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State of shock
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(1)
「光聖、どこに向かってるの?」
妹の玲衣が聞いていた。
「せ、折角札幌に来たんだからそれっぽい所行きたいだろ?」
「……それが繁華街に行くのとどう関係があるのか説明してくれる?」
玲衣にバレていた。
玲衣は母さんから聞いていたらしい。
「あんたの父さんは高校の卒業旅行でしょうもない所にいって大事になったんだから見張ってなさい」
俺は父さんから聞いていた。
「あそこは雰囲気だけでもすごいぞ。でも看板に見とれてると怖い大人が来るから気をつけろ」
「だめ、却下」
「いいじゃんか!折角の札幌だぞ」
父さんはビールが美味いぞと母さんの前で言って「子供に何を吹き込んでるの!?」と大ゲンカになっていた。
「いい?光聖一人じゃない。班全体に迷惑をかけるの」
そんな場所に行ってる時間もない。
ちらりと佐為を見ていた。
妹の朝子に感づかれたらしい。
まあ、無理もない。
佐為の父さんも俺の父さんと同じ真似して怒られたらしいから。
「あんた自分が日本代表の候補って自覚あるの!?」
「そ、そりゃわかってるけどさ」
「……それにそんなところで鼻の下伸ばしてる佐為の顔を見ている香奈の気持ち考えたことある」
風俗の看板に見とれてる彼氏とこの先どんな風に向き合っていけばいいか考えた?
朝子の言う事は一理あった。
が、香奈は違うようだった。
「私は別にかまわないけどね」
香奈がそう言うと朝子が驚いていた。
もう何年も佐為と付き合っているんだ。
風俗くらいでオタオタするような仲じゃない。
ただ、佐為が楽しんでる間私達はどうすればいいのか考えたのかは聞いてみたいと言っていた。
「今更だよ。佐為の性癖なんて把握してる。一緒にDVD見るくらいなんだから」
佐為は女子大生ものが好きらしい。
そんな佐為「佐為さ、こんなもの見ないとやり方も分からないような子供を女子大生が相手にすると思ってるの?」と笑い飛ばしたらしい。
男の知識なんてその程度。
時間停止なんて馬鹿じゃないのか?
逆に言えばその程度の子供が彼氏なんだ。
浮気なんて絶対にありえないから安心しておいた方が良い。
そんなに過激な性格じゃない香奈がそういうくらいなんだから希美も平気なんだろう。
「私も光聖がプロ相手にどうするのかは興味ある」
だから今度どんなのが好みなのか教えて欲しい。
出来る範囲なら体験させてやる。
だけどそういう店の女性は予防はしているけど絶対安全というわけじゃない。
彼女に病気を移しても平気なら止めない。
そう言われたら行く理由もない。
適当に札幌を散策してホテルに戻る。
「しかし女子ってすごいな」
佐為がそう言っていた。
確かに驚いた。
女子の精神年齢は男子より若干高いって言うけど本当だな。
「でも、明日からのスキー楽しみだな」
「そうだな」
父さん達も美人のインスタラクターがついたと言っていた。
楽しみにして寝る事にした。
(2)
「こんにちは今日と明日指導することになりました……」
そんなインストラクターの話を全く聞くことなく玲衣たちはテンション上げていた。
対照的に俺達は下がる一方。
まさかの事態だった。
いつからインストラクターは女だと錯覚していた?
そう言わんばかりの展開。
そう、俺達の班のインストラクターは男性だった。
しかも若くてチャラそうな感じの。
女子高生くらい余裕でつまみ食いしそうな感じの男。
文字通り親身になって教えていた。
口説いていたと言っても間違いじゃないのか。
玲衣ですら完全に虜になっていた。
「先生、止まれるようになったら次どうするんすか?」
安室圭が聞いていた。
「ああ、ちょっと女子がまだ見たいだから待っててくれないか」
嘘だ。
玲衣たちはわざと「止まれない~」と言ってインストラクターに抱き着くのが目的だ。
そんな朝子を見て蒼太郎はただ笑っていた。
「朝子にもあんな一面あったんだな」
実際にリフトに乗って上に上がっても女子たちの暴走は止まらない。
昨日あれだけ繁華街に行こうとする俺達を止めていたのに。
そんなのが二日も続けばさすがにイライラもする。
食事の時も女子だけで盛り上がっていた。
挙句の果てに最後には「ちょっと光聖。写真撮ってよ~」ってスマホを渡してくる始末。
北海道なんてつまんねえ!
