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Light My Fire
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(1)
「へえ、結構広いし綺麗だね」
俺は彼女の岡沢希美と部屋を見に来ていた。
高校を卒業して大学入試も合格して、新生活の準備を始めていた。
俺は希美と同棲する事にした。
親もそんなに反対はしなかった。
さすがに希美の両親には何か言われると思ったけど全くなかった。
「いいか?浮気なんて真似してみろ?お前の父親を絞め殺してやる」
希美の父親がそういうくらいだった。
それも俺の母さんが言っていた。
「光太と一緒だから大丈夫だよ。馬鹿だから少々羽目を外すことはあるけど女関係は信用してもらっていい」
「麗華が言うならそうなんだろうけど問題は希美だと思う」
希美の母親が言った。
交友関係が広い。
男友達もそれなりにいる事は知っていた。
それはあくまでも友達だと言い張る。
友達だから何もない。
そう言って男友達の家に泊まりこむことも知っていた。
ちゃんと希美が連絡するから。
そんなわけでそれだと俺が不安だからと希美の両親の方から同棲の打診があった。
父さん達も俺達の歳には同棲を始めて暮らしていたらしい。
車をつかえるから希美が遊んでる先で飲んだなら俺が迎えに行けばいいと希美の母親が言った。
だけど。
「それは大丈夫だと思います」
「光聖君は平気なの?」
「平気かと言われたら嘘になりますね」
自分の彼女が違う男の家で寝泊まりしてるんだ。
少しくらいは不安になる。
だけどそれでも俺は構わないと言った。
「希美はそのくらい分別が出来る女性だと思っています。そう信じているから付き合ってるから」
だから希美も俺が少しくらい風俗に通ったくらいで五月蠅く言わない。
それを浮気とは考えないらしい。
恋人である自分がどうして風俗嬢くらいに目くじら立てる必要があるのだろう?
「病気だけは気を付けてね」
希美はそう言って笑っていた
俺の事を信じてくれている。
だから俺も希美を信じる。
それが愛なんだろう。
「……光太の息子は立派になったな」
希美の父親はそう言っていた。
「俺の息子だぞ。当たり前だろう」
父さんはそう言って笑っていた。
でも、多分バイトや授業や色々用事が多いのが大学生。
すれ違いの生活になると聞いていたからせめて一緒に暮らしなさい。
きっと結婚したらすぐに子供を授かる。
今のうちに二人っきりの生活を楽しめばいい。
それだと新婚生活の新鮮味が薄れてしまうのではと思ったけど言う通りにした。
部屋を決めると引っ越しの準備が始まる。
その間に入学式に来ていくスーツや必要なものを買っておいた。
引っ越しは業者とSHの友達が来てくれた。
夕食はファミレスで済ませて家で荷ほどきを続ける。
ある程度したら、もう寝ようか?と希美に言った。
「その前にちょっと待ってて」
そう言って冷蔵庫からビールを取り出してきた。
「これからよろしくね」
希美はそう言っていた。
「ああ、こちらこそよろしく」
そう言って2人で今日を祝って新しい1年に備えた。
(2)
「今日は全員合格おめでとう!」
健太がそう言って祝う。
中学校を卒業した。
高校入試は健太が言ったようにみんな合格した。
そして因縁のFGとの闘争も空と雪の手で幕を下ろした。
まだリベリオンという奴らが残っているけどどういうわけか手を出してこない。
「手を出してこないなら放っておけばいい」
ただし目障りな行動をしたら構わず潰せ。
空の判断はそうだった。
