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3rdSEASON
蒼い空
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(1)
「冬夜君おはよう~」
愛莉が呼んでる。
時計を見た、まだ7時だ……。
今日は休みだ。
「もう少し寝かせて……」
「せっかく朝ごはん作ったのに冷めちゃうよ~」
うん、起きよう。
ご飯に失礼があってはいけない。
僕は素直に身を起こす。
「やっぱりご飯って言うとすぐ起きるね」
愛莉は笑っている。
僕は愛莉と一緒に部屋を出た。
「あら?冬夜。今日は休みなのに早いわね」
母さんが驚いてる。
「冬夜君、『ご飯』っていうとすぐ起きるんですよ」と、愛莉が笑顔で言う。
「あんたは、彼女に起こしてもらうよりもご飯で起きる方が重要なのかい」と、母さんが呆れた顔で言ってる。
ちらりと朝食を見る、今日のトーストはイチゴジャムか。
ま、なんでもいいけどね。
「冬夜君エフピーエスの血ってジャムって言うんだよね」
「?」
「それを聞いても食べられるかな?」
ああ、ジャムにしたのは愛莉の仕業か。
僕は気にも止めずにトーストを食べる。
「え?」と言った顔をしてる愛莉。
「美味しいね、このジャム愛莉の手作り?」
「良く分かったね~」
驚く愛莉。
そりゃわかるだろ、市販と手作りの差くらいわかるよ。
僕の事味音痴と思ってた?
「愛莉の手作りジャムを血だとは思わないよ……!?」
愛莉は僕に抱き着く。
「ご飯の途中だから……」と、頭を撫でてやる。
「冬夜君が朝から優しい~♪」とはしゃぐ愛莉。
「朝からお熱い事」と笑ってる母さん。
ご飯が食べ終わった。さて寝よう。
ぽかっ
「ご飯を食べたらすぐ寝るなんて、ぐうたら亭主もいいところだね」
「明日からまた忙しいんだからいいだろ?」
ゆっくりする暇が無いほど予定を組んである。
本当は木金だけ渡辺班でお泊り会する予定だったから土日は休めると思ったんだけど……。
昨日の夜の事だった。
「冬夜、土日は何するつもりなんだ?」
父さんが聞いてくる。
「何って、特に何も予定ないけど」
休み明けの学校に備えて寝るくらいか?
「お前の口座確認したんだけど殆ど使ってないじゃないか」
そりゃあれだけ入ってたら全額使えるわけないよ。
「どこか泊りに行ってこい、これは愛莉ちゃんの為だ」
「愛莉がそんなにお金使えないって言ってるんだよ」
「家でゆっくりしてるだけでも幸せですよ~」
愛莉が言う。
「でも愛莉ちゃん家にいると家事の手伝いするだろ?それじゃ何のための休みか分からないじゃない。少しは休んでおいで」
「じゃあ、お言葉に甘えて。香川にでも行こうか?冬夜君」
「香川!?」
「讃岐うどん食べたいんでしょ?香川なら一泊二日で余裕でしょ?何なら電車で行っても良いし……」
「運転するよ。周南コンビナート見たいし」
「ちゃんと高速使いなさいよ!」
「わかったよ」
関門大橋も渡ってみたいしね。
でもトンネルも捨てがたいな。
帰りはのんびり帰るか。
てなことがあって、土日も旅行になったんだよね。
だから今日は家でまったり寝てよって思ったんだけど、目の前のお嫁さん候補は許してくれず。自分のノートPCを開いて起動する。
「どうしたの?」
「ほら、熊本言った時言ったでしょ?小遣い帳付けようって。使い方教えてくれるって言ったよ~」
ああ、そうだったね。
愛莉の横に座る。
「いいか、まず……」
愛莉は僕が言った通りに操作しながら、財布からレシート等を取り出す。
結構たまってるなぁ。
基本操作から、基礎的な関数・コマンド等の使い方を教えていく。
愛莉はそれを聞きながら、出費の額を入力して表をを作っていく。
収入は僕が引き落としした、額を教えていく。
それとは別のシートに、カードを使った額を計算していく。
そして最後にグラフを作る。
驚いた。食費と宿泊費が同じくらいだ。
次いで、ガソリン代が来てる。
多分、オイル代とか入れたらもっといくだろうな。
「泊るところ考えた方がいいかもね」
愛莉はグラフを見ながらそう呟いた。
とはいえ大体のところが親が手配したところだしなぁ。
愛莉はネットブラウザを開いて宿を検索する。
「うーん、素泊まりだと安いね」
「それだと飲食費が加算されるから一緒なんじゃないか?」
「だよねえ……」
旅行行ってファミレスは無いだろ流石に。
ダブル・ツインとなるとさすがに値が張るらしいが、「一緒じゃなきゃイヤ!」と愛莉が駄々をこねる。
「あ、讃岐うどんて意外と安いよ?」
愛莉が有名うどん店の値段を見ていった。
まあ、うどんだしな……。
問題は……。
「香川まで行く交通費だろ?」
確か瀬戸大橋渡るだけで結構するはずだぞ。
「う~ん、やっぱり行楽シーズンはお金使うんだね。他で節約しないとだね」
まあ、そうなるだろうな。
「よし、これから毎日つけて月毎にグラフつけていこうよ」
愛莉はやる気だ。まあ、そのくらいならいいか。僕もどのくらい使ってるのか興味ある。
「これレポートで出せたらいいのになぁ~」
我が家の家計を暴露するレポートを公表してどうする?