そんな事を佐為たちと話していたら俺のスマホに玲衣からちょっと1階のラーメン屋に来てとメッセージが入った。
俺達が向かうと、女子たちがにやにやして待っていた。
注文を取ると玲衣が言った。
「あんた達でもそういう気分になってくれるんだね」
「当たり前だろ?」
「……それでいいんだよ。私達も話をしていたの」
素敵な彼氏を持ったなって。
ちゃんと私達の事を見てくれている。
これなら安心だって。
「その割にはインストラクターのお兄さんに熱心じゃないか」
「それは違うよ」
希美がそう一言返した。
「あんた達がしょうもない動画みてにやにやしてるのは女優に恋しているの?」
「そんなわねーじゃん」
相手はプロだぞ?
希美が言ったとおりに俺達は幼稚なテクしかない。
相手にしてくれるはずないだろ。
「光聖達と一緒だよ」
私達みたいな高校生に手を出すような男をインストラクターにするわけがない。
そんな下心丸出しの男に抱き着くはずがない。
ちょっとかっこいいから盛り上がっていただけ。
テレビでアイドルが踊ってるのを見てる程度にしか思ってない。
「まさか私達が本気で狙ってたなんって思ってるなら怒るよ?」
いくら何でも信用なさすぎじゃないか。
「で、でも……」
「蒼太郎を見なよ」
朝子が言うと蒼太郎を見る。
話を聞きながらラーメンを食べていた。
「お前は平気だったのか?」
「理由はさっき朝子が言ったとおりだよ」
俺達はちゃんと話を聞いてなかったのか?
希美達はしっかり言ってたじゃないか。
私達はまだ子供、大人の相手なんてできるはずがない。
出来ると思っているのはただの気のせい。
もしくは男にいいように扱われているだけだ。
それに女子高生に手を出すような変質者の相手なんてまっぴらごめんだ。
蒼太郎は見抜いていたらしい。
いつも女優なんかに見とれている俺達に同じ目に合せてやろう。
それで2日間べったりしてたってわけだ。
それで他の班の女性インストラクターに手を出すようなら一度説教するしかない。
そんな事を女子たちで話し合っていた。
「でも、光聖って意外と頼もしいんだね」
希美はそう言って笑っていた。
希美を抱きしめるインストラクターに突進して「さーせん、止まり方失敗しました」ってヤキモチ妬くくらい大切にされているんだと実感できた。
「で、こんな気持ちで修学旅行過ごしても面白くないでしょ?」
「どうすんだよ?」
「この後の日程は東京散策とテーマパークで自由行動」
皆で遊ぼう。
まさかこの歳で東京でデートできるなんって思ってなかった。
「皆で?」
「だって圭はいいけど蒼太郎はと朝子は二人っきりに出来ない」
SHのグルチャで情報は出ていた。
FGの馬鹿は東京や大阪でまた勢力を伸ばしている。
SHのメンバーを熟知してるかは分からないけど用心しとけとリーダーの空から言われていた。
「もんじゃ焼きはあそこの店が美味しかったよ」
「ふざけんな!私は肉しか食ってないぞ!」
天音が怒り出す。
「いいじゃん、望み通り焼肉食えたんでしょ?」
「翼!1週間焼肉食ってみろ!しばらく肉食いたくなくなるぞ!」
「天音は修学旅行の思い出は食べ物しかないのですか!?」
瞳子のスマホを見ていたのだろう。
愛莉さんが怒り出す。
「そんなのパパだって同じだろ!?聞いてみろよ」
「確かに塩ラーメンも食べておけばよかったなぁ」
「冬夜さん!」
そんな風にスマホを見ていると永遠に見つかった。
「本当にお前らは必ず問題を起こすな」
さっさと寝ろ。
そう言って去って行った。
しかしFGはどうして懲りないのだろう。
SHが嗅ぎつけたら必ず潰しに行くのに。
今は天音達も自由が利く。
日本どころか地球の果てまで追い詰めて潰すぞ。
何が起きているのかまだ分からなかった。
(3)
「お前らの田舎じゃ教わらないのか?関係ない事に首突っ込むと痛い目見るぞ」
2人のどこからかの高校生を囲んでいる連中がいた。
ヒップホップというかレゲェみたいな感じの服装と髪型をした連中がいる。
年は俺達より少し上かな。
全国共通のルールらしい。
ちゃんと黒いリストバンドをしていた。
「あ、それは知らないな。ただ一つだけルールが俺たちにはある」
黒いリストバンドをつけたゴキブリが目障りな事をしていたら殺せ。
佐為がそう告げていた。
「ああ、お前らもSHなのか。んじゃ俺らも黙って帰すわけにはいかなくなった」
そう言うと俺達の背後にまた増援が来た。
せっかく修学旅行なのに面倒な事しやがって。
「玲衣、悪いけど……」
「分かってる。香奈達は私達に任せて」
少し分が悪いけどやるしかないか。
ここで頭を下げたらこいつらじゃなくて天音達に殺される。
って待てよ?
