能覚人

ミライ164

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〜第五章〜

計画

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 俺は一体、どうなったんだ?背後から殴られ、意識が飛んでいる。ここはどこだ?この暗い世界。俺以外の何もない・・・、誰かが俺を呼んでいる、一体誰なんだ・・・。

 「・・ろ・・・か・だ・・・・し・・と・・あ・・・な・・」

 一体なんて?だめだ、聞き取れない。最も深く潜らないと。あれ?引きずり戻される?どうして・・・。

 そこまでして、俺は目を覚ました。

 体は壁に張り付けにされていて、周りを見渡すと・・・、

 「小春!!」

 小春も同じように、張り付けにされていた。まだ目覚めてはいないようだった。

 「目覚めましたか、昴君。」

 !?

 そこには、白衣を纏った研究者たちが2人、立っていた。そしてもう1人、見覚えのある・・・

 「お、お前は!!」

 「おや、面識がありましたか。まぁ、名前は知っておいてもらいたいですし、彼は獅神 魔光ししん まこう、偉大なる人間の始祖の末裔ですぞ。」

 なんだって!?

 「お前が・・・、」

 「ちっ、顔も見たくない。俺の戦いに介入してきやがって、まぁ今回の研究にはお前とそいつの遺伝子がいるからな・・・あ、もう採取してたんだった。見せてやるよ、ほら早く。」

 「わかっていますとも、では我々の悲願を。」

 そう言い、獅神の体に俺と小春からとった遺伝子が注入された。ん?まてよ、前にもこんなことが・・・。

 『そこで、研究者たちは3人の遺伝子を1人に集約することにした。』

 「まさか!?」

 「そうだ、お前は覚えているか?お前とそいつの遺伝子使われた実験を。あれで、俺の兄が死んだ。お前たちのせいだ。」

 兄?まさか、俺たち以外のもう1人の実験対象者・・・、名前は確か『獅神 神楽ししん かくら』。思い出したぞ!!てことは、あいつは始めから俺を知っていたのか?声律高校で止めた、喧嘩の時から。

 「でも、兄は自害したはずじゃ?」

 「いいや違う、そう記載されているが俺は見た。あの日、別の何かが兄を殺した。」

 そうなのか?詳細は知らないが、今はこいつを止めるのが優先だ。

 「あぁ、イライラしてきた。調節は終わったのか?」

 「もちろんです。では、お気に召すまで存分にどうぞ。」
 
 時すでに遅かった。気づいた時には、すでに体の四肢が消えていた・・・、ように見えた。正確には、ギリギリのところで無の加護を使い防いだのだがあれは化け物だ。さすが、神と悪魔と始祖の力を持った怪物だ。小春はどうする?このままだと、勝機はないし・・・、考えている暇はないか。とにかく今は動くまでだ!
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