さてこれで暇になったし寝れる。
ぽかっ。
だめだった。
「勉強と私のお願い聞いてくれるのどっちがいい?」
愛莉は笑っている。
「愛莉のお願いって?」
「どっちがいい?」
愛莉はにっこり笑っている。
ここはお願いを聞いた方がいいんだろうな。
「お願いを聞こうじゃないか」
「してみたい事が二つあるの」
「いいよ、言ってごらん」
「じゃあまずは……」
(2)
僕達はホームセンターのカー用品のコーナーにいた。
「えーとスポンジと、タオルと、ワックスとシャンプーと……」
愛莉のお願いその1。
車の洗車と整備。
初めて見た気がする。愛莉のジーパン姿。
必要な物を買って、ついでにそれを収納するカゴを買ってあと芳香剤を買う。
その後SSの洗車コーナーに行って洗車を始める。
蒼い空の下一生懸命に吹き上げてる愛莉。
車の中の清掃までしてくれた。
「車さんいつもありがとうね?今日はピカピカにしてあげるね」と、愛莉は呟く。
ついでだから点検もしておくかな。
前回と同じ通りに一つずつ検査していく。
タイヤがすり減ってきてる。
まずいかなぁ。
最近無茶してるからなぁ。
その話はまた後日。
ガソリンも減っていたしついでに入れてもらうか。
「レギュラー満タンで、ついでにタイヤの圧を……」
「お客さん水抜き剤入れてますか?」
「あ、いいです。自分で入れてるんで」
「そうですか」
そう言ってガソリンを入れてもらい、タイヤの空気圧も確かめてもらう。
「ありがとうございました」
ピカピカになった車をを走らせる。
「あと一つだよね?どこに行きたいの?」
「サッカー場近くのショッピングモール」
「ショッピングモール!?」
「一度も言ことないから……、車あるなら行ってみたいじゃない」
「いいよ」
そしてピカピカになった車を走らせた。
(3)
こっからだと米良バイパス使うのが早いだろうな。
10号線から米良バイパスに入ると、197バイパスに入る。
そして、駐車場付近で予想通りに混んでいた。
随分とショッピングモールから離れた場所に誘導された。
「愛莉、歩けるか?」
「うん、平気」
愛莉は、そう言って僕の右につき、しっかりと右腕を握る。
ショッピングモールに着くとまず靴屋さんに向かった。
愛莉のスニーカーを買いに。
うーん、どれがいいかな。
靴の種類は決めたらしいのだが、色が決まらないらしい。
こういう時アドバイスしてやるべきなのかどうか……。
「冬夜君、どっちの色が良いと思う?」
愛莉は白色の服装が多い。
愛莉の選んだのは、白とグレー。
「……グレーかな」
全身白っていうのは、あまりよろしくないらしい。
3色使えって何かに書いてたっけ?
因みに愛莉は上に羽織る物は黒とかが多い。
「じゃあ、こっちにする」
そう言って厚底のカジュアルシューズを手に取ってレジに並んだ。
靴を買うとまず腹ごしらえ。
ファストフード店があったので、そこに向かった。
「僕注文しとくから愛莉席確保しておいて。」
そう言って愛莉を休ませてやる。
しかし愛莉は、僕から離れない。
「そう言って沢山注文しようって思ってるんだろうけどそうはいかないんですからね!」
「いつも通りの注文だよ。いいから財布」
「うぅ、私もちょっとお腹空いたし新作バーガーも気になるし……」
「じゃあ、頼んでおいてやるから」
「冬夜君は私と並んでるのが嫌なの?」
「そんなこと無いけど席確保しておきたいだろ?」
「どのみち今埋まってるよ」
余りごねると愛莉が拗ねだす。
ここは僕が折れよう。
順番が回ってきた。注文を選ぶ。
「でっかいバーガーと、ダブチーとフィレオフィッシュとコーラとセットはポテトであとナゲットも」
「私この新作バーガーとアップルパイとブルーハワイで」
店員はすぐに注文した品物をトレーに置くと金額を告げる。
愛莉は財布からお金を出す。
「ありがとうございました」
僕はトレーを手に取ると、席を探す。
一か所開いてた。
そこに向かうと席につく、
愛莉のハンバーガーも美味しそうだな。
そう思いながら見てると愛莉が視線に気がついたようだ。
「一口食べる?」
「いや、いいよ」
「遠慮しないでどうぞ」
そう言って愛莉はハンバーガーを差し出す。
僕はかぶりついてた。
「美味しい」
僕は迷うことなく再び並ぼうとしてたね。
「そんなに欲しいならあげるから!」
それは流石に気が引ける。
「こっちも飲んでみる?美味しいよ」
そういって青い液体の入った容器を僕に渡す。
一口いただきます。
かき氷のそれと一緒だな。
甘い。
コーラほどじゃないけど。
「このあとどうする?」
愛莉に質問していた。
「うーん、映画も良いかなと思ったんだけど……」
けど?