お前らも?
馬鹿を無視して囲まれている高校生に尋ねた。
「お前らもSHなの?」
「なんだ?お前ら仲間の事も知らないのか?」
そう言って馬鹿達が笑っている。
それを無視して玲衣が聞いていた。
「あんた達どこの高校生?」
「仙台です」
それを聞いた香奈がスマホで確認している。
時間を稼ぐか。
「お前らはSHについてどのくらい知ってるんだ?」
「田舎でお山の大将気取ってる猿だろ?」
天音達がいなくてよかったな。
間違いなく死んでるぞ。
「お前達にチャンスをやる。大人しく帰るなら今回は許してやる」
俺達だってわざわざ東京まで来てゴキブリの駆除なんて面倒な事したくない。
せっかくの東京散策で浮かれていた女子たちを怒らせた。
「やっぱりSHは猿みたいだな。この人数差でやり合えると思ってるのか?」
死ぬのは俺達だと馬鹿が言っている。
「相克って知ってるか?」
俺が聞いていた。
絶対に覆せない優位性。
お前達ゴキブリじゃ俺達に絶対に勝てない。
どんな人数差があろうとも絶対に俺達は負けない。
それにこんな路地裏にいたんじゃ人数差なんて関係ない。
言っとくけど俺だってそれなりに鍛えている。
少々長丁場になっても疲れなんてないぞ?
お前ら本当に喧嘩したことあるのかすら怪しいけど本気で死ぬぞ?
「長話が好きなガキだな。そんな言い訳しなくても関係ねえよ」
「光聖!?こいつらヤバイ!」
希美が叫んだ。
振り返ると背後の連中は凶器を手にしていた。
別段驚くことはない。
SHだって所持している中学生がいるんだから。
「佐為、お前体が資本なんだから気をつけろよ」
「気にするな。俺はキーパーじゃない」
拳が砕けるくらいどうってことないと佐為が言う。
「間違いない。その子達はSHだって」
香奈が伝えていた。
仙台は山本環奈の故郷。
仙台にもFGがいる。
責任は俺が取るからSHを作ってもいいか?と喜一が天音達に相談したらしい。
「仙台牛で手を売ってやる」
「あ、僕は喜多方ラーメンでいいよ」
「それ私達も食べたい」
天音や空達は自分たちのプライドを食い物で売るらしい。
「あとさ、少しだけ時間を稼げって」
香奈が不思議そうにスマホを見て言っていた。
何か手があるらしい。
なんだろう?
「光聖!来るぞ!?」
そう言うと馬鹿が襲い掛かって来た。
背後の連中は玲衣に任せておけばいいだろう。
襲い掛かってくる連中を一人ずつ殴り飛ばしていく。
連中も多少の知恵があるらしい。
こんな場所で発砲したら直ぐに気づかれる。
だからすぐには撃ってこなかった。
が、目の前にいる連中を片付けると様子を見ていた奴が銃を構える。
「調子に乗るなよ。田舎者」
「玲衣!伏せろ!」
そう言うと同時に俺も佐為も姿勢を低くする。
だけど銃声はならなかった。
顔をあげると奴らの後ろに空と大地と善明が立っていた。
大地が銃を持った奴の腕を掴んでいる。
「あんまり僕達の仕事を増やさないでください」
「なんだお前ら?」
「別に名乗る必要ないでしょ?」
「おっさんも俺達を舐めるなよ!」
別のやつが懐から銃を取り出すと同時に善明がそいつの頭を撃ちぬいてた。
「ひ、卑怯だぞ?」
他の奴らが叫ぶ。
しかし空は何も言わない。
だから馬鹿が空を狙う。
その馬鹿の腹を水奈が思い切り蹴りつけた。
「てめぇ、空に向かってふざけた真似するとぶっ殺すぞ!」
「ど、どうして水奈達が?」
「光聖たちの事だからこうなるだろうと読んでいた」
空がそう答えた。
FGが全国に展開しているのは知っている。
だから当然東京にもいる。
その辺は椿たちがしっかり把握していたから分かっている。
で、相手がただの不良なら俺達に任せてもいいけど誠心会という馬鹿が背後にいる。
