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〜第二章〜
木こり
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俺は、次の目的を遂行するために、山奥に来ていた。
黒霧と摩耶には、神器を渡しておいた。
これで、使いこなせればこちらとしてもありがたい。
さて、どこにいるかな。
南 翔
山で、木を伐採する仕事をしている。能力が、『一刀両断』であるため、木こりの仕事と相性が良く、ランクもB上と普通に高い。
俺は数分間、山を散策した。
ここだけ、木が立っていない。
そして、あそこにあるのは山小屋か。人1人は、住めそうだな。
俺は早速、玄関へ向かい、インターホンを鳴らした。
「誰だ?仕事の依頼か?」
「いや、違う。お前には、頼みがあるんだ。」
俺は、能力の覚醒について話した。
「は?なんだそれ、俺は今の仕事でいいんだよ。別に戦わなくったって・・・」
「怖いのか?」
!?
「お前の私情は、ある程度なら知っている。昔に、集落を襲われた際、能力が暴走して家族を傷つけてしまったこと。家族の怪我を治すために、お金を貯めていること。」
「お前、何者だ?」
「ただの、雇われ者だよ。ある人から、君を勧誘するように言われているんだ。」
信用を勝ち取れないと、覚醒させることは難しい。イメージが大切な能力にとって、下手に思考を増やすのは失敗に値する。
「まぁいい、だが1つ用事がある。俺の母さんの怪我は、まだ治ってない。治癒能力者が、見つからないからな。そこで頼みだ。治癒能力者を見つけることが出来たら、お前に手伝ってやろう。」
治癒能力者か。
能力にはいくつか、属性がある。火、水、風、土の基本属性。これらの能力の遺伝子を掛け合わせることで、氷や雷などの、属性を作ることができる。
そして、特殊属性。強化、治癒、付与などの、体に影響を与えるもののことを言う。しかし、特殊属性は存在自体が稀で重宝されることもあるが、それは治癒と付与だけ。強化系能力だけ、基本属性と同じくらいの確率だ。まぁ、火、水、風、土を体に纏って戦うこともできるからな。
また、ランクが低い者はランクの高い者に使った能力が無効化されてしまう。つまり、定ランクの治癒能力者が高ランクの能力者を治すことはできない。さらに、治癒能力のランクを上げるには人を治すしかない。つまり、数少ない能力であり、ランクを上げにくい。不遇能力と言われる、こともある。
治癒能力者か。ここ最近では、聞いたことがないな。俺に出来るのか?今の力では、ギリギリと言ったところだ。せめて、南が覚醒してくれればまだ可能性はあるが、仕方ない。
「やってみるが、時間がかかるぞ?」
「それでもいい。見つかりさえ、すればな。」
1つだけ、心当たりがある。
もう使いこなせてればいいが、それにかけるしかないな。
先日渡したばかりだが、あいつなら大丈夫だろう。
俺は早速、組織区に足を運んだ。
「黒霧、いるか?」
「どうした?帝。」
俺は、事情を話した。
「そういうことなら、任せて。僕の親が教えてくれた槍術には、回復の型もあった。それを、僕流にアレンジしたのが、これだ。」
すごいな。ここまで、アレンジが出来るとは。
俺たちは、南の元を訪れた。
「見つけてきたぞ。」
「何!?もう見つけてきたのか?・・・まぁいいか。本当に治せるなら、疑わない。だが、もし治せなかったら・・・どうなるかな?」
まぁ、大丈夫だろう。
「分かりました。」
「槍術 参式 十全快癒」
みるみる傷跡が、治っていく。これが、黒霧の槍術か。流石だな。
「お、お母さん。」
「翔、ありがとう。あなたが、治癒能力者さん?」
「いえ、ただの無能力者ですよ。」
さて、母も治したことだし・・・。
「南、準備はいいか?」
「おう、どんとこい!」
俺は、能素を流した。
「うっ、うあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
どうだ?子供の頃に暴走していたから、条件が整わなかったのか?
