姉妹チート

和希

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LOVE FLIES

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(1)

「まさか本当に男の子だったとはな……」

 母さんと父さんがパオラの産後に赤ちゃんを見に来ていた。
 男の子なのは実はパオラから聞いていた。
 それくらい産前に分かる事なんだけど。
 どうせなら親をびっくりさせようと思って黙っていた。

「で、息子の名前はパオラが決めてたんだっけ?」

 息子を抱きながら母さんが聞いた。

「で、何て名前なんだ?」

 男の子の名前は誠司郎。
 俺の名前を使わせてくれとパオラがお願いしてきた。

「随分古風な名前だな」

 母さんは驚いていた。
 するとパオラが説明した。

「郎ってつけた方が日本人ぽいかなと思ったから」
「なるほどな……イタリア人ならでは名前なんだな」

 最近の日本人はサファイアだのミカエルだの外人でもつけそうにない名前をつけたがる。
 逆にイタリア人のパオラの方が和風な名前を好むのだろう。
 すると誠司郎がぐずりだした。
 困っているパオラを見て母さんは察したらしい。
 さすが母親の年季が違うな。
 
「私達は外で待ってるよ」

 母さんがそう言って父さんの腕を引っ張る。
 父さんだって父親を長年してきたから分かってる。
 分かってるから抵抗していた。

「ま、待て。娘の授乳くらい見てもいいだろ」
「んなわけないだろ!いい加減にしろ」

 俺も一緒について行こうとすると母さんが止めていた。

「お前は育児をパオラ一人に任せるつもりか?」
「でも俺は授乳できないし」
「夫のお前だったら別に妻の胸くらいどうってことないだろ?」
 
 お前が試合で忙しいのは分かる。でも敢えて言う。父さんだって試合で忙しい中必死に水奈の育児を手伝ってくれた。
 手伝ってくれるから任せていたら水奈はああなったけど。

「誠司郎については私達は手伝いをするだけ。あの子達はお前の子供なんだ。しっかり育てろ」

 そう言って母さん達は病室を出た。
 でも本当にこれから大変だな。

「パオラ。俺試合があるから毎晩家にいるなんてことは出来ない」
「その事について私一言言おうと思ってたんだけど、いいかな?」
「どうした?」
「誠司にとって初めての子供だから喜んでくれるの分かる。でもサッカー選手の妻として一つだけお願いがある」
「なんだそれ?」
 
 するとパオラは一言言った。

「試合中は試合に集中して」

 以前は「私の事も考えて」と言っていたのにどうして?
 
「友達が言ってたの」

 子供が出来るとアウェイからでもビデオ通話とかで子供の顔を見る困った父親の話。
 
「俺は遠征にはいかない。俺がいない間に赤ちゃんが喋ったらどうするんだよ!」
「そんなにすぐ喋るわけないでしょ!」

 そんな喧嘩をしたらしい。
 最近の俺はサッカー以外の事も考える余裕が出来た。
 パオラのお陰だけど。
 だから敢えて言う。
 
「集中してないといけない時は集中して。それが原因で怪我でもされたら敵わない」

 もともとパオラの人生も背負っているけどこれからは子供の人生を背負う。
 だからサッカーだけじゃない。
 何かをしてる時は集中して欲しい。
 それが致命的な事になりかねないという事を自覚して欲しい。
 もう俺も父親なんだ。
 俺の身に何かあったら一家全員大変な事になる。
 確かにパオラの言う通りだ。

「日本に来てから誠を見て来たけど誠司は子供に夢中になりそうだから」
「父さんはきっと娘に夢中なだけだよ」

 その度に母さんと喧嘩している。
 腕の中ですやすやと眠っている誠司郎の顔を見る。
 
「……俺に似てイケメンになるな」
「そういうのを親ばかって言うんだって神奈が言ってた」
「親ばかで悪いのか?」

 この子の為ならなんだってするさ。
 きっと冬吾もそんな気分になるだろうな。
 先輩として教えてやろう。

(2)