当然そいつらが出てきたら俺達だけでは危険だ。
考えた末、空達がわざわざ東京まで出向いてきたらしい。
天音も「私の手で殺してやる」と言っていたけど結莉や茉莉がいる。
「妻を宥めるのに苦労したんです」
大地が笑顔で言う。
「大地や、それは僕も一緒だよ」
善明は父さん達は殆ど仕事を善明や大地に丸投げしてるんだから父さん達に頼みたいと言った。
だけど空の父親の冬夜さんが言う。
「SHとFGの問題なんだから空達で何とかしなさい」
「本当に子供の命を何だと思ってるんでしょうね」
善明がそう言って笑った。
「そういうわけで、君たちの相手の為にかなり苦労したんだ。……SHに手を出して生きて帰れると思うなよ?」
「ま、待て。お前らに関係ない話だろ?」
「関係あるね。お前らFGなんだろ?」
どのみちただの餌だ。
何回も通うのは面倒だから一度だけ相手してやる。
「空はそこから動くなよ」
水奈と紗理奈がそう言って前に出る。
「あまり時間かけると騒ぎになるからさっさと片付けてね」
「お前がこいつらのリーダーか。だったらタイマンで……」
最後まで言わなかったのは大地が銃を撃ったから。
「何度も同じ事言わせないでください。時間が無いんです」
誰に向かって口をきいているんだ?
空はSHで一番偉い存在だぞ?
ふざけた事言ってると殺すよ?と死体に向かって説明していた。
「ひ、人殺し!」
「人殺し相手に怯える程度の人間が誠心会なんですか?」
仮にも暴力団なんだろ?
殺してもいいやつは自分が殺される覚悟を決めてるやつだけだ。
大地がそう言ってる間も水奈と紗理奈が片っ端から叩きのめしていく。
「空、この倒れてる連中はどこに隠すんですか?」
さすがに死体を放置しておけないと俺が言うと空はにこりと笑った。
「水奈と紗理奈。一人だけ生かしておいて」
「分かった」
そして大体片付くと空が能力を使う。
菫の能力をコピーしたらしい。
一瞬にして倒れてるやつらを消し去った。
残った一人に空が初めて警告する。
「一度だけ教えてやる。FGがSHの目の前でふざけた真似をしたら皆殺しにしてやる」
その死神はどこに潜伏しているか分からない。
精々怯えながら毎日を過ごせ。
空がそう言うと男は逃げ去った。
「その能力があったらひき肉に変えても問題ないんだよな?」
水奈が聞いていた。
「そうだね。でも水奈はそんな事してる暇あるの?」
学が言ってたそうだ。
天気予報を見た水奈が「沖縄って意外と近いんだな」って言った。
学は頭を抱えている間に、悠翔から説明を受けている水奈。
水奈って大卒だったよな?
「あれから、亜依さんと母さんが交互にきて大変なんだ」
大卒の30過ぎた娘に小学生レベルの勉強を見てやらないといけない親ってどんな気分なんだろうな。
「あ、ありがとうございます。助かりました」
「いいよ。手数料は天音が喜一に要求してたから」
冷凍でもいいから牛タン送ってこい!
天音は喜一にそう言ったらしい。
「じゃあ、僕達も今日中に帰りたいから」
東京で夜遊びしてたなんて誤解されたら妻を宥めるのがしんどいんだ。
そう言って空達は帰って行った。
「ちょっとくらい飲んで帰ってもいいだろ?」
水奈と紗理奈がそう言うのを宥めていた。
俺達も仙台の高校生と別れると散策を楽しむ。
「しかし、あいつらまた同じ事繰り返すつもりか」
「……そうじゃないと思う」
玲衣が言った。
「どういう意味?」
「前にFGが勢力を伸ばしたのはリベリオンの餌にする為」
だけど今回はどうやら本気で強くなろうとしているらしい。
だから空達が警告した。
どこにいても見逃さないぞって。
これはまだ序の口。
十分に力をつけたらまた地元で争乱を起こすつもりなんじゃないのか?
