姉妹チート

和希

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意志の覚醒

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(1)

「本当ですか!?冬夜さん!」

 母さんはそう言って驚いていた。
 まあ、僕も家にやってきた冬莉から聞いた時は驚いた。

「うん、相手の方から告白したそうだよ」
 
 父さんは笑顔で言っていた。
 冬莉の夫の志希は複雑な気持ちらしい。
 僕も娘がいるから気持ちはよく分かる。
 今度志希と飲みに行こうかな?

 ぽかっ

「そういうのは男親だけでするのはやめなさいといつも言ってるでしょ!」

 母さんに怒られた。

「でも、愛莉。よく考えてよ」
「何をですか?」

 父さんはにこりと笑って答えた。

「誠司の息子に娘を預けるんだ。冬吾の不安だって分かるだろ?」

 今はいいけど、これからいらない知識をつけていく誠司郎がどう変わっていくかなんて誰にも分からない。

「それは母親でも一緒ですよ。冬夜さん」

 瞳子が言ってきた。
 冴みたいなことになるかもしれない。
 悲しむ娘をみたくないのは母親だって一緒だと瞳子が言う。

「でも、それがどうかしたのですか?」

 冬華が風呂に入るようになったのか?と母さんが聞いていた。
 すると父さんが笑って言った。

「あの子はまだ子供だね」
「え?」
「風呂にも入らない娘に彼氏に下着を選んでもらえ」と言ったそうだよ。

 父さんが言うと母さんは頭を抱えていた。

「冬夜さん。私は自分の教育に自信を無くしました」
「みんないい子に育ったじゃないか」
「娘を見てるとどうしても……」
「雪がいるだろ?」
「あの子は瞳子の娘だし……」
「私がどうかしたの?」

 雪がリビングにやってきた。
 ちゃんと部屋着を着ている。
 さすがに恥ずかしいそうだ。

「ああ、雪。どうしたの?」
「その話SHの女子グルでもやっていてさ。不思議に思って」
「何が?」

 母さんが聞くと雪は俯いて答えた。

「大きくなったら彼氏に下着選んでもらうのが普通なのかな?って」
「雪は嫌なの?」
「一緒に下着コーナー行くのも嫌だよ」

 まだそんなにかっこいい下着穿いてるわけでもないし。

「雪、それが普通なの」

 だから心配することはないと瞳子が説明していた。

「そっか。じゃあ誠司郎とお話しするから」
「あまり夜更かししてはいけませんよ」
「はーい」

 そう言って部屋に戻って行く雪を見て母さんがもらした。

「あの子……片桐家の娘なんですよね?」
「冬吾の子だから当然だろうね」
「なんであんなに違うんでしょうか?」

 どう考えても椿や冬華と同じ孫娘とは思えないと母さんが言う。

「でも雪もまだ分からないよ」

 茜や冬莉だって最初からそうだったんじゃないから。

「確かに注意は必要かもしれませんね」
「瞳子は何か心当たりがあるの?」
 
 僕が聞くと瞳子はにこりと笑った。

「これは女性同士の問題なので冬吾さんには内緒です」
「どういうこと?」

 母さんが聞くと瞳子は母さんに耳打ちする。
 母さんはそれを聞いて笑っていた。

「あの子もそういう歳ごろになったのですね。それなら心配いりません。早い子は幼稚園の時から癖になるそうですから」
「愛莉さんもそうだったんですか?」
「私は遅かったですね」

 何の話だろう?
 父さんと不思議に思っていた。
 そして父さんが言う。

「愛莉。男同士の話は禁止しておきながら女性同士の話はいいっていうのはおかしくないか?」
「ちょっと複雑な問題なのです。それに……冬夜さん達が聞いてもきっとわからないと思うから」

 僕達に聞かれるより不思議に思った僕達が誠司たちに相談することが怖いと母さんが言う。

「ただ、女子グルでちょっと問題ある発言があるみたいなのでそれは注意しないとダメみたいですね」

 主犯は言うまでもなく天音や水奈に、茜と冬莉と泉。
 さっきの下着の話をしていたのも冬莉らしい。

「瞳子がしっかりしてれば大丈夫だよ」
「やはり私の教育が間違っていたと?」
「そうじゃないよ愛莉。そもそも天音達はあれでいいと思うよ」

 冬莉と茜の変貌ぶりがおかしかっただけだ。
 雪に関してはもう父さんや母さんが口出しすることは無いという。
 あとは誠司郎次第だろう。

「でも、雪も結構積極的なんですよ」
「どうして?」
「それは女性同士の秘密です」

 母さんはそう言って笑っていた。
 あの子は娘、大きくなると父親の手を離れていく。
 なんか寂しい気がした。
 やっぱり父さん達と飲みに行こうかな。

(2)