「冬夜君、洋服選びに付き合ってもらえませんか?」
愛莉は自分ひとりで買いに行くものだと思ってたけど。
「夢なんだよね。恋人と一緒に服を選ぶって。冬夜君決断力あるし悩まなくて済むかなって。あ、恋人じゃなくて婚約者だった」
「あんまり服のセンス自信ないぞ?」
「二択くらいはできるでしょ?そこまでは自分で決めるから」
「まあ、それならいいけど……」
どこのショッピングモールそうだけど、いくつか店が入ってる。
そして大体がレディースだ。
いくつもあるから迷うわけで。あっち行っては悩みこっちに行っては悩む。
「こうして悩むのもショッピングの楽しみの一つなんだよ」と、愛莉は言う。
探している間も、時間は過ぎていく。
同じ店を何度も往復する愛莉。
何を悩んでるのかな?
あからさまにめんどくさいって態度は良くないってネットに書いてたな。
まず愛莉が何を買おうとしてるのか考えてみた。
……。
ああ、なるほどね。
この前みたいな、アウトドアな日に選ぶコーディネートが欲しいわけね
それなら……。
「愛莉はどっちのお店が気になってるの?」
「え?んとー……あっちのお店かな?」
「こっちのお店には何があるの?」
トップスはこっちのお店、ワイドパンツは向こうのお店が良いらしい。
ただその組み合わせに自信が無いらしい。
「シャツはどれが良いの?」
「んとー、これかな?」
「もう何枚か買いなよ」
「どれがいいのかなぁ~」
ワイドパンツと言われたら想像がつく。愛莉が見てた黒いあれだな。
それなら……。
「これなんていいんじゃない?」
ブランドのロゴをあしらった、しろいTシャツを選んだ。
これからの季節には良いだろ?
「それ私も気になってたんだ。やっぱり冬夜君私といると勘が冴えるね」
愛莉はその服と自分が気になってた服を取りレジに並ぶ。
買い物が終わると次はボトムスだ。
店を移り、気になっていたというワイドパンツを手にする。
思った通りの物だった。
「大丈夫だよ。似合ってる」
「じゃあ、これ買ってくるね」
そういって。愛莉はワイドパンツを手にレジに並ぶ。
「裾上げしますか?」
「時間かかりますか?」
「2,30分くらいですかね」
「うぅ……」
愛莉は心配そうに僕を見る。
「大丈夫だよ、適当に時間潰してよ?」
「うん」
そう言って裾を採寸してもらうと、裾上げしてる間時間を潰すことにした。
「バッグでも選んでいくか?」
「うーん、それもいいんだけど……アイスクリーム食べない?」
「いいよ」
そう言って中央広場にあるアイスクリーム屋さんに行った。
「クリームソーダと杏仁豆腐をダブルで」
「ロックンボールチョコレートを一つ」
女性はスイーツは別腹って言うけど本当なんだな。
ダブルのアイスをぺろりと食べる愛莉。
まだ時間はある。
「どうする?バッグ選ぶ?」
「パンツが出来てからでいいよ。それよりコーヒー屋さん……」
はしごですか!
僕は歓迎ですよ
「コーヒー豆を売ってる店があるの。そこにいこ?」
豆は食えないよ……。
そのお店はコーヒー豆をはじめ世界各国の珍しい食材やお菓子、ワイン、チーズ、スパイス等が所狭しと並んでいる。
「冬夜君はどの豆が好きなの?」
「あまり豆は拘ったこと無いな」
「そっかぁ……私もあまりコーヒー苦手だしな~」
知ってる豆も少ない。ブルーマウンテン・エメラルドマウンテン・モカ・マンデリンくらいだ。
実を言うと味もそんなに変わらないと思ってる。
「こういう時はあれだね『餅は餅屋』すいませ~ん」
愛莉は店員を呼ぶ、
「どういたしました?」
「お勧めのブレンドが欲しいんですけど」
「それでしたらこちらになりますね」
当店オリジナルのブレンドコーヒーと書いたものがあった。
「ありがとうございます」
愛莉は礼を言うとそれをかごに入れる。
「あとはスパイスだね」
そう言って愛莉はスパイスを数種類手にとっては確かめてかごに入れる。
「今度料理に使おうと思って」
そうやってコーヒーとスパイスを持ってレジに並ぶ。
荷物を持たされるのは当然僕。
「そろそろできてるかな~」
そういって裾上げをしてもらっている店に足を運ぶ。
「できてますよ」
そう言って品物を受け取る愛莉。
後はバッグだね。
女性って常にバッグ持ち歩いてるもんね。
しかも服のコーディネートに合わせて数種類もってるもんね。
小物のお店に行ってバッグを選ぶ。
因みに愛莉は、ブランド物には興味が無い。
それなりに値が張るけど、見た目で直感的に買う。
外国ブランドのバッグでも誕生日プレゼントに買ってあげるかな?
