優等生と劣等生

和希

文字の大きさ
4 / 442
1stSEASON

次の日の朝

しおりを挟む
(1)

私は、ベッドの上で後悔していた。
勢いとはいえ随分大胆な行動にでてしまった。
しかも路上で。
冬夜君は呆然としていた。

「冬夜君の事、好きだから」

何度も言ってきたことだけど。

最初に告白したのは小学校最後のバレンタイン。
雨の中チョコレートを渡しに言った際にメモを入れておいた。
翌日風邪をひいてしまったが、見舞いに来てくれた。

「メモ……見てくれた?」

冬夜君は頷いた。

「それで?」
「うん」

こうして、私たちは付き合うことになった。
付き合ってるはずだった。
彼は嫌がってる様子はないし、好きだとも言ってくれた。
今更のこのこ現れた幼馴染に奪われるつもりはない。
そんな気持ちがこみあげてあんなことをしてしまった。
私軽い女ってみられたかなあ。
明日どんな顔して彼に会おう。
普通、普通がいいよね。
忘れてしまおう!
そう思って寝ることにした。

(2)

「冬夜君おはよう!」

いつも通りの朝だ。
違うことと言えば、いつもより30分早い事。

「早めに起こしてくれっていったじゃない」

よく覚えていたなぁ。
愛莉の様子はいつも通りだった。
昨日の事がなかったかのように。
逆に僕の方がどきどきしていた。

「着替えるから下で待ってて」
「はぁ~い」

そう言うと部屋を出る。
もうひと眠りしようか?
そう考えたけど、また来そうだから急いで着替えて準備して部屋を出る。
ダイニングには父さんが新聞を見ながらコーヒーをすすっていた。

「おお、冬夜。今日は珍しく早いな」
「起こされたんだよ」

答えながらいつもの席に座る。

「起きようと思えば起きれるのね」

いつも思うのだが、男の僕の部屋に女子が勝手に入ることを何とも思わないのだろうか?
ただの幼馴染ならともかく彼女だぞ。
そんな僕の疑問など知る由もなく母さんは、朝食を用意した、
隣には愛莉が座ってる。
いつもより機嫌がよさそうだ。
あ、昨日母さんに頼まれたこと話さなければ。

「愛莉話が……」
「先に準備済ませた方がいいんじゃない?」

ハッとして時計を見る。
時計は7時45分を指していた。
急いでご飯を食べると、仕度をする。
結局いつもと変わらない時間に家をでるのだった。

「朝ごはん食べれてよかったね」

呑気に話す愛莉。
僕は話を切り出した。

「あの話があるんだけど」
「なあに?」
「実は昨日母さんから聞いたんだけど、カンナ……音無さんのことだけど」

カンナの名前を口にした途端、嫌そうな顔をした。
それでも僕は話をつづけた。

「実は……」

僕は、母さんから聞いたことを愛莉に話した。
その反応はというと……。

「ふーん、それで?」
「それでって……」
「冬夜君はどうしたいの?私はどうしたらいいの?」
「それは……、とりあえずカンナと仲良くしてやって欲しい」
「あ、そういうことね。別にいいけど」

何か反応が微妙に冷たい。

「機嫌悪い?」

恐る恐る聞いてみた。

「別に?ただ友達になればいいんでしょ?」

あっさりと答える愛莉。
ただやっぱりいつもと様子が違う。

「カンナのこと、嫌い?」
「そんなことないよ。何か寂しそうな感じは感じてたし。それより……」

それより……?

「朝から音無さんの事ばっかだね!って」

妬いてるのか?

「そりゃ、昨日母さんから聞いた時はびっくりしたから。そんな事情があったなんて」
「まあ、そうだよね」

それから愛莉は何か考えていた。
そして僕にこう言った。

「優しくするのはいいけど、中途半端な優しさは音無さん余計に辛くなるだけだよ」
「どういう意味だよ?」
「そのまんまの意味よ。あ、学校についた」

それでこの話はお終いになった。
あまり他の人に聞かれたくない話だから。
学校についてからの愛莉は普通だった。
友達ににこやかに挨拶をしていた。
愛莉は一番後ろの席。
その二つ前が僕の席。
右隣がカンナの席なんだけど……。
カンナは学校に来てなかった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~

紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。 そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。 大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。 しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。 フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。 しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。 「あのときからずっと……お慕いしています」 かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。 ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。 「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、 シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」 あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。

王宮に薬を届けに行ったなら

佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。 カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。 この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。 慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。 弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。 「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」 驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。 「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」 ※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。

楠ノ木雫
恋愛
 蒸発した母の借金を擦り付けられた主人公瑠奈は、お見合い代行のアルバイトを受けた。だが、そのお見合い相手、矢野湊に借金の事を見破られ3ヶ月間恋人役を務めるアルバイトを提案された。瑠奈はその報酬に飛びついたが……

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...