「え……冬華だよな?」

 母さんが予想していた通りの反応を修ちゃんはしていた。
 なるほどね。
 だから世の女子はお洒落するのか。
 それを確かめたくて修ちゃんに質問していた。

「似合ってるかな?」
「凄く似合ってる。馬子にも衣裳ってやつだな」
「……一つ言っておく。それ誉め言葉じゃないから」
「え!?」

 知らなかったらしい修ちゃんに説明した。
 すると突然落ち込みだす。

「ごめん、俺女子の褒め方知らなくて」

 知った風な態度の軽い男に靡くつもりはないんだけど。
 まあ、褒めてもらっただけでもましか。
 
「知っている方が私は嫌だけど?」
「そうなのか?」
「中学生で女子の扱いに慣れてるってただのナンパじゃない」
「それもそうだな」
「じゃ、行こう?」
「それなんだけどさ……大丈夫かな?」
「どうして?」
「俺……男だぞ?」

 レディースの服漁ってたら変態だろ。
 いまさらそんな事を言いだすのか?
 男子ってしょうがない生き物だな。
 まあ、喜んで下着選んでる変態を彼氏にはしたくないけど。
 とりあえず修ちゃんに説明した。

「あのさ、だから私がいるんじゃない」

 そりゃ一人で選んでたら間違いなく通報されるかもしれないけど、私と言う女子が一緒なら問題ないでしょ?

「そっか……それなら大丈夫だよな」

 自信なさそうだけど言い出したのは修ちゃんだぞと言って説得した。
 よくそんな考えで言い出したな。

「で、修ちゃんはどんな服装の彼女がいいの?」
「……あのさ、怒らないで聞いてほしい」
「どうしたの?」

 私が聞くと修ちゃんは説明した。
 私の服装だからもっとずぼらだろう。
 その理由は修ちゃんの姉が家の中だとこっちの方が楽だからとずいぶんとラフな格好をしていたそうだ。
 きっとそのレベルの酷いものだと思ってたらしい。
 だけど私は今日は近くのスーパーやコンビニに来てるわけじゃない。
 彼氏とデートで外出している。
 私だって年頃の女子だ。
 冬莉と相談して服を選んできた。
 そういう時の為の洋服くらい持っている。
 だって冬莉達と出かけたりだってするんだから。

「……だったら、必要なかったな」

 私の説明を聞いた修ちゃんはそう言って笑っていた。

「そんな事無いでしょ。だってきっかけにはなったのだから」

 あの一言が無かったら今の私と修ちゃんはいない。
 それにどんな服装の女子が修ちゃんの好みなのか興味あったし。

「でも……お世辞じゃなくて今の冬華綺麗だから」
「じゃあ、今着る服じゃなくて夏服でいいじゃない?」
「もう売ってるのか?」
「翼……母さんの姉がそういうもんだって言ってた」
「分かった。じゃあ選ぼうか」
「私さ、体形にあまり自信がないから」
「そんな格好彼女にさせたくないよ」
「ふーん」

 今日の最大の罠には気づいてないようだ。
 そんな事を言ってられなくなるぞと心の中で笑いながら買い物をして、昼食を食べた。

「まだ時間あるけどどうする?もう帰るか?」
「どこか行きたいと事か無いの?」
「まあ、ゲーセンとかカラオケくらいしかないだろ」
「じゃあ、私のわがままに付き合ってくれない?」
「なんだよそれ?」
「来れば分かる」

 そう言って修ちゃんの手を取って歩き出した。
 行先を見て修ちゃんはやっぱり焦っている。

「こ、ここはまずいだろ?」
「私に修ちゃんの好み教えてくれるんじゃないの?」
「いくらなんでも彼女の下着見て喜ぶ歳じゃないだろ?」
「じゃあ、いつならいいの?」
「そ、それは……あ!」