だけど地元だけなら大丈夫だろう。
もうすでに空が「王の名前を譲ってもいいよ」って冗談ぽく言っていた。
結の力は現時点で誰の手にも負えない物になっていた。
「光聖、どこに向かってるの?」
妹の玲衣が聞いていた。
「せ、折角札幌に来たんだからそれっぽい所行きたいだろ?」
「……それが繁華街に行くのとどう関係があるのか説明してくれる?」
玲衣にバレていた。
玲衣は母さんから聞いていたらしい。
「あんたの父さんは高校の卒業旅行でしょうもない所にいって大事になったんだから見張ってなさい」
俺は父さんから聞いていた。
「あそこは雰囲気だけでもすごいぞ。でも看板に見とれてると怖い大人が来るから気をつけろ」
「だめ、却下」
「いいじゃんか!折角の札幌だぞ」
父さんはビールが美味いぞと母さんの前で言って「子供に何を吹き込んでるの!?」と大ゲンカになっていた。
「いい?光聖一人じゃない。班全体に迷惑をかけるの」
そんな場所に行ってる時間もない。
ちらりと佐為を見ていた。
妹の朝子に感づかれたらしい。
まあ、無理もない。
佐為の父さんも俺の父さんと同じ真似して怒られたらしいから。
「あんた自分が日本代表の候補って自覚あるの!?」
「そ、そりゃわかってるけどさ」
「……それにそんなところで鼻の下伸ばしてる佐為の顔を見ている香奈の気持ち考えたことある」
風俗の看板に見とれてる彼氏とこの先どんな風に向き合っていけばいいか考えた?
朝子の言う事は一理あった。
が、香奈は違うようだった。
「私は別にかまわないけどね」
香奈がそう言うと朝子が驚いていた。
もう何年も佐為と付き合っているんだ。
風俗くらいでオタオタするような仲じゃない。
ただ、佐為が楽しんでる間私達はどうすればいいのか考えたのかは聞いてみたいと言っていた。
「今更だよ。佐為の性癖なんて把握してる。一緒にDVD見るくらいなんだから」
佐為は女子大生ものが好きらしい。
そんな佐為「佐為さ、こんなもの見ないとやり方も分からないような子供を女子大生が相手にすると思ってるの?」と笑い飛ばしたらしい。
男の知識なんてその程度。
時間停止なんて馬鹿じゃないのか?
逆に言えばその程度の子供が彼氏なんだ。
浮気なんて絶対にありえないから安心しておいた方が良い。
そんなに過激な性格じゃない香奈がそういうくらいなんだから希美も平気なんだろう。
「私も光聖がプロ相手にどうするのかは興味ある」
だから今度どんなのが好みなのか教えて欲しい。
出来る範囲なら体験させてやる。
だけどそういう店の女性は予防はしているけど絶対安全というわけじゃない。
彼女に病気を移しても平気なら止めない。
そう言われたら行く理由もない。
適当に札幌を散策してホテルに戻る。
「しかし女子ってすごいな」
佐為がそう言っていた。
確かに驚いた。
女子の精神年齢は男子より若干高いって言うけど本当だな。
「でも、明日からのスキー楽しみだな」
「そうだな」
父さん達も美人のインスタラクターがついたと言っていた。
楽しみにして寝る事にした。
(2)
「こんにちは今日と明日指導することになりました……」
そんなインストラクターの話を全く聞くことなく玲衣たちはテンション上げていた。
対照的に俺達は下がる一方。
まさかの事態だった。
いつからインストラクターは女だと錯覚していた?
そう言わんばかりの展開。
そう、俺達の班のインストラクターは男性だった。
しかも若くてチャラそうな感じの。
女子高生くらい余裕でつまみ食いしそうな感じの男。
文字通り親身になって教えていた。
口説いていたと言っても間違いじゃないのか。
玲衣ですら完全に虜になっていた。
「先生、止まれるようになったら次どうするんすか?」
安室圭が聞いていた。
「ああ、ちょっと女子がまだ見たいだから待っててくれないか」
嘘だ。
玲衣たちはわざと「止まれない~」と言ってインストラクターに抱き着くのが目的だ。
そんな朝子を見て蒼太郎はただ笑っていた。
「朝子にもあんな一面あったんだな」
実際にリフトに乗って上に上がっても女子たちの暴走は止まらない。
昨日あれだけ繁華街に行こうとする俺達を止めていたのに。
そんなのが二日も続けばさすがにイライラもする。
食事の時も女子だけで盛り上がっていた。
挙句の果てに最後には「ちょっと光聖。写真撮ってよ~」ってスマホを渡してくる始末。
北海道なんてつまんねえ!
