優等生と劣等生

和希

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3rdSEASON

言葉よりも優しい花を

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(1)

「うぅ……」

私は悩んでいた。
朝食を作るのに起きなければならない。だけど冬夜君が私にしがみ付いて寝ていて私が起きると冬夜君も起こしてしまう。
今日は、竹本君の引越しの日だ。お手伝いに行くことが決まっていた。
引っ越しのお手伝いは疲れるだろうし、出来るだけ寝せておいてあげたい。
未だ夏休みだ。

休みの間は家事もやすみなさい。

麻耶さんのお言葉に甘えて良いんだろうか?
冬夜君はその事を知っていて私にこうして抱き着いてくるんだろうか?
ならば寝せておいてあげよう。
私も冬夜君に抱き着き2度寝をしようとする。
だけど冬夜君の寝言をはっきりと聞いてしまった。

「これ以上はお肉食べられない」

私の事をボンレスハムとでも思っているのだろうか?
冬夜君は私との世界より肉の世界を選んだんだ。
いいもん。そう来るなら私だって容赦しない。
現実に引き戻してやる。
食べ物の世界はもうお終い。私に構ってよ。
冬夜君の耳元で言った。

「食べ物はもうお終いです!」

冬夜君は目を覚ます。

「あ、おはよう愛莉。今日は早いんだね」
「冬夜君朝から何夢見てたの?」
「いや、神戸牛の味が忘れられなくてさ……」

ぽかっ

「冬夜君は旅をしても他の思い出とかないわけ?」

私との思い出とか……。

「あるよ」
「どんなの?」

冬夜君に耳打ちされる。

「愛莉と過ごした夜の夢」
「うぅ……」

覚えていてくれるのはいいけど、それは今言わなくても良くない?

「大体の事は覚えてるよ、琵琶湖綺麗だったね」
「うん」
「で、それがどうかしたの?」

冬夜君が不思議そうに聞いてくる。

「朝から抱き着かれて嬉しいと思っていたら『お肉食べれない』なんて言われたら誰でも怒ると思うよ」
「そうなのか?」
「うん」

まあ、他の女性の名前言われるよりはいいと思うけど。

「さてと……」

冬夜君はそう言うとベッドを出る。そして着替えを始めた。

「私朝ごはん用意してくるね」

そう言って部屋を出ようとすると、冬夜君が私を抱きしめる。

「休みの間は家事禁止って言われたろ?」
「でも旅行でいなかったじゃん」
「休みは休みなんだからキッチリ休まないと。今日はただでさえ引越しの手伝い行くんだし」
「まだ時間あるよ?」
「呼ばれるまで部屋でゆっくりしてよ?」
「じゃあ、顔洗ってくる」
「あ、僕も行くよ」

徹底的にマークするつもりらしい。
仕度を済ませ部屋に戻ろうとすると麻耶さんに「朝食出来たわよ」と言われたのでそのままご飯を食べた。
その後部屋にもどり、時間までゆっくりとテレビを見て過ごす。
冬夜君に先に部屋に戻ってもらい私はコーヒーを入れて部屋に戻る。
私が部屋に戻ると冬夜君はテレビを見ている。
テーブルの上にマグカップを置いて着替えると冬夜君の隣に座る。
今日は土曜日。
8時からドラマを見るとそのあとマメ知識の披露みたいな番組をやっていた。
冬夜君はあまり興味ないみたいだ。
そろそろ時間だ。
冬夜君と家を出る。
竹本君の家に向かった。
竹本君の家は大学そばのアパート。
皆既に集合していた。
一度に全部の車は駐車できないので近くのコンビニに駐車してそこから移動してきた。
コンビニで買い物も忘れずに。
竹本君の部屋から荷物をトラックの荷台に移す。
家電と箪笥、食器棚テーブル等は竹本君の家に運び込む。
衣服類授業で使う道具なんかは花山さんの家に持って行く。
運搬は男性陣に任せて女性陣は部屋の掃除を始めた。
私は部屋の掃除にとりかかる。
女性が10人以上もいればあっという間に掃除も済むもので、男性陣の帰りを待つことに。
その間コンビニで買ってきたジュースを飲みながら話をする。

「愛莉、旅行の話聞かせてよ」

亜依がそう聞いてきたので私は旅の思い出を語り始めた。


「へえ、ビワイチか。いいなぁ~そういう旅に憧れるよ」

亜依がそう言うと、私は亜依に聞いていた。

「亜依はどこか行く予定ないの?」
「精々、遊園地に行くくらいよ、あいつの頭の中では。後はネカフェにいくか家でゲームしてるか」
「善君も同じよ。バイト三昧で私の事を忘れてるかのように働いてるわ」
「でも晶と高階先輩は軽井沢行くんでしょ?」
「それだけよ」
「二人暮らしだとどうしても家事で疲れてそれどころじゃないってのもあるわね」
「それは言えてるわね」

