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(1)
「うぅ……」
結莉が悩んでいる。
それは修学旅行の京都での自由行動の予定を決めていた時だった。
「俺も母さんにちゃんとお小遣いもらえたから大丈夫だよ」
きっと京都で何を食べるか悩んでるのだろうと思った。
茉莉はそのつもりらしい。
「お前それ以上胸でかくする気か?」
菫がいつもの様に絡んでいく。
しかし最近の茉莉は余裕を見せていた。
「お前もしっかり食った方が良いんじゃねーのか?」
「このおもらし姫が調子に乗りやがって」
「てめえ、いつまでそのネタ使う気だ!?」
「だったらスイカ女とでも言ってやろうか?」
「上等だ、このまな板女!ぶっ殺してやる」
「やる気か?じゃあ、抜けよ?その時にはお前の眉間にどでかい穴開けてやらぁ」
そして始まるとやれやれと朔と秋久が止めに入る。
だから僕は茉奈の悩みを聞いてやることにした。
「皆分かってるよ。茉奈は観光したいんだろ?」
「それもあるんだけど、結や茉莉達が満足するのかなって?」
茉奈は思ったらしい。
だけど、せっかくなのだから京都らしいところを見に行きたいと言う。
「だからって寺とかばっか見てても腹が減るだけだぞ!」
俺の前だからってそうやって女子アピールすんなと茉莉が茉奈に言う。
「どうせ私と結なら大人になったら2人で全部楽しむからいいんだけど、修学旅行だよ?」
だから佳織や心音の意見も聞いた方がいいんじゃないか?
皆で楽しい思い出を作りたいと茉奈が言っていた。
「それだったら私は清水寺見たいかな」
「私は縁結びで有名なあの神社行きたい」
佳織と心音が自分の希望を言っていた。
「心音。そんなもんに頼らなくても大丈夫だって!」
確かに失恋の話もあったけど、秋久に限っては絶対ない。
心音が嫌にならない限り、秋久は心音一筋だ。
でなかったら私が秋久をぶっ殺してやる。と、希美は言っていた。
まあ、希美が手を下さなくてもそんな状況になったら晶が黙ってないだろう。
朔も月に2回くらいは茉莉をデートに誘ってる。
「毎日会ってるんだからいいだろ?私は家でゲームがしたいんだよ!」
そんな事を言ってる割には茉莉はデートの前夜に天音に服を選んでもらってると結莉が話していた。
「だからどうしておまえはそうやってショートパンツを穿きたがったりするんだ!今は秋だぞ」
あまり足を冷やすのはよくないぞ。
「だったらストッキング履いとけばいいだけだろ!?」
「そこまでしてなんでショートパンツにこだわるんだ?」
「かっこよくね?」
結莉が話していた。
平日だろうと休日だろうとすぐにタンクトップとショートパンツで外に出ようとして天音に止められるらしい。
それを注意したら次のお気に入りを着ようとする。
「お前はデートに行くんだろ!?戦場に飛び込むわけじゃねーぞ!」
迷彩柄の服を好むらしい。
「デートは戦場だって天音だって言ってたじゃねーか!」
「意味を間違えるなこの馬鹿!」
さすがの茉莉の服の好みに危機感を感じた天音は愛莉に相談してるらしい。
だけど愛莉も恵美もそういう好みを持ったことがない。
でも茉莉は石原家のお嬢様。
そんな姿でパーティに出られたら大騒ぎになる。
そこで愛莉と恵美は考えた。
「デートの時に朔に選んでもらえばいいんじゃない?」
それなら朔好みの女になれる。
上手い事考えたな。
ただし今度は朔が大変だ。
変な趣味を見せたら茉莉に殺されるか晶に殺される。
だからと言って姉がいるわけじゃない。
祈もあんまり女性っぽい服は着たがらないらしい。
もちろんパーティの時とかはそれなりの格好で行くらしいけど。
「健太達は希望ないのかい?」
秋久が聞いていた。
「いやさ、あるのはあるんだけど……」
「ああ、健太も言われたのか?」
「ってことは瑛斗も?」
2人は何か言われているそうだ。
「親に何か言われたのか?」
茉莉が聞くと2人は答えた。
「絶対に木刀とかしょうもない物買ってくるな!って」
「は?そんなの別に修学旅行で買わなくても別府とか湯布院行けば売ってるだろ?」
木刀に切れ味なんてないぞ。
頑丈か脆いかくらいだ。
茉莉が説明していた。
「そんなに欲しいなら私が天音に言って日本刀調達してもらってもいいぞ?」
「別に人殺しをしたいわけじゃないんだ」
「お前それでも男か?殺してでも彼女を守るくらいの気合見せろよ」
人を殺してはいけないという日本の法律を全く守る気のない茉莉が言っていた。
そんな様子を見て結莉は笑っている。
「ほら。やっぱり皆で相談した方が楽しいよ」
結莉はそう言ってみんなの希望を聞きながら予定を組み立てていた。
「後は夕食だけだね」
芳樹が言うと結莉は笑っていた。
「天音から美味しいラーメン屋さん聞いてるから大丈夫」
父さん達も言ってた店だ。
中学生なんだからラーメンくらいでいいだろう。
鯖寿司とかも気になったけど、茉奈と2人で行った時に食べたらいい。
ちなみに結莉の家族はあまり寿司を食べないらしい。
石原家なのに回るお寿司で済ませようとする。
理由はラーメンがあったりうどんがあったり唐揚げとビールがあったりするから。
要するに大地は魚を食べたくなかった。
その事を天音が恵美に告げて恵美が怒る。
「いつまでも子供みたいな味覚でどうするの!?」
味覚に関しては結莉や茉莉の方が上らしい。
ただそれでも茉莉も結莉も「夜中のラーメンは最高だね~」と食べてるから愛莉と恵美は頭を抱えているらしい。
何か悪いことなのだろうか?
