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エピソード1
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スラム街。そんなものは、どこにでも存在する。『オグターンタウン』にももちろん、人間族の『ヒューメンズタウン』女神族の『ガダスシティ』そして魔神族の『ゴビルタウン』そのどれもに、貧富の差が発生し貧しいものが生まれる。そんな彼らを追いやってできたのが、スラム街だ。
だが、もちろん政府が黙っているわけじゃない。住処を提供するには人数が多すぎるが、食事は与えている。しかし、不可解なことがあった。最近、毎日その人数が減っている。事情を聞いても、「知らない」としか言わず、消息不明の者が増え続けていった。このままでは、消息以前にスラムにいる者たちが消えていってしまう。この事件は特に、『ゴビルタウン』のスラム街で、頻繁に起きている。そこで、政府は1日見張りをつけることにしたのだが、ふと目を離した隙に消えてしまい、そこから何もかもがわからなくなってしまう。
そこで、最近開発され世にも出回っていない防魔カメラを導入した。政府はこの案件を、魔法がらみの何かだと考えたらしい。昔からの言い伝えの神隠しは、神の魔法による悪戯。なんて、言われていたからだ。この防魔カメラは、すごい特徴を持っていて、魔力を流し込まないと使うことができない。もちろん、別のアタッチメントにだけど・・・。そして、魔力量を調節することで、画質や角度、視界を調節することができる。それを何台も設置し、何人もの魔法師で操作した。その結果、転移魔法で連れ去られていることが発覚した。しかし、これだけでは犯人の身元がわからず、誘拐先もわからない。
そこで、捨て身の作で身うちから1人を誘拐させることにした。選ばれたのは、目の病気で治療を受けていた子だ。彼は人間であるため、魔神族からしてみればどうでもいい存在。そんな無造作に扱われた子は、スラムへと放り投げ出され、転移魔法で姿を消した。魔神族は、魔法波長の移動先を見て、教会であることが判明した。しかも、『デーモン教団』だった。唯一の魔神王を信仰する教団であり、その身を魔物の森に隠しているとされている。
「まずいことになったぞ、たくさんの人間を必要とする儀式なんて一つしか考えられない。」
「しかも、あの森には災害級モンスターの『オークロード』が出没する。討伐のしようがないぞ。」
「まずいな、このままだとそれ以上の脅威が俺たち、いや世界を襲うことになる。」
「このままではまずい、他の国に援軍要請を!そして、オークロードを討伐し奴らを滅さんことを・・・。プロミス。」
そして、討伐隊が結成され二方向から攻撃を開始した。魔神族がオークロードを、人間族がデーモン教団を、女神族が後ろからバックアップする形となった。
戦いは長期にわたって続いた。オークの軍勢もほとんど鎮圧し、オークロードも将軍の『デビハス』によって討伐された。被害を20%に抑えるなど、かなり奮闘したみたいで、皆街へ戻り休むこととなった。
その頃に人間族は、真っ向勝負に打ち勝てない状況が続いた。相手には、人質と呼べる存在がいる。このままでは負けるだけなのだが、こちらの火炎魔法がタンクに直撃しあたり一面の大火災となった。その混乱と同時に、人質を救出し脱出することに成功した。
デーモン教団は、皆がその場に倒れ死の時を待った、のだが1人だけ違った。研究によって生み出された、魔神王の遺伝子を魔神族が犠牲にした少年に使った。人間に使えるのかはかけだったが、効果がうまくいったのか、人間でありながら角を生やすこととなった。
この頃、種族にははっきりとした違いが生まれ、ハーフでもどちらかの種族の特徴しか持たないとされていた。魔神族は角、女神族は白翼、人間族は何もない。これで、区別をつけていたのだが、人間でありながら魔神である存在は、この世にたった1人としていないかもしれないほどの、稀なケースだったのだ。
しかし、その遺伝子に耐えられるわけもなく、少年は安らかに息を引き取ろうとしていたその時、向こうから歩いてくる1人の女神がいた。天女だ。眠りから目覚めたのだが、力が取り戻っていないために王宮に隠れてひっそりと暮らしていた。いや、姿を隠す術を使っていたので、誰一人として覚めたとは思っていないだろう。彼女は自分の遺伝子の一部を分け与えることで、中和性を取り少年を救ったのだ。
ちなみに、1000年に天女は「いずれかの厄災が近づく時また前線に立ち、あなたたちを導くであろう」と述べたと記録されている。つまり今がその時であるとされているのだ。
それから、5年の年月が経ち、少年は青年と呼べるほど立派に育った。ただ、何故か黒を好むようになっていた。魔神王の遺伝子のせいなのだろうか?真相は不明だ。
そして、天女を母と思い育てられてきたので魔神王を父として認識しているらしい。これにはどうも、天女はため息をつくほどだ。しかし、天女でさえ少年の目は治せなかったので、女神の知恵の結晶の仮面を身につけた。色は、もちろん黒。魔力を流すことで、周りを見れるようになった。
青年は今年で、15歳。世間一般では成人の年と言われているため、天女と別れることになった。
しかし、両者とも止め合うことはせず、現状を素直に飲み込んだ。
「またいつか、その日まで。」
と、天女が別れの言葉を告げた。もちろん「さようなら」の一言は、なかったので僕も
「また会う日まで、」
と返した。