亜依が聞くと志水さんと高階先輩が答えた。
そうやって皆で休みの間何するかを話して、男性陣の帰りを待っていると。



花山さんの家に行っていた組が帰ってくる。
皆で花山さんの家に行こうと言ったけど、まだ竹本君が帰ってこない。
竹本君が帰ってこないと管理人さんに鍵を渡せない。

「私が待ってるからいいよ」

どうせ冬夜君待っていたいし。
そう言うと残った面々は花山さんの家に移動する。
私はスマホを弄りながら竹本君たちの帰りを待っていた。

(2)

「今どんな気分だい?」

片桐君が運転しながら話しかけてきた。

「それは俺も知りたいな」

後部座席に乗っていた渡辺君が話に乗ってきた。

「まだ引っ越しする段階で実感わかないですね。逆に片桐君と渡辺君はどうなんですか?」
「うーん、実家に住んでるから何とも言えないけど、悪くはないよ」
「そうだな……まあ、泊まりに行く感覚とそんなに変わらない気はするけどな。うちは時間のすれ違いが多いからな」

あまり実感わかないのは一緒なのかな?

「ああ、よく『自由が無くなった』とか『束縛されてる感』とか言うけどそういう事はあまりないかな」

片桐君がそう言うと渡辺君もうなずく。

「……でも多少はあるかな?私に構って~みたいなことはよく言われるようになった」
「冬夜と遠坂さんは特別だからな」

片桐君が言うと渡辺君が返す。
咲も多分言うだろうな。でも、そのくらいは同棲してるなら当たり前のような気がする。


家についた。
家の周りの狭い道を何の苦も無くトラックを走らせる片桐君。
義父さんと母さんが出迎えてくれた。
後続に来ていた、多田君と石原君、檜山先輩と一緒に荷物を倉庫に運び込む。
運び終えると、母さんが麦茶を用意してくれていた。

「みんなありがとうね」

母さんが言うと「気にしないでください」と渡辺君が返す。

「悠馬は本当に友達に恵まれているな」と義父さんが言う。
お茶の休憩が終わると帰路につく。
帰りにSSに寄って給油してレンタカー屋さんに返す。
それから家に帰ると遠坂さんが待っていた。
遠坂さんが家の鍵を渡してくれるとソレを大家さんに返す。
これでこの家とはお別れだ。
しばらく家を見て、頭を下げる。

「じゃ、行きましょうか」

そうして僕は新しい住処に移動した。

(3)

「じゃ、俺達は帰るよ。荷解きとかまだまだ大変だろうしな」

渡辺君がそう言うと皆帰って行った。
咲の家……今は僕の家でもあるか?に入るとロフトに置かれてある荷物を開けていく。
一つ一つ確認しては要るものと要らないものにわけていく。
しばらくその作業に没頭しているとしたから咲が「買い物行くから連れてってよ!」と言われる。
近所に大手スーパーがある。そこに買い物に行った。
献立は彼女に任せた。彼女がまだ家事に慣れてないのも知っている。作れるものを把握しておきたい。
彼女は肉じゃがに挑戦するようだ。調味料すら買い置きがなかったのでそれなりの出費があった。
肉じゃがにしては大げさな量の買い物。エコバッグ一つじゃ入り切れなかったので買い物袋を買う。


家に帰ったら、咲の手料理する様子を見てる。
危なっかしい手つきでピーラーで野菜の皮を剥いていく。
肉じゃがの準備が出来たら次はご飯とみそ汁の準備。
準備をしていると、咲が僕の方を見る。

「そんなにじろじろ見られると気が散るんですけど~、てか荷解きしてなさいよ」

怒られた。
僕はロフトに上がり、荷解きの続きをする。
肉じゃがの美味しそうな匂いが漂ってくる。
中には茶碗や橋なんかも入れてあった。
それらをもって下に降りると、「洗うから貸して」と言って洗い始める。
あとは洗面具か……。
布団とかは……ない。
渡辺班の悪戯か?
どうしよう、寝袋とかも倉庫の中だ。
しょうがない取りに帰るか。

「咲、寝具がないから一回倉庫に取りに帰るよ」

咲が睨みつける……と、いうよりは寂し気な顔付きで僕を見ている。

「そんなに私と寝るのいや?」
「あ、いや……シングルベッドだし」
「くっついて寝たら問題ないよ」

一緒に暮らすってこういう事なんだろうか?