そんな事を佐為たちと話していたら俺のスマホに玲衣からちょっと1階のラーメン屋に来てとメッセージが入った。
俺達が向かうと、女子たちがにやにやして待っていた。
注文を取ると玲衣が言った。
「あんた達でもそういう気分になってくれるんだね」
「当たり前だろ?」
「……それでいいんだよ。私達も話をしていたの」
素敵な彼氏を持ったなって。
ちゃんと私達の事を見てくれている。
これなら安心だって。
「その割にはインストラクターのお兄さんに熱心じゃないか」
「それは違うよ」
希美がそう一言返した。
「あんた達がしょうもない動画みてにやにやしてるのは女優に恋しているの?」
「そんなわねーじゃん」
相手はプロだぞ?
希美が言ったとおりに俺達は幼稚なテクしかない。
相手にしてくれるはずないだろ。
「光聖達と一緒だよ」
私達みたいな高校生に手を出すような男をインストラクターにするわけがない。
そんな下心丸出しの男に抱き着くはずがない。
ちょっとかっこいいから盛り上がっていただけ。
テレビでアイドルが踊ってるのを見てる程度にしか思ってない。
「まさか私達が本気で狙ってたなんって思ってるなら怒るよ?」
いくら何でも信用なさすぎじゃないか。
「で、でも……」
「蒼太郎を見なよ」
朝子が言うと蒼太郎を見る。
話を聞きながらラーメンを食べていた。
「お前は平気だったのか?」
「理由はさっき朝子が言ったとおりだよ」
俺達はちゃんと話を聞いてなかったのか?
希美達はしっかり言ってたじゃないか。
私達はまだ子供、大人の相手なんてできるはずがない。
出来ると思っているのはただの気のせい。
もしくは男にいいように扱われているだけだ。
それに女子高生に手を出すような変質者の相手なんてまっぴらごめんだ。
蒼太郎は見抜いていたらしい。
いつも女優なんかに見とれている俺達に同じ目に合せてやろう。
それで2日間べったりしてたってわけだ。
それで他の班の女性インストラクターに手を出すようなら一度説教するしかない。
そんな事を女子たちで話し合っていた。
「でも、光聖って意外と頼もしいんだね」
希美はそう言って笑っていた。
希美を抱きしめるインストラクターに突進して「さーせん、止まり方失敗しました」ってヤキモチ妬くくらい大切にされているんだと実感できた。
「で、こんな気持ちで修学旅行過ごしても面白くないでしょ?」
「どうすんだよ?」
「この後の日程は東京散策とテーマパークで自由行動」
皆で遊ぼう。
まさかこの歳で東京でデートできるなんって思ってなかった。
「皆で?」
「だって圭はいいけど蒼太郎はと朝子は二人っきりに出来ない」
SHのグルチャで情報は出ていた。
FGの馬鹿は東京や大阪でまた勢力を伸ばしている。
SHのメンバーを熟知してるかは分からないけど用心しとけとリーダーの空から言われていた。
「もんじゃ焼きはあそこの店が美味しかったよ」
「ふざけんな!私は肉しか食ってないぞ!」
天音が怒り出す。
「いいじゃん、望み通り焼肉食えたんでしょ?」
「翼!1週間焼肉食ってみろ!しばらく肉食いたくなくなるぞ!」
「天音は修学旅行の思い出は食べ物しかないのですか!?」
瞳子のスマホを見ていたのだろう。
愛莉さんが怒り出す。
「そんなのパパだって同じだろ!?聞いてみろよ」
「確かに塩ラーメンも食べておけばよかったなぁ」
「冬夜さん!」
そんな風にスマホを見ていると永遠に見つかった。
「本当にお前らは必ず問題を起こすな」
さっさと寝ろ。
そう言って去って行った。
しかしFGはどうして懲りないのだろう。
SHが嗅ぎつけたら必ず潰しに行くのに。
今は天音達も自由が利く。
日本どころか地球の果てまで追い詰めて潰すぞ。
何が起きているのかまだ分からなかった。
(3)
「お前らの田舎じゃ教わらないのか?関係ない事に首突っ込むと痛い目見るぞ」
2人のどこからかの高校生を囲んでいる連中がいた。
ヒップホップというかレゲェみたいな感じの服装と髪型をした連中がいる。
年は俺達より少し上かな。
全国共通のルールらしい。
ちゃんと黒いリストバンドをしていた。
「あ、それは知らないな。ただ一つだけルールが俺たちにはある」
黒いリストバンドをつけたゴキブリが目障りな事をしていたら殺せ。
佐為がそう告げていた。
「ああ、お前らもSHなのか。んじゃ俺らも黙って帰すわけにはいかなくなった」
そう言うと俺達の背後にまた増援が来た。
せっかく修学旅行なのに面倒な事しやがって。
「玲衣、悪いけど……」
「分かってる。香奈達は私達に任せて」
少し分が悪いけどやるしかないか。
ここで頭を下げたらこいつらじゃなくて天音達に殺される。
って待てよ?