通常なら俺は茉奈とペアを組むはずだったけど心音と組んでいた。
そんな風にいつものカップルではなく違う相手と組んでいた。
「よろしくね。私こういうの苦手で……」
父さんから何か忠告を受けていたけど忘れていた。
「投げ方分かる?」
「初めてなの」
「んじゃまずボールの選び方だな」
そう言って心音を連れて行くと心音の指を見た。
茉奈ほどじゃないけど綺麗な細い指。
「この一番軽いのがいいのかな?」
「それは止めた方が良いよ」
「どうして?」
「心音の指は細いけど、それでも多分親指を入れたらきついんじゃない?」
マイボウルとハウスボウルの違いは指穴にある。
マイボウルなら重さ、指穴の大きさ、スパンやブリッジの距離。
重いと確かに上手く持ち上げられられないけど、軽すぎても天井にぶつけたり転がすじゃなくて投げ飛ばすになってしまう。
コントロールがしやすい穴のサイズを選んだ方が良い。
そう言って心音のボウルを選んでやった。
よく考えたらそれは秋久に任せてもよかったのかもしれない。
「じゃあ、投球式やろう。みんな並べ!」
そう言うと最初の投球者が並んで一斉に投げる。
僕が先に投げた。
そして次に投げる心音に投げ方のコツを教えていた時だった。
「フォームは気にしなくていいからとにかく投げたらダメ。レーンに滑らせるような姿勢で……」
ぽかっ
「結は何をしてるのかな~?」
茉奈がなぜか怒り出した。
ああ、思い出した。
「多分茉奈は翼や愛莉に近い性格だと思うんだ」
だからなるべく他の女子に声をかけたり、体に触ったりしたらいけない。
別に変な所は触ってない。
腕の振り肩とか、腰を掴んで姿勢を教えていただけだったけどそれでも茉奈は許せないらしい。
「しょうがないな、結莉が教えてあげる」
投げ方分からないじゃ心音が可哀そうだと、見かねた結莉が心音に説明していた。
こういう時に余計な問題を作るのが茉莉だ。
「じゃあ、結。私に教えてくれないか?」
いつも茉奈の体型じゃ物足りなくないか?
何を言っているのかさっぱり分からない。
すると佳織や沙羅も悪乗りして「結。私達にも教えてよ~」と腕を掴んでいた。
茉莉に至っては僕の腕を自分の胸に押し付けている。
へえ、硬いと思ったら柔らかいんだな。
ぽかっ
「てめぇ!他人の彼氏にてをだしてるんじゃねーよ!お前は盛りのついた犬か!?」
「このくらいどうってことないだろ?それとも私に取られるのが怖いのか?」
「ガッデム!」
このままだとまずい。
結莉を何とかして宥めないと。
どうしたらいいのか考えて、話を始めた。
「あのさ、今日は心音や茉莉達も一緒に遊びに来てるんだ」
茉奈が2人で楽しみたいなら今度デートしよう。
だから投げ方を知らない子に教えるくらいの事は許してほしい。
だって僕達だけはしゃいでも皆が白けたら意味がないだろ?
「……本当にデートしてくれる?」
「うん、春休みの間にしようよ」
確か父さんが言ってた。
「なんなら俺の家に泊まっていけばいいよ」
こういえば多分茉奈は喜ぶ。
「結も男の子なんだね」
なぜか結莉の機嫌が直った。
「でも茉莉に抱き着かれた時鼻の下長くしてたよ」
「そうか?自分では気づかなかったけど」
見た目に寄らず柔らかいんだなと思っただけ。
ぽかっ
「どうせ私は小さいよ……」
「そういう意味じゃなくてさ」
「じゃあ、どういう意味なの?」
茉奈が聞いてくるので説明した。
あんなに大きいのに垂れてないから余程筋肉なんだろうなと思ったらそうでもなかった。
それだけの話。
あの大きさがいいとかそういう事はない。
「そういうなよ結。挟んでやったりできるぞ」
「何を?」
ぽかっ
