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第3章 共鏡の世界にのぞむ
7.不思議な存在
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当て所なく歩くうち、ユクミは開けた空間を見つけた。このような場所で人々は憩いのひとときを過ごしたり、子どもたちが遊んだりするのだとは灰色の領域にいたころに鏡の中で見たからから知っている。
ガランとした空間に足を踏み入れて端の方にある椅子へ座る。辺りには幾本もの木が枝を伸ばしているがすべては張りぼて、感情のない木に無表情に覗き込まれるのは気持ちが良いものではないので、できるだけ視界に入らないようユクミは下を向く。
(……この異界は変なところだ)
見た目は本来の世界と変わらないはずなのに陽の気配はない。そこかしこから漂っているのは陰の気配ばかりだ。
ユクミはこの異界に来たとき、自分と司の気配をとっさに歪ませた。死人になったとはいえ『人間』だった司の放つ陽の気配はこの異界には強すぎる。妖も人間ほどではないが陽の気配を持っている上に、人間を父に持つユクミはさらに陽の気配が強いので、陽の気を隠さなくては異界を作った隠邪に察知されてしまいそうな気がしたのだ。
今ではその行動は正しかったと思っている。この異界で初めて会った友介はユクミの知る人間の気配とはかけはなれていた。人間であれば陰の気配はほとんど持たないはずなのに、友介は半分以上が陰の気配だったのだ。陰の気を放つ何かに、陽の気を持つ何かが定着させられている奇妙な存在。
相反する属性で術をかけると反発が起きて消滅するはずなのに、なぜか友介はうまくいっていた。それは知穂も同様だ。
これはきっと、『猿の隠邪』とやらが作り出したものの中でも特別な存在なのだろうと思う。
何しろ今のところはそんな“特別”な気配を持つのは友介と知穂だけ。美織を含めた他の人々は完全に陰の気配しか持っていない。
陰の気配だけの存在といえば隠邪だが、美織を含む人々の言動は隠邪のものではないというこの謎がユクミにはいまだに解明できていなかった。
初めは「司の知り合いだから」という理由かと思った。
しかし同じく司と知り合いであるはずの美織は、友介や知穂とは違って陽の気配を持たない。
(この差はなんだろう)
思案しながらユクミは懐から飴を出す。
この飴は陽の気を持つ友介が持っていたためか、ほんのりとした陽の気配がある。思いやる気持ち、「よろしく」の気持ちを感じる。よろしく、よろしく。よろしくね、と言っているような気がするのだ。
掌の上に飴の袋をのせて様々な角度から眺めてから、ユクミは指で両端を摘まんでぐるぐると回しはじめる。
司は「遊びものではない」と言ったが、この軽い感触も音も今までユクミの周りにはなかったものだ。こうして鳴らしているとなんだか楽しいし、心のない風が張りぼての枝を揺らす音を聞くよりもずっといい。もちろん飴を食べたい気持ちはあるのだが、食べて無くなってしまう方が今は残念だった。
よれて光をはじく不思議な素材の袋を見ながら指を動かしているうち、カシュカシュという音の中に何か違うものが交じった気がする。何度か瞬いて目をつぶり、ユクミは耳を澄ました。
――よろしく。よろしく。
それはまるで誰かの声のようだ。
――よろしく。よろしく。
なんだか友介のものに似ている。
――よろしく、よろしく。よろしく。……どうか、司を、よろしくね――
ユクミは思わず手を止めた。カシュカシュという音がやみ、声もやむ。
目を開けて辺りを見回しても、友介の姿などない。
ユクミは声を耳の奥で思い出しながら再び指を動かしてみる。今度はどれだけ経ってもカシュカシュという音しか聞こえてこなかった。先ほどのはユクミの幻聴だったのだろうか。――それとも。