 誠司郎が泣き出した。
 家事を止めて誠司郎をあやす。
 すると神奈が変わってくれた。

「すいません」
「私の孫だから気にしなくていいよ」

 神奈はそう言って笑っていた。
 さすが年季の違いというのがあるのだろうか?
 神奈は誠司郎を抱きかかえるとすぐに異変に気づいた。

「パオラ。いつオムツ取り換えた?」
「あ……」

 朝取り換えたままだったと神奈に伝える。

「じゃあ、それだな。少し匂ったから」

 赤ちゃんのそれは臭いとかそういうのじゃない。
 ヨーグルトのような酸っぱいにおいがする。
 それは大腸の中にまだビフィズス菌が多くあるから。
 離乳食を食べ始めると匂いが臭くなっていくらしい。
 ちなみに誠司は普通に取り換えてくれる。

「どう?母親をやってみての感想は?」

 神奈も最初は今の私の様に苦労していたそうだ。

「子供の命を預かるって大変なんだなと思いました」

 やっと眠りについた誠司郎を抱えたまま答えた。

「それだけ?」
「え?」
「ただ、大変なだけか?」
 
 誠は違った感想が聞きたいらしい。

「俺はこう見えて誠司や水奈の親だ。だから少しくらいはパオラの気持ちだって分かる」

 親の気持ちなんて世界共通だろ?

「誠の時は違ったの?」
「いや、最初はパオラと同じだった」

 子供を預かる責任というのは想像以上に重い。
 命の重さというのを実感する時期だ。
 だから誠司や私も同じだろう。

「だけど俺の友人が言ってたんだ」

 その人は片桐冬夜。
 この世界における最強のバランスブレイカー片桐家の長。
 その子供達も超人的な能力を持っている。
 片桐冬吾もそんな一人だ。
 ただ冬吾以外はその能力を活かそうとはしないらしい。

「めんどくさい」

 たったそれだけで貴重な才能を無駄にするらしい。
 片桐冬夜自身その才能で世界ランクもそんなに高くないバスケで大番狂わせの五輪金メダルをつかみ取った。

「恋人と一緒にいたいから」

 そんな理由ですぐに引退したらしい。
 冬吾だって絶対あり得ないと思ったW杯で優勝するなど功績を残している。
 そんな冬吾と誠司が合流した地元チームは常勝無敗の王者としてすでに君臨していた。

「あいつは絶対に敵に回したくない。だから味方でいると頼もしいんだ」

 どんなに劣勢だろうと冬吾にさえボールが渡れば必ずチャンスを作る。
 それは自分から演出するだけじゃない。
 自分を囮にして相手の隙をはっきりと作りだすらしい。
 相手が何が何でも点を取りに行こうとすると、それは誠司達にとってはチャンスでしかない。
 だってその時冬吾は確実にフリーなんだから。

「お前の罪を数えろ」

 それが決め台詞らしい。
 愛莉さんには叱られるらしいけど。

「その癖は子供が真似するからやめなさい!」
「愛莉。もう片桐家の男子だからしょうがないよ」
「冬莉もいつか苦労するよ!」

 冬莉と翼がそう言っていた。
 で、その片桐冬夜が何を言ったんだろう。
 やっぱり冬夜も双子だったらしい。
 私と同じように男の子と女の子。
 抱っこするのが苦手だったらしい。
 冬夜が抱っこすると翼は泣き出すそうだ。
 その時から片桐家の娘は父親を困らせるのが好きらしい。

「大変だな。お前も」

 誠がそう言って声をかけると冬夜は言ったらしい。

「まあ、それが育児だから」

 自分たちの親だってそうやって苦労してきたんだろ。
 娘ともなればそれはもう可愛くて仕方ないらしい。
 誠は何が言いたいんだろう?

「可愛い。愛おしい。それが大事なんだよ」

 どんな事があってもその事を忘れなければ何とかなる。
 自分が多少リスクを背負っても大切にしたいかけがえのない大事な物。
 当たり前だ。
 だって、その子供自体が夫との愛の証なんだから。

「だからそれを忘れない事が大事なんだ。きっと誠司も同じだと思う」

 だから帰りに飲みに行く事減っただろ?
 誠に言われると確かにそんな感じだった。
 冬夜の嫁の愛莉さんも言ったらしい。
 母親から聞いたそうだ。

「将来成長しても絶対に母親が強いの。どうしてだと思う?」

 それは自分の体から生まれて来た子供だから。
 どんなに生意気な子供だろうと小さい時は「ここから出して」とお願いして、生まれた後も生きるために必死に母親を求める。
 だから母親は偉大なんだ。
 なるほど……
 だから母親にとって子供はいつまでも子供なんだ。