「茉莉もいい加減にして!他人の彼氏を誘惑してる暇があったら朔にしたらどうなの!?」
「ひがむなよ茉奈」
「……胸が大きいだけだと頭悪そうに見えるって水奈が言ってた」
「茉奈の言う通りかもな」
「ほざけ、まな板。テストで勝ってから言え」
「もう我慢ならねぇボールの代わりにてめぇの胸転がしてやらぁ!」
この2人はいつまでたっても変わらないな。
そんな風に茉奈と見ていた。
ボーリングの後に昼食を食べてカラオケに行く。
茉奈から色々リクエストを聞いていたのでそれを練習しておいた。
「へえ、結は色々知ってるんだね」
秋久がそう言うと秋久は心音とかとそう言う話しないの?と聞いてみた。
「僕も心音もあまりそういう曲に興味なくて」
気に入った映画のEDとかを調べるくらいらしい。
茉莉と菫は競い合うかと思ったらそうじゃないらしい。
菫はデスボイスでメタル系の曲を歌っていたのはなんとなく予想着いた。
だけど茉莉は全く想像つかなかった。
80年代のアイドルの歌とかを歌っている。
「菫と持ち歌被るのが嫌いだからって調べてた」
結莉がこっそり教えてくれた。
カラオケが終わると夕食をファミレスで食べて解散する。
家に帰って風呂に入った。
「今日はどうだった?」
「父さんは凄いね。本当に父さんの言う通りになった」
「父さんに何を聞いたの?」
母さんが聞いてくると父さんが慌てている。
なぜかわからないけど父さんから聞いたアドバイスを母さんに説明した。
すると母さんの顔色がみるみる変わる。
「……冬夜と健太はもう疲れただろうから早く部屋に行って寝なさい」
中学と高校じゃ通学距離も変わるし授業内容も変わる。
環境の変化になれるのに大変だから休める時に休みなさい。
そう言われると茉奈に言ったことを思い出した。
「今度結莉を泊めてもいいかな?」
「母さんは構いませんよ。旦那様もいいですよね?」
母さんは笑顔だけど父さんの笑顔はひきつっていた。
部屋に戻ると茉奈にどうしてだろう?聞いていた。
それが失敗だったらしい。
「あの時結はそういう考えだったの!?」
僕も茉奈に叱られた。
父さんも母さんに散々文句を言われたらしい。
母さんと茉奈は似ていると聞いた。
母さんは愛莉に似ているらしい。
だから父さんはきっとじいじから聞いたとすぐにわかった。
母さんは愛莉に言いつける。
「冬夜さん!」
そう言って結局じいじまで怒られる羽目になったようだ。
(3)
「なんでそんなに不機嫌なんだ?珠希」
「だってさ、ありえなくない!?」
卒業式を終えて子供達と一緒にファミレスに食事に来ていた。
天音達の家だと多分ファミレスの方が割高になるから回転寿司を選んでいたらしい。
食べる量は一緒らしいけど。
結莉達の胃袋が悲鳴を上げるか店の食材が悲鳴を上げるかの勝負になるんだそうだ。
恭一や珠希は普通くらいに食べる。
チーズハンバーグを好むあたりがまだ子供らしいんだろう。
今日は環奈も一緒に卒業式を見ていた。
「仕事と子供達の行事どっちが大事だと思ってるの!?」
恵美さんがそう言って無理矢理スケジュールを空けた。
頭を抱えるのは中村さんとドラマのプロデューサー。
「で、何がありえないの?」
環奈が珠希に聞いていた。
すごく単純な事だった。
珠希たちの学年のSHで恋人がいないのは珠希だけだという。
「そんなに早く作ってもいい事あるのか?」
俺が珠希に聞いていた。
すると答えたのは珠希ではなく環奈だった。
「きーちゃん。恭一に出来て自分に出来ないのはやっぱり寂しいと思うよ?」
環奈も同じような経験をしたらしい。
友達には彼氏が出来るのに自分には出来ないのは自分には何かが欠けてるんじゃないのか?