「それよりご飯できたよ。……食べよ?」

そう言ってテーブルの上におかれた皿と茶碗。
一口食べる。意外と美味しい。
咲も意外だったようだ。「美味しい」と自賛している。

「私だってやればできるんだから」
「そうだったね」
「今笑ったでしょ!?」
「気のせいだよ」

その後片づけしてお風呂に入ってテレビを見る。
咲が風呂から出るとキラキラと輝く缶を持ってきて僕に渡す。
テレビに夢中になってるのか、咲の口数が極端に少ない。
ちらりと咲を見る。
気のせいか緊張しているようだ。
どうしたんだろう?

「悠馬荷解きは終わったの?」
「大体片付いたよ」

元々そんなに荷物なかったしね。

「じゃあ、今夜はゆっくりできるね」
「うん」

……。
話が続かない。
どうしたらいいんだろう?
何か話しかけた方がいいんだろうか?

「咲……好きだよ」
「当然でしょ?好きでもない男と一緒に暮らすほど尻軽な女じゃないわよ」
「いつかは幸せにしてあげるから」
「……」

溢れんばかりの言葉を咲の胸にこぼしてあげよう。
そんな事を考えてると咲は僕に抱き着いてきた。

「じれったいな、言葉ならもう十分もらってる。言葉なんかより優しい心の中の大切な花を二人で育てて行きたい」

咲が僕の中に描いてくれた雨上がりの空を、僕の中に預けてくれた大切な花を。
土曜の夜、朝まで君を抱いて寝る。
窓の外で過ぎていく夜の中で二人動かずに。

「悠馬は不安?」
「え?」
「私との同棲?」
「……若干不安はあるよ。したこと無いんだし」
「……そうだね」
「でも同じくらい期待もあるよ」
「そうだね」
「これからよろしく」
「夢じゃないんだよね?」
「うん」
「じゃあ、朝までずっと抱いていて。夢じゃないんだって実感させてよ」
「ああ、わかった」

咲はそれ以上何も言わなかった。
ただ小刻みに震える振動が腕を通して伝わってくる。
初めてじゃないのにな。
まるでウサギのように怯えている咲。
そこには大学にいるお姫様の影は無く。
ただじっと震えている少女の姿だけがある。
僕の頭の中にもう薄紅色の君はいなく。
ただ腕の中で震えている小さなお姫様がいるだけ。
こうして僕達の生活は始まった。

(4)

照準を相手の頭部に合わせる。
こっちの存在は気づかれていない。
一人ずつしとめては位置を移動してきた。
あと一人でキルストリークが最高値に達する。
そしてその一人を正に仕留めようとしてる瞬間だった!
誰か……まあ、一人しかいないんだけど。後ろから抱きついてくる。

「あ、愛莉今はダメ!!」
「ブーッ!性懲りもなくまだ続けてたんだね!」

愛莉が突然後ろから抱き着いて来て打ち損じてしまい、こちらの位置を把握されて逃げようにも愛莉が抱き着いている為操作が出来ない。あっけなくやられてしまった。

「何やってんだよ冬夜!!」

一緒にプレイしていた桐谷君から怒られるが、愛莉がぼくからヘッドセットを奪い取り桐谷君に注意する!

「冬夜君は私とのお楽しみの時間なの!邪魔しないで!」

愛莉はそう言ってゲーム機の電源を切る。

「それはしたらいけないっていつも言ってるだろ?」

愛莉抱きしめ優しく注意するが愛莉は聞く耳持たない。

「私のいないところでゲームするの止めてって言ってるのに聞いてくれないじゃない!」

そう言うと、愛莉はスマホを操作し始める。

「亜依からも言った方がいいよ!この二人目を離すとすぐゲームするんだから!」
「瑛大!また片桐君を巻き込んだんだな!?」
「冬夜が暇してるっていうから、じゃあやろうぜって言っただけだよ」

桐谷君、また余計な事を……。

「冬夜君……」

まずい、何か話題を変えねば。
どうしてこう女性はゲームをしてるとすぐ怒るんだろう?

