう言って食べ物をたくさん取ってくれる。
「わざわざホテルに泊まらなくても私の家、部屋が空いてるのに」
天音が言う。
「2人っきりで過ごしたいし」
「そんなのいつもそうだろ!?」
確かに毎日が美希と夢のような生活だ。
イーリスの事件以降今のところは何も無かった。
平穏な日々がようやく戻ってきたようだ。
「空、大活躍だったんだってな?」
光太がジョッキを持って来た。
「まあ、大変だったよ」
「でも羨ましいぜ」
「何が?」
光太はにやりと笑って言う。
「お前王様なんだって?」
それを蒸し返すのか。
あの事件以来僕の事を”空の王”と揶揄うメンバーが増えた。
もちろん天音と水奈を筆頭に。
しかも九州最大の暴走族の九頭竜會を壊滅させたことでその名は九州全土に知れ渡ってしまった。
「光太はなりたいのか?」
僕が聞いてみた。
「いや、俺にその器はないだろ」
「まあ、あまり空を困らせないでやっておくれ」
そう言って来たのは善明だった。
善明は戦闘から離れていたので実の母親に首を絞められるという難は逃れた。
「学!今夜は徹夜だからな!!」
「……ほどほどにしとけ」
学は水奈を止めるのを諦めたらしい。
大地も天音を止めるのを諦めてこっちに来ている。
あ、そうか。
「大地は天音との生活慣れた?」
そろそろ一年経つだろ?
大地はくすりと笑う。
「ああ見えて家ではしっかりしてくれてるんです」
天音が家事をサボれば、天音の手に負えない程天音をこき使ってると、大地が大地の母さんに叱られるらしい。
それで天音が気を使ってるんだそうだ。
「そう言えば、空の所には愛莉来たりするか?」
天音が僕に聞いてきた。
母さんは毎週必ず天音の様子を見に来るらしい。
しかも抜き打ちで。
抜き打ちの理由は天音が偶に朝まで遊んで学校サボったことがあったから。
そういえばうちにはあまり母さん来ないな。
近いからかな?
「お前らはまだいいよ、うちは水奈の父さんが大変でな……」
休日前に必ず来るらしい。
そしてその相手をさせられるのは学。
頭にきた水奈が母さんを呼んで強制連行するのが毎度のパターンらしい。
今年は恋が高校卒業して大学に進学して要と同棲するそうだ。
二人共学費はともかく生活費はバイトして頑張るらしい。
問題無いようにあったが、学の母さんは悩みがあるらしい。
学の母さんが家にいない間、千帆と姫乃の面倒は当然父親が見る。
あんなに父親を毛嫌いしていた恋の変貌を見ると千帆と姫乃もそうなるんじゃないかと不安で仕方ないみたいだ。
もちろん恋が要と一緒だからと実家と同じ行動をとるんじゃないかという心配もあるそうだ。
そういや、天音と翼が成長を競っていた時父さん苦労してたなぁ。
同じ事が茜にも言えるらしいけど。
母さんも悩んでいる様だ。
そういえば……
「光太は今日来ても大丈夫なのか?」
子供の世話しなくていいのか?
「ああ、今はまた光吉に戻ったんだ」
実家が近くだから何かあったら光太の母さんが世話してくれるらしい。
もともと麗華が通勤に不便だからアパートを借りた。
だけど麗華は育児に専念すると決めたからその問題はない。
問題は光太が仕事をしている間、麗華一人で双子を世話しなければならない。
色々考えて引っ越したらしい。
って双子だったのか!?
