優等生と劣等生

和希

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5thSEASON

私たちだけの楽園

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(1)

「皆さまおはようございます」

やかましい街宣で目が覚めた。
またか……。
公示されてから早一週間。
選挙活動が行われている。
子供の時は思った。こんなはた迷惑な連中に誰が投票してやるかと。
目が覚めてしまったらしょうがない。
ダイニングに行くと愛莉が忙しなく動いている。
二度寝などしようものなら愛莉が怒る……わけもなく。甘えてくる。
親がいないからとやりたい放題の毎日。

「おはよう冬夜さん。顔洗ってきてね」

今日も上機嫌の愛莉。

「おはよう愛莉、朝からお疲れ」
「ううん、これも練習だから。もうすぐできるから早く顔洗ってきてね」
「わかった」

洗面所に行って顔を洗う。
ダイニングに戻ると朝ごはんが並んでいる。
朝ごはんを食べながらテレビをつけてみる。
相変わらずのニュースが流れている。
ご飯を食べ終わると愛莉が片付ける。
リビングのソファにこしかけてテレビを見ていれば片付けの終えた愛莉が隣に座って一緒にテレビを見だす。
それもわずかな間の事でテレビに飽きた愛莉が構ってと言わんばかりにじゃれついてくる。
愛莉の頭を撫でてやりながら寝室に向かい寝室のテレビを見る。
のどかな午前を終えると愛莉は昼食を作り出す。
僕は再びリビングに移動する。

「冬夜さん今日久しぶりに青い鳥に行かない?」

愛莉が言い出した。
最近行ってないな。偶には顔を出すか。

「わかった。ご飯食べたら行こうか?」
「うん、たべすぎたらだめだからね」

愛莉に釘を刺される。

「わかってる」

愛莉の作った昼食を食べると愛莉は片づけを始める。
そして掃除をする。
掃除の邪魔にならないようにする。
掃除を終えると愛莉が着替えだす。
僕も着替える。

「準備出来たよ~」

愛莉が言うと僕達は家を出て青い鳥に向かった。

(2)

「今日から働くことなった深山旅人君とステファンさん酒井君達は短い期間になるけどよろしく指導してやってくれ」
「よろしくお願いします」
「どうぞお願いいたします」

ステファンさんは名前が示す取り外人だが日本語が流暢だ。
求人票を見て来たらしい。
僕達がいなくなるからとマスターは正社員を募集したらしい。
これで僕達も後顧の憂いなく青い鳥を辞めることが出来る。
2人ともイケメンだった。
特にステファンさんは晶ちゃんも見とれるほど。
今日のお客さんは晶ちゃんと恵美さんと花菜さん。
最近はこの3人がメインだ。
他の皆はバイトしてたりと大変らしい。
あとは大学に行く用事がないから自然と青い鳥から離れていってしまった。
しかし、そんな内部事情は知る由もなく新入生らしき人が訪れては渡辺班の事を訪ねてくる。
もちろん僕達は知らないふりをする。
新入生を引き受けるのは時期尚早。
咲さんと西松君が相談して決めたらしい。
僕達卒業生は口出ししない。
そう決めてあった。