「愛莉、愛莉は一人でしたい事とかないの?」
「無い!」
「一人になりたいって思ったことは?」

人間パニクると余計な事を言ってしまうのは何故だろう?
そしてそれは取り返しのつかない一言がになることが多く。

「……冬夜君は私が邪魔なの?」

ああ、怒らせるよりもややこしい事態になったよ。どう対処したらいいものか……何か言わないとまずいよな。

「そんなわけないだろ?お嫁さんが邪魔な旦那なんていないと思うよ」
「その割にはいつも人の目を盗んで色々やってるじゃない?」
「じゃあ、愛莉がいる時ならやっていいの?」
「……ジャムが飛び散るのはダメ!」

先手を取られた。

「冬夜君はジャムって言ってるけどジャムに見えないもん。それに銃を撃ったり乱暴だし」
「愛莉そういや戦争ものとかアクションもの嫌いだったな」
「うん、あまり好きじゃない」

愛莉はゲーム機からBlu-rayを取り出すと一生懸命に割ろうとしてる。
新作なんだけどなあ、とほほ。
愛莉からBlu-rayを受け取ると膝を使って割った。

「これから冬夜君がゲームを買う時は私がチェックしないとね」

大丈夫、まだPCの中に無料ゲームが残っている。
そんな事を考えていると愛莉がデスクトップを眺めている。

「愛莉何してるの?」
「この際だからPCの中も全部チェックしてやるんだから……あ、またエッチな動画保存してる」

愛莉の検閲は容赦なく続き動画とFPS関係のクライアントは全てアンインストールされた。

「定期的にしないと冬夜君すぐいれちゃいそうだね!」

困ったお姫様だな。
お姫様の暴走はまだとまらない。
ゲームを入れてるラックをくまなくチェックする愛莉。
FPS・TPS系のゲーム全てを手に取る愛莉。

「割るのは勘弁してあげるから、明日売りに行こう?そのお金でお洋服買うの~」

そんな大したお金にならないと思うけど、愛莉の機嫌はプライスレスだしなあ。

「あ、亜依にも教えてあげよう」

愛莉はまた渡辺班に書き込みする

「血がドバっと出るゲームとか止めさせた方がいいよ、皆夢中になって相手してくれなくなるから」
「瑛大。明日私休みだから検閲しにいくわ」
「まじかよやめてくれえ!」
「やかましい!さっきからメッセージ送っても返事来なかった理由がわかったわ」
「PCの中味もチェックした方がいいよ、亜依」
「ありがとう、そうするわ愛莉」

ああ、明日悲鳴を上げるのは桐谷君か。
今日の愛莉の検閲は容赦がない。
最後の砦スマホにも手を付ける。

「これなんだろ……。ああっ!スマホにまで入れてる!削除削除!」

ここまでしたら気がすんだろう。……そんなわけなかった。

「冬夜君携帯ゲーム機ももってたよね?ソフト出して♪」
「持ってるよ、ところで今日は土曜日だね?」
「いいからソフト出して♪」

愛莉を抱きしめる。

「今日は朝まで寝かせないからな……」

ぽかっ

「いいからだしなさい!」

仕方ないから全部出す。
一つ一つチェックしていく愛莉。

「……やっぱり持ってたね。ロボット物は……まあ、見逃してあげようか。これも明日売りに行こうね」

その時スマホから悪魔のささやきが。

「愛莉、この際だからゲーム機処分した方がいいかも。PCはまあ見逃すとして。二人っきりの時にゲームなんてしないだろ?」

カンナ……なんてことを……。

「う~ん……」

愛莉は悩んでいる。

「じゃあ、冬夜君約束しよう?」
「何を?」
「私がいない時とか寝てる時にゲームしてたらゲーム機処分ってどう?」
「愛莉がいる時はしてもいいのか?」
「うぅ……本当はして欲しくないけど束縛し過ぎると嫌な女と思われるのが怖くて……」
「……わかったよ。約束する」
「ほんとに!」

愛莉がやっと笑顔になった。この笑顔を手に入れる為にどれだけの犠牲を払ってきたのだろうか?

「約束するよ。愛莉のいない時にしたら駄目なんだな?」
「うん!」
「じゃあ、指切りな」

愛莉に左手の小指を出す。
そして愛莉と指切りする。
じゃ、さっそくしようかな……。

ぽかっ

「さっき朝まで私を抱いてくれるって言ったよ?」
「あ、あれは」
「言ったよね?」
「はい」

愛莉とベッドに入り明かりを落す。
そして愛莉を抱きしめると目を閉じる。

「冬夜君ごめんね」
「どうした?」
「いや……冬夜君の邪魔になってるんじゃないかといまさらながら思って」
「……愛莉の笑顔を見る為なら安い代償だよ」
「本当にそう思ってる?」
「あたりまえだろ」
「よかった……」

そう言いながらも愛莉のFPS嫌いを攻略する方法を何とか模索しながら眠るのだった。
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