お前らも?
馬鹿を無視して囲まれている高校生に尋ねた。
「お前らもSHなの?」
「なんだ?お前ら仲間の事も知らないのか?」
そう言って馬鹿達が笑っている。
それを無視して玲衣が聞いていた。
「あんた達どこの高校生?」
「仙台です」
それを聞いた香奈がスマホで確認している。
時間を稼ぐか。
「お前らはSHについてどのくらい知ってるんだ?」
「田舎でお山の大将気取ってる猿だろ?」
天音達がいなくてよかったな。
間違いなく死んでるぞ。
「お前達にチャンスをやる。大人しく帰るなら今回は許してやる」
俺達だってわざわざ東京まで来てゴキブリの駆除なんて面倒な事したくない。
せっかくの東京散策で浮かれていた女子たちを怒らせた。
「やっぱりSHは猿みたいだな。この人数差でやり合えると思ってるのか?」
死ぬのは俺達だと馬鹿が言っている。
「相克って知ってるか?」
俺が聞いていた。
絶対に覆せない優位性。
お前達ゴキブリじゃ俺達に絶対に勝てない。
どんな人数差があろうとも絶対に俺達は負けない。
それにこんな路地裏にいたんじゃ人数差なんて関係ない。
言っとくけど俺だってそれなりに鍛えている。
少々長丁場になっても疲れなんてないぞ?
お前ら本当に喧嘩したことあるのかすら怪しいけど本気で死ぬぞ?
「長話が好きなガキだな。そんな言い訳しなくても関係ねえよ」
「光聖!?こいつらヤバイ!」
希美が叫んだ。
振り返ると背後の連中は凶器を手にしていた。
別段驚くことはない。
SHだって所持している中学生がいるんだから。
「佐為、お前体が資本なんだから気をつけろよ」
「気にするな。俺はキーパーじゃない」
拳が砕けるくらいどうってことないと佐為が言う。
「間違いない。その子達はSHだって」
香奈が伝えていた。
仙台は山本環奈の故郷。
仙台にもFGがいる。
責任は俺が取るからSHを作ってもいいか?と喜一が天音達に相談したらしい。
「仙台牛で手を売ってやる」
「あ、僕は喜多方ラーメンでいいよ」
「それ私達も食べたい」
天音や空達は自分たちのプライドを食い物で売るらしい。
「あとさ、少しだけ時間を稼げって」
香奈が不思議そうにスマホを見て言っていた。
何か手があるらしい。
なんだろう?
「光聖!来るぞ!?」
そう言うと馬鹿が襲い掛かって来た。
背後の連中は玲衣に任せておけばいいだろう。
襲い掛かってくる連中を一人ずつ殴り飛ばしていく。
連中も多少の知恵があるらしい。
こんな場所で発砲したら直ぐに気づかれる。
だからすぐには撃ってこなかった。
が、目の前にいる連中を片付けると様子を見ていた奴が銃を構える。
「調子に乗るなよ。田舎者」
「玲衣!伏せろ!」
そう言うと同時に俺も佐為も姿勢を低くする。
だけど銃声はならなかった。
顔をあげると奴らの後ろに空と大地と善明が立っていた。
大地が銃を持った奴の腕を掴んでいる。
「あんまり僕達の仕事を増やさないでください」
「なんだお前ら?」
「別に名乗る必要ないでしょ?」
「おっさんも俺達を舐めるなよ!」
別のやつが懐から銃を取り出すと同時に善明がそいつの頭を撃ちぬいてた。
「ひ、卑怯だぞ?」
他の奴らが叫ぶ。
しかし空は何も言わない。
だから馬鹿が空を狙う。
その馬鹿の腹を水奈が思い切り蹴りつけた。
「てめぇ、空に向かってふざけた真似するとぶっ殺すぞ!」
「ど、どうして水奈達が?」
「光聖たちの事だからこうなるだろうと読んでいた」
空がそう答えた。
FGが全国に展開しているのは知っている。
だから当然東京にもいる。
その辺は椿たちがしっかり把握していたから分かっている。
で、相手がただの不良なら俺達に任せてもいいけど誠心会という馬鹿が背後にいる。
当然そいつらが出てきたら俺達だけでは危険だ。
考えた末、空達がわざわざ東京まで出向いてきたらしい。
天音も「私の手で殺してやる」と言っていたけど結莉や茉莉がいる。