父さんから聞いた話だと雪も遅くまでリビングでテレビを見ていたらしい。
不思議に思った瞳子が「明日朝起きれなくなるよ?」と聞いたら淡々と答えたそうだ。
「父さん達だけ夜食でラーメンを食べるのはずるい」
雪の中でも毎晩夜食にラーメンが出ると思っていたそうだ。
だから瞳子は約束した。
「毎週日曜日のお昼はラーメンにしてあげる」
だから夜は早く寝なさい。
まだ二人ともそんな生活リズムをするには幼すぎる。
そう言うと2人は部屋に戻ったそうだ。
すると愛莉はじいじを怒ったらしい。
「あの子も冬吾と同じようになっていきますよ!」
「まあ、突然ダイエットするとかよりはましだろ?」
「問題をすり替えないでください!」
そして修学旅行の初日。
自由行動の時間になると俺達も同じみたいだ。
父さん達も言ってた。
「男子に自由は無いよ」
どこに行くかはすべて女子が主導権を握っている。
結莉の建てたスケジュールはじつに精密に出来ていた。
一分の無駄もない完璧なスケジュール。
女子というのは旅行の時にその驚異的な行動力を発揮する。
それについて行くのは俺でも多分難しいかもしれないと母さんが言っていた。
けど、こうも言っていた。
「そうやって少しでもたくさんの友達や恋人との思い出を残したいと思ってるの」
だから嫌な顔はしたらダメ。
秋久達がそんな真似をするはずがない。
「あなたまだ教育が必要なの!?」
彼女を不安にさせる行動をとろうものなら朔は茉莉に、秋久は晶に殺されるだろう。
ホテルに着くとお風呂に行って寝ようとした。
するとドアを誰かがノックする。
どうせ先生の見回りだろう。
そう思って健太がカギを外してドアを開けると驚いて声をあげていた。
「お前ら、折角の修学旅行だぞ!?女子の部屋に侵入とか考えないのか!?」
茉莉達が入って来た。
「い、いや。さすがに先生来たらまずいって」
「そうやってみんなで説教食らうのも修学旅行だろうが!」
「そうか、茉莉も頑張って思い出作ろうとしてるのか。じゃあ、先生も手伝ってやらないとな」
茉莉が振り返ると背後には高槻先生が立っていた。
「な、なんで翔がいるんだよ!?」
「俺はお前らの親の担任もしてきたんだぞ?」
僕達の学年でFG以外で問題を起こすとしたら茉莉と菫。
FGは問題を起こして全員で正座して説教とかになったら茉莉と菫が生きて地元に帰さないだろう。
だから見張っていた。
しかし高槻先生は男性教師。
うかつに女子の部屋に踏み込むわけにはいかない。
だけど僕達は大人しくしていた。
当然茉莉達が動き出す。
そんな説明をしていたら茉莉と菫が怒り出す。
「お前らがさっさと部屋に来ればよかったんだろうが」
「茉莉、そういう問題じゃないだろ?」
そう言って茉莉達は説教されながら部屋に戻っていった。
「きっと明日も仕掛けてくるんだろうな」
芳樹がそう言ってため息を吐いていた。
諦めない事は何よりも強い。
その意思を別な事に使えばいいのにと芳樹たちと話をしながら夜を過ごした。
(2)
「ねえ、秋久」
「どうしたんだい?」
「本当にいいの?」
心音一人だけ待たせてアトラクションで遊んでいたなんて晶さんに知られたら僕の命がやばい。
「さすがに親より先に息子が死ぬのは辛いからやめておくれ」
父さんがそう言っていた。
今日は大阪のテーマパークで遊んでいる。
結達は何度も同じアトラクションで遊んで、結ですらテンションが高かった。
FGという名の馬鹿はこんなところまできて勢力拡大を狙って他校の旅行生と喧嘩してる。
ある意味元気だな。
僕は心音が怖がりでアトラクションを嫌がるから2人でベンチに座って時間を潰していた。
そして「ごめんね」と申し訳なさそうに沈んでいる。
「心音をそんな思いにさせたくてしたわけじゃないよ」
「うん」
「周りをよく見てごらん」
友達どうして来てたりカップルで来てたり、色んな恰好な人が色んな楽しみ方をしている。
それを見て心音と話しているのが楽しいと僕は思ってるんだけど、心音はどう思う?