そんな事を考えている間に愛莉はバッグを選んでいた。
随分あっさり選んだな。
「冬夜君気づかなかったんだ。私服を選んでる時にバッグは大体目星つけてたんだよね」
ああ、それでバッグは後回しだったね。
「そろそろ帰ろっか?」
腕時計を見る。
そろそろ時間的にもいいな。
「愛莉ここまで来たんだし、食べたいものあるんだけどいいかな?」
「ここしかないの?」
「ここでしか知らない」
「それならいいよ」
僕が選んだお店はハンバーグのお店。
鹿児島産黒毛和牛と黒豚挽肉を使用した、ジューシーな焼き上げと旨味たっぷりな肉汁のこだわりハンバーグが売りの店。
僕はハンバーグを、愛莉はパスタを選んでいた。
僕は意気揚々と席を立つ。
「どこ行くの?」
愛莉が不思議そうにたずねる。
「ここ、パンとサラダとスープが食べ放題なんだよね」
「それが、目当てだったのね!」
愛莉が頬を膨らませる。
でも叱られはしない。
パンにつけるのは……マーガリンでいいや。
後はサラダとスープを……。
3往復してる間に注文した物がとどいた。
美味しい!熱いけど!
ナイフを入れた途端に肉汁があふれ出す。
愛莉もパスタを食べて、ご満悦のようだ。
僕は締めにパンを……愛莉はケーキをとってくる。
女性って本当にデザートは別腹なんだな。
食べ終わって満足すると会計を済ませて店を出る。
時間も頃合いだし、家に帰ることにした。
(4)
折角時間があるんだし、やることがある。
朝早くに冬夜君を起こさないようにして、キッチンへ。
買ってきたイチゴとレモンを用意してイチゴを洗いヘタを切る。
その後耐熱鍋にイチゴを入れて砂糖をまぶし入れ水分が出るまで置く。
水分が出たら焦げ付かない様にことこと煮込む。
イチゴが柔らかくなったら、レモンを絞ってレモン汁を加えイチゴを潰していく。
この身のとろみになったら火を止めて出来上がり。
ジャムが出来上がったら冷まして、その間にトーストとプレーンオムレツを作る。
その頃になると麻耶さんが起きてくる。
「あら?良い匂い。ジャム作ったの?」
「はい、あの……ジャムとか大丈夫ですか?」
「うちの男は二人共雑食だから大丈夫よ」
よかった。
「おかずも出来てるようね。冬夜起こしてきてくれるかしら」
「は~い」
そして冬夜君を起こす。
「エフピーエスって血の事ジャムって言ってたよね」
冬夜君に意地悪してみた。が、動じることなく食べる。
「手作りのジャムなのに申し訳ないだろ?」
手作りって気づいてくれたんだ!
その後眠ろうとした冬夜君を捕まえる。
やることは沢山あるんだよ!
冬夜君に表計算ソフトの使い方を教わる。
思ったより簡単だね。
私はためてたレシートを見ながら数字を入力していく。
収入の欄は冬夜君が口座から引き落とした額を入れていく。
その合計額は……、バイト一か月分にも満たなかった。
意外と節制してるんだね。
その分カードの使用額がすごいけど。
やっぱり高速とか使い過ぎなのかな?交通費が意外とばかにならない。
でもGWからだから仕方ないよね?
普段だともっと少ないのかな?
食費がかかりそうだけど。
食費の占める割合はそう高くはなかった。
私達の小遣いの分析が済むとすぐに寝ようとする冬夜君。
「私のお願いを二つ聞いてください」
一個は車の洗車。
ずっと、使いっぱなしだもんね。
たまには労わってあげたい。
洗車道具を買ってからSSで車を洗う。
冬夜君は車の整備をしている。
蒼い空の下一生懸命に洗ってワックスをかけてあげる。
タイヤも綺麗にする。
その後車内を掃除機かけた。
ありがとうね、車さん。
これからもよろしくね。
他の人も結構カップルで洗車してる人多かった。
もう一つのお願いはショッピングデート。
いつ、また阿蘇のような状況になってもいいように、車にスニーカーを用意しておいた。
すると、それに会った服も欲しくなった。
今のジーパンでもいいんだけど、冬夜君とショッピングデートしてみたかった。
いつも私が冬夜君の服を選んでるけど今日は逆。
私が選んでもらうの。
ううん、どれがいいか迷くな。
あっちに行ったりこっちに行ったりまた戻ったり。
冬夜君疲れてないかな、引っ張りまわしてめんどくさいと思われてないかな?
杞憂だった。
冬夜君はどれで悩んでいるのか分かっていてくれたようだ。
一緒に選んでくれた。
ワイドパンツの裾上げをしてもらってる間にアイスを食べたり、スパイスとかを買ったり。
これで、また美味しい料理が作れるね。
楽しみにしててね。
裾上げの終わったワイドパンツを受けとってバッグを選んで買って。
気づいたら、もう夜だった。
夕食を食べて、家に帰る。
大学の前を通って帰る。
「お帰りなさい。早かったわね」
摩耶さんがそう言って出迎えてくれた。
それから冬夜君の部屋でテレビを見ながら今日の出費を表計算ソフトに入力する。
洗車道具は車関係だから交通費でいいかな?
冬夜君がお風呂から上がってきた。
え?一緒に入らなかったのって?
