姉妹チート

和希

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たった一つの想い

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(1)

「行ってきます」

 制服を着て俺達は中学校に向かう。
 途中、茉奈達の家に寄る。

「おはよう、結」

 そう言って茉奈がやって来る。

「朝から暑苦しい物みせんじゃねーよ」
「茉莉は朔は迎えに来ないの?」
「確かにそうだな。あの野郎たるんでるんじゃねーのか?」

 文句を言いながら朔にメッセージを送る茉莉。

「今日は早く帰りたいよね」

 結莉がそう言ってた。
 うちの中学校は東中の勢力のFGに押されている。
 だから毎日の様に害虫駆除をしていた。
 すると生徒指導室に呼び出される。

「てめえ、一々呼び出すなって毎日言わせるな!」

 天音が乗り込んでくる。
 スープが冷めたという理由で企業を潰す極悪企業。
 なんなら学校も潰してやっても構わねーぞ!
 大体害虫駆除なんて教師の仕事だろうが。
 てめーらの職務怠慢のフォローしてるのによく文句が言えるな!
 天音が言いたい放題言って、母さんが脅しをかけて、そして翼がまとめる。
 そうすると一つ問題が出る。
 母さんと家に帰る。
 途中にあるコンビニでおにぎりを買う事が出来ない。

「一応私も母親だから買い食いなんて事を親の目の前でさせられないよ」

 そう言って母さんが笑っている。
 母さんはそう言うけど天音は違う。

「硬いこと言うな美希!晩飯残さないだろうし大丈夫だろ?」
「天音は夕食控えるくらい食べてきて愛莉にバレたの忘れたの?」
「ば、馬鹿翼。お前結莉達の前でその話はよせ!」
「天音~どこで食べたの?」

 そんな話をしていると菫が言う。
 
「よくそんだけ食べてて腹がでねーな。どうなってるんだ?」
「菫こそ一杯食わねーと大きくならないぞ?」
「私は胸はともかく腹の出たみっともない女になりたくねーんだよ」
「胸すらねーくせによく言えるな」
「んだと!?」

 またこのパターンだ。
 ちなみに背丈は菫も茉莉も変わらない。
 だけどやっぱり見た目が全然違う。
 セーラー服のサイズがまず違うらしい。
 あと比呂や健太が朔に聞いていた。

「茉莉って何カップくらいあるんだ?」

 もちろん朔も聞いたことはないらしい。
 だから問題だった。

「お前は彼女の胸にすら興味がないのか!ふざけんな」

 一方菫は翼がどうやって慰めていいか分からないらしい。
 だから水奈や神奈が色々アドバイスしていた。

「私は晩成型だったしまだ落ち込むのは早いぞ」

 水奈がそう言って慰めていた。
 すると神奈が悩みだす。

「なあ、水奈?私はいつ成長すると思う?」

 さすがに水奈にもそれは分からなかった。
 話を戻すとそんな風に毎回親と下校するから買い食いできない。
 だから今日くらいさっさと帰っておにぎりを食べたい。

「結はおにぎり好きだね」

 具は何が好きなの?

「梅干し」
「しぶいんだね」

 そんな風に登校していると途中で秋久達と会う。
 秋久は離れている心音の家まで送り迎えしてるらしい。
 雨でも傘を持って歩いている。
 そうしないと銃弾の雨の中を駆け回る事になるんだそうだ。
 学校について教室に向かうと廊下に朔が立っていた。

「おい、朔!てめえ彼女の送迎くらいしやがれ!」

 お前も戦場を走りたいのか?
 彼氏がそんな目にあってもいいのだろうか?
 だけど茉莉の声に気づいた朔が慌てて茉莉に言う。

「茉莉、ちょっと結達を止めておいてくれ!秋久と芳樹。ちょっと手伝って」
「どうしたんだ?」

 秋久と芳樹が朔に近づくと教室の中を見て同じように固まる。
 そして慌てる。
 
「茉奈と結はそこでまってておくれ!」

 秋久が言うけどそう言われると気になるのは茉莉も結莉も一緒だった。

「何があったってんだよ」

 そう言って先に向かったのは茉莉と結莉。
 そして茉莉達も慌てて言う。

「結達はそこにいろ!」

 そうなるとやっぱり気になった茉奈が教室に向かう。
 そして扉の前で突っ立って鞄を落としていた。
 佳織や陽葵が結莉を支えている。
 何があったんだ?