「私より綺麗な人がいた?」
「その質問がするだけ無駄だよ」
「どうして?」
「だって僕の彼女は心音だけだから」
綺麗な人がいたとしてもただそれだけだ。
でもそれだけで心音が傷つくなら僕は言わないよ。
僕の命がいくらあっても足りない。
「そっか。私時々思う事があるんだ」
「何を思ったんだい?」
「きっと私にとって秋久は神様からのプレゼント」
「そう言ってもらえて助かったよ」
「でも、どうして秋久は私を選んだの?」
「同じだよ」
「え?」
不思議そうにする心音ににこりと笑った。
きっと心音が一人で寂しそうにしているから助けてあげたいと思った。
ただそれだけだよ。
あの時見ていた女の子が心音だった。
そう言うのをひとくくりに「運命の赤い糸」と呼ぶんでないかい?
「少なくとも僕は心音が彼女でよかったと思ってるよ」
お爺さんや父さんに比べたら心音の問題なんて些細な事だ。
茉莉や菫がいるSHの中で心音の存在はまさにレアだ。
「私は茉莉や菫達と違うから秋久がつまらないんじゃないかって思ってた」
「朔には羨ましいって言われたよ」
「……それ本当か?秋久」
気づいたら茉莉や結莉達が戻ってきてた。
「い、いつの間に?」
「お前らが恋を歌っている間にだよ」
茉莉はそう言って朔を呼ぶ。
「お前今の話本当か?あんまりふざけた事言ってると殺すぞ!」
朔は必死に言い訳しようとしている。
下手をすれば帰る場所は地元じゃなく墓場になる。
「そんなに気にする事ないんじゃないか?」
結がそう言った。
「ほら、隣で違う料理を食べてる人を見ると気になるのと一緒だよ」
一言「隣の芝は青い」と言えばいいのに食べ物に例えるのが片桐家なんだろうね。
他の料理が気になる時がある。
美味しそうだなと思う事もある。
だけどそれが彼女のなら「少し分けて」と言えばいい。
そうじゃないならそんな事言えるわけがない。
そこは朔も分かっている。
ただ結莉でさえ秋久と心音がどんな話をしているのか気になったんだ。
でも絶対にそれを芳樹には言わない。
そのかわり女子の中で話をしているんだろ?
男子だって色々話をしてるよ。
その通りだけどそれを今ばらして何が意味があるのかい?
ほら、にっこりと茉奈が笑っているよ。
「……で、結は私の何を話したの?」
「茉奈は凄く分かりやすいって」
茉奈がそんな気分の時は結をじっと見ているそうだ。
それに気づいた結は視線をそらすことを許されない。
だから結でも気づく。
ぽかっ
「そういう事を話したらダメって美希から聞いてないの?」
「別に茉奈の裸の事を話したわけじゃないから良いと思ったんだけど」
「だめ!」
「へえ、そんなやり方あるんだ。今度朔に試してみるかな」
茉莉がやったら単なる蛇に睨まれた蛙の様な気がするんだけどどうなんだろう。
その後は皆でお土産を選んで集合場所に向かう。
「まだ当分使い道ないかもだけど……」
そう言って照れながらおそろいのマグカップを僕に見せていた。
「いつか一緒にコーヒー飲めると良いね」
「うん」
そんな僕と心音のお話。
父さんから聞いた話と比較すると本当に心音はこの世界の住人なのかと疑いたくなったよ。
雪の能力が全く通用しそうにない世界の住人の心音が最強なのだろうか?
(3)
突然影が出来た。
曇ったわけでもない。
朔が日傘を用意してたらしい。
「お前日焼けした女嫌いなのか?」
「仮に好きだったとしても制服着て日焼けするのはみっともないんじゃないのか?」
朔の価値観だとそうらしい。
下着や水着のあとは許せても制服などのシャツのあとはNGみたいだ。
そう考えると不思議だよな。
私は別に特別な夜だからといって下着を用意したりしない。
結莉は決めてるみたいだけど。
修学旅行最終日。
水族館に来ていた。
わたしは食えない魚に興味ないから外で待ってると言った。
そしたら律義に朔は私に付き合っていた。
ベンチで寝ている私に日傘をさしていた。
「お前本当は違う彼女の方が良いんじゃないか?」
「なんでだ?」
「本当はこういう所でいちゃつきたいんじゃないのか?」
結と茉奈みたいに。
心音たちも楽しそうにしてた。
菫はどうだかしらないけど、お土産屋のぬいぐるみは気にしていたようだったな。
私はどれにも興味がない。
天音もそうだったらしい。
だから大地に言ったそうだ。
「私の関西の思い出はこんなしょぼい思い出で終わらせたくない」
いつか二人で旅行に行こうと言っていた。
そんな風に大人になった時朔は私の側にいてくれるのだろうか?