「二人ももう少し大きくなったら一人で寝るようになる。その時にまた楽しめばいいよ」

 きっと誠司もその時を楽しみにしてる。
 だから誠司には出産に立ち会うのはいいけど、生まれてくるところは絶対に見るな。
 10年は嫁を抱けなくなるぞと教えたらしい。
 誠も現役時代は誠司が絶賛するほど優秀な司令塔だったらしい。
 だから不思議だった。
 背後に迫っている奥さんにどうして気づかないのだろう?

 ぼかっ

「いてぇ!」
「お前は息子の嫁に何を吹き込んでるんだ馬鹿!」
「だって俺がそうだったんだからしょうがないだろ!」
「ああ、そうだ!私が子育てで苦労しているのにアウェイの時に大人しくしていた試しは一度もない!」

 神奈では何か不満なのだろうかと心配してたら理由はそんなしょうもない理由だった。
 でもこんな二人でも中学生の時からずっと一緒だったそうだ。
 愛と言うのは色々な形があってどれもが貴重で奥が深い。
 私もずっと誠司を愛することが出来ればいいと思った。

(3)

「瞳子大丈夫なの?大分お腹目立ってきたけど」
「うん、タイミング的にも引継ぎが楽だからって1学期が終わってから育休に入った」

 それよりパオラは赤ちゃん大丈夫なの?

「少しくらい羽を伸ばさないと育児のストレスは半端ないって神奈に言われたから」

 今日はパオラにSHの同期を紹介するのにお茶に誘ってみた。
 私も愛莉さんに「たまにはゆっくりしてらっしゃい」と言われたから。
 泉も子供がいる。
 双子の姉妹。
 千秋の方が大変らしい。
 すでに風呂を嫌がるという芸当を見せているという。
 さすがにまずいと思って晶さんに相談したらしい。

「泉だってそうだったでしょ?自分の娘なんだからしっかりしなさい」

 晶さんは笑ってそう言ったらしい。
 冬莉も茜も揃って娘に手こずっているそうだ。
 茜にいたっては子供に負けて「まあ、いっか」と風呂に入れなかったらしい。
 さすがにまずいと壱郎がいれようとするけどどう洗えばいいかわからないから愛莉さんに相談してバレる。

「壱郎!愛莉にどうして言うの!?」
「茜こそ何を考えているの!?壱郎にそんな真似させていいと思ってるのですか!?」

 女の子でしょと愛莉さんは叱ったけど茜は違う考えだったらしい。

「あのさ、愛莉。女の子の体の扱い方くらいひょっとしたら母親より詳しいかもよ」
「そんなわけありません!」

 娘の事で相談を受けるのは茜達だけじゃない。
 天音も困っているらしい。

「ちょっと待て茉莉!こんな時間にどこに行くんだ!?」
「遊びに行ったりしないよ。ちょとコンビニ行ってくるだけ」
「どこの世界にパジャマでコンビニ行く娘がいるんだ!?」
「いいじゃん、着替えるの面倒なんだよ」
「……僕が買ってくるよ。何が欲しいの?」
「さすがパパ大好き!」
「うぬぬ……」
 
 話はこれで終わりじゃなかった。
 茉莉はとんでもない物を飲もうとしていた。

「やめてくれ!私が愛莉に殺される!」
「だってあれ疲れた時に飲むといいってネットであったよ?」
「あれはただのネタだ!滅茶苦茶まずいぞ!」
「炭酸飲料でも買ってくるよ」

 そう言って大地が買い物に行ったらしい。
 で、どうして茉莉がパジャマで外出するという発想に至ったのか。
 それも単純だった。
 菫はパジャマじゃなくてジャージにTシャツという恰好で寝るらしい。
 暑い時はそれを脱いで下着姿で寝ている。
 その格好でトイレに行くから善明が困っているそうだ。
 だけど菫が落ち込むらしい。

「私はどうして大きくならないんだ」
「菫、あまり大きさばかり気にしてもしょうがないよ」
「翼には分かってくれると思ったんだけど?」

 それが小学校4年生の発想なんだろうか?
 だけど翼は言った。

「正行は菫の見た目で選んだわけじゃないんでしょ?」
「多分そうだけど……」

 じゃあ、何がいいんだろう?

