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2ndSEASON
誤解
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(1)
「おっはよ~冬夜君」
「あと30分」
「却下」
嫌だ、外寒い、布団から出たくない。
ミノムシ状態になり断固として起きない意思を表明する。
「うぅ……そうくるか……。なら……」
そう言って愛莉は布団の上から抱き着いてきた。
「お、重い!」
「女子に向かってその言葉は禁句だよ……これでも気にしてるんだから」
「そういう意味じゃなくて」
「名付けて『北風と太陽作戦』!!どうだ出たくなったでしょう」
むしろ出られないんだが……。
まあ良い。そうくるならこっちにも考えがないわけでもない。
僕は布団ごと愛莉を振り払う。
「痛い!女の子に乱暴はだめでしょ!」
抗議する愛莉の上に布団ごとかぶさる僕。
「ちょ、ちょっと!!」
驚く愛莉。
「愛莉こそ出られなくなっただろう」
「……もう、こういうことは夜とか、”二人きり”の時にして!神奈が見てる」
ん?今なんて言った?
布団から顔を出しドアの方を見ると壁を背もたれにしてコンコンとドアを叩くカンナが。
「相変わらず朝から見せつけてくれるねえ」
「……おはようカンナ」
「おっす、はやくどいてやれよ。愛莉困ってるぞ」
「冬夜君早く着替えないと遅刻しちゃう」
そして2人は部屋から出る。
僕は着替えて、荷物を手に部屋を出た。
12月。
今年ももうすぐ終わる。
終わる前に色々と忙しい。
期末テストは終わったけど。
でも、今年もあっという間だったな。
「あ、冬夜君明日ちょっと付き合ってもらっていいかな?」
「いいけど、どうかしたのか?」
「う、うん。色々悩んだんだけどやっぱり二人で行った方がいいなと思って」
「わかった。何時頃だ」
「うん、明日また決める~」
そう言うと愛莉はにっこり笑った。
今日はクラスマッチ。
中学の時からだけど実はあんまり好きじゃない。
否応なしに目立ってしまうから。
今回もそうだ。
前回のプレーを焼き付けていた者がいたのか無理やりサッカーに推され。
……たまにはバスケットとかしてみたいじゃん。
「水田先生、バスケがしたいです」
と懇願してみたものの「お前はサッカーだろ」と一蹴された。
とはいうものの。毎回活躍できるわけじゃない。
前回のプレーを焼き付けていたのは味方だけじゃない、他クラスメートもだ。
「2番のプレーヤーマークな!!」
ああ、ぴったりくっつかれてるよ。
それも3人も。
これじゃやることないな。
まあ、毎回活躍する必要もないし適当にやるか。
あっちうろうろ、こちうろうろ。
毎回の事だ。
今日も何試合もしてグラウンドが荒れてる。
残り10分くらいのところ。同点だった。
今日最後の試合だ。
他の試合は終わったのだろうか?
愛莉とカンナが応援に来てる。
「トーヤしっかりしろ!ぼーっとしてんな!」
「冬夜君頑張って!」
そんな事言ったら……、ほらせっかくぼけーっとしていたのを見て外れていたマークマンが戻ってきちゃうじゃないか。
そんな事を考えながらスペースに走りこむ。
梅木君がパスを出す。
今日はパス出すコースないなぁ。
僕の目の前には二人のDF
後ろについてきてるだろう3人は前に二人いるのを確認して少し距離を置いてる。
他のパスコースを潰すつもりか。
そうこう考えている間にボールが足下に来た。
どうにかなるだろ……。
右足でボールを前に蹴る。
それと同時に僕も前に走る……ふりをした。
ドリブルすると思ったDF二人は後ろに下がる。
が、ボールは地面に着くと僕の方へと戻っていく。
再び僕との距離を詰める。
キーパーから僕の姿は完全に隠れた。
ボールは僕の右をすり抜けて後ろへ行く。
右足のかかとで蹴り上げる。
キーパーから見たら完全にボールは消えただろう……。
「左だぁ!!」
相手チームのDFが叫ぶ、自らも慌ててボールを追うが、途中で止めた。
ボールはゴールの上を飛ぶと思ったんだろう。
だが……。
キーパーは懸命に飛ぶ。
届かない。
極上の虹って称されたシュートがあるらしいが、さしずめ極小の架け橋程度だろ。
ゴールポストすれすれを通る弧を描いてボールは落下した。
ホイッスルが鳴る。
歓声が沸く。
この試合は1-0で勝った。
試合が終わりホッとするところに愛莉たちが飛びつく。
ちょっとまて、こんなに人がいる前でそれはないだろ!