「お前、将来どうするつもりだ?」
朔に聞いてみた。
「多分考えるまでもないよ」
朔はそう言って笑っていた。
江口家の御曹司だ。
それなりの社会的地位を約束されるだろう。
だけど朔は言う。
「なんとなく大学を出て、それなりの仕事に就職して、そして扱いの難しい嫁をもらって子供を必死で育てるんだろうな」
「扱いの難しい嫁って私の事か?」
「そうだよ」
「お前私を侮ってないか?」
朔がちゃんとプロポーズするまで返事するつもりはないぞ。
嬉しい、ありがとう。って言えない自分が情けない。
だけど朔は笑っていた。
「そりゃ大変だな。なんかいいセリフ考えておくよ」
「……愛莉が言ってた”長いセリフはいらない。私がキスで塞いじゃうから”って」
「じゃ、茉莉もそうしてくれるのか?」
あ……
「茉莉さ、きっとこんなことを考えてないか?なんで、結莉じゃなくて私みたいな乱暴な女なんだ?って」
どこまでも筒抜けなんだな。
「理由も考えてるのか?」
「考える必要あるのか?」
朔は説明した。
朔は結ほどの能力はない。
結みたいなのが何人もいたら大変だ。
結みたいなのが何人いてもい関係なく潰すのが雪らしいけど。
でもそれがどういう意味なのかは分からなかった。
「茉莉の彼氏って結構大変なんだ」
機嫌の取り方が分からない。
突然暴れ出す。
だからといって喧嘩でもしようものなら晶さんに殺される。
それは多分秋久も変わらないだろう。
それでも朔は後悔していないらしい。
「茉莉の彼氏って大変だけど、面白いんだ」
突然豹変したように大人しくなる。
初めての夜の時そうだったろ?
そんな普段の私からは想像できない私を見れるのが朔の特権。
それを他の奴にばらしたりはしない。
そんな私の秘密は朔だけが知っていたらいい。
「大変だけど、面白い。少なくとも退屈はしない」
なんだかんだ言って私だって朔の事心配してくれてるじゃないか?
例えばデートの帰りが速い時に「明日学校だから色々準備あるから」と祈に説明してくれたり。
現実離れした事件の毎日だけどそれに慣れるととてもじゃないけど結莉や心音じゃ物足りない。
朔の背中は私が預かっている。
だから私も背後は朔に任せてくれ。
「地獄までお供してやるから」
「……サンキュー」
お前が私の彼氏でよかった。
「でも俺と茉莉の子供ってどんなのになるんだろうな?」
「どうだろうな。天音と大地で私と結莉だからな」
楽しみにしておけ。
そんな話をしていると結莉達が帰って来た。
「茉莉何かあったの?」
結莉が聞いていた。
「朔と将来考えていただけだよ」
「え?もう朔に求婚されたの?」
沙羅達が驚いていた。
「んなわけねーだろ。馬鹿」
まだ中学生だぞ。
「でも、茉莉がそんな笑顔見せるなんて珍しいから」
結莉が不思議そうにしていた。
そんな結莉に返していた。
「お前の相手が芳樹なのが当然なのと一緒だよ」
私と朔が一緒になったのは必然なんだ。
「ふ~ん」
「そろそろ、集合時間じゃないのか?」
「そうだね」
そう言って移動しようとすると菫が遅れてやって来た。
想像以上にバカでかいぬいぐるみを買っている。
「お前それだと小遣いオーバーしてるのばればれじゃねーか!」
「別に問題ねーだろ?」
「あるに決まってるだろうが!」
さっそく翔に見つかった。
しかし菫の言う事は間違いなかった。
さっそく翼に連絡が行く。
「いつもの小遣いを渡しているだけだけど?」
翼はそう言ったらしい。
「しかし他の生徒が知ったら……」
「知ったらどうなるの?」
菫を恐喝しようとする馬鹿がいたら勝手に死ねばいい。
大阪湾に沈むだけじゃない。
そう言って結局翔が諦めたそうだ。
私達はまだまだ成長する。
これから環境が変化していく。
そんな中をずっと朔と一緒に歩いていくのだろう。
願わくば永遠に……
「うぅ……」
結莉が悩んでいる。
それは修学旅行の京都での自由行動の予定を決めていた時だった。
「俺も母さんにちゃんとお小遣いもらえたから大丈夫だよ」
きっと京都で何を食べるか悩んでるのだろうと思った。
茉莉はそのつもりらしい。
「お前それ以上胸でかくする気か?」
菫がいつもの様に絡んでいく。
しかし最近の茉莉は余裕を見せていた。
「お前もしっかり食った方が良いんじゃねーのか?」
「このおもらし姫が調子に乗りやがって」
「てめえ、いつまでそのネタ使う気だ!?」
「だったらスイカ女とでも言ってやろうか?」
「上等だ、このまな板女!ぶっ殺してやる」
「やる気か?じゃあ、抜けよ?その時にはお前の眉間にどでかい穴開けてやらぁ」
そして始まるとやれやれと朔と秋久が止めに入る。