「この店も寂しくなったわね」

晶ちゃんが言う。

「本当にねえ、毎日賑やかだったのにね」

マスターが言う。

「マスター心配しないでください。私達は通い続けますから」

花菜さんが言う。

「ありがとうな」

マスターが礼を言う。
カランカランとドアベルが鳴る。
片桐君達が来た。

「あら、久しぶりね。元気してた?」
「うん、毎日が楽しくて」

遠坂さんが元気に答える。
この分だと片桐君はうまくやっているようだね。

「同棲生活はどう?上手くやれてる?」

恵美さんが聞いていた。

「うん、今のうちにと家事の練習してる。一人でやるって大変だね」
「一人で?」

3人の動きが止まった。

「愛莉ちゃん一人で家事こなしてるの?」
「そうだよ~」

5人の鋭い目線が片桐君を突き刺す。
2人増えたのは穂乃果さんと咲さん。

「ちょっと冬夜君!どういう神経してるの!?まだ結婚もしてないのに遠坂先輩を家政婦扱い!?」
「片桐君ならそう言うこと絶対ないと思ったのにこれだから男の人って!」

咲さんと穂乃果さんが片桐君を責めたてる。
困惑する片桐君。
そんな片桐君を救ったのは遠坂さんだった。

「と、冬夜さんは手伝ってくれるって言ってくれるよ。ただ冬夜さん仕事始まったら。家事は私の仕事でしょ?だから今のうちに練習しようと思って」
「かずさんもそうでした。最初は手伝ってくれるんです。でも仕事始めたら奥さんの事なんて全然考えてくれなくなりますよ!」

花菜さんが自身の経験談を話す。

「冬夜さんはそんな事無いと思う。今だって家事している間は何もしないでゲームしてていいって言ってるのにリビングで私の相手してくれるし」
「愛莉ちゃん、前にも言ったけど今のうちに躾けとかないと大変な事になってからじゃ遅いのよ」

恵美さんが言う。

「私は平気、買い物行こうって行ったら一緒について来てくれるし」
「片桐君とは仲がいいんだね」

僕が言うと「うん」と元気な声で返事する遠坂さん。
片桐君はと言うと苦笑いしてる。

「片桐君?その顔は何?ここまで献身的な愛莉に何か不満あるの?」

晶ちゃんが気づいたようだ。

「不満はないんだけど、至れり尽くせりで少々戸惑っているんだ。愛莉ストレス溜めてるんじゃないかって」

だから今日も愛莉が青い鳥に行きたいと言うから息抜きにと連れて来たらしい。

「女性同士でしか言えない不満ってあると思うからそこは3人にお願いしていいかな?」
「言われなくても相手してあげるわよ。片桐君への不満しっかり聞かせてもらうわ」

恵美さんが言う。

「不満なんてないのに~」

そう言って片桐君といちゃつく遠坂さん。

「ところでいよいよはじまったね。選挙」
「組織票は私と晶の所と春奈のところ、それに地元銀行が入った。浮動票もしっかり集めてる。テレビの世論調査では衛藤が一歩上回ってるって言ってるけどね」
「冬夜さんも眠いとかめんどくさいとか言わずにちゃんと投票行こうね?」
「わかってるよ」
「これで渡辺班に政治的なつながりも出来たわけね」

晶ちゃんが言うと片桐君は首を振った。

「それはだめだよ。前にも言ったけど渡辺班はどの派閥にもどの権力にも属してはならない」

地元での最強の力を誇る渡辺班だからこそ自由の剣としてできることをするべきだと片桐君は言う。

「地元でも最強の力か、とんでもない世界に足を踏み入れたわね」

とんでもない世界を作り出した張本人が言ってる。

「愛莉ちゃん達は選挙が終わったら旅行って言ってたわね。どこに行くの?」
「北海道だよ~」
「北海道か、羨ましいわね」

恵美さんが言う。

「ALICEはどう?遠征上手くいってる?」

片桐君が聞いてきた。

「ええ、どこの地方に行っても大成功を収めてるわ。あれならメジャーデビューさせてもいいわね」

CDの売上も凄いと恵美さんが言う。

「冬夜さん、そろそろ夕飯の買い物しないと」
「もうそんな時間?じゃあ、そろそろ行こうか」
「うん、今日は何が食べたい?」
「なんでもいい?」
「いいよ~」
「じゃあたまにはお刺身でも食べたいかな、日本酒でも飲みながら」
「わかった~飲み過ぎちゃだめだよ~」
「わかってる。じゃあ、ご馳走様」
「じゃあ、みんなまた~」

