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PRECIOUS TIME TOGETHER
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(1)
「ねえ、雪」
「どうしたの?亜優」
「……あんたさ、胸ふくらんでない?」
水泳の授業の時に水着に着替える際、亜優が気づいたらしい。
「あ、私も気になってたんだよね。どうなの実際」
まあ、小学校3年生にもなればふくらみが出てくる子もいるらしい。
私もその類だったようだ。
「じゃあ、ブラとかしてるの?」
「いや、一体型の下着つけてる」
理由は乳首が服の上から分かるようになってきたから。
まだそんなに漫画の様に大きかったりはしない。
違和感を感じたのはクリスマスくらいの時だった。
物理的に胸が痛いから病気かな?とママに相談したら「成長痛」だと言われた。
それからママが色々説明してくれた。
女子は男子と違って色々事前に準備することがあるから。
胸が出てきたことは誠司郎にも伝えてる。
「触ってみる?」
「い、いや……そういうのっていやだろ?」
「誠司郎だけ特別だよ」
それから誠司郎を確かめるのに躊躇いが出てきた。
私自身が恥ずかしいから。
「私、ちゃんと女の子っぽくなってるかな?」
「僕の知ってる中では一番女の子だよ」
どれだけの女子を知ってるのかはしらないけど、そんな嬉しいことを言ってくれた。
「雪は早熟型なのかな」
亜優は悩んでいる。
「でもブラにした方がいいんじゃないの?」
他の女子が言っていた。
「誠司郎と寝たりするならなおさらでしょ?」
「どこまで大きくなるか分からないから」
まだ成長段階なのに一々買い替えるのも面倒じゃない?
「それもそっか」
しかし女子にも気づかれるくらいだから男子にも当然気づかれる。
明らかに水着の下で膨らんでいるのだから。
その証拠に誠司郎が質問攻めにあっている。
余計なことを言わなければいいんだけど。
いや、それはないだろう。
誠司郎がそんな真似するはずないからこそ、誠司郎とそういう行為をしているのだから。
誠司郎も少しずつ男らしい体つきになってきた。
サッカーをしているせいもあるだろう。
やっぱりそうなると私だって気になる部分がある。
男の子は女の子よりも発達が遅いらしい。
まだ天音や水奈が送ってくるような物ではなかったけど私の裸を見て反応はしてくれるようだった。
「誠司郎はまだ何も聞いてないの?」
「何を?」
「……聞いてないならいいよ」
私が話すような内容じゃないだろう。
まだ小学生だから早いとママにも言われている。
誠司郎に話したらきっと求められたら拒めない。
だから誠司郎の親に委ねよう。
「それにしても誠司郎君かっこいいよね~」
他の女子がそう騒いでいた。
自分の彼氏を誇らしげに思う反面、他の子に取られちゃわないか心配もあった。
そんな風にプールに飛び込む誠司郎を見ているとすぐに異変が分かった。
競泳選手があるまいし25M潜水なんて出来るはずがない。
なのに浮かんでこない。
小学校や中学校のプールは外から除かれないように仕切りが高いし警備もしっかりしてある。
遠くからの能力か、このクラスの中に能力者がいるか。
「多田君どうしたの!?」
ママが叫ぶと同時に私はプールに飛び込んでいた。
能力を解除してもおぼれて浮き上がる事の出来ない誠司郎を抱えて浮かび上がると、ママに手伝ってもらって上にあげる。
「誠司郎!?」
呼びかけても返事がない。
心臓マッサージと人工呼吸を必死に繰り返す。
溺れて心肺停止なんて状態は既存概念の中の出来事だ。
私の能力でどうすることも出来ない。
医学の知識があれば既存概念の上書きの能力でどうにかできたかもしれないけど。
誠司郎!と泣きそうになりながら必死に繰り返す。
ママは養護の先生を呼びに言っていた。
しばらくして「こほっ!」と水を少し吐き出して意識を取り戻した。
「誠司郎!よかった!」
私は誠司郎を抱きしめていた。
後で散々冷やかされた。
(2)
「うん、子供にしては見事な救命処置だったな」
医者はそう言って私の頭を撫でていた。
あの時躊躇っていたら私は自分を許せなくなる。