そんな風に落ち込んでいた時期があるらしい。
環奈は逆だと思う。
女優として活躍しているのだから男の方がなかなか手が出せないんだろう。
「でもね、珠希。そのうちきっといい人が出来るよ」
環奈だって大学生になってやっと俺に会えたんだから大丈夫。
どういう理屈だと思ったけど黙っておいた。
「きーちゃんだめだからね!珠希に彼氏が出来たって落ち込んだら珠希が可哀そうだよ」
「言わないよ。俺の父さんも言わなかったから」
さすがに環奈を連れて来た時は驚いていたけどな。
「ねえ、ママ。ママ達は付き合ってどれくらいでキスしたの?」
「うーん。それはあまり言いたくないかな」
「どうして?」
「環奈は少し特殊な事情があったんだ」
俺がフォローしてやった。
演技でのキスがファーストキスなんて嫌だろうから、俺という彼氏がいるならさっさと済ませておけ。
そんな理由でキスを急いだなんて子供に言いたくないだろうし。
珠希も女優を目指している。
地元の学生服のCMに起用されたり地元で仕事を取りながら訓練中だ。
環奈の理由を知ったらますます焦るだろう。
そんなに焦って妙な男に捕まったら最悪だ。
大体の初恋はあまりいい思い出にならないけど、それでも可哀そうだ。
「珠希、SHはFGと抗争を終えたんだ」
「うん。それがどうかしたの?」
「すると天音達が退屈になる」
結莉達だって退屈だろう。
だからもう一つの遊びを始めるのは間違いない。
「何それ?」
「縁結び」
適当に恋人がいないSHのメンバーを強引な手段を使って結びつける遊び。
心配いらない。
SHに所属してる男子ならまず馬鹿な事はしない。
そんなのがバレたら天音や茉莉が喜んで処刑するだろう。
きっと中学でいい出会いがあるよ。
そう伝えると珠希は満足しているようだ。
「それなら大丈夫だね」
珠希がそう言い終える頃には昼食を終えていた。
家に帰って子供達が部屋で遊んでいるうちにスマホで天音達に相談してみる。
「何してるの?」
「父親としても変な男に捕まるのだけは避けたいからね」
変な虫がつく前に天音達に聞いてみた。
すると意外な返事が来た。
「それ、珠希の奴嘘ついてないか?」
天音がそう言うと環奈に心当たりがないか聞いてみた。
「あの子くらいの女優や俳優目指している子はいっぱいいるから」
環奈と違って無邪気な元気な娘だから友達はいっぱいいると環奈が言った。
「……俺たちには心あたりが無いんだけど天音にはあるのか?」
「恵美さんに聞いてみたけど仲のいい同じ学校の俳優がいるらしいぞ」
なるほど。
やっぱり珠希にもちゃんと約束の人がいるんじゃないか。
「これで安心だな」
「あれ?きーちゃんはてっきり怒ると思ったけど」
「恵美さんの下にいるんだ。ふざけた奴じゃないのは間違いないよ」
まあ、少しは寂しい気持ちもあるけど。
「きーちゃんがその気ならもう一人娘を作ろうよ」
「環奈。勘弁してくれ。珠希たちの時にも大変だっただろ?」
成人して結婚もした夫婦の間に子供が出来るのは当たり前でしょ。
恵美さんがそう主張してドラマ収録のスケジュールが詰まってるにも関わらず環奈の妊活を認めようとした。
さすがにまずいと望さんも必死に説得したらしい。
その妥協案としてとりあえず今の仕事をこなしたらしばらく仕事を入れないからその時に子作りしてくれ。
今も引っ張りだこの環奈だ。
そんなことを言いだしたらあの時以来の悲劇が待っている。
それに環奈は肝心な事が抜けてる。
「仮に娘を作ってまた彼氏が出来たら、また作るつもりなのか?」
「……確かに言われてみたらそうだね」
「俺の事は大丈夫だよ。楽しみがあるんだ」
「それは何?」
「恭一が成人したら一緒に酒を飲もうと思ってな」
「父親は皆そういうみたいだね。どうして?」
「自分の息子がそこまで立派に成長したらそういう楽しみを持つさ」