だが、二人共そんな事はお構いない。
「やっぱスゲーよトーヤ!」
「やっぱりサッカーやったほうが良いんじゃない?」
さっきのプレーだけでへとへとだよ。
梅木君が近づいてきた。
「今からでも遅くないって、入部届だせよ!」
「60分もきついのに90分とか無理だよ」
「終盤10分だけでいいから!」
10分でどうにかなる試合なんてあるんだろうか?
「なんも取り柄がないような奴でもやっぱり取り柄あるんだな」
そう言って近づいてきたのは渡辺君だ。
「褒めたってなにも出ないよ」
「普通に凄いと思ってるんだけどな。ところで冬夜ちょっといいか?」
渡辺君が手招きする。
「何?」
渡辺君が僕の首にしっかりと腕を回してひそひそと話す。
「今日学校終わって時間あるか?」
「まあ、多少ならあると思うけど」
「じゃあ、カラオケ行かね?」
「別にいいけど、そんなに歌える曲ないからね」
「それは良いよ。大丈夫だから」
何が大丈夫なのか分からない。
皆が歌を歌って盛り上がっている中ひとりぽつんと座っている自分がとても大丈夫な事態には思えない。
「任せとけって、それより遠坂さんたちには内緒な?」
ぎくっ。
そういう類のものなのか?
「そういう話なら遠慮しとくよ……」
「偶には良いだろ?男同士の付き合いってのも大切だぜ」
ちょっと誤解されるぞ。その言い方は。
「1,2時間でいいから……な!!」
僕を拝むように頼む渡辺君。
まあ、少なからず世話にはなってるしいいか。
「分かった」
これが間違いの始まりだった。
(3)
「今日はちょっと用事あるから先に帰ってて」
愛莉にそう言って頭を下げる。
「用事って何?」
愛莉があからさまに怪しんでる。
「い、言っとくけど女子に呼び出されたとかそんなんじゃないから」
「うん……それなら信じるけど……」
嘘はついてない。
と、思ってた。
「うん……用事の内容は言えない事なの?」
愛莉は控えめに聞いた。
あまりしつこい女子は嫌われるとでも思ったのだろうか?
「愛莉が心配してるようなことは何もないよ、ただ友達に呼び出されただけ」
「友達って誰?」
「あ、それは……」
「冬夜、行こうぜ」
渡辺君が僕を呼んでいる。
「友達って渡辺君?」
「うん、勉強の時間には帰るから」
そう言って逃げるように渡辺君たちと学校を出た。
連れられたのは、近所のカラオケ屋さん。
部屋は予約していたようですたすたと中に入る。
そこで待ち受けていたのは。
クラスの女子数名と知らないけど同じ学校の女子だった。
いやいや、これはまずいだろ。
「ちょっと渡辺君聞いてないんだけど」
「いやさ、こいつらがクラスマッチ前回の時から見てたらしくてさ。一度話したいって言って聞かないんだよ」
「でも僕彼女いるし」
「だからばれないように来いって言ったんだよ」
そういう話ではないと思うんだけど。
「片桐君、こっち座ってよ」
「そら、いってこい」
言われるがままに座る僕。
「片桐君て地味だけど意外と顔はいいんだね」
「サッカーはいつからやってたの?」
「どうしてサッカー止めちゃったの?」
「ねーもったいないよね」
「クラスマッチだけだなんてもったいないよ」
ああ、サッカーファンなわけね。
「試合時間の90分間走りきる体力がないからかな?」
「え~。片桐君のプレイなら90分も走る理由ないよ」
「体力とかこれからつけたらいいじゃん」
「勉強する時間も必要だし」
「うーん、もったいないなあ」
同じクラスの子だったけど殆ど知らない、名前すら知らない子から言いたい放題言われる中何か臭ってきた。
渡辺君たちを見るとタバコを吸ってる。
※未成年の喫煙は禁じられています。
「渡辺君たちタバコ吸うの!?」
「うん?まあな」
「スポーツしないなら片桐君も一本吸ってみたら?」
「いや、いいよ。」
「本当に真面目な人なんだね」
どさくさに紛れて、腕を組む君。離しなさい。
彼女持ちだって知ってるだろ?