だから僕は茉奈の悩みを聞いてやることにした。
「皆分かってるよ。茉奈は観光したいんだろ?」
「それもあるんだけど、結や茉莉達が満足するのかなって?」
茉奈は思ったらしい。
だけど、せっかくなのだから京都らしいところを見に行きたいと言う。
「だからって寺とかばっか見てても腹が減るだけだぞ!」
俺の前だからってそうやって女子アピールすんなと茉莉が茉奈に言う。
「どうせ私と結なら大人になったら2人で全部楽しむからいいんだけど、修学旅行だよ?」
だから佳織や心音の意見も聞いた方がいいんじゃないか?
皆で楽しい思い出を作りたいと茉奈が言っていた。
「それだったら私は清水寺見たいかな」
「私は縁結びで有名なあの神社行きたい」
佳織と心音が自分の希望を言っていた。
「心音。そんなもんに頼らなくても大丈夫だって!」
確かに失恋の話もあったけど、秋久に限っては絶対ない。
心音が嫌にならない限り、秋久は心音一筋だ。
でなかったら私が秋久をぶっ殺してやる。と、希美は言っていた。
まあ、希美が手を下さなくてもそんな状況になったら晶が黙ってないだろう。
朔も月に2回くらいは茉莉をデートに誘ってる。
「毎日会ってるんだからいいだろ?私は家でゲームがしたいんだよ!」
そんな事を言ってる割には茉莉はデートの前夜に天音に服を選んでもらってると結莉が話していた。
「だからどうしておまえはそうやってショートパンツを穿きたがったりするんだ!今は秋だぞ」
あまり足を冷やすのはよくないぞ。
「だったらストッキング履いとけばいいだけだろ!?」
「そこまでしてなんでショートパンツにこだわるんだ?」
「かっこよくね?」
結莉が話していた。
平日だろうと休日だろうとすぐにタンクトップとショートパンツで外に出ようとして天音に止められるらしい。
それを注意したら次のお気に入りを着ようとする。
「お前はデートに行くんだろ!?戦場に飛び込むわけじゃねーぞ!」
迷彩柄の服を好むらしい。
「デートは戦場だって天音だって言ってたじゃねーか!」
「意味を間違えるなこの馬鹿!」
さすがの茉莉の服の好みに危機感を感じた天音は愛莉に相談してるらしい。
だけど愛莉も恵美もそういう好みを持ったことがない。
でも茉莉は石原家のお嬢様。
そんな姿でパーティに出られたら大騒ぎになる。
そこで愛莉と恵美は考えた。
「デートの時に朔に選んでもらえばいいんじゃない?」
それなら朔好みの女になれる。
上手い事考えたな。
ただし今度は朔が大変だ。
変な趣味を見せたら茉莉に殺されるか晶に殺される。
だからと言って姉がいるわけじゃない。
祈もあんまり女性っぽい服は着たがらないらしい。
もちろんパーティの時とかはそれなりの格好で行くらしいけど。
「健太達は希望ないのかい?」
秋久が聞いていた。
「いやさ、あるのはあるんだけど……」
「ああ、健太も言われたのか?」
「ってことは瑛斗も?」
2人は何か言われているそうだ。
「親に何か言われたのか?」
茉莉が聞くと2人は答えた。
「絶対に木刀とかしょうもない物買ってくるな!って」
「は?そんなの別に修学旅行で買わなくても別府とか湯布院行けば売ってるだろ?」
木刀に切れ味なんてないぞ。
頑丈か脆いかくらいだ。
茉莉が説明していた。
「そんなに欲しいなら私が天音に言って日本刀調達してもらってもいいぞ?」
「別に人殺しをしたいわけじゃないんだ」
「お前それでも男か?殺してでも彼女を守るくらいの気合見せろよ」
人を殺してはいけないという日本の法律を全く守る気のない茉莉が言っていた。
そんな様子を見て結莉は笑っている。
「ほら。やっぱり皆で相談した方が楽しいよ」
結莉はそう言ってみんなの希望を聞きながら予定を組み立てていた。
「後は夕食だけだね」
芳樹が言うと結莉は笑っていた。
「天音から美味しいラーメン屋さん聞いてるから大丈夫」
父さん達も言ってた店だ。
中学生なんだからラーメンくらいでいいだろう。
鯖寿司とかも気になったけど、茉奈と2人で行った時に食べたらいい。
ちなみに結莉の家族はあまり寿司を食べないらしい。
石原家なのに回るお寿司で済ませようとする。
理由はラーメンがあったりうどんがあったり唐揚げとビールがあったりするから。
要するに大地は魚を食べたくなかった。
その事を天音が恵美に告げて恵美が怒る。
「いつまでも子供みたいな味覚でどうするの!?」
味覚に関しては結莉や茉莉の方が上らしい。
ただそれでも茉莉も結莉も「夜中のラーメンは最高だね~」と食べてるから愛莉と恵美は頭を抱えているらしい。
何か悪いことなのだろうか?