美希と驚いていた。
たしかみなみも双子だって言ってたな。
「写真見るか?可愛いぜ!」
そう言って光太はスマホを見せてくれた。
よく分からない。
親目線で見ると違うのだろう。
美希は羨ましそうに見てた。
光太は出産時に立ち会ったらしい。
麗華と一緒に呼吸をしていたそうだ。
「五月蠅いから外で待ってて!」
そう言って追い出されたそうだ。
克樹のところも双子らしい。
「私も子供作りたいんだけど、あのド変態がいつ来るか分からないから安心して出来ないんだ」
水奈がポロリとこぼす。
「水奈はまだ大学に入ったばかりだろ。まだ早い」
「別に学が働くなら私が大学辞めても問題ないだろ?」
「お前は何のために大学に入ったんだ?」
「暇つぶし」
「……親だって水奈の事を思って大学にいかせたんだろ?そのくらいはしっかりしろ」
「その親が”天音より先に子供作れ”って言うんだぜ?矛盾してないか?」
「なんだと?」
天音が反応した。
「そう言う勝負なら相手してやるぜ!大地!!帰ったらすぐ子作りするぞ!」
「天音だってまだ学生だろ!?」
「んなもん辞めても問題ない!」
「天音が良くても僕が親に殺されるよ!」
大地も苦労してるんだな。
「そろそろラストオーダーのお時間です」
店員がやってくると最後のドリンクを注文する。
時間になると店に出て相談する。
皆春休みだし週末だ。
家に帰る者はいなかった。
問題は2次会の場所だ。
光太と克樹に任せると大変な事になる。
僕と学が悩んでいると、光太がお構いなしに言う。
「2次会は男女分かれてやろうぜ」
二人を除く男性陣は苦笑いをしていた。
「どうして分かれる必要があるの?」
翼が聞く。
「そ、そりゃお互い聞かれたくない事とかあるだろ?」
「ほ、ほら。ホストクラブなんて俺達行っても楽しくないし」
克樹が余計な事を言う。
翼は黙ってスマホを光太に見せる。
「旦那が妙な真似をしたら帰る家がないと思えと伝えて」
しかしこの人数だ。
そんなに行けるところないだろ。
しかし油断していた。
今年はそんなに飲みに出なかったから今まで気づかなかった。
「私は別に構わないぜ。光太の行きたいところに行ってみようぜ!」
天音と水奈が言い出す。
もちろん大地と学が説得する。
あまり巻き込まれたくないな。
いい手があった。
「善明。善明達もどうせホテルとってるんだろ?」
「まあね。そうでもしないとノルマをこなせないから」
最低このくらいのお金は使いなさい。
羨ましいノルマを課せられているらしい。
まあ、善明の事だから多分そうだろうと思った。
「僕達と善明は別行動するからあとは皆で盛り上がってよ」
善明が勧める店なら間違いなないだろう。
「お前らだけずりーぞ!!」
天音が言う。
「ぼ、僕達も善明について行かない?」
大地が便乗した。
「湿っぽい店でちまちま飲むなんて私は嫌だ」
「僕は天音とそういうムードで楽しんでみたいんだ」
「……大地の要望なら仕方ないな」
「んじゃ、俺達はカラオケでも行くか」
学が言う。
話がまとまると、皆解散した。
僕達も善明の勧めるバーに入る。
美希も上機嫌のようだ。
「しかし空は彼女の扱い方まで覚えたのかい?」
注文を終えた善明が聞いてきた。
ただ、あのまま風俗なんて行ったら間違いなく美希の機嫌を損ねる。
そう思ってそんな最悪の状況を回避する方法を探しただけだと善明に言う。
「あ、私がいなかった行くつもりだったの?」
「前にも言ったけど、そんなお金があったら美希と焼肉食べるよ」
「空は他の女の裸とか下着とか興味ないのか?」
「あるわけないだろ?それ以上の物があるんだったら話は別だけど」
そう、天音に答えた。
「善明もそう言えばそういうのに興味示さないね」
「前にも言ったけどそんな物より自分の命が大切ですから」