中にはサラミの食べ方と教えようと楽しみにしていた父親がいたそうだ。
「じゃあ、珠希にはそういうのないの?」
「あるさ」
「珠希と飲むの?」
「違うよ」
珠希がいつかこの人と結婚するって紹介してきた男と飲みたい。
「私もいっしょにいいかな?」
「そうだな。環奈の事も忘れてない」
あの子達が大人になって自立したらお疲れさまって二人でゆっくりしたいな。
「そんな日が来ると良いね」
「来るさ。もう抗争は終わったんだ」
もう一つの火種の事もちゃんと覚えている。
だけどそんなに大した敵じゃないと思っていた。
もちろん世界を相手に戦う事になる。
それでも片桐家に立ち向かう奴らは皆同じ悲劇に会うだろう。
その為に結や雪が生まれてきたのだから。
彼らを怒らせて火をつけるような馬鹿が現れない事を祈っていた。
「へえ、結構広いし綺麗だね」
俺は彼女の岡沢希美と部屋を見に来ていた。
高校を卒業して大学入試も合格して、新生活の準備を始めていた。
俺は希美と同棲する事にした。
親もそんなに反対はしなかった。
さすがに希美の両親には何か言われると思ったけど全くなかった。
「いいか?浮気なんて真似してみろ?お前の父親を絞め殺してやる」
希美の父親がそういうくらいだった。
それも俺の母さんが言っていた。
「光太と一緒だから大丈夫だよ。馬鹿だから少々羽目を外すことはあるけど女関係は信用してもらっていい」
「麗華が言うならそうなんだろうけど問題は希美だと思う」
希美の母親が言った。
交友関係が広い。
男友達もそれなりにいる事は知っていた。
それはあくまでも友達だと言い張る。
友達だから何もない。
そう言って男友達の家に泊まりこむことも知っていた。
ちゃんと希美が連絡するから。
そんなわけでそれだと俺が不安だからと希美の両親の方から同棲の打診があった。
父さん達も俺達の歳には同棲を始めて暮らしていたらしい。
車をつかえるから希美が遊んでる先で飲んだなら俺が迎えに行けばいいと希美の母親が言った。
だけど。
「それは大丈夫だと思います」
「光聖君は平気なの?」
「平気かと言われたら嘘になりますね」
自分の彼女が違う男の家で寝泊まりしてるんだ。
少しくらいは不安になる。
だけどそれでも俺は構わないと言った。
「希美はそのくらい分別が出来る女性だと思っています。そう信じているから付き合ってるから」
だから希美も俺が少しくらい風俗に通ったくらいで五月蠅く言わない。
それを浮気とは考えないらしい。
恋人である自分がどうして風俗嬢くらいに目くじら立てる必要があるのだろう?
「病気だけは気を付けてね」
希美はそう言って笑っていた
俺の事を信じてくれている。
だから俺も希美を信じる。
それが愛なんだろう。
「……光太の息子は立派になったな」
希美の父親はそう言っていた。
「俺の息子だぞ。当たり前だろう」
父さんはそう言って笑っていた。
でも、多分バイトや授業や色々用事が多いのが大学生。
すれ違いの生活になると聞いていたからせめて一緒に暮らしなさい。
きっと結婚したらすぐに子供を授かる。
今のうちに二人っきりの生活を楽しめばいい。
それだと新婚生活の新鮮味が薄れてしまうのではと思ったけど言う通りにした。
部屋を決めると引っ越しの準備が始まる。
その間に入学式に来ていくスーツや必要なものを買っておいた。
引っ越しは業者とSHの友達が来てくれた。
夕食はファミレスで済ませて家で荷ほどきを続ける。
ある程度したら、もう寝ようか?と希美に言った。
「その前にちょっと待ってて」
そう言って冷蔵庫からビールを取り出してきた。
「これからよろしくね」
希美はそう言っていた。
「ああ、こちらこそよろしく」
そう言って2人で今日を祝って新しい1年に備えた。
(2)
「今日は全員合格おめでとう!」
健太がそう言って祝う。