うん、どうせお泊りの時は一緒だし、寝る時も一緒だしいいかなって。
その後私がお風呂に入ると冬夜君は明日の準備をしていた。
あ、私も明日の準備しなきゃ。
明日の朝も早い。
テレビを見てから22時過ぎには眠りについた。
今日も充実してたね。
こういうデートも悪くない。
またいつかしようね。
「冬夜君おはよう~」
愛莉が呼んでる。
時計を見た、まだ7時だ……。
今日は休みだ。
「もう少し寝かせて……」
「せっかく朝ごはん作ったのに冷めちゃうよ~」
うん、起きよう。
ご飯に失礼があってはいけない。
僕は素直に身を起こす。
「やっぱりご飯って言うとすぐ起きるね」
愛莉は笑っている。
僕は愛莉と一緒に部屋を出た。
「あら?冬夜。今日は休みなのに早いわね」
母さんが驚いてる。
「冬夜君、『ご飯』っていうとすぐ起きるんですよ」と、愛莉が笑顔で言う。
「あんたは、彼女に起こしてもらうよりもご飯で起きる方が重要なのかい」と、母さんが呆れた顔で言ってる。
ちらりと朝食を見る、今日のトーストはイチゴジャムか。
ま、なんでもいいけどね。
「冬夜君エフピーエスの血ってジャムって言うんだよね」
「?」
「それを聞いても食べられるかな?」
ああ、ジャムにしたのは愛莉の仕業か。
僕は気にも止めずにトーストを食べる。
「え?」と言った顔をしてる愛莉。
「美味しいね、このジャム愛莉の手作り?」
「良く分かったね~」
驚く愛莉。
そりゃわかるだろ、市販と手作りの差くらいわかるよ。
僕の事味音痴と思ってた?
「愛莉の手作りジャムを血だとは思わないよ……!?」
愛莉は僕に抱き着く。
「ご飯の途中だから……」と、頭を撫でてやる。
「冬夜君が朝から優しい~♪」とはしゃぐ愛莉。
「朝からお熱い事」と笑ってる母さん。
ご飯が食べ終わった。さて寝よう。
ぽかっ
「ご飯を食べたらすぐ寝るなんて、ぐうたら亭主もいいところだね」
「明日からまた忙しいんだからいいだろ?」
ゆっくりする暇が無いほど予定を組んである。
本当は木金だけ渡辺班でお泊り会する予定だったから土日は休めると思ったんだけど……。
昨日の夜の事だった。
「冬夜、土日は何するつもりなんだ?」
父さんが聞いてくる。
「何って、特に何も予定ないけど」
休み明けの学校に備えて寝るくらいか?
「お前の口座確認したんだけど殆ど使ってないじゃないか」
そりゃあれだけ入ってたら全額使えるわけないよ。
「どこか泊りに行ってこい、これは愛莉ちゃんの為だ」
「愛莉がそんなにお金使えないって言ってるんだよ」
「家でゆっくりしてるだけでも幸せですよ~」
愛莉が言う。
「でも愛莉ちゃん家にいると家事の手伝いするだろ?それじゃ何のための休みか分からないじゃない。少しは休んでおいで」
「じゃあ、お言葉に甘えて。香川にでも行こうか?冬夜君」
「香川!?」
「讃岐うどん食べたいんでしょ?香川なら一泊二日で余裕でしょ?何なら電車で行っても良いし……」
「運転するよ。周南コンビナート見たいし」
「ちゃんと高速使いなさいよ!」
「わかったよ」
関門大橋も渡ってみたいしね。
でもトンネルも捨てがたいな。
帰りはのんびり帰るか。
てなことがあって、土日も旅行になったんだよね。
だから今日は家でまったり寝てよって思ったんだけど、目の前のお嫁さん候補は許してくれず。自分のノートPCを開いて起動する。
「どうしたの?」
「ほら、熊本言った時言ったでしょ?小遣い帳付けようって。使い方教えてくれるって言ったよ~」
ああ、そうだったね。
愛莉の横に座る。
「いいか、まず……」
愛莉は僕が言った通りに操作しながら、財布からレシート等を取り出す。
結構たまってるなぁ。
基本操作から、基礎的な関数・コマンド等の使い方を教えていく。
愛莉はそれを聞きながら、出費の額を入力して表をを作っていく。
収入は僕が引き落としした、額を教えていく。
それとは別のシートに、カードを使った額を計算していく。
そして最後にグラフを作る。
驚いた。食費と宿泊費が同じくらいだ。
次いで、ガソリン代が来てる。
多分、オイル代とか入れたらもっといくだろうな。
「泊るところ考えた方がいいかもね」
愛莉はグラフを見ながらそう呟いた。
とはいえ大体のところが親が手配したところだしなぁ。
愛莉はネットブラウザを開いて宿を検索する。
「うーん、素泊まりだと安いね」
「それだと飲食費が加算されるから一緒なんじゃないか?」
「だよねえ……」
旅行行ってファミレスは無いだろ流石に。
ダブル・ツインとなるとさすがに値が張るらしいが、「一緒じゃなきゃイヤ!」と愛莉が駄々をこねる。
「あ、讃岐うどんて意外と安いよ?」
愛莉が有名うどん店の値段を見ていった。
まあ、うどんだしな……。
問題は……。
「香川まで行く交通費だろ?」
確か瀬戸大橋渡るだけで結構するはずだぞ。
「う~ん、やっぱり行楽シーズンはお金使うんだね。他で節約しないとだね」
まあ、そうなるだろうな。
「よし、これから毎日つけて月毎にグラフつけていこうよ」
愛莉はやる気だ。まあ、そのくらいならいいか。僕もどのくらい使ってるのか興味ある。
「これレポートで出せたらいいのになぁ~」
我が家の家計を暴露するレポートを公表してどうする?