なんか香水の匂いがする。
「まあまあ、取りあえずなんか歌おうぜ」
そう言って渡辺君がデンモクを操作し始める。
「私あの人の歌歌いたい」
「片桐君ロミオの曲知ってる?」
ロミオ、名前だけは聞いたことあるな?
偶に歌番組を見ながら勉強していた時に
曲は知らないけど。
「ごめん、歌に興味ないんだ?」
「今日日の男子高生の生活じゃないよそれ?」
「ずっと遠坂さんに付き合って勉強してるの?」
「つまんなーい」
こんな展開なら僕も来なかったよ。
渡辺君たち男子3名と女子が4名。
それぞれが知らない歌を歌ってる。
愛想笑いをしながら手拍子をする僕。
うん、つまんないな。
なんか言い訳みつけて帰るか。
ふと時計を見る。
いつの間にか19時を回っている。
まずい!
「ごめん!用事あるからそろそろ帰るよ!」
「ちょ、ちょっと待てよ冬夜」
「あ、会計ね、取りあえずいくら払っておけばいいかな?」
「じゃあ、こんだけ」
言われた金額を払って逃げるように部屋を出る。
(4)
約束の時間を30分過ぎて冬夜君は帰ってきた。
私は冬夜君の部屋で先に勉強を始めていた。
それを見るや否や「ごめん!」と頭を下げる冬夜君。
ここで怒ったらまた昔の繰り返しだ。
「大丈夫だよ!ご飯食べてお風呂入ってきたら?」
「そうする」
そう言うと制服を脱ぎ捨てて部屋着に着替え部屋を飛び出す。
彼女だからって油断し過ぎだぞ。
今更恥ずかしいとかないけど、なんか寂しい。
制服だってちゃんとハンガーにかけないと皴になっちゃうぞ……あれ?
嗅いだことのない臭い。
一つはタバコの臭い。もう一つは……女性ものの香水の匂いだ。
冬夜君どこで何をしていたの?
女子と二人きりになるようなことじゃない。
渡辺君に誘われた。
そしてタバコの臭いと香水の匂い。
冬夜君あなたグレたの?
そんな人じゃないと思ってたんだけどな。
どたどたと階段を上ってくる音がする。
「着替え忘れてた!……?何やってんだ愛莉?」
「あ、制服片づけておこうと思って」
「あ、ありがとう」
そう言うと着替えを持ってお風呂に向かった。
普段通りの冬夜君だ。
何かの間違いだよね?
戻ってきたら聞いてみよう。
二人っきりの時間が流れる。
いつ聞こうか迷っていた。
いざ聞こうとすると怖い。
またあの時みたいな嫌な気分になるのが嫌だ。
怖かった。
「どうかしたのか?さっきからシャーペン回したばっかで」
「え?」
「なんか集中できてないぞ今日の愛莉」
「そ、そんなことないよ」
精一杯作り笑いをする。
「ならいいんだけどさ」
そう言って冬夜君は勉強にもどる。
緊張することなんてない。
普段通りに話せばいいんだ。
きっと何もない。
笑い話で済む。
思い切って聞いてみた。
「そう言えば今日どこに行ってたの?」
「……カラオケ」
その「……」は何ですか?
「誰と?」
「……渡辺君たちと」
たち?
「他に誰がいたの?」
「渡辺君の友達」
あたりさわりのない答えを繰り返す冬夜君。
「制服からタバコと香水の匂いがしたんだけど」
「ああ、渡辺君タバコ吸うんだね。びっくりしたよ」
香水の説明は?