(……司)
唇を引き結んだユクミは飴を懐へ戻し、椅子から飛び降りた。張りぼての木に見送られながら道へ出て、いくつかの角を曲がり、真っすぐ行き、また角を曲がる。と、そこでユクミは足を止めた。
どこか近くに、異質な気配がある。
辺りを見回して出所を探し、ユクミは甘い香りがほのかに漂う一軒の小さな建物に当たりをつける。この透明な扉に覚えはないのだが、横にある仕掛け遊具らしきものは記憶にあるので、来るときは戸締りされて中が見えなくなっていたのだろう。
扉に近寄ると甘い香りが強くなった。むかし母が食べさせてくれた菓子のものに似ている。あの甘味を思い出して小さく喉を鳴らしたユクミは我に返ってふるふると頭を振り、目を凝らして中を見た。
細かな品々が所狭しと並ぶ中、奥に小柄な中年女性が座っている。彼女を目にした途端、ユクミは隠している尻尾が逆立つのではないかと思うほど驚いた。
女性の気配は、この異界に来てから初めての『完全な人間』のものだった。
この異界に完全な人間が存在しないと思っていたユクミは、つい穴が開くほど彼女を見つめる。その視線を感じたのだろうか、女性は落としていた視線をふと上げた。ユクミと目が合ってにこりと笑い、ゆるゆると手招きをする。
無視をしても良かったのだが、この女性が何者なのか気になった。それでほんの少しだけ、ユクミは彼女と話そうと決めた。
扉を開けると、中からの暖かい空気がユクミの頬を撫でる。
「いらっしゃい。初めて見る子ね」
言って、女性は少し眉を寄せた。
「……初めて見る子、でいいのよね?」
「うん」
ユクミがうなずくと、女性は安堵したように頬を緩める。
「良かった。なんか知らないけど、今日は起きてからずっと頭がボンヤリしてるのよね」
もう歳なのかなあ、と呟きながらも女性は釈然としない調子で首をひねっている。彼女の顔にも声にもユクミは覚えがない。
「あなたは、誰?」
「この駄菓子屋のおばちゃんよ。皆はアヤさんって呼ぶわ。あなたは何ちゃん?」
「……ユクミ」
「ユクミちゃんね。着物、よく似合ってるわ。可愛いね」
「ありがとう」
アヤは「知穂」ではなく最初に「ユクミ」と呼んでくれた。それがなんだか嬉しい。
「アヤさんは、ずっとここにいるの?」
「そうよ。この店は元々、私のお母さんがやってたんだけどね。年を取って引退したから私が継いだの」
ユクミが聞きたかったのはそういうことではなかったのだが、とにかくアヤがこの地に長くいるのは変わらないようだ。
(それが気配と何か関係してるのかな)
分からないなりにユクミが状況を考えていると、アヤが自分の横をとんとんと叩いて示す。
「ユクミちゃん。外にいるのは寒いでしょう? こっちへ来たら?」
しかしそれにはユクミは首を横に振った。
「もう行くから」
「あら、そうなのね」
残念そうに言ってアヤは立ち上がる。扉近くまで来ると近くの棚から何かを取り出し、ユクミに差し出した。
「はい、これ。どうぞ」
「……お金、持ってない」
「いいのよ。初めましてのプレゼントだから」
それが友介の言い方に似ていたのでユクミは手を出した。アヤがユクミの手に乗せてくれたのは、友介がくれたものとよく似た素材で、友介がくれたものよりもう少し大きな袋だ。
「お父さんやお母さんに『これは食べちゃ駄目』って言われたら食べないでね」
ユクミには父も母もいない。それでもアヤの気持ちが嬉しかったのでユクミは素直に頭を下げる。
「また遊びに来てね、ユクミちゃん。待ってるわ」
手を振るアヤに背を向けて、ユクミは再び道を行く。
(また、ここへ来る)
アヤはこの異界で会った初めての“人間”だ。今度は司にも事情を話して一緒にアヤの元へ行き、もっとたくさん話をしようとユクミは心に決めた。