父さんから聞いた話だと雪も遅くまでリビングでテレビを見ていたらしい。
不思議に思った瞳子が「明日朝起きれなくなるよ?」と聞いたら淡々と答えたそうだ。
「父さん達だけ夜食でラーメンを食べるのはずるい」
雪の中でも毎晩夜食にラーメンが出ると思っていたそうだ。
だから瞳子は約束した。
「毎週日曜日のお昼はラーメンにしてあげる」
だから夜は早く寝なさい。
まだ二人ともそんな生活リズムをするには幼すぎる。
そう言うと2人は部屋に戻ったそうだ。
すると愛莉はじいじを怒ったらしい。
「あの子も冬吾と同じようになっていきますよ!」
「まあ、突然ダイエットするとかよりはましだろ?」
「問題をすり替えないでください!」
そして修学旅行の初日。
自由行動の時間になると俺達も同じみたいだ。
父さん達も言ってた。
「男子に自由は無いよ」
どこに行くかはすべて女子が主導権を握っている。
結莉の建てたスケジュールはじつに精密に出来ていた。
一分の無駄もない完璧なスケジュール。
女子というのは旅行の時にその驚異的な行動力を発揮する。
それについて行くのは俺でも多分難しいかもしれないと母さんが言っていた。
けど、こうも言っていた。
「そうやって少しでもたくさんの友達や恋人との思い出を残したいと思ってるの」
だから嫌な顔はしたらダメ。
秋久達がそんな真似をするはずがない。
「あなたまだ教育が必要なの!?」
彼女を不安にさせる行動をとろうものなら朔は茉莉に、秋久は晶に殺されるだろう。
ホテルに着くとお風呂に行って寝ようとした。
するとドアを誰かがノックする。
どうせ先生の見回りだろう。
そう思って健太がカギを外してドアを開けると驚いて声をあげていた。
「お前ら、折角の修学旅行だぞ!?女子の部屋に侵入とか考えないのか!?」
茉莉達が入って来た。
「い、いや。さすがに先生来たらまずいって」
「そうやってみんなで説教食らうのも修学旅行だろうが!」
「そうか、茉莉も頑張って思い出作ろうとしてるのか。じゃあ、先生も手伝ってやらないとな」
茉莉が振り返ると背後には高槻先生が立っていた。
「な、なんで翔がいるんだよ!?」
「俺はお前らの親の担任もしてきたんだぞ?」
僕達の学年でFG以外で問題を起こすとしたら茉莉と菫。
FGは問題を起こして全員で正座して説教とかになったら茉莉と菫が生きて地元に帰さないだろう。
だから見張っていた。
しかし高槻先生は男性教師。
うかつに女子の部屋に踏み込むわけにはいかない。
だけど僕達は大人しくしていた。
当然茉莉達が動き出す。
そんな説明をしていたら茉莉と菫が怒り出す。
「お前らがさっさと部屋に来ればよかったんだろうが」
「茉莉、そういう問題じゃないだろ?」
そう言って茉莉達は説教されながら部屋に戻っていった。
「きっと明日も仕掛けてくるんだろうな」
芳樹がそう言ってため息を吐いていた。
諦めない事は何よりも強い。
その意思を別な事に使えばいいのにと芳樹たちと話をしながら夜を過ごした。
(2)
「ねえ、秋久」
「どうしたんだい?」
「本当にいいの?」
心音一人だけ待たせてアトラクションで遊んでいたなんて晶さんに知られたら僕の命がやばい。
「さすがに親より先に息子が死ぬのは辛いからやめておくれ」
父さんがそう言っていた。
今日は大阪のテーマパークで遊んでいる。
結達は何度も同じアトラクションで遊んで、結ですらテンションが高かった。
FGという名の馬鹿はこんなところまできて勢力拡大を狙って他校の旅行生と喧嘩してる。
ある意味元気だな。
僕は心音が怖がりでアトラクションを嫌がるから2人でベンチに座って時間を潰していた。
そして「ごめんね」と申し訳なさそうに沈んでいる。
「心音をそんな思いにさせたくてしたわけじゃないよ」
「うん」
「周りをよく見てごらん」
友達どうして来てたりカップルで来てたり、色んな恰好な人が色んな楽しみ方をしている。
それを見て心音と話しているのが楽しいと僕は思ってるんだけど、心音はどう思う?