「妻を宥めるのに苦労したんです」
大地が笑顔で言う。
「大地や、それは僕も一緒だよ」
善明は父さん達は殆ど仕事を善明や大地に丸投げしてるんだから父さん達に頼みたいと言った。
だけど空の父親の冬夜さんが言う。
「SHとFGの問題なんだから空達で何とかしなさい」
「本当に子供の命を何だと思ってるんでしょうね」
善明がそう言って笑った。
「そういうわけで、君たちの相手の為にかなり苦労したんだ。……SHに手を出して生きて帰れると思うなよ?」
「ま、待て。お前らに関係ない話だろ?」
「関係あるね。お前らFGなんだろ?」
どのみちただの餌だ。
何回も通うのは面倒だから一度だけ相手してやる。
「空はそこから動くなよ」
水奈と紗理奈がそう言って前に出る。
「あまり時間かけると騒ぎになるからさっさと片付けてね」
「お前がこいつらのリーダーか。だったらタイマンで……」
最後まで言わなかったのは大地が銃を撃ったから。
「何度も同じ事言わせないでください。時間が無いんです」
誰に向かって口をきいているんだ?
空はSHで一番偉い存在だぞ?
ふざけた事言ってると殺すよ?と死体に向かって説明していた。
「ひ、人殺し!」
「人殺し相手に怯える程度の人間が誠心会なんですか?」
仮にも暴力団なんだろ?
殺してもいいやつは自分が殺される覚悟を決めてるやつだけだ。
大地がそう言ってる間も水奈と紗理奈が片っ端から叩きのめしていく。
「空、この倒れてる連中はどこに隠すんですか?」
さすがに死体を放置しておけないと俺が言うと空はにこりと笑った。
「水奈と紗理奈。一人だけ生かしておいて」
「分かった」
そして大体片付くと空が能力を使う。
菫の能力をコピーしたらしい。
一瞬にして倒れてるやつらを消し去った。
残った一人に空が初めて警告する。
「一度だけ教えてやる。FGがSHの目の前でふざけた真似をしたら皆殺しにしてやる」
その死神はどこに潜伏しているか分からない。
精々怯えながら毎日を過ごせ。
空がそう言うと男は逃げ去った。
「その能力があったらひき肉に変えても問題ないんだよな?」
水奈が聞いていた。
「そうだね。でも水奈はそんな事してる暇あるの?」
学が言ってたそうだ。
天気予報を見た水奈が「沖縄って意外と近いんだな」って言った。
学は頭を抱えている間に、悠翔から説明を受けている水奈。
水奈って大卒だったよな?
「あれから、亜依さんと母さんが交互にきて大変なんだ」
大卒の30過ぎた娘に小学生レベルの勉強を見てやらないといけない親ってどんな気分なんだろうな。
「あ、ありがとうございます。助かりました」
「いいよ。手数料は天音が喜一に要求してたから」
冷凍でもいいから牛タン送ってこい!
天音は喜一にそう言ったらしい。
「じゃあ、僕達も今日中に帰りたいから」
東京で夜遊びしてたなんて誤解されたら妻を宥めるのがしんどいんだ。
そう言って空達は帰って行った。
「ちょっとくらい飲んで帰ってもいいだろ?」
水奈と紗理奈がそう言うのを宥めていた。
俺達も仙台の高校生と別れると散策を楽しむ。
「しかし、あいつらまた同じ事繰り返すつもりか」
「……そうじゃないと思う」
玲衣が言った。
「どういう意味?」
「前にFGが勢力を伸ばしたのはリベリオンの餌にする為」
だけど今回はどうやら本気で強くなろうとしているらしい。
だから空達が警告した。
どこにいても見逃さないぞって。
これはまだ序の口。
十分に力をつけたらまた地元で争乱を起こすつもりなんじゃないのか?
だけど地元だけなら大丈夫だろう。
もうすでに空が「王の名前を譲ってもいいよ」って冗談ぽく言っていた。
結の力は現時点で誰の手にも負えない物になっていた。
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