能覚人

ミライ164

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〜第六章〜

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 方法は、分かりきっていた。

 正面突破、というわけではない。黒霧の時は、そうやって誘い込まれたし、炎欄火の時は、分断された。

 今は1人とはいえ、単騎で複数を相手にするのは、不可能に等しい。しかも、神王の子はいない。

 言霊を使えば、能力が戻るんじゃないのか?

 結果はダメ。言霊は、体内に影響を及ぼせなかった。

 無理か・・・、これはどうにもならないな。この様子だと、命に関係させれない筈だ。一体、何を企んでるんだ?

 そうすると、何故あの男は能力者を殺害できた?

 言霊にも、ランクとかそういうものがあるのかもしれない。

 これは、乗り込んで聞くしかないな。

 俺は、組織区を目指した。

 ん?目の前には、地面に倒れ込んでいる人がいた。

 誰だろう・・・あっ、莉愛!!

 「大丈夫か?」

 「・・・」

 ん?何か、おかしい。呼吸をしていない!?心臓も止まっている。

 死んだのか?いや、体はまだ温かい。

 119番は・・・間に合わない。

 再生の加護でも、怪我しか治せない。

 やるしかないのか・・・ごめん莉愛。

 俺は、心臓マッサージと人工呼吸のサイクル(30:2)を開始した。

 頼む、間に合ってくれ!

 「・・・!?はぁはぁはぁはぁ。」

 「大丈夫か!莉愛。」

 俺は、すぐさま再生の加護で折れた肋骨を、修復した。

 幸い、一命は取り留めたが、またこんなことが起こったら今度こそ危険だ。

 「うっ、うわあああああぁぁぁぁん。昴~。」

 莉愛は、俺に抱きついてきた。今の時間帯、この付近には人があまりいない。助けも、呼べなかったのだろう。相当怖かったはずだ。

 「もう大丈夫だ。それより、どうしたんだ?」

 「実は、私は生まれつき心臓が弱くて、あまり激しい運動は禁止されてたの。でも、今日はちょっと無理しちゃって・・・。」

 「そうか、でも無理はダメだ。何かあったら、俺を頼ってくれ。お前の代わりに、何でもしてやるよ。おっ、おい!大丈夫か?顔が真っ赤だが・・・。」

 「い、いや、大丈夫。ほら、もう1人でも立て~る~。」

 「ヨレヨレじゃないか。ほら、おぶってやるよ。」
 
 俺は、一旦風制委員会議ビルに戻った。

 「昴!どこ行ってたの!」

 あ~、忘れてた。早苗には、黙ってたんだった。

 「あ~、え~っと、その~。」

 「昴さんは、悪くないです。道で倒れた、私を救ってくれたので。」

 「そうなの?莉愛。だったらいいけどって、大丈夫!?」

 早苗は、莉愛を保健室に連れて行った。

 さて、本題に行きますか。

 土山地、どんな手を使ったかは知らないが、悪事を働いたことは事実。風制委員の名の下に、成敗するとしましょうか。
 
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