中学校を卒業した。
高校入試は健太が言ったようにみんな合格した。
そして因縁のFGとの闘争も空と雪の手で幕を下ろした。
まだリベリオンという奴らが残っているけどどういうわけか手を出してこない。
「手を出してこないなら放っておけばいい」
ただし目障りな行動をしたら構わず潰せ。
空の判断はそうだった。
通常なら俺は茉奈とペアを組むはずだったけど心音と組んでいた。
そんな風にいつものカップルではなく違う相手と組んでいた。
「よろしくね。私こういうの苦手で……」
父さんから何か忠告を受けていたけど忘れていた。
「投げ方分かる?」
「初めてなの」
「んじゃまずボールの選び方だな」
そう言って心音を連れて行くと心音の指を見た。
茉奈ほどじゃないけど綺麗な細い指。
「この一番軽いのがいいのかな?」
「それは止めた方が良いよ」
「どうして?」
「心音の指は細いけど、それでも多分親指を入れたらきついんじゃない?」
マイボウルとハウスボウルの違いは指穴にある。
マイボウルなら重さ、指穴の大きさ、スパンやブリッジの距離。
重いと確かに上手く持ち上げられられないけど、軽すぎても天井にぶつけたり転がすじゃなくて投げ飛ばすになってしまう。
コントロールがしやすい穴のサイズを選んだ方が良い。
そう言って心音のボウルを選んでやった。
よく考えたらそれは秋久に任せてもよかったのかもしれない。
「じゃあ、投球式やろう。みんな並べ!」
そう言うと最初の投球者が並んで一斉に投げる。
僕が先に投げた。
そして次に投げる心音に投げ方のコツを教えていた時だった。
「フォームは気にしなくていいからとにかく投げたらダメ。レーンに滑らせるような姿勢で……」
ぽかっ
「結は何をしてるのかな~?」
茉奈がなぜか怒り出した。
ああ、思い出した。
「多分茉奈は翼や愛莉に近い性格だと思うんだ」
だからなるべく他の女子に声をかけたり、体に触ったりしたらいけない。
別に変な所は触ってない。
腕の振り肩とか、腰を掴んで姿勢を教えていただけだったけどそれでも茉奈は許せないらしい。
「しょうがないな、結莉が教えてあげる」
投げ方分からないじゃ心音が可哀そうだと、見かねた結莉が心音に説明していた。
こういう時に余計な問題を作るのが茉莉だ。
「じゃあ、結。私に教えてくれないか?」
いつも茉奈の体型じゃ物足りなくないか?
何を言っているのかさっぱり分からない。
すると佳織や沙羅も悪乗りして「結。私達にも教えてよ~」と腕を掴んでいた。
茉莉に至っては僕の腕を自分の胸に押し付けている。
へえ、硬いと思ったら柔らかいんだな。
ぽかっ
「てめぇ!他人の彼氏にてをだしてるんじゃねーよ!お前は盛りのついた犬か!?」
「このくらいどうってことないだろ?それとも私に取られるのが怖いのか?」
「ガッデム!」
このままだとまずい。
結莉を何とかして宥めないと。
どうしたらいいのか考えて、話を始めた。
「あのさ、今日は心音や茉莉達も一緒に遊びに来てるんだ」
茉奈が2人で楽しみたいなら今度デートしよう。
だから投げ方を知らない子に教えるくらいの事は許してほしい。
だって僕達だけはしゃいでも皆が白けたら意味がないだろ?
「……本当にデートしてくれる?」
「うん、春休みの間にしようよ」
確か父さんが言ってた。
「なんなら俺の家に泊まっていけばいいよ」
こういえば多分茉奈は喜ぶ。
「結も男の子なんだね」
なぜか結莉の機嫌が直った。
「でも茉莉に抱き着かれた時鼻の下長くしてたよ」
「そうか?自分では気づかなかったけど」
見た目に寄らず柔らかいんだなと思っただけ。
ぽかっ
「どうせ私は小さいよ……」
「そういう意味じゃなくてさ」
「じゃあ、どういう意味なの?」
茉奈が聞いてくるので説明した。
あんなに大きいのに垂れてないから余程筋肉なんだろうなと思ったらそうでもなかった。