今でも自分を許せずにいた。
どんなに強大な力を持っていても大切な人一人守れない情けない自分が情けない。
アベルとヒルデ。
ただ二人の能力に拘束はない。
つまり第3者の能力者が現れたという事。
自分の能力を過信した結果だ。
イライラしてる時ほど危険な状態は無い。
常に冷静でいられるように努力しなさい。
じいじがいつも言っていた。
「あ、雪。誠司郎はどうなの?」
パオラ達がやってきた。
水奈と天音もいる。
「やったのはリブロースなのか!?もう面倒だからここらへんで決着つけてやろうぜ!」
天音がそう言っている。
私は水奈に抱き着いていた。
「ごめんなさい!私のせいで……!」
私にもっと力があれば……
「落ち着け雪。お前がいたから誠司郎は助かったって聞いたぞ」
水奈が優しく肩を抱いてくれた。
「でも、もっと早く気づいていたら……」
「いいか?雪が何を考えていようと誠司郎はお前に助けてもらえたんだ。それがどういう意味か分からないのか!?」
大切な彼女が自ら自分の命を救ってくれたんだ。
必死に助けてくれた人が私だった。
こんなにうれしいことは無い。
私がどういう風に受け止めようと誠司郎を救ったという事実は変わらない。
誠司郎にとって大切なのはそれだけだ。
私が守ってくれるとずっと信じている。
天音でさえ中学生の時に致命的なミスを冒した。
ミスは繰り返さなければいい。
私の気持ちなんて知った事じゃない。
だけど誠司郎は私を頼っている。
「私に……誠司郎を守る資格なんてあるのかな?」
「それを決めるのは私じゃないよ」
水奈がそう言った時看護師が病室から出て来た。
誠司郎の意識が戻った。
皆が部屋に入る。
誠司郎は起き上がってにこりと笑っていた。
「話は聞いたよ。ありがとな。雪」
「ごめん……」
「どうして謝るんだよ。助けてくれたんだろ」
やっぱり世界で一番頼りになる彼女だよ。
誠司郎はそう言った。
茉菜の優しい心が俺を支えてくれる。
もう心は触れ合っていたんだろう。
ただ俺の心は冷たいまま。
「それにしてもどこで習ったんだい?」
医者が聞いてきた。
忘れてた。
「誠司郎。雪は何をやらかしたんだ?」
水奈が不思議に思って聞いていた。
誠司郎は笑顔で返す。
「だから救命行動だよ」
心臓マッサージと人工呼吸……口づけをする。
今さら躊躇う行動じゃない。
「もう大丈夫だから帰ってもいいですよ。ただ、気を付けて。空から話は聞いているから」
医者がそう言うと俺達は家に帰る。
どうしたらいいか悩みながら次の日を迎えた。
翌日教室に入るとはすぐにアベル達の下に行く。
「何か用?」
アベルがそう言って笑みを浮かべる。
「絶対に許さない」
「許さないとどうなるの?」
「後悔しないでね」
同じ手は通用しない。
そしてお前は私を怒らせた。
今すぐ処分してもいいがそれじゃ私の気が済まない。
しっかり誠司郎の分を清算させて……殺してやる。
「楽しみにしているよ。ただ手を考えているのはSHだけじゃない。それは覚えていた方がいいよ」
「好きにしろ」
そう言って私は席に戻る。
すると誠司郎がやってきた。
「何を話していたんだ?」
「死刑宣告」
「ああ、やっぱあいつら殺すのか」
意外と普通に受け止めている誠司郎。
「僕さ、あれから家に帰って優奈達に言われたんだ」
雪の恋人と言うだけで危険があるなら結莉達に用意してもらいなよ。
多分あれだろ。
「誠司郎は何もしなくていいよ。結のエイリアスが守ってくれる」
「でもそのルプス達を束縛する奴らだろ?」
「そいつの事ならもう問題ない」
ルプス達だって馬鹿じゃない。
「やっぱり雪の彼氏でよかったよ」
「私の彼氏だから危険だとは思わないの?」
「それならなおさらだ。今更別れても変わらないだろ?」
それもそうだな。
「それより気になる事がいくつかあるんだけど」
「どうした?」
「なんで救命措置なんて面倒な事したんだ?」
私なら能力で否定できたんじゃないのか。
誠司郎に理由を説明した。
「意外と面倒なんだな」
そう、普通に生活している分では無力に等しい能力。
「ああ、逆の立場だったらよかったのにな」
「なんで?」
「雪の胸堂々と揉めたろ?」
誠司郎は心臓マッサージの方法をしらないのだろうか?