「女性ものの香水の匂いが……」
「……何が言いたいの?」
冬夜君のペンが止まった。
明らかに機嫌が悪くなっていた。
何か隠してる。
それは確信に変わった。
話の核心をついてみる。
「女の人一緒だったでしょ?」
「渡辺君の友達、クラスメートの女子だよ、あと他のクラスの女子」
「女性の人一緒だったなんて聞いてないよ」
「連れていかれて気づいたんだよ!」
「何で一緒だったの?」
「なんかクラスマッチのサッカー見て話ししてみたかったんだって。浮いていたよ僕だけ一人」
そう言って笑う冬夜君。
「そんなことどうだっていい!どうして一言言ってくれなかったの!?」
「今聞かれたから答えたじゃん」
「聞かなかったら言わないつもりだったの!?」
「どうしたんだよ、急に?別に何もなかったって」
「タバコのにおいはともかく何で香水の匂いが染みついてるのよ」
「それは……」
「それは!?」
「愛莉には関係ない!」
「……私帰る!」
私は荷物をまとめ立ち上がる。
「ま、待て……話を聞けって」
「今関係ないって言ったの冬夜君だよ!」
「言い方が悪かった、でも本当に何もなかったんだって」
「じゃあ、香水の匂いはどう説明するの」
「そ、それは……」
ほら言えないじゃない!
「じゃ、帰る。またね」
「待てって愛莉……」
「離して!」
私は冬夜君を突き飛ばしていた。
「あれ?愛莉ちゃん今日は帰るの早いのね?」
「……お邪魔しました」
そう言って、冬夜君の家を出た。
家に帰って泣いていた。
無性にイライラしていた。
冬夜君に対してじゃない。
何もないって言ってる冬夜君を信じられない自分に対してだ。
どうしたらいい?
どうすれば良かった?
答えがみつからない。
私ってみんなが思ってるほど頭が良くないのかもしれない。
単純な答えすら見つけられずにいるのだから。
気がついたら神奈に電話していた。
今ならバイト終わってるはず。
「愛莉どうした?」
神奈に事情を説明した。
「トーヤの奴……、許せねーな」
話を聞き終えた神奈は一言そう言った。
「私どうしたらいい?」
「謝ってくるまで放っておけば良いんじゃね?」
「でも明日誕生日だし」
「……そもそも愛莉はどうしたいんだ?」
「冬夜君は何もしてないと思う。約束したし。でも冬夜君の態度にイラッときて」
「じゃあ、明日もう一度話せよ。今度は話してくれるかもしれない。いつもそうだったろ?あいつ切羽つまらないと本当の事話さないところあるだろ?」
「うん、そうだね」
「私からも聞いてやるよ。心配するなって」
「うん」
「じゃあな」
そう言って神奈は電話を切った。
明日になったらまた電話しよう。
電話……あ!
明日の事メッセージ送っておかないと
……明日話せばいいかな?
でも……明日笑って話ができるかな?
とりあえずメッセージだけでも……。
「明日駅ビル前で。18時に」
送信する。
すぐに返事が返ってきた。
「わかった」
それだけですか?
ちょっとだけムカッときてたらもう一通メッセージが。
「そのとき話するからちゃんと聞いて欲しい」
「今話せないの?」
「今愛莉冷静じゃないだろ?落ち着いて話がしたい」
「……わかった」
その晩私は眠れなかった。
(5)
やってしまった。
香水の匂いには気がつかなかった。
でも少しは信用してくれたっていいじゃないか。
……無理か。
本当の事を話すべきなのかどうか?
いや、こうなったら話すしかないだろう?
納得してもらえるだろうか?
なんかうまい言い訳ないかな?
……カンナバイト終わってるかな?
カンナに電話していた。
「どうしたトーヤ?」
「いや、実はさ……」
カンナに事情を説明した。
「この馬鹿!!なんですぐ事情を愛莉に話さなかったんだ!?」
カンナに怒鳴られた。
「友達に誘われてカラオケに行ったら女子が何人かいました。腕を組まれました……。って説明できるか?」
言ってて「どう考えても浮気だよな」って気がしてきた。
愛莉ならまた別れるって言いだすかもしれない。
「だからってこのまま黙ってたって終わりだぞ!」
確かに。
「愛莉の事信じてやれよ……。ちゃんと分ってくれるって」
「……わかったよ。明日話す」
「今から話せよ」
「今話したって愛莉頭に血が上ってるだろ。それこそ破滅だよ」
「……絶対明日話せよ」
「分かった」
「じゃあな」
電話が切れた。
落ち着いてから話す。
多分選択は間違ってないと思う。
何も悪いことしてないんだ。
愛莉、信じていいよな?