ガランとした空間に足を踏み入れて端の方にある椅子へ座る。辺りには幾本もの木が枝を伸ばしているがすべては張りぼて、感情のない木に無表情に覗き込まれるのは気持ちが良いものではないので、できるだけ視界に入らないようユクミは下を向く。
(……この異界は変なところだ)
見た目は本来の世界と変わらないはずなのに陽の気配はない。そこかしこから漂っているのは陰の気配ばかりだ。
ユクミはこの異界に来たとき、自分と司の気配をとっさに歪ませた。死人になったとはいえ『人間』だった司の放つ陽の気配はこの異界には強すぎる。妖も人間ほどではないが陽の気配を持っている上に、人間を父に持つユクミはさらに陽の気配が強いので、陽の気を隠さなくては異界を作った隠邪に察知されてしまいそうな気がしたのだ。
今ではその行動は正しかったと思っている。この異界で初めて会った友介はユクミの知る人間の気配とはかけはなれていた。人間であれば陰の気配はほとんど持たないはずなのに、友介は半分以上が陰の気配だったのだ。陰の気を放つ何かに、陽の気を持つ何かが定着させられている奇妙な存在。
相反する属性で術をかけると反発が起きて消滅するはずなのに、なぜか友介はうまくいっていた。それは知穂も同様だ。
これはきっと、『猿の隠邪』とやらが作り出したものの中でも特別な存在なのだろうと思う。
何しろ今のところはそんな“特別”な気配を持つのは友介と知穂だけ。美織を含めた他の人々は完全に陰の気配しか持っていない。
陰の気配だけの存在といえば隠邪だが、美織を含む人々の言動は隠邪のものではないというこの謎がユクミにはいまだに解明できていなかった。
初めは「司の知り合いだから」という理由かと思った。
しかし同じく司と知り合いであるはずの美織は、友介や知穂とは違って陽の気配を持たない。
(この差はなんだろう)
思案しながらユクミは懐から飴を出す。
この飴は陽の気を持つ友介が持っていたためか、ほんのりとした陽の気配がある。思いやる気持ち、「よろしく」の気持ちを感じる。よろしく、よろしく。よろしくね、と言っているような気がするのだ。
掌の上に飴の袋をのせて様々な角度から眺めてから、ユクミは指で両端を摘まんでぐるぐると回しはじめる。
司は「遊びものではない」と言ったが、この軽い感触も音も今までユクミの周りにはなかったものだ。こうして鳴らしているとなんだか楽しいし、心のない風が張りぼての枝を揺らす音を聞くよりもずっといい。もちろん飴を食べたい気持ちはあるのだが、食べて無くなってしまう方が今は残念だった。
よれて光をはじく不思議な素材の袋を見ながら指を動かしているうち、カシュカシュという音の中に何か違うものが交じった気がする。何度か瞬いて目をつぶり、ユクミは耳を澄ました。
――よろしく。よろしく。
それはまるで誰かの声のようだ。
――よろしく。よろしく。
なんだか友介のものに似ている。
――よろしく、よろしく。よろしく。……どうか、司を、よろしくね――
ユクミは思わず手を止めた。カシュカシュという音がやみ、声もやむ。
目を開けて辺りを見回しても、友介の姿などない。
ユクミは声を耳の奥で思い出しながら再び指を動かしてみる。今度はどれだけ経ってもカシュカシュという音しか聞こえてこなかった。先ほどのはユクミの幻聴だったのだろうか。――それとも。
(……司)
唇を引き結んだユクミは飴を懐へ戻し、椅子から飛び降りた。張りぼての木に見送られながら道へ出て、いくつかの角を曲がり、真っすぐ行き、また角を曲がる。と、そこでユクミは足を止めた。
どこか近くに、異質な気配がある。
辺りを見回して出所を探し、ユクミは甘い香りがほのかに漂う一軒の小さな建物に