天女の命令で、角と白翼を隠して生活した。そして、15になった場合義務教育課程の魔高等学校に入学しなければいけない。中学と小学は学問だけなので、入学はしなくても良いとのこと、青年にとっては都合が良かった。
今日から始まる、新たな生活。彼はどう生きるのか、それを知るのはまた先のお話で。
だが、もちろん政府が黙っているわけじゃない。住処を提供するには人数が多すぎるが、食事は与えている。しかし、不可解なことがあった。最近、毎日その人数が減っている。事情を聞いても、「知らない」としか言わず、消息不明の者が増え続けていった。このままでは、消息以前にスラムにいる者たちが消えていってしまう。この事件は特に、『ゴビルタウン』のスラム街で、頻繁に起きている。そこで、政府は1日見張りをつけることにしたのだが、ふと目を離した隙に消えてしまい、そこから何もかもがわからなくなってしまう。
そこで、最近開発され世にも出回っていない防魔カメラを導入した。政府はこの案件を、魔法がらみの何かだと考えたらしい。昔からの言い伝えの神隠しは、神の魔法による悪戯。なんて、言われていたからだ。この防魔カメラは、すごい特徴を持っていて、魔力を流し込まないと使うことができない。もちろん、別のアタッチメントにだけど・・・。そして、魔力量を調節することで、画質や角度、視界を調節することができる。それを何台も設置し、何人もの魔法師で操作した。その結果、転移魔法で連れ去られていることが発覚した。しかし、これだけでは犯人の身元がわからず、誘拐先もわからない。
そこで、捨て身の作で身うちから1人を誘拐させることにした。選ばれたのは、目の病気で治療を受けていた子だ。彼は人間であるため、魔神族からしてみればどうでもいい存在。そんな無造作に扱われた子は、スラムへと放り投げ出され、転移魔法で姿を消した。魔神族は、魔法波長の移動先を見て、教会であることが判明した。しかも、『デーモン教団』だった。唯一の魔神王を信仰する教団であり、その身を魔物の森に隠しているとされている。
「まずいことになったぞ、たくさんの人間を必要とする儀式なんて一つしか考えられない。」
「しかも、あの森には災害級モンスターの『オークロード』が出没する。討伐のしようがないぞ。」
「まずいな、このままだとそれ以上の脅威が俺たち、いや世界を襲うことになる。」
「このままではまずい、他の国に援軍要請を!そして、オークロードを討伐し奴らを滅さんことを・・・。プロミス。」
そして、討伐隊が結成され二方向から攻撃を開始した。魔神族がオークロードを、人間族がデーモン教団を、女神族が後ろからバックアップする形となった。
戦いは長期にわたって続いた。オークの軍勢もほとんど鎮圧し、オークロードも将軍の『デビハス』によって討伐された。被害を20%に抑えるなど、かなり奮闘したみたいで、皆街へ戻り休むこととなった。
その頃に人間族は、真っ向勝負に打ち勝てない状況が続いた。相手には、人質と呼べる存在がいる。このままでは負けるだけなのだが、こちらの火炎魔法がタンクに直撃しあたり一面の大火災となった。その混乱と同時に、人質を救出し脱出することに成功した。
デーモン教団は、皆がその場に倒れ死の時を待った、のだが1人だけ違った。研究によって生み出された、魔神王の遺伝子を魔神族が犠牲にした少年に使った。人間に使えるのかはかけだったが、効果がうまくいったのか、人間でありながら角を生やすこととなった。
この頃、種族にははっきりとした違いが生まれ、ハーフでもどちらかの種族の特徴しか持たないとされていた。魔神族は角、女神族は白翼、人間族は何もない。これで、区別をつけていたのだが、人間でありながら魔神である存在は、この世にたった1人としていないかもしれないほどの、稀なケースだったのだ。
しかし、その遺伝子に耐えられるわけもなく、少年は安らかに息を引き取ろうとしていたその時、向こうから歩いてくる1人の女神がいた。天女だ。眠りから目覚めたのだが、力が取り戻っていないために王宮に隠れてひっそりと暮らしていた。いや、姿を隠す術を使っていたので、誰一人として覚めたとは思っていないだろう。彼女は自分の遺伝子の一部を分け与えることで、中和性を取り少年を救ったのだ。
ちなみに、1000年に天女は「いずれかの厄災が近づく時また前線に立ち、あなたたちを導くであろう」と述べたと記録されている。つまり今がその時であるとされているのだ。
それから、5年の年月が経ち、少年は青年と呼べるほど立派に育った。ただ、何故か黒を好むようになっていた。魔神王の遺伝子のせいなのだろうか?真相は不明だ。
そして、天女を母と思い育てられてきたので魔神王を父として認識しているらしい。これにはどうも、天女はため息をつくほどだ。しかし、天女でさえ少年の目は治せなかったので、女神の知恵の結晶の仮面を身につけた。色は、もちろん黒。魔力を流すことで、周りを見れるようになった。
青年は今年で、15歳。世間一般では成人の年と言われているため、天女と別れることになった。
しかし、両者とも止め合うことはせず、現状を素直に飲み込んだ。
「またいつか、その日まで。」
と、天女が別れの言葉を告げた。もちろん「さようなら」の一言は、なかったので僕も
「また会う日まで、」
と返した。
天女の命令で、角と白翼を隠して生活した。そして、15になった場合義務教育課程の魔高等学校に入学しなければいけない。中学と小学は学問だけなので、入学はしなくても良いとのこと、青年にとっては都合が良かった。
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