「私より綺麗な人がいた?」
「その質問がするだけ無駄だよ」
「どうして?」
「だって僕の彼女は心音だけだから」
綺麗な人がいたとしてもただそれだけだ。
でもそれだけで心音が傷つくなら僕は言わないよ。
僕の命がいくらあっても足りない。
「そっか。私時々思う事があるんだ」
「何を思ったんだい?」
「きっと私にとって秋久は神様からのプレゼント」
「そう言ってもらえて助かったよ」
「でも、どうして秋久は私を選んだの?」
「同じだよ」
「え?」
不思議そうにする心音ににこりと笑った。
きっと心音が一人で寂しそうにしているから助けてあげたいと思った。
ただそれだけだよ。
あの時見ていた女の子が心音だった。
そう言うのをひとくくりに「運命の赤い糸」と呼ぶんでないかい?
「少なくとも僕は心音が彼女でよかったと思ってるよ」
お爺さんや父さんに比べたら心音の問題なんて些細な事だ。
茉莉や菫がいるSHの中で心音の存在はまさにレアだ。
「私は茉莉や菫達と違うから秋久がつまらないんじゃないかって思ってた」
「朔には羨ましいって言われたよ」
「……それ本当か?秋久」
気づいたら茉莉や結莉達が戻ってきてた。
「い、いつの間に?」
「お前らが恋を歌っている間にだよ」
茉莉はそう言って朔を呼ぶ。
「お前今の話本当か?あんまりふざけた事言ってると殺すぞ!」
朔は必死に言い訳しようとしている。
下手をすれば帰る場所は地元じゃなく墓場になる。
「そんなに気にする事ないんじゃないか?」
結がそう言った。
「ほら、隣で違う料理を食べてる人を見ると気になるのと一緒だよ」
一言「隣の芝は青い」と言えばいいのに食べ物に例えるのが片桐家なんだろうね。
他の料理が気になる時がある。
美味しそうだなと思う事もある。
だけどそれが彼女のなら「少し分けて」と言えばいい。
そうじゃないならそんな事言えるわけがない。
そこは朔も分かっている。
ただ結莉でさえ秋久と心音がどんな話をしているのか気になったんだ。
でも絶対にそれを芳樹には言わない。
そのかわり女子の中で話をしているんだろ?
男子だって色々話をしてるよ。
その通りだけどそれを今ばらして何が意味があるのかい?
ほら、にっこりと茉奈が笑っているよ。
「……で、結は私の何を話したの?」
「茉奈は凄く分かりやすいって」
茉奈がそんな気分の時は結をじっと見ているそうだ。
それに気づいた結は視線をそらすことを許されない。
だから結でも気づく。
ぽかっ
「そういう事を話したらダメって美希から聞いてないの?」
「別に茉奈の裸の事を話したわけじゃないから良いと思ったんだけど」
「だめ!」
「へえ、そんなやり方あるんだ。今度朔に試してみるかな」
茉莉がやったら単なる蛇に睨まれた蛙の様な気がするんだけどどうなんだろう。
その後は皆でお土産を選んで集合場所に向かう。
「まだ当分使い道ないかもだけど……」
そう言って照れながらおそろいのマグカップを僕に見せていた。
「いつか一緒にコーヒー飲めると良いね」
「うん」
そんな僕と心音のお話。
父さんから聞いた話と比較すると本当に心音はこの世界の住人なのかと疑いたくなったよ。
雪の能力が全く通用しそうにない世界の住人の心音が最強なのだろうか?
(3)
突然影が出来た。
曇ったわけでもない。
朔が日傘を用意してたらしい。
「お前日焼けした女嫌いなのか?」
「仮に好きだったとしても制服着て日焼けするのはみっともないんじゃないのか?」
朔の価値観だとそうらしい。
下着や水着のあとは許せても制服などのシャツのあとはNGみたいだ。
そう考えると不思議だよな。
私は別に特別な夜だからといって下着を用意したりしない。
結莉は決めてるみたいだけど。
修学旅行最終日。
水族館に来ていた。
わたしは食えない魚に興味ないから外で待ってると言った。
そしたら律義に朔は私に付き合っていた。
ベンチで寝ている私に日傘をさしていた。
「お前本当は違う彼女の方が良いんじゃないか?」
「なんでだ?」
「本当はこういう所でいちゃつきたいんじゃないのか?」
結と茉奈みたいに。
心音たちも楽しそうにしてた。
菫はどうだかしらないけど、お土産屋のぬいぐるみは気にしていたようだったな。
私はどれにも興味がない。
天音もそうだったらしい。
だから大地に言ったそうだ。
「私の関西の思い出はこんなしょぼい思い出で終わらせたくない」
いつか二人で旅行に行こうと言っていた。
そんな風に大人になった時朔は私の側にいてくれるのだろうか?