そんな真似したら間違いなく実の親に吊るされる。
恐らく本気だろう。
だけど大地は違う回答を出した。
「気持ちの問題だよ。天音」
「気持ち?」
天音が聞き返すと大地は頷いた。
「そういうのは愛する人が一番なんだよ。愛する人が尽くしてくれる。それは上手下手関係なく感情の問題」
「……私は上手くやれてるか?」
「そうじゃなくて僕にとって天音以外の女性なんて考えられない」
「なるほどな」
天音は喜んでいる様だ。
2件ほどはしごして締めのラーメンを食べてから僕達はそれぞれの場所に向かった。
ホテルの部屋にはいるとベッドにダイブする。
「大地も頼もしくなったね」
美希が言った。
父さん流に言うと天音のトリセツを作っているんだろう。
「空はどうなの?」
「聞くまでもないよ」
「言葉じゃなくて態度で示して」
「……おいで」
そう言うと美希は僕に抱きつく。
「先にお風呂だろ?」
「そうだね」
お風呂に出るとベッドに入る。
その後春休みの過ごし方を考えていた。
(2)
「いやあ、兄貴大変だったな」
「まあな」
俺は弟の遊と2人で飲みながらカラオケの端末を奪い合いをしている紗理奈と水奈を見ていた。
なずな達も久々に会う祈達と話をしている。
光太と克樹は両側に綺麗な女性を座らせて、楽しそうにしている。
俺達はスナックに来ていた。
ここに来るまでが大変だった。
「風俗行こうぜ!」
紗理奈と水奈が言い出すと、俺達は2人を説得するのに必死だった。
何とか説得してスナックで妥協した。
妥協したのはいいが、スナックに入ると今度は「やっぱり大人っぽい女性の方がいいのか?」と水奈が勝手に落ち込みだす。
水奈くらいの歳くらいになればもう立派な大人だと思うのだが……
そんなんでスナックが閉店時間になるまで騒いで店を出る。
当然終電は無いし、始発までも時間がある。
ファミレスでも行って時間を潰そうかと思ったけど……
「カラオケ行こうぜ!」
さっきまで歌って騒いでいたのにまだ足りないらしい。
「今日は徹夜で騒いで良いって言っただろ?」
水奈が言うと「やれやれ」と2人に付き合った。
遊は学習しないのだろうか?
またしょうもない曲を歌ってなずなを怒らせている。
女性陣がアイドルグループの歌を歌い出せば粋と2人で怪しい踊りを始める。
俺は光太と話をしていた。
俺達はあと2年で大学を卒業する。
その後SHはどうするつもりだ?と聞いてみた。
「空に任せておいていいんじゃないか?」
「しかし空も仕事があるだろう」
「父さん達の渡辺班もそうやってるじゃないか」
不思議と片桐家の人間に惹かれて集まってくる。
今や地元どころか九州で最悪の集団になっていた。
善明に言わせたら「世界最悪ですよ」との事だが。
「まあ、なるようになるさ。それより心配があってな」
「どうした?」
俺は光太に聞いてみた。
「恋は要と一緒だからいいんだろうけど、瑞穂がな……」
瑞穂は彼氏と別々の進路を選んだ。
大阪で一人暮らしになる。
もちろん恋と同じ大学だから孤立は無いと思うが。
ただ、瑞穂は極度の寂しがり屋だ。
ちゃんとやれるのか不安らしい。
だけど、多分問題ないだろう。
「それにしても光太は、もう父親か。どんな気分だ」
「やる気でみなぎってるぜ!俺が一家を支えて行かなきゃいけないんだから」
光太は張り切ってるらしい。
朝になるとバスに乗って帰る。
家に帰って着替えるとベッドに入る。
「もう寝るのかよ!」
水奈が俺を見て言う。
「朝までの約束だろ?」
「少しは嫁に構ってくれてもいいんじゃないか?」
やれやれ。
俺は小さな嫁を手招きする。
これで今年度は安心して過ごせる。
だが、まだ最後の大掃除が待っているようだった。
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