「男の人にも色々な人がいるの」

 大きいのが好きな人、小さいのが好きな人、そういうのに全くこだわりが無い人。
 逆に菫の様な子供の体形を好む人間だって少なからずいた。
 
「まさか正行はそんな気持ち悪い奴なのか!?だったら明日でもぶっ殺してくる」
「話を聞いてた?最後の全くこだわりが無い人」
「つまり同性愛者とかか?」
「違うわよ。善明だってこだわりないみたいだし」
「パパは種なしなのか!?」
「だったら菫達が生まれてこないでしょ?」

 ほんとに親子の会話なんだろうか?
 翼は説明を続けた。
 菫の考えてる好意は女性にリスクをもたらす。
 だけどそれは女性だけじゃない。
 孕ませた男にも責任を問われる。
 晶さんや恵美さんが知ったら絶対に逃げ道なんてない。
 だからもしそうなってもこの人とならと言う人だけを選ぶ男もいる。
 そんな考えの持ち主が善明だった。
 そんな善明を好きになったから抱かれたいと翼も思った。
 つまりそんな見た目だけで判断する奴はそれだけのしょぼい価値観の持ち主だということ。
 正行は少なくとも小学生の時に菫の事が好きになった。
 だからそんな見た目なんて考えてない。
 そういう人に好意を持たれているんだから心配しなくていい。

「それはいいけど、茉莉に負けるのは悔しいぞ」
「美希は嫌だったそうだよ」

 そんな風に胸を見られるのが嫌だった。
 だから翼や麗華が羨ましかったそうだ。
 私も一度冬吾さんに聞いてみた事がある。

「それ聞いてどうするの?」

 大きい人が良いって言ったら瞳子の胸が大きくなるの?

「父さんも言ってた、大きさはただ大きければいいってもんじゃない。揉みやすいくらいがちょうどいいって」
「私はどうなのかな?」
「それも聞いてどうするのさ?」

 気に入らないから嫁と寝ないなんて馬鹿な事を言えばいいの?
 冬吾さんはあまり気にしてないみたいだった。
 しかしそばで聞いていた愛莉さんはそうは受け取らなかった。

「冬夜さんはどうしてそういう事を子供に吹き込むのですか!?」
「あまり大きさは関係なしに好き嫌いなんて人それぞれだって説明しようとして例に挙げただけだよ」
「もう少し言い方なかったのですか!?」
「僕は愛莉のが一番好きだよって言えばよかったの?」
「うぅ……」

 困ってはいるけど嬉しそうにしている愛莉さんだった。

「日本人てそんなに大きさ気にするの?」
「気にする奴はどこまでも気にするね」

 冬莉が答える。
 冬吾さんは全く気にしてない。
 少しは褒めてくれてもいいのにな。

「片桐家の男子にそれを求めるのは無駄だよ」

 空だってそうだからと冬莉が言った。

「誠司君はそうじゃないの?」
「誠司郎を生む前に悩んでいたの」

 妊娠するとわずかにサイズが大きくなる。
 それを確かめたかったと誠司が言っていたらしい。
 で、それを誠さんに聞いたそうだ。
 神奈さんの時はどうだった?
 それを聞いた誠さんは喜んでいた。

「そりゃもう胸のある神奈なんて最高傑作に決まってるだろ!」
「お前は馬鹿な事を息子に吹き込むのは止めろと言ってるだろ!」
 
 そう言ってやっぱり大喧嘩になったそうだ。

「それにしても次はいよいよ冬吾の子か」

 そう言って泉達は私のお腹を見る。

「覚悟しときなさいよ。冬吾風に言うなら……」

 冬莉が一言言った。

「死ぬほど痛いぞ」
「あまり妊婦を脅かすのってどうなの?」

 泉はそう言って笑う。
 冬吾君の子か。
 どんな子が生まれてくるのか待ち遠しかった。
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