分ってくれるって……。
「おっはよ~冬夜君」
「あと30分」
「却下」
嫌だ、外寒い、布団から出たくない。
ミノムシ状態になり断固として起きない意思を表明する。
「うぅ……そうくるか……。なら……」
そう言って愛莉は布団の上から抱き着いてきた。
「お、重い!」
「女子に向かってその言葉は禁句だよ……これでも気にしてるんだから」
「そういう意味じゃなくて」
「名付けて『北風と太陽作戦』!!どうだ出たくなったでしょう」
むしろ出られないんだが……。
まあ良い。そうくるならこっちにも考えがないわけでもない。
僕は布団ごと愛莉を振り払う。
「痛い!女の子に乱暴はだめでしょ!」
抗議する愛莉の上に布団ごとかぶさる僕。
「ちょ、ちょっと!!」
驚く愛莉。
「愛莉こそ出られなくなっただろう」
「……もう、こういうことは夜とか、”二人きり”の時にして!神奈が見てる」
ん?今なんて言った?
布団から顔を出しドアの方を見ると壁を背もたれにしてコンコンとドアを叩くカンナが。
「相変わらず朝から見せつけてくれるねえ」
「……おはようカンナ」
「おっす、はやくどいてやれよ。愛莉困ってるぞ」
「冬夜君早く着替えないと遅刻しちゃう」
そして2人は部屋から出る。
僕は着替えて、荷物を手に部屋を出た。
12月。
今年ももうすぐ終わる。
終わる前に色々と忙しい。
期末テストは終わったけど。
でも、今年もあっという間だったな。
「あ、冬夜君明日ちょっと付き合ってもらっていいかな?」
「いいけど、どうかしたのか?」
「う、うん。色々悩んだんだけどやっぱり二人で行った方がいいなと思って」
「わかった。何時頃だ」
「うん、明日また決める~」
そう言うと愛莉はにっこり笑った。
今日はクラスマッチ。
中学の時からだけど実はあんまり好きじゃない。
否応なしに目立ってしまうから。
今回もそうだ。
前回のプレーを焼き付けていた者がいたのか無理やりサッカーに推され。
……たまにはバスケットとかしてみたいじゃん。
「水田先生、バスケがしたいです」
と懇願してみたものの「お前はサッカーだろ」と一蹴された。
とはいうものの。毎回活躍できるわけじゃない。
前回のプレーを焼き付けていたのは味方だけじゃない、他クラスメートもだ。
「2番のプレーヤーマークな!!」
ああ、ぴったりくっつかれてるよ。
それも3人も。
これじゃやることないな。
まあ、毎回活躍する必要もないし適当にやるか。
あっちうろうろ、こちうろうろ。
毎回の事だ。
今日も何試合もしてグラウンドが荒れてる。
残り10分くらいのところ。同点だった。
今日最後の試合だ。
他の試合は終わったのだろうか?
愛莉とカンナが応援に来てる。
「トーヤしっかりしろ!ぼーっとしてんな!」
「冬夜君頑張って!」
そんな事言ったら……、ほらせっかくぼけーっとしていたのを見て外れていたマークマンが戻ってきちゃうじゃないか。
そんな事を考えながらスペースに走りこむ。
梅木君がパスを出す。
今日はパス出すコースないなぁ。
僕の目の前には二人のDF
後ろについてきてるだろう3人は前に二人いるのを確認して少し距離を置いてる。
他のパスコースを潰すつもりか。
そうこう考えている間にボールが足下に来た。
どうにかなるだろ……。
右足でボールを前に蹴る。
それと同時に僕も前に走る……ふりをした。
ドリブルすると思ったDF二人は後ろに下がる。
が、ボールは地面に着くと僕の方へと戻っていく。
再び僕との距離を詰める。
キーパーから僕の姿は完全に隠れた。
ボールは僕の右をすり抜けて後ろへ行く。
右足のかかとで蹴り上げる。
キーパーから見たら完全にボールは消えただろう……。
「左だぁ!!」
相手チームのDFが叫ぶ、自らも慌ててボールを追うが、途中で止めた。
ボールはゴールの上を飛ぶと思ったんだろう。
だが……。
キーパーは懸命に飛ぶ。
届かない。
極上の虹って称されたシュートがあるらしいが、さしずめ極小の架け橋程度だろ。
ゴールポストすれすれを通る弧を描いてボールは落下した。
ホイッスルが鳴る。
歓声が沸く。
この試合は1-0で勝った。
試合が終わりホッとするところに愛莉たちが飛びつく。
ちょっとまて、こんなに人がいる前でそれはないだろ!