「そんな回りくどい事しないでさっさと揉んでよ」
そう言って私は笑っていた。
「ねえ、雪」
「どうしたの?亜優」
「……あんたさ、胸ふくらんでない?」
水泳の授業の時に水着に着替える際、亜優が気づいたらしい。
「あ、私も気になってたんだよね。どうなの実際」
まあ、小学校3年生にもなればふくらみが出てくる子もいるらしい。
私もその類だったようだ。
「じゃあ、ブラとかしてるの?」
「いや、一体型の下着つけてる」
理由は乳首が服の上から分かるようになってきたから。
まだそんなに漫画の様に大きかったりはしない。
違和感を感じたのはクリスマスくらいの時だった。
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それからママが色々説明してくれた。
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どれだけの女子を知ってるのかはしらないけど、そんな嬉しいことを言ってくれた。
「雪は早熟型なのかな」
亜優は悩んでいる。
「でもブラにした方がいいんじゃないの?」
他の女子が言っていた。
「誠司郎と寝たりするならなおさらでしょ?」
「どこまで大きくなるか分からないから」
まだ成長段階なのに一々買い替えるのも面倒じゃない?
「それもそっか」
しかし女子にも気づかれるくらいだから男子にも当然気づかれる。
明らかに水着の下で膨らんでいるのだから。
その証拠に誠司郎が質問攻めにあっている。
余計なことを言わなければいいんだけど。
いや、それはないだろう。
誠司郎がそんな真似するはずないからこそ、誠司郎とそういう行為をしているのだから。
誠司郎も少しずつ男らしい体つきになってきた。
サッカーをしているせいもあるだろう。
やっぱりそうなると私だって気になる部分がある。
男の子は女の子よりも発達が遅いらしい。
まだ天音や水奈が送ってくるような物ではなかったけど私の裸を見て反応はしてくれるようだった。
「誠司郎はまだ何も聞いてないの?」
「何を?」
「……聞いてないならいいよ」
私が話すような内容じゃないだろう。
まだ小学生だから早いとママにも言われている。
誠司郎に話したらきっと求められたら拒めない。
だから誠司郎の親に委ねよう。
「それにしても誠司郎君かっこいいよね~」
他の女子がそう騒いでいた。
自分の彼氏を誇らしげに思う反面、他の子に取られちゃわないか心配もあった。
そんな風にプールに飛び込む誠司郎を見ているとすぐに異変が分かった。
競泳選手があるまいし25M潜水なんて出来るはずがない。
なのに浮かんでこない。
小学校や中学校のプールは外から除かれないように仕切りが高いし警備もしっかりしてある。
遠くからの能力か、このクラスの中に能力者がいるか。
「多田君どうしたの!?」
ママが叫ぶと同時に私はプールに飛び込んでいた。
能力を解除してもおぼれて浮き上がる事の出来ない誠司郎を抱えて浮かび上がると、ママに手伝ってもらって上にあげる。
「誠司郎!?」
呼びかけても返事がない。
心臓マッサージと人工呼吸を必死に繰り返す。
溺れて心肺停止なんて状態は既存概念の中の出来事だ。
私の能力でどうすることも出来ない。
医学の知識があれば既存概念の上書きの能力でどうにかできたかもしれないけど。
誠司郎!と泣きそうになりながら必死に繰り返す。
ママは養護の先生を呼びに言っていた。
しばらくして「こほっ!」と水を少し吐き出して意識を取り戻した。
「誠司郎!よかった!」
私は誠司郎を抱きしめていた。
後で散々冷やかされた。
(2)
「うん、子供にしては見事な救命処置だったな」
医者はそう言って私の頭を撫でていた。
あの時躊躇っていたら私は自分を許せなくなる。
今でも自分を許せずにいた。
どんなに強大な力を持っていても大切な人一人守れない情けない自分が情けない。
アベルとヒルデ。
ただ二人の能力に拘束はない。
つまり第3者の能力者が現れたという事。
自分の能力を過信した結果だ。
イライラしてる時ほど危険な状態は無い。