「お前、将来どうするつもりだ?」
朔に聞いてみた。
「多分考えるまでもないよ」
朔はそう言って笑っていた。
江口家の御曹司だ。
それなりの社会的地位を約束されるだろう。
だけど朔は言う。
「なんとなく大学を出て、それなりの仕事に就職して、そして扱いの難しい嫁をもらって子供を必死で育てるんだろうな」
「扱いの難しい嫁って私の事か?」
「そうだよ」
「お前私を侮ってないか?」
朔がちゃんとプロポーズするまで返事するつもりはないぞ。
嬉しい、ありがとう。って言えない自分が情けない。
だけど朔は笑っていた。
「そりゃ大変だな。なんかいいセリフ考えておくよ」
「……愛莉が言ってた”長いセリフはいらない。私がキスで塞いじゃうから”って」
「じゃ、茉莉もそうしてくれるのか?」
あ……
「茉莉さ、きっとこんなことを考えてないか?なんで、結莉じゃなくて私みたいな乱暴な女なんだ?って」
どこまでも筒抜けなんだな。
「理由も考えてるのか?」
「考える必要あるのか?」
朔は説明した。
朔は結ほどの能力はない。
結みたいなのが何人もいたら大変だ。
結みたいなのが何人いてもい関係なく潰すのが雪らしいけど。
でもそれがどういう意味なのかは分からなかった。
「茉莉の彼氏って結構大変なんだ」
機嫌の取り方が分からない。
突然暴れ出す。
だからといって喧嘩でもしようものなら晶さんに殺される。
それは多分秋久も変わらないだろう。
それでも朔は後悔していないらしい。
「茉莉の彼氏って大変だけど、面白いんだ」
突然豹変したように大人しくなる。
初めての夜の時そうだったろ?
そんな普段の私からは想像できない私を見れるのが朔の特権。
それを他の奴にばらしたりはしない。
そんな私の秘密は朔だけが知っていたらいい。
「大変だけど、面白い。少なくとも退屈はしない」
なんだかんだ言って私だって朔の事心配してくれてるじゃないか?
例えばデートの帰りが速い時に「明日学校だから色々準備あるから」と祈に説明してくれたり。
現実離れした事件の毎日だけどそれに慣れるととてもじゃないけど結莉や心音じゃ物足りない。
朔の背中は私が預かっている。
だから私も背後は朔に任せてくれ。
「地獄までお供してやるから」
「……サンキュー」
お前が私の彼氏でよかった。
「でも俺と茉莉の子供ってどんなのになるんだろうな?」
「どうだろうな。天音と大地で私と結莉だからな」
楽しみにしておけ。
そんな話をしていると結莉達が帰って来た。
「茉莉何かあったの?」
結莉が聞いていた。
「朔と将来考えていただけだよ」
「え?もう朔に求婚されたの?」
沙羅達が驚いていた。
「んなわけねーだろ。馬鹿」
まだ中学生だぞ。
「でも、茉莉がそんな笑顔見せるなんて珍しいから」
結莉が不思議そうにしていた。
そんな結莉に返していた。
「お前の相手が芳樹なのが当然なのと一緒だよ」
私と朔が一緒になったのは必然なんだ。
「ふ~ん」
「そろそろ、集合時間じゃないのか?」
「そうだね」
そう言って移動しようとすると菫が遅れてやって来た。
想像以上にバカでかいぬいぐるみを買っている。
「お前それだと小遣いオーバーしてるのばればれじゃねーか!」
「別に問題ねーだろ?」
「あるに決まってるだろうが!」
さっそく翔に見つかった。
しかし菫の言う事は間違いなかった。
さっそく翼に連絡が行く。
「いつもの小遣いを渡しているだけだけど?」
翼はそう言ったらしい。
「しかし他の生徒が知ったら……」
「知ったらどうなるの?」
菫を恐喝しようとする馬鹿がいたら勝手に死ねばいい。
大阪湾に沈むだけじゃない。
そう言って結局翔が諦めたそうだ。
私達はまだまだ成長する。
これから環境が変化していく。
そんな中をずっと朔と一緒に歩いていくのだろう。
願わくば永遠に……
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