そう言って二人は帰っていった。

「『冬夜さん』ね……」

恵美さんはクスクス笑ってる。

「どうやら心配は無さそうね。まだ1週間しか経ってないけど」
「でも羨ましい二人でした」

晶ちゃんと花菜さんが言う。

「私もそろそろ旦那の夕食準備するかな?」
「私もそろそろですね」

恵美さんと花菜さんが言う。
それじゃまた、と言って二人は店を出ていった。

「皆それぞれ自分たちの生活が始まってるんですね」

穂乃果さんが言う。

「あなただって他人事じゃないでしょ、5月の連休明けたら同棲でしょ?」
「一応4月の祝日に引っ越しを考えてます」

5月の連休はあの合宿をやるらしい。

「中島君は片桐君と違うから。もう一度厳しく躾けておく必要がありそうね」
「そうしてもらうと助かります」
「と、いうと中島君またなにかやったの?」
「自身は無謀運転しなくなったんだけどまだそう言うのに憧れているらしくて」

夜な夜な週末になると観客に行ってるらしい。
見てるだけだから安全だと思うけどやっぱり巻き込まれるのが怖いらしい。

「善君何かいい案思いつかない?」

晶ちゃんが僕に聞いてきた。

「僕には理解しがたい世界ですからね」

車に跳ねられても追いかけてくる恐怖の女を体験すればやめるんじゃないか?
死と言う現実に直面したら危険から遠ざかろうとするんじゃないか?
両者とも僕は二度とごめん被りたいですけどね。

(3)

投票が終るとホテルのホールに皆集まった。
森重清太の祝勝会に僕達渡辺班も呼ばれていた。
開票速報を見守っている。
報道関係者も多数来ていた。
時間になると同時に衛藤誠一郎の当確が発表される。
皆落胆する。
だが、森重清太と林田雄平はまだ諦めていない。
当確がでるのは世論調査と出口調査で調べた結果でしかないから。
答えてない人だっている。
森重清太の強みは浮動票の厚さにある。
それは開票率0%では分からない。
じっとテレビを見守る。
開票率が50%を超えた時衛藤の当確が消えた。
じりじりと迫っている森重清太の票数。
最後まで予断を許さない状態になってきた。
70%を超えると森重清太に当確がついた。
沸き上がる皆。
そして新市長が森重清太に決まった。
みんなで万歳と手を上げる。
森重清太が一人一人にお礼の挨拶をと握手をする。

「冬夜さん、やったね」
「そうだね」

これで市政がよくなるならそれに越したことは無い。
しかし市政は市長だけでやるものじゃない、市役所や市議会も動かさなくてはならない。
森重清太が無所属を貫き通せるかにもよる。
森重清太が僕の元に来る。

「君達の応援のお蔭だ。ありがとう!」
「僕達は何もしていませんよ、森重先生のお力です」
「そう言ってくれると助かる、必ず腐った市政を変えてみせる」
「応援してます」

一段落着くと僕達は会場を後にした。
渡辺班だけで2次会を開くことにした。
2次会はいつものカラオケで。

「冬夜同棲生活はどうだ?楽しいか?」

誠が聞いてくる。

「ああ、毎日が幸せだよ」
「それはよかった。だけど油断するなよ。女ってのはいつ変わるかわからないからな」
「誠、思っていてもそう言う事は口にしない方がいいぞ。いい加減学習しろ」

いや、本当にまじで。

「こういう時くらい愚痴ったっていいだろ?俺だって努力してるんだ。家事を手伝ったり、休みにデートしてやったり。こっちだって疲れてるのによ」
「そう言う話なら俺も混ぜてくれ誠!亜依の奴男の苦労ってもんが全く分かってない。バイトで疲れてるのに嫁の世話までしろっていうんだぜ!俺の時間もくれよ!」