それだけの話。
あの大きさがいいとかそういう事はない。
「そういうなよ結。挟んでやったりできるぞ」
「何を?」
ぽかっ
「茉莉もいい加減にして!他人の彼氏を誘惑してる暇があったら朔にしたらどうなの!?」
「ひがむなよ茉奈」
「……胸が大きいだけだと頭悪そうに見えるって水奈が言ってた」
「茉奈の言う通りかもな」
「ほざけ、まな板。テストで勝ってから言え」
「もう我慢ならねぇボールの代わりにてめぇの胸転がしてやらぁ!」
この2人はいつまでたっても変わらないな。
そんな風に茉奈と見ていた。
ボーリングの後に昼食を食べてカラオケに行く。
茉奈から色々リクエストを聞いていたのでそれを練習しておいた。
「へえ、結は色々知ってるんだね」
秋久がそう言うと秋久は心音とかとそう言う話しないの?と聞いてみた。
「僕も心音もあまりそういう曲に興味なくて」
気に入った映画のEDとかを調べるくらいらしい。
茉莉と菫は競い合うかと思ったらそうじゃないらしい。
菫はデスボイスでメタル系の曲を歌っていたのはなんとなく予想着いた。
だけど茉莉は全く想像つかなかった。
80年代のアイドルの歌とかを歌っている。
「菫と持ち歌被るのが嫌いだからって調べてた」
結莉がこっそり教えてくれた。
カラオケが終わると夕食をファミレスで食べて解散する。
家に帰って風呂に入った。
「今日はどうだった?」
「父さんは凄いね。本当に父さんの言う通りになった」
「父さんに何を聞いたの?」
母さんが聞いてくると父さんが慌てている。
なぜかわからないけど父さんから聞いたアドバイスを母さんに説明した。
すると母さんの顔色がみるみる変わる。
「……冬夜と健太はもう疲れただろうから早く部屋に行って寝なさい」
中学と高校じゃ通学距離も変わるし授業内容も変わる。
環境の変化になれるのに大変だから休める時に休みなさい。
そう言われると茉奈に言ったことを思い出した。
「今度結莉を泊めてもいいかな?」
「母さんは構いませんよ。旦那様もいいですよね?」
母さんは笑顔だけど父さんの笑顔はひきつっていた。
部屋に戻ると茉奈にどうしてだろう?聞いていた。
それが失敗だったらしい。
「あの時結はそういう考えだったの!?」
僕も茉奈に叱られた。
父さんも母さんに散々文句を言われたらしい。
母さんと茉奈は似ていると聞いた。
母さんは愛莉に似ているらしい。
だから父さんはきっとじいじから聞いたとすぐにわかった。
母さんは愛莉に言いつける。
「冬夜さん!」
そう言って結局じいじまで怒られる羽目になったようだ。
(3)
「なんでそんなに不機嫌なんだ?珠希」
「だってさ、ありえなくない!?」
卒業式を終えて子供達と一緒にファミレスに食事に来ていた。
天音達の家だと多分ファミレスの方が割高になるから回転寿司を選んでいたらしい。
食べる量は一緒らしいけど。
結莉達の胃袋が悲鳴を上げるか店の食材が悲鳴を上げるかの勝負になるんだそうだ。
恭一や珠希は普通くらいに食べる。
チーズハンバーグを好むあたりがまだ子供らしいんだろう。
今日は環奈も一緒に卒業式を見ていた。
「仕事と子供達の行事どっちが大事だと思ってるの!?」
恵美さんがそう言って無理矢理スケジュールを空けた。
頭を抱えるのは中村さんとドラマのプロデューサー。
「で、何がありえないの?」
環奈が珠希に聞いていた。
すごく単純な事だった。
珠希たちの学年のSHで恋人がいないのは珠希だけだという。
「そんなに早く作ってもいい事あるのか?」
俺が珠希に聞いていた。
すると答えたのは珠希ではなく環奈だった。
「きーちゃん。恭一に出来て自分に出来ないのはやっぱり寂しいと思うよ?」
環奈も同じような経験をしたらしい。
友達には彼氏が出来るのに自分には出来ないのは自分には何かが欠けてるんじゃないのか?