 修ちゃんは何か思いついたようだ。

「冬華はまだ俺の事が好きじゃないって言ってたよな」

 そんな男に下着見せるつもりか?
 それが修ちゃんの主張。
 本当に男子って意外と鈍いんだな。

「……ちょっとこっちにフードコートあるからそこで話しよう?」

 ここだと目立ちすぎるとフードコートに連れて行った。

「まだ食べる気か?」
「飲み物だけってのもあるでしょ?」

 私はチャンポンを食べたけど。

「で、話って?」
「あのさ、あの日からずっと修ちゃん電話してくれたり、一緒に登下校してくれたよね?」
「ああ」
「その結果私は修ちゃんとデートをしてる」
「そうだな」
「まだ分からない?」

 私は赤の他人に自分の下着を選ばせるような痴女じゃない。
 言ってる意味よく考えて。
 つまり修ちゃんは私にとって下着を選んでもらいたい相手なんだよ?
 それってどういう意味かわからない?
 修ちゃんは気づいたようだ。

「……でも、俺が選んでも冬華がつけてるところ見る事ないんじゃないのか?」
「だから夏用のものにするの」

 男子ってなんでそうなんだろう?
 私に薄手の白い服を選んでいたからそれとなくそれは避けておいた。
 理由は愛莉をじいじが見た時に心配したらしいから。

「夏にさ、私達キャンプ行くの」
「それがどうかしたの?」
「きっとみんな彼氏とか連れてくる。なのに私は一人なの?」
「……俺も行っていいのか?親もいるんだろ?」
「親に紹介したい相手が修ちゃんだから」
「でも親と一緒だとなおさら見れないだろ?」
「そうだよ。だから私も行かない」

 母さん達は察してくれるだろう。
 私一人にしておいて修ちゃんと一晩過ごせくらいは当たり前の様に言う。
 だから問題ない。

「……まさかとは思うけど」
「ゴムくらいは用意しておいてね。私見た事無いし」
「まさか中学に入ってすぐそうなるとは思わなかったよ」
「言っとくけどまだ早いとか冬莉に言ったら絶対だめだからね」

 天音が黙ってない。

「……分かった。冬華がそこまで言うんだ。ここでビビってたら俺も情けないよな」

 私がチャンポン食べ終わったらすぐ選ぼうと覚悟を決めたみたいだ。
 どんなのが私の好みなのか聞いてきたけど教えなかった。

「私だって彼氏に見せるなんて初めてだから分かんないよ」
「そうだったんだ?」
「……あのさ、小学生で服を脱がそうとする彼氏なんて絶対にいらない」
「ま、そうだよな……。でも一つだけ問題があるぞ」
「何?」
「……俺は冬華のサイズ知らないぞ」

 あ、そっか。
 納得したら私はそっと修ちゃんに耳打ちする。
 
「へえ」

 意外だったみたいだ。
 さっき白を好まなかったのはそういう事かと笑いながら選んでくれた。
 やっぱり無難な下着だった。
 自分の性癖を晒したくないというのもあったのかもしれないけど。
 買い物が終わるとゲーセンで遊んでから帰る。

「ありがとう」
「いいよ、俺もいい情報入ったしな」
「……他人にばらしたら嫌だからね」
「冬華は俺の彼女なんだろ?」
「それがどうかしたの?」
「彼女の秘密を誰にも教えたくないって思うのが男だよ」

 その言葉を聞いて私は嬉しかった。
 じいじや空も同じ事を言っていたと愛莉や翼から聞いていたから。
 家に帰ると「あら、今日は泊っていくと思ったんだけど」と冬莉が言う。

「冬莉。それは母親のセリフじゃないよ」

 パパが言うけど冬莉は気にも止めてない。

「彼氏が出来たってそういう事じゃないの?志希も変な意地張るのやめてよ?」

 さっそく今日お披露目すると思っていたらしい。

「それは少し考えたんだけどさ……」
「何か問題あったの?」
「昨日風呂に入ってなかったから」
 
 朝風呂も考えたけど服を選んでいる時間で精いっぱいだった。
 それに肝心の下着だって適当だし。

「じゃ、これからはいつでもいいようにお風呂入らないとね」
「そうだね」

 今夜から私はちゃんと毎日風呂に入るようにした。
 いつでも修ちゃんに見せても大丈夫なように。

(3)