だが、二人共そんな事はお構いない。
「やっぱスゲーよトーヤ!」
「やっぱりサッカーやったほうが良いんじゃない?」
さっきのプレーだけでへとへとだよ。
梅木君が近づいてきた。
「今からでも遅くないって、入部届だせよ!」
「60分もきついのに90分とか無理だよ」
「終盤10分だけでいいから!」
10分でどうにかなる試合なんてあるんだろうか?
「なんも取り柄がないような奴でもやっぱり取り柄あるんだな」
そう言って近づいてきたのは渡辺君だ。
「褒めたってなにも出ないよ」
「普通に凄いと思ってるんだけどな。ところで冬夜ちょっといいか?」
渡辺君が手招きする。
「何?」
渡辺君が僕の首にしっかりと腕を回してひそひそと話す。
「今日学校終わって時間あるか?」
「まあ、多少ならあると思うけど」
「じゃあ、カラオケ行かね?」
「別にいいけど、そんなに歌える曲ないからね」
「それは良いよ。大丈夫だから」
何が大丈夫なのか分からない。
皆が歌を歌って盛り上がっている中ひとりぽつんと座っている自分がとても大丈夫な事態には思えない。
「任せとけって、それより遠坂さんたちには内緒な?」
ぎくっ。
そういう類のものなのか?
「そういう話なら遠慮しとくよ……」
「偶には良いだろ?男同士の付き合いってのも大切だぜ」
ちょっと誤解されるぞ。その言い方は。
「1,2時間でいいから……な!!」
僕を拝むように頼む渡辺君。
まあ、少なからず世話にはなってるしいいか。
「分かった」
これが間違いの始まりだった。
(3)
「今日はちょっと用事あるから先に帰ってて」
愛莉にそう言って頭を下げる。
「用事って何?」
愛莉があからさまに怪しんでる。
「い、言っとくけど女子に呼び出されたとかそんなんじゃないから」
「うん……それなら信じるけど……」
嘘はついてない。
と、思ってた。
「うん……用事の内容は言えない事なの?」
愛莉は控えめに聞いた。
あまりしつこい女子は嫌われるとでも思ったのだろうか?
「愛莉が心配してるようなことは何もないよ、ただ友達に呼び出されただけ」
「友達って誰?」
「あ、それは……」
「冬夜、行こうぜ」
渡辺君が僕を呼んでいる。
「友達って渡辺君?」
「うん、勉強の時間には帰るから」
そう言って逃げるように渡辺君たちと学校を出た。
連れられたのは、近所のカラオケ屋さん。
部屋は予約していたようですたすたと中に入る。
そこで待ち受けていたのは。
クラスの女子数名と知らないけど同じ学校の女子だった。
いやいや、これはまずいだろ。
「ちょっと渡辺君聞いてないんだけど」
「いやさ、こいつらがクラスマッチ前回の時から見てたらしくてさ。一度話したいって言って聞かないんだよ」
「でも僕彼女いるし」
「だからばれないように来いって言ったんだよ」
そういう話ではないと思うんだけど。
「片桐君、こっち座ってよ」
「そら、いってこい」
言われるがままに座る僕。
「片桐君て地味だけど意外と顔はいいんだね」
「サッカーはいつからやってたの?」
「どうしてサッカー止めちゃったの?」
「ねーもったいないよね」
「クラスマッチだけだなんてもったいないよ」
ああ、サッカーファンなわけね。
「試合時間の90分間走りきる体力がないからかな?」
「え~。片桐君のプレイなら90分も走る理由ないよ」
「体力とかこれからつけたらいいじゃん」
「勉強する時間も必要だし」
「うーん、もったいないなあ」
同じクラスの子だったけど殆ど知らない、名前すら知らない子から言いたい放題言われる中何か臭ってきた。
渡辺君たちを見るとタバコを吸ってる。
※未成年の喫煙は禁じられています。
「渡辺君たちタバコ吸うの!?」
「うん?まあな」
「スポーツしないなら片桐君も一本吸ってみたら?」
「いや、いいよ。」
「本当に真面目な人なんだね」
どさくさに紛れて、腕を組む君。離しなさい。
彼女持ちだって知ってるだろ?