「茉奈、どうした?」
「ゆ、結……」

 茉奈が酷く怯えている。
 教室に近づくと囃子声が聞こえた。

「ご両人の登場でーす」

 笑い声と一緒にそんな声が聞こえた。
 教室では朔達が必死に黒板に書かれているものを消していた。
 大体分かった。
 巨大な相合傘に僕と結莉の名前。
 子供染みた悪戯。
 そんな事をしてるから彼女が出来ないんだ。
 そして茉奈の顔を見て俺は我慢の限界を超えた。
 茉奈は俺の腕をつかんで震えている。
 きっと泣いている。
 次の瞬間黒板がへこんだ。
 朔達が慌てている。
 構わずに俺は教室に入る。

「茉奈は俺から離れるな」
「うん」

 俺が何をしようとしているか気づいた朔達が慌てる。

「誰だ!ふざけた真似しやがって!」

 茉莉達が怒り出して俺より先に始末しようとする。
 しかし今回だけは譲らない。

「茉莉達は余計な真似するな」

 いつもとは違う口調に茉莉達は下がっていた。

「お熱い仲ですねえ」

 尚も揶揄う馬鹿達。
 まずはお前からだ。
 瞬間移動なんて生温い真似する気はない。
 そいつが教室の中でも中央にいた事も災いした。
 そいつは他の連中も巻き込んで机ごと教室の外に吹き飛んでいく。
 壁ぶち壊して外に吹き飛ばした。
 その一撃で教室の雰囲気が変わる。
 いまさら遅いぞ。

「後は誰だ?」

 そう言って反応を見ていれば大体の目星は着く。
 同じように吹き飛ばした。
 壁はもうほとんど残ってない。
 ここが1階でよかったな。
 ……とでも言うと思ったか?
 結莉を茉莉達に任せて俺も外に出る。
 その境界はとうになくなっているけど。
 倒れている連中を見下ろす。

「た、助けて……」
「そう言えば助けてもらえると思ったのか?」

 お前らのせいで今日のおにぎりも台無しだ。
 だからお前らの人生を台無しにしてやる。
 連中を睨みつけると突然連中が苦しみだす。

「あ、熱い!助けて!」

 当然火葬したわけじゃない。
 してやろうかとも思ったけど。

「や、やりすぎだ結!もう十分だろ!」

 茉莉達が止める。

「寝惚けるな。茉莉も同じ目にあいたいのか?」

 そう言うと茉莉達もそれ以上は止めようとしなかった。

「助けて!!」

 必死に叫んでいる馬鹿達。
 それはジャスト一分続いた。
 時間を過ぎると連中は収まる。
 
「まだ物足りないなら本当に燃やしてやろうか?」

 ぽかっ

「も、もう大丈夫だから」

 茉奈が後ろから抱きしめる。

「いいの?こいつらまた繰り返すよ」
「それはねーよ」

 茉莉が言う。
 僕の恐ろしさくらいこの馬鹿でも分かっただろ。
 それでも手出しするなら死ぬしかない。
 ただそれだけだ。

「次は殺すからな」

 お前らを燃やすくらい造作でもない。
 それだと後始末が面倒だから止めただけだ。
 お前らの顔は覚えた。
 精々俺の機嫌が変わらないうちに片づけて大人しく震えてろ。
 壁や黒板は茉莉の能力で修復した。
 精々馬鹿の制服がボロボロになってるくらいだ。
 だから教師が教室に入ってきても……

「別に何もないでーす」
 
 菫がそう言うと誰も反論しなかった。
 翌日から教室の生徒の数が若干減った気がする。
 登校拒否というやつらしい。
 その日は買い食いが許された。
 
「茉奈はお腹すかないの?」
「年頃の女の子にそういう事聞いたらダメだよ」
 
 茉奈も笑っている。
 茉莉は朔に迎えに来るとかそのくらいの優しさはないのかとおにぎりを食べながら言っていた。
 菫もおにぎりやお菓子を食べていた。
 しかしおにぎりを食べながら秋久達と相談していた。
 今年になって突然FGが活動を始めた。
 何が起きたのだろう?
 そして馬鹿の動きはこの程度で手を引いたらよかったのにさらに俺達を怒らせる真似をした。
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