常に冷静でいられるように努力しなさい。
じいじがいつも言っていた。
「あ、雪。誠司郎はどうなの?」
パオラ達がやってきた。
水奈と天音もいる。
「やったのはリブロースなのか!?もう面倒だからここらへんで決着つけてやろうぜ!」
天音がそう言っている。
私は水奈に抱き着いていた。
「ごめんなさい!私のせいで……!」
私にもっと力があれば……
「落ち着け雪。お前がいたから誠司郎は助かったって聞いたぞ」
水奈が優しく肩を抱いてくれた。
「でも、もっと早く気づいていたら……」
「いいか?雪が何を考えていようと誠司郎はお前に助けてもらえたんだ。それがどういう意味か分からないのか!?」
大切な彼女が自ら自分の命を救ってくれたんだ。
必死に助けてくれた人が私だった。
こんなにうれしいことは無い。
私がどういう風に受け止めようと誠司郎を救ったという事実は変わらない。
誠司郎にとって大切なのはそれだけだ。
私が守ってくれるとずっと信じている。
天音でさえ中学生の時に致命的なミスを冒した。
ミスは繰り返さなければいい。
私の気持ちなんて知った事じゃない。
だけど誠司郎は私を頼っている。
「私に……誠司郎を守る資格なんてあるのかな?」
「それを決めるのは私じゃないよ」
水奈がそう言った時看護師が病室から出て来た。
誠司郎の意識が戻った。
皆が部屋に入る。
誠司郎は起き上がってにこりと笑っていた。
「話は聞いたよ。ありがとな。雪」
「ごめん……」
「どうして謝るんだよ。助けてくれたんだろ」
やっぱり世界で一番頼りになる彼女だよ。
誠司郎はそう言った。
茉菜の優しい心が俺を支えてくれる。
もう心は触れ合っていたんだろう。
ただ俺の心は冷たいまま。
「それにしてもどこで習ったんだい?」
医者が聞いてきた。
忘れてた。
「誠司郎。雪は何をやらかしたんだ?」
水奈が不思議に思って聞いていた。
誠司郎は笑顔で返す。
「だから救命行動だよ」
心臓マッサージと人工呼吸……口づけをする。
今さら躊躇う行動じゃない。
「もう大丈夫だから帰ってもいいですよ。ただ、気を付けて。空から話は聞いているから」
医者がそう言うと俺達は家に帰る。
どうしたらいいか悩みながら次の日を迎えた。
翌日教室に入るとはすぐにアベル達の下に行く。
「何か用?」
アベルがそう言って笑みを浮かべる。
「絶対に許さない」
「許さないとどうなるの?」
「後悔しないでね」
同じ手は通用しない。
そしてお前は私を怒らせた。
今すぐ処分してもいいがそれじゃ私の気が済まない。
しっかり誠司郎の分を清算させて……殺してやる。
「楽しみにしているよ。ただ手を考えているのはSHだけじゃない。それは覚えていた方がいいよ」
「好きにしろ」
そう言って私は席に戻る。
すると誠司郎がやってきた。
「何を話していたんだ?」
「死刑宣告」
「ああ、やっぱあいつら殺すのか」
意外と普通に受け止めている誠司郎。
「僕さ、あれから家に帰って優奈達に言われたんだ」
雪の恋人と言うだけで危険があるなら結莉達に用意してもらいなよ。
多分あれだろ。
「誠司郎は何もしなくていいよ。結のエイリアスが守ってくれる」
「でもそのルプス達を束縛する奴らだろ?」
「そいつの事ならもう問題ない」
ルプス達だって馬鹿じゃない。
「やっぱり雪の彼氏でよかったよ」
「私の彼氏だから危険だとは思わないの?」
「それならなおさらだ。今更別れても変わらないだろ?」
それもそうだな。
「それより気になる事がいくつかあるんだけど」
「どうした?」
「なんで救命措置なんて面倒な事したんだ?」
私なら能力で否定できたんじゃないのか。
誠司郎に理由を説明した。
「意外と面倒なんだな」
そう、普通に生活している分では無力に等しい能力。
「ああ、逆の立場だったらよかったのにな」
「なんで?」
「雪の胸堂々と揉めたろ?」
誠司郎は心臓マッサージの方法をしらないのだろうか?
「そんな回りくどい事しないでさっさと揉んでよ」
そう言って私は笑っていた。
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