話題を変えた方が良さそうだ。

「誠4月からチームに合流するんだろ?調整は大丈夫なのか?」
「ああ、大丈夫だ。アウェーに行ったら遊んで帰ってくるぜ!」

無駄な努力だった。

「遊んでくるってどこ行くんだ?」
「そりゃ仕事後のリフレッシュだからな。マッサージしてもらったり色々だ」
「誠は嫁さんのマッサージじゃ不満なのか?」
「そりゃプロと素人じゃ全然違うってもんよ。なあ瑛大」
「そうだぜ、冬夜もしてもらえよ。世界が変わるぜ」
「僕は遠慮しとくよ。愛莉に十分優しくしてもらってるから。なあ?愛莉」
「そうだよねえ~冬夜さんにはお嫁さんがいるもんね」
「わかってないな、冬夜は。あれは一度体感しないとわからない……って今遠坂さんの声した?」
「プロと嫁さんを秤にかけてプロを選ぶのかお前たちは」
「その声は……」

誠と桐谷君は後ろを振り返る。
当たり前だが、愛莉とカンナと亜依さんがいた。

「冬夜さんに妙な事吹き込むの止めてって何回言えば分かるの!?」
「最近は懲りたようだなと感心してたらこの馬鹿は……」
「もう一度家出しないと分かんないかこの馬鹿!!」

愛莉とカンナと亜依さんが言う。

「いやだな……ほら、チームメイトと交流を深めるって事も必要だろ?」
「偶には命の洗濯必要って言うだろ?」

誠と桐谷君が弁解する。弁解になってないけど。

「お前らちょっとこっちに来い!何度言っても懲りない馬鹿が!!」
「瑛大お前もだ!ちょっと来い!」

ご愁傷様。

「冬夜さんはそんなお店行ってないよね?」
「い、行くわけないだろ」
「行っちゃだめだからね!」
「分かってるよ、可愛いお嫁さんがいる家にまっすぐ帰るさ」
「あいつらは相変わらずだな」

渡辺君が来た。

「うまくやれてるらしいじゃないか。同棲生活」
「まあね」
「冬夜さんが優しいんだよ~」
「遠坂さんは幸せ者だな」

渡辺君が笑う。

「まあ、楽しいうちが花だ。そのうち辛い時が否応なく来る。その時が試されるときだ。お前たちならうまくやれると思うが」
「愛莉、とーやをしっかり支えてやれ!それが出来るのは愛莉だけなんだ」

美嘉さんが言う。

「まあ、お前たちももっと宴に参加しろ。折角なんだから」

渡辺君が言う。
端末を渡されると曲を予約してそして愛莉と歌って。
朝まで宴は続いた。

(4)

「ねえ、冬夜さん?」
「どうした愛莉?」

愛莉は家に帰るとシャワーを浴びて帳簿をつけてる。
僕はベッドに横になっていた。

「冬夜さんは風俗とかに興味ないの?たしか前に興味もってたみたいだけど」
「無いと言えば嘘になるかな」
「うぅ……」
「誠や桐谷君にしてみたら楽園らしいから」
「うん……」
「でも僕は別に楽園があるからいいよ」
「どこにあるの?」
「僕にとってこの家は楽園だよ。愛莉が尽くしてくれる」
「そっかぁ~」

愛莉とどんな花を咲かせ、どんな鳥が歌うのだろうか?
その楽園では愛莉とずっと一緒にいられる。
幾度となく繰り返される問い掛け。
尽きることのない楽園への興味。
眠るように沈んでゆく愛しい世界。
水底に夢幻の果てが手招くように扉は開かれる。
廻るように浮かんでくる愛しい愛莉の笑顔はすぐ其処に。
夢幻の果てに手を伸ばすように扉に手をかける、
どんな毛布でも夢は見られる。
愛を知った日の温もりは忘れない。
この楽園ではどんな恋が咲くのだろう?
この楽園ではどんな愛を歌うのだろう?
この楽園では心はもう痛くない。
この楽園では愛莉とずっと一緒にいられる。
僕は生涯愛莉を愛すことを誓うだろう。
そして愛莉と言う存在は僕にとって特別な意味を孕むだろう。
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