さてこれで暇になったし寝れる。
ぽかっ。
だめだった。
「勉強と私のお願い聞いてくれるのどっちがいい?」
愛莉は笑っている。
「愛莉のお願いって?」
「どっちがいい?」
愛莉はにっこり笑っている。
ここはお願いを聞いた方がいいんだろうな。
「お願いを聞こうじゃないか」
「してみたい事が二つあるの」
「いいよ、言ってごらん」
「じゃあまずは……」
(2)
僕達はホームセンターのカー用品のコーナーにいた。
「えーとスポンジと、タオルと、ワックスとシャンプーと……」
愛莉のお願いその1。
車の洗車と整備。
初めて見た気がする。愛莉のジーパン姿。
必要な物を買って、ついでにそれを収納するカゴを買ってあと芳香剤を買う。
その後SSの洗車コーナーに行って洗車を始める。
蒼い空の下一生懸命に吹き上げてる愛莉。
車の中の清掃までしてくれた。
「車さんいつもありがとうね?今日はピカピカにしてあげるね」と、愛莉は呟く。
ついでだから点検もしておくかな。
前回と同じ通りに一つずつ検査していく。
タイヤがすり減ってきてる。
まずいかなぁ。
最近無茶してるからなぁ。
その話はまた後日。
ガソリンも減っていたしついでに入れてもらうか。
「レギュラー満タンで、ついでにタイヤの圧を……」
「お客さん水抜き剤入れてますか?」
「あ、いいです。自分で入れてるんで」
「そうですか」
そう言ってガソリンを入れてもらい、タイヤの空気圧も確かめてもらう。
「ありがとうございました」
ピカピカになった車をを走らせる。
「あと一つだよね?どこに行きたいの?」
「サッカー場近くのショッピングモール」
「ショッピングモール!?」
「一度も言ことないから……、車あるなら行ってみたいじゃない」
「いいよ」
そしてピカピカになった車を走らせた。
(3)
こっからだと米良バイパス使うのが早いだろうな。
10号線から米良バイパスに入ると、197バイパスに入る。
そして、駐車場付近で予想通りに混んでいた。
随分とショッピングモールから離れた場所に誘導された。
「愛莉、歩けるか?」
「うん、平気」
愛莉は、そう言って僕の右につき、しっかりと右腕を握る。
ショッピングモールに着くとまず靴屋さんに向かった。
愛莉のスニーカーを買いに。
うーん、どれがいいかな。
靴の種類は決めたらしいのだが、色が決まらないらしい。
こういう時アドバイスしてやるべきなのかどうか……。
「冬夜君、どっちの色が良いと思う?」
愛莉は白色の服装が多い。
愛莉の選んだのは、白とグレー。
「……グレーかな」
全身白っていうのは、あまりよろしくないらしい。
3色使えって何かに書いてたっけ?
因みに愛莉は上に羽織る物は黒とかが多い。
「じゃあ、こっちにする」
そう言って厚底のカジュアルシューズを手に取ってレジに並んだ。
靴を買うとまず腹ごしらえ。
ファストフード店があったので、そこに向かった。
「僕注文しとくから愛莉席確保しておいて。」
そう言って愛莉を休ませてやる。
しかし愛莉は、僕から離れない。
「そう言って沢山注文しようって思ってるんだろうけどそうはいかないんですからね!」
「いつも通りの注文だよ。いいから財布」
「うぅ、私もちょっとお腹空いたし新作バーガーも気になるし……」
「じゃあ、頼んでおいてやるから」
「冬夜君は私と並んでるのが嫌なの?」
「そんなこと無いけど席確保しておきたいだろ?」
「どのみち今埋まってるよ」
余りごねると愛莉が拗ねだす。
ここは僕が折れよう。
順番が回ってきた。注文を選ぶ。
「でっかいバーガーと、ダブチーとフィレオフィッシュとコーラとセットはポテトであとナゲットも」
「私この新作バーガーとアップルパイとブルーハワイで」
店員はすぐに注文した品物をトレーに置くと金額を告げる。
愛莉は財布からお金を出す。
「ありがとうございました」
僕はトレーを手に取ると、席を探す。
一か所開いてた。
そこに向かうと席につく、
愛莉のハンバーガーも美味しそうだな。
そう思いながら見てると愛莉が視線に気がついたようだ。
「一口食べる?」
「いや、いいよ」
「遠慮しないでどうぞ」
そう言って愛莉はハンバーガーを差し出す。
僕はかぶりついてた。
「美味しい」
僕は迷うことなく再び並ぼうとしてたね。
「そんなに欲しいならあげるから!」
それは流石に気が引ける。
「こっちも飲んでみる?美味しいよ」
そういって青い液体の入った容器を僕に渡す。
一口いただきます。
かき氷のそれと一緒だな。
甘い。
コーラほどじゃないけど。
「このあとどうする?」
愛莉に質問していた。
「うーん、映画も良いかなと思ったんだけど……」
けど?