そんな風に落ち込んでいた時期があるらしい。
環奈は逆だと思う。
女優として活躍しているのだから男の方がなかなか手が出せないんだろう。
「でもね、珠希。そのうちきっといい人が出来るよ」
環奈だって大学生になってやっと俺に会えたんだから大丈夫。
どういう理屈だと思ったけど黙っておいた。
「きーちゃんだめだからね!珠希に彼氏が出来たって落ち込んだら珠希が可哀そうだよ」
「言わないよ。俺の父さんも言わなかったから」
さすがに環奈を連れて来た時は驚いていたけどな。
「ねえ、ママ。ママ達は付き合ってどれくらいでキスしたの?」
「うーん。それはあまり言いたくないかな」
「どうして?」
「環奈は少し特殊な事情があったんだ」
俺がフォローしてやった。
演技でのキスがファーストキスなんて嫌だろうから、俺という彼氏がいるならさっさと済ませておけ。
そんな理由でキスを急いだなんて子供に言いたくないだろうし。
珠希も女優を目指している。
地元の学生服のCMに起用されたり地元で仕事を取りながら訓練中だ。
環奈の理由を知ったらますます焦るだろう。
そんなに焦って妙な男に捕まったら最悪だ。
大体の初恋はあまりいい思い出にならないけど、それでも可哀そうだ。
「珠希、SHはFGと抗争を終えたんだ」
「うん。それがどうかしたの?」
「すると天音達が退屈になる」
結莉達だって退屈だろう。
だからもう一つの遊びを始めるのは間違いない。
「何それ?」
「縁結び」
適当に恋人がいないSHのメンバーを強引な手段を使って結びつける遊び。
心配いらない。
SHに所属してる男子ならまず馬鹿な事はしない。
そんなのがバレたら天音や茉莉が喜んで処刑するだろう。
きっと中学でいい出会いがあるよ。
そう伝えると珠希は満足しているようだ。
「それなら大丈夫だね」
珠希がそう言い終える頃には昼食を終えていた。
家に帰って子供達が部屋で遊んでいるうちにスマホで天音達に相談してみる。
「何してるの?」
「父親としても変な男に捕まるのだけは避けたいからね」
変な虫がつく前に天音達に聞いてみた。
すると意外な返事が来た。
「それ、珠希の奴嘘ついてないか?」
天音がそう言うと環奈に心当たりがないか聞いてみた。
「あの子くらいの女優や俳優目指している子はいっぱいいるから」
環奈と違って無邪気な元気な娘だから友達はいっぱいいると環奈が言った。
「……俺たちには心あたりが無いんだけど天音にはあるのか?」
「恵美さんに聞いてみたけど仲のいい同じ学校の俳優がいるらしいぞ」
なるほど。
やっぱり珠希にもちゃんと約束の人がいるんじゃないか。
「これで安心だな」
「あれ?きーちゃんはてっきり怒ると思ったけど」
「恵美さんの下にいるんだ。ふざけた奴じゃないのは間違いないよ」
まあ、少しは寂しい気持ちもあるけど。
「きーちゃんがその気ならもう一人娘を作ろうよ」
「環奈。勘弁してくれ。珠希たちの時にも大変だっただろ?」
成人して結婚もした夫婦の間に子供が出来るのは当たり前でしょ。
恵美さんがそう主張してドラマ収録のスケジュールが詰まってるにも関わらず環奈の妊活を認めようとした。
さすがにまずいと望さんも必死に説得したらしい。
その妥協案としてとりあえず今の仕事をこなしたらしばらく仕事を入れないからその時に子作りしてくれ。
今も引っ張りだこの環奈だ。
そんなことを言いだしたらあの時以来の悲劇が待っている。
それに環奈は肝心な事が抜けてる。
「仮に娘を作ってまた彼氏が出来たら、また作るつもりなのか?」
「……確かに言われてみたらそうだね」
「俺の事は大丈夫だよ。楽しみがあるんだ」
「それは何?」
「恭一が成人したら一緒に酒を飲もうと思ってな」
「父親は皆そういうみたいだね。どうして?」
「自分の息子がそこまで立派に成長したらそういう楽しみを持つさ」
中にはサラミの食べ方と教えようと楽しみにしていた父親がいたそうだ。
「じゃあ、珠希にはそういうのないの?」
「あるさ」
「珠希と飲むの?」
「違うよ」
珠希がいつかこの人と結婚するって紹介してきた男と飲みたい。
「私もいっしょにいいかな?」
「そうだな。環奈の事も忘れてない」
あの子達が大人になって自立したらお疲れさまって二人でゆっくりしたいな。
「そんな日が来ると良いね」
「来るさ。もう抗争は終わったんだ」
もう一つの火種の事もちゃんと覚えている。
だけどそんなに大した敵じゃないと思っていた。
もちろん世界を相手に戦う事になる。
それでも片桐家に立ち向かう奴らは皆同じ悲劇に会うだろう。
その為に結や雪が生まれてきたのだから。
彼らを怒らせて火をつけるような馬鹿が現れない事を祈っていた。
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