「おい、こんなもんか?」
「流石だ。覚醒おめでとう。そこでなんだが、五能覚に入ってくれないか?」
「いいだろう。」
「安心しろ、五能覚に入ってもこの仕事は続けていい。五能覚には、仕事の依頼が書かれる。それをこなすのが、今の仕事だ。」
さて、3人目の覚醒が終わったと。あと少し、あと少しで完了する。
「おっと、忘れていた。これは、覚醒祝いだ。大切にしろよ。」
そう言って、俺は神器をあげた。
黒霧と摩耶には、神器を渡しておいた。
これで、使いこなせればこちらとしてもありがたい。
さて、どこにいるかな。
南 翔
山で、木を伐採する仕事をしている。能力が、『一刀両断』であるため、木こりの仕事と相性が良く、ランクもB上と普通に高い。
俺は数分間、山を散策した。
ここだけ、木が立っていない。
そして、あそこにあるのは山小屋か。人1人は、住めそうだな。
俺は早速、玄関へ向かい、インターホンを鳴らした。
「誰だ?仕事の依頼か?」
「いや、違う。お前には、頼みがあるんだ。」
俺は、能力の覚醒について話した。
「は?なんだそれ、俺は今の仕事でいいんだよ。別に戦わなくったって・・・」
「怖いのか?」
!?
「お前の私情は、ある程度なら知っている。昔に、集落を襲われた際、能力が暴走して家族を傷つけてしまったこと。家族の怪我を治すために、お金を貯めていること。」
「お前、何者だ?」
「ただの、雇われ者だよ。ある人から、君を勧誘するように言われているんだ。」
信用を勝ち取れないと、覚醒させることは難しい。イメージが大切な能力にとって、下手に思考を増やすのは失敗に値する。
「まぁいい、だが1つ用事がある。俺の母さんの怪我は、まだ治ってない。治癒能力者が、見つからないからな。そこで頼みだ。治癒能力者を見つけることが出来たら、お前に手伝ってやろう。」
治癒能力者か。
能力にはいくつか、属性がある。火、水、風、土の基本属性。これらの能力の遺伝子を掛け合わせることで、氷や雷などの、属性を作ることができる。
そして、特殊属性。強化、治癒、付与などの、体に影響を与えるもののことを言う。しかし、特殊属性は存在自体が稀で重宝されることもあるが、それは治癒と付与だけ。強化系能力だけ、基本属性と同じくらいの確率だ。まぁ、火、水、風、土を体に纏って戦うこともできるからな。
また、ランクが低い者はランクの高い者に使った能力が無効化されてしまう。つまり、定ランクの治癒能力者が高ランクの能力者を治すことはできない。さらに、治癒能力のランクを上げるには人を治すしかない。つまり、数少ない能力であり、ランクを上げにくい。不遇能力と言われる、こともある。
治癒能力者か。ここ最近では、聞いたことがないな。俺に出来るのか?今の力では、ギリギリと言ったところだ。せめて、南が覚醒してくれればまだ可能性はあるが、仕方ない。
「やってみるが、時間がかかるぞ?」
「それでもいい。見つかりさえ、すればな。」
1つだけ、心当たりがある。
もう使いこなせてればいいが、それにかけるしかないな。
先日渡したばかりだが、あいつなら大丈夫だろう。
俺は早速、組織区に足を運んだ。
「黒霧、いるか?」
「どうした?帝。」
俺は、事情を話した。
「そういうことなら、任せて。僕の親が教えてくれた槍術には、回復の型もあった。それを、僕流にアレンジしたのが、これだ。」
すごいな。ここまで、アレンジが出来るとは。
俺たちは、南の元を訪れた。
「見つけてきたぞ。」
「何!?もう見つけてきたのか?・・・まぁいいか。本当に治せるなら、疑わない。だが、もし治せなかったら・・・どうなるかな?」
まぁ、大丈夫だろう。
「分かりました。」
「槍術 参式 十全快癒」
みるみる傷跡が、治っていく。これが、黒霧の槍術か。流石だな。
「お、お母さん。」
「翔、ありがとう。あなたが、治癒能力者さん?」
「いえ、ただの無能力者ですよ。」
さて、母も治したことだし・・・。
「南、準備はいいか?」
「おう、どんとこい!」
俺は、能素を流した。
「うっ、うあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
どうだ?子供の頃に暴走していたから、条件が整わなかったのか?
「おい、こんなもんか?」
「流石だ。覚醒おめでとう。そこでなんだが、五能覚に入ってくれないか?」
「いいだろう。」
「安心しろ、五能覚に入ってもこの仕事は続けていい。五能覚には、仕事の依頼が書かれる。それをこなすのが、今の仕事だ。」
さて、3人目の覚醒が終わったと。あと少し、あと少しで完了する。
「おっと、忘れていた。これは、覚醒祝いだ。大切にしろよ。」
そう言って、俺は神器をあげた。
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