「冬夜君、洋服選びに付き合ってもらえませんか?」
愛莉は自分ひとりで買いに行くものだと思ってたけど。
「夢なんだよね。恋人と一緒に服を選ぶって。冬夜君決断力あるし悩まなくて済むかなって。あ、恋人じゃなくて婚約者だった」
「あんまり服のセンス自信ないぞ?」
「二択くらいはできるでしょ?そこまでは自分で決めるから」
「まあ、それならいいけど……」
どこのショッピングモールそうだけど、いくつか店が入ってる。
そして大体がレディースだ。
いくつもあるから迷うわけで。あっち行っては悩みこっちに行っては悩む。
「こうして悩むのもショッピングの楽しみの一つなんだよ」と、愛莉は言う。
探している間も、時間は過ぎていく。
同じ店を何度も往復する愛莉。
何を悩んでるのかな?
あからさまにめんどくさいって態度は良くないってネットに書いてたな。
まず愛莉が何を買おうとしてるのか考えてみた。
……。
ああ、なるほどね。
この前みたいな、アウトドアな日に選ぶコーディネートが欲しいわけね
それなら……。
「愛莉はどっちのお店が気になってるの?」
「え?んとー……あっちのお店かな?」
「こっちのお店には何があるの?」
トップスはこっちのお店、ワイドパンツは向こうのお店が良いらしい。
ただその組み合わせに自信が無いらしい。
「シャツはどれが良いの?」
「んとー、これかな?」
「もう何枚か買いなよ」
「どれがいいのかなぁ~」
ワイドパンツと言われたら想像がつく。愛莉が見てた黒いあれだな。
それなら……。
「これなんていいんじゃない?」
ブランドのロゴをあしらった、しろいTシャツを選んだ。
これからの季節には良いだろ?
「それ私も気になってたんだ。やっぱり冬夜君私といると勘が冴えるね」
愛莉はその服と自分が気になってた服を取りレジに並ぶ。
買い物が終わると次はボトムスだ。
店を移り、気になっていたというワイドパンツを手にする。
思った通りの物だった。
「大丈夫だよ。似合ってる」
「じゃあ、これ買ってくるね」
そういって。愛莉はワイドパンツを手にレジに並ぶ。
「裾上げしますか?」
「時間かかりますか?」
「2,30分くらいですかね」
「うぅ……」
愛莉は心配そうに僕を見る。
「大丈夫だよ、適当に時間潰してよ?」
「うん」
そう言って裾を採寸してもらうと、裾上げしてる間時間を潰すことにした。
「バッグでも選んでいくか?」
「うーん、それもいいんだけど……アイスクリーム食べない?」
「いいよ」
そう言って中央広場にあるアイスクリーム屋さんに行った。
「クリームソーダと杏仁豆腐をダブルで」
「ロックンボールチョコレートを一つ」
女性はスイーツは別腹って言うけど本当なんだな。
ダブルのアイスをぺろりと食べる愛莉。
まだ時間はある。
「どうする?バッグ選ぶ?」
「パンツが出来てからでいいよ。それよりコーヒー屋さん……」
はしごですか!
僕は歓迎ですよ
「コーヒー豆を売ってる店があるの。そこにいこ?」
豆は食えないよ……。
そのお店はコーヒー豆をはじめ世界各国の珍しい食材やお菓子、ワイン、チーズ、スパイス等が所狭しと並んでいる。
「冬夜君はどの豆が好きなの?」
「あまり豆は拘ったこと無いな」
「そっかぁ……私もあまりコーヒー苦手だしな~」
知ってる豆も少ない。ブルーマウンテン・エメラルドマウンテン・モカ・マンデリンくらいだ。
実を言うと味もそんなに変わらないと思ってる。
「こういう時はあれだね『餅は餅屋』すいませ~ん」
愛莉は店員を呼ぶ、
「どういたしました?」
「お勧めのブレンドが欲しいんですけど」
「それでしたらこちらになりますね」
当店オリジナルのブレンドコーヒーと書いたものがあった。
「ありがとうございます」
愛莉は礼を言うとそれをかごに入れる。
「あとはスパイスだね」
そう言って愛莉はスパイスを数種類手にとっては確かめてかごに入れる。
「今度料理に使おうと思って」
そうやってコーヒーとスパイスを持ってレジに並ぶ。
荷物を持たされるのは当然僕。
「そろそろできてるかな~」
そういって裾上げをしてもらっている店に足を運ぶ。
「できてますよ」
そう言って品物を受け取る愛莉。
後はバッグだね。
女性って常にバッグ持ち歩いてるもんね。
しかも服のコーディネートに合わせて数種類もってるもんね。
小物のお店に行ってバッグを選ぶ。
因みに愛莉は、ブランド物には興味が無い。
それなりに値が張るけど、見た目で直感的に買う。
外国ブランドのバッグでも誕生日プレゼントに買ってあげるかな?