なんか香水の匂いがする。
「まあまあ、取りあえずなんか歌おうぜ」
そう言って渡辺君がデンモクを操作し始める。
「私あの人の歌歌いたい」
「片桐君ロミオの曲知ってる?」
ロミオ、名前だけは聞いたことあるな?
偶に歌番組を見ながら勉強していた時に
曲は知らないけど。
「ごめん、歌に興味ないんだ?」
「今日日の男子高生の生活じゃないよそれ?」
「ずっと遠坂さんに付き合って勉強してるの?」
「つまんなーい」
こんな展開なら僕も来なかったよ。
渡辺君たち男子3名と女子が4名。
それぞれが知らない歌を歌ってる。
愛想笑いをしながら手拍子をする僕。
うん、つまんないな。
なんか言い訳みつけて帰るか。
ふと時計を見る。
いつの間にか19時を回っている。
まずい!
「ごめん!用事あるからそろそろ帰るよ!」
「ちょ、ちょっと待てよ冬夜」
「あ、会計ね、取りあえずいくら払っておけばいいかな?」
「じゃあ、こんだけ」
言われた金額を払って逃げるように部屋を出る。
(4)
約束の時間を30分過ぎて冬夜君は帰ってきた。
私は冬夜君の部屋で先に勉強を始めていた。
それを見るや否や「ごめん!」と頭を下げる冬夜君。
ここで怒ったらまた昔の繰り返しだ。
「大丈夫だよ!ご飯食べてお風呂入ってきたら?」
「そうする」
そう言うと制服を脱ぎ捨てて部屋着に着替え部屋を飛び出す。
彼女だからって油断し過ぎだぞ。
今更恥ずかしいとかないけど、なんか寂しい。
制服だってちゃんとハンガーにかけないと皴になっちゃうぞ……あれ?
嗅いだことのない臭い。
一つはタバコの臭い。もう一つは……女性ものの香水の匂いだ。
冬夜君どこで何をしていたの?
女子と二人きりになるようなことじゃない。
渡辺君に誘われた。
そしてタバコの臭いと香水の匂い。
冬夜君あなたグレたの?
そんな人じゃないと思ってたんだけどな。
どたどたと階段を上ってくる音がする。
「着替え忘れてた!……?何やってんだ愛莉?」
「あ、制服片づけておこうと思って」
「あ、ありがとう」
そう言うと着替えを持ってお風呂に向かった。
普段通りの冬夜君だ。
何かの間違いだよね?
戻ってきたら聞いてみよう。
二人っきりの時間が流れる。
いつ聞こうか迷っていた。
いざ聞こうとすると怖い。
またあの時みたいな嫌な気分になるのが嫌だ。
怖かった。
「どうかしたのか?さっきからシャーペン回したばっかで」
「え?」
「なんか集中できてないぞ今日の愛莉」
「そ、そんなことないよ」
精一杯作り笑いをする。
「ならいいんだけどさ」
そう言って冬夜君は勉強にもどる。
緊張することなんてない。
普段通りに話せばいいんだ。
きっと何もない。
笑い話で済む。
思い切って聞いてみた。
「そう言えば今日どこに行ってたの?」
「……カラオケ」
その「……」は何ですか?
「誰と?」
「……渡辺君たちと」
たち?