 とりあえず俺は男をぶん殴った。

「何すんだよ!誰だお前!?」
「少年A」
「ふざけんな!お前俺達がリベリオンだと知ってるのか?」
「ああ、さっき話は聞いていた」

 だからぶん殴った。
 いきなり抹消するのも退屈だから遊びついでにたまには運動も悪くないと。
 座り込んで集まって怯えている小学生を安心させている茉奈。

「俺達に歯向かったらどうなるか知らないのか?」
「お前らこそ俺の前でリベリオンを名乗ったらどうなるか聞いてないのか?」

 身元不明者が増えるだけだ。
 すると連中は合図すると隠れていた仲間がぞろぞろと集まりだす。
 俺はそんな連中を無視して小学生の方を見て言う。

「よく吠えたな少年。この勝負最後までSHを信じたお前達の勝ちだ」
「……え?」
「とりあえず君の意思は受け取った」

 ぽかっ

 茉奈に小突かれた。
 なんでだろう?

「美希達から聞いてたの!そうやって漫画やアニメのセリフを言うから気をつけろって」

 そうか、じいじ達も同じことやったのか。

「ふざけてんじゃねーぞ!無事に帰れると思うなよ」
「お前らこそ勘違いしてないか?このまま大人しく帰ると思ったか?」
「結危ない!後ろ!!」

 茉奈の警告の前に気づいていたけど敢えて放っておいた。
 どうせ大した連中じゃない。
 ただの雑魚だ。
 俺の背後に回った大男が金属バットを俺の右肩に振り下ろす。
 不思議に思ったのはバットを振り下ろした大男だけじゃなかったみたいだ。
 俺の肩には何のショックもない。
 背後の大男を見て尋ねてみた。
 
「銃弾をも弾く俺をどうして金属バット如きで倒せると思った?」

 大男が腰を抜かして倒れている。
 しかしリーダー格は割と冷静だったらしい。

「その女を捕まえろ!」

 やっぱり馬鹿だった。
 リーダーの命令で茉菜を囲む男達。
 だけど茉奈は余裕の笑みをこぼす。

「ごめんね。私の彼氏は意外と私を大切にしてくれるの」
「茉奈に手を出したんだ。後悔するぞ?」

 いつの間にか現れたアキヒロがそう言って男を掴み上げる。
 突然現れたアキヒロに動揺する馬鹿共。

「なんだてめぇ!」
「よくそれで指揮官してるね。マスターの情報くらい知っておいた方がよかったかもね」

 そう言って手に持っていた巨大な鈍器で頭を叩き潰すバルバトス。
 それでもまだかなりの人数がいたが、奴らの戦意は完全に失われていた。

「アキヒロは茉奈を守れ。後は俺がやる」
「……俺の任務は姫を守る事。勝手にしろ」
「分かってるじゃん」
「お、おまえ片桐結か?」
「そうだよ。お前らの死にざまの見届け人だ」

 多分俺しか知らない人になるからどうでもいいだろ。

「ま、待ってくれ。あんたみたいな学生だとは聞いてなかったんだ」
「死ぬ前に正体を知れてよかったね。じゃあ、悪いけど死んでよ」
「も、もう二度としない。助けてくれ!」
「馬鹿かお前?リベリオンなんだから同じだよ」

 そう言って有無を言わさず頭部を叩き潰していくバルバトス。
 1人として逃がすつもりはない。
 逃げ出す奴らの前に現れたのは刹那。
 
「そんなに甘くないよ。一人として逃がすつもりはないから」

 片っ端から処刑して死体を始末していく。
 死体はいつも通り処分して記憶も処分していく。
 書類は多分天音達がなんとかするだろう。
 その間に小学生は一人残らず家に送り返していた。
 何があったのかも覚えていないだろう。
 平穏な日が訪れる事を願う。

「いつまで続くんだろうね」
「何が?」
「え?リベリオンの問題以外に何があるんだ?」
「茉奈とこうしていられるのはいつまでなんだろうってさ」
「それは考えるだけ無駄だよ」

 そう言って茉奈は俺と腕を組む。
 きっとそれが解答なんだろう。
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