そんな事を考えている間に愛莉はバッグを選んでいた。
随分あっさり選んだな。
「冬夜君気づかなかったんだ。私服を選んでる時にバッグは大体目星つけてたんだよね」
ああ、それでバッグは後回しだったね。
「そろそろ帰ろっか?」
腕時計を見る。
そろそろ時間的にもいいな。
「愛莉ここまで来たんだし、食べたいものあるんだけどいいかな?」
「ここしかないの?」
「ここでしか知らない」
「それならいいよ」
僕が選んだお店はハンバーグのお店。
鹿児島産黒毛和牛と黒豚挽肉を使用した、ジューシーな焼き上げと旨味たっぷりな肉汁のこだわりハンバーグが売りの店。
僕はハンバーグを、愛莉はパスタを選んでいた。
僕は意気揚々と席を立つ。
「どこ行くの?」
愛莉が不思議そうにたずねる。
「ここ、パンとサラダとスープが食べ放題なんだよね」
「それが、目当てだったのね!」
愛莉が頬を膨らませる。
でも叱られはしない。
パンにつけるのは……マーガリンでいいや。
後はサラダとスープを……。
3往復してる間に注文した物がとどいた。
美味しい!熱いけど!
ナイフを入れた途端に肉汁があふれ出す。
愛莉もパスタを食べて、ご満悦のようだ。
僕は締めにパンを……愛莉はケーキをとってくる。
女性って本当にデザートは別腹なんだな。
食べ終わって満足すると会計を済ませて店を出る。
時間も頃合いだし、家に帰ることにした。
(4)
折角時間があるんだし、やることがある。
朝早くに冬夜君を起こさないようにして、キッチンへ。
買ってきたイチゴとレモンを用意してイチゴを洗いヘタを切る。
その後耐熱鍋にイチゴを入れて砂糖をまぶし入れ水分が出るまで置く。
水分が出たら焦げ付かない様にことこと煮込む。
イチゴが柔らかくなったら、レモンを絞ってレモン汁を加えイチゴを潰していく。
この身のとろみになったら火を止めて出来上がり。
ジャムが出来上がったら冷まして、その間にトーストとプレーンオムレツを作る。
その頃になると麻耶さんが起きてくる。
「あら?良い匂い。ジャム作ったの?」
「はい、あの……ジャムとか大丈夫ですか?」
「うちの男は二人共雑食だから大丈夫よ」
よかった。
「おかずも出来てるようね。冬夜起こしてきてくれるかしら」
「は~い」
そして冬夜君を起こす。
「エフピーエスって血の事ジャムって言ってたよね」
冬夜君に意地悪してみた。が、動じることなく食べる。
「手作りのジャムなのに申し訳ないだろ?」
手作りって気づいてくれたんだ!
その後眠ろうとした冬夜君を捕まえる。
やることは沢山あるんだよ!
冬夜君に表計算ソフトの使い方を教わる。
思ったより簡単だね。
私はためてたレシートを見ながら数字を入力していく。
収入の欄は冬夜君が口座から引き落とした額を入れていく。
その合計額は……、バイト一か月分にも満たなかった。
意外と節制してるんだね。
その分カードの使用額がすごいけど。
やっぱり高速とか使い過ぎなのかな?交通費が意外とばかにならない。
でもGWからだから仕方ないよね?
普段だともっと少ないのかな?
食費がかかりそうだけど。
食費の占める割合はそう高くはなかった。
私達の小遣いの分析が済むとすぐに寝ようとする冬夜君。
「私のお願いを二つ聞いてください」
一個は車の洗車。
ずっと、使いっぱなしだもんね。
たまには労わってあげたい。
洗車道具を買ってからSSで車を洗う。
冬夜君は車の整備をしている。
蒼い空の下一生懸命に洗ってワックスをかけてあげる。
タイヤも綺麗にする。
その後車内を掃除機かけた。
ありがとうね、車さん。
これからもよろしくね。
他の人も結構カップルで洗車してる人多かった。
もう一つのお願いはショッピングデート。
いつ、また阿蘇のような状況になってもいいように、車にスニーカーを用意しておいた。
すると、それに会った服も欲しくなった。
今のジーパンでもいいんだけど、冬夜君とショッピングデートしてみたかった。
いつも私が冬夜君の服を選んでるけど今日は逆。
私が選んでもらうの。
ううん、どれがいいか迷くな。
あっちに行ったりこっちに行ったりまた戻ったり。
冬夜君疲れてないかな、引っ張りまわしてめんどくさいと思われてないかな?
杞憂だった。
冬夜君はどれで悩んでいるのか分かっていてくれたようだ。
一緒に選んでくれた。
ワイドパンツの裾上げをしてもらってる間にアイスを食べたり、スパイスとかを買ったり。
これで、また美味しい料理が作れるね。
楽しみにしててね。
裾上げの終わったワイドパンツを受けとってバッグを選んで買って。
気づいたら、もう夜だった。
夕食を食べて、家に帰る。
大学の前を通って帰る。
「お帰りなさい。早かったわね」
摩耶さんがそう言って出迎えてくれた。
それから冬夜君の部屋でテレビを見ながら今日の出費を表計算ソフトに入力する。
洗車道具は車関係だから交通費でいいかな?
冬夜君がお風呂から上がってきた。
え?一緒に入らなかったのって?
うん、どうせお泊りの時は一緒だし、寝る時も一緒だしいいかなって。
その後私がお風呂に入ると冬夜君は明日の準備をしていた。
あ、私も明日の準備しなきゃ。
明日の朝も早い。
テレビを見てから22時過ぎには眠りについた。
今日も充実してたね。
こういうデートも悪くない。
またいつかしようね。
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