「他に誰がいたの?」
「渡辺君の友達」
あたりさわりのない答えを繰り返す冬夜君。
「制服からタバコと香水の匂いがしたんだけど」
「ああ、渡辺君タバコ吸うんだね。びっくりしたよ」
香水の説明は?
「女性ものの香水の匂いが……」
「……何が言いたいの?」
冬夜君のペンが止まった。
明らかに機嫌が悪くなっていた。
何か隠してる。
それは確信に変わった。
話の核心をついてみる。
「女の人一緒だったでしょ?」
「渡辺君の友達、クラスメートの女子だよ、あと他のクラスの女子」
「女性の人一緒だったなんて聞いてないよ」
「連れていかれて気づいたんだよ!」
「何で一緒だったの?」
「なんかクラスマッチのサッカー見て話ししてみたかったんだって。浮いていたよ僕だけ一人」
そう言って笑う冬夜君。
「そんなことどうだっていい!どうして一言言ってくれなかったの!?」
「今聞かれたから答えたじゃん」
「聞かなかったら言わないつもりだったの!?」
「どうしたんだよ、急に?別に何もなかったって」
「タバコのにおいはともかく何で香水の匂いが染みついてるのよ」
「それは……」
「それは!?」
「愛莉には関係ない!」
「……私帰る!」
私は荷物をまとめ立ち上がる。
「ま、待て……話を聞けって」
「今関係ないって言ったの冬夜君だよ!」
「言い方が悪かった、でも本当に何もなかったんだって」
「じゃあ、香水の匂いはどう説明するの」
「そ、それは……」
ほら言えないじゃない!
「じゃ、帰る。またね」
「待てって愛莉……」
「離して!」
私は冬夜君を突き飛ばしていた。
「あれ?愛莉ちゃん今日は帰るの早いのね?」
「……お邪魔しました」
そう言って、冬夜君の家を出た。
家に帰って泣いていた。
無性にイライラしていた。
冬夜君に対してじゃない。
何もないって言ってる冬夜君を信じられない自分に対してだ。
どうしたらいい?
どうすれば良かった?
答えがみつからない。
私ってみんなが思ってるほど頭が良くないのかもしれない。
単純な答えすら見つけられずにいるのだから。
気がついたら神奈に電話していた。
今ならバイト終わってるはず。
「愛莉どうした?」
神奈に事情を説明した。
「トーヤの奴……、許せねーな」
話を聞き終えた神奈は一言そう言った。
「私どうしたらいい?」
「謝ってくるまで放っておけば良いんじゃね?」
「でも明日誕生日だし」
「……そもそも愛莉はどうしたいんだ?」
「冬夜君は何もしてないと思う。約束したし。でも冬夜君の態度にイラッときて」
「じゃあ、明日もう一度話せよ。今度は話してくれるかもしれない。いつもそうだったろ?あいつ切羽つまらないと本当の事話さないところあるだろ?」
「うん、そうだね」
「私からも聞いてやるよ。心配するなって」
「うん」
「じゃあな」
そう言って神奈は電話を切った。
明日になったらまた電話しよう。
電話……あ!
明日の事メッセージ送っておかないと
……明日話せばいいかな?
でも……明日笑って話ができるかな?
とりあえずメッセージだけでも……。
「明日駅ビル前で。18時に」
送信する。
すぐに返事が返ってきた。
「わかった」
それだけですか?
ちょっとだけムカッときてたらもう一通メッセージが。
「そのとき話するからちゃんと聞いて欲しい」
「今話せないの?」
「今愛莉冷静じゃないだろ?落ち着いて話がしたい」
「……わかった」
その晩私は眠れなかった。
(5)
やってしまった。
香水の匂いには気がつかなかった。
でも少しは信用してくれたっていいじゃないか。
……無理か。
本当の事を話すべきなのかどうか?
いや、こうなったら話すしかないだろう?
納得してもらえるだろうか?
なんかうまい言い訳ないかな?
……カンナバイト終わってるかな?
カンナに電話していた。
「どうしたトーヤ?」
「いや、実はさ……」
カンナに事情を説明した。
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カンナに怒鳴られた。
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「分かった」
「じゃあな」
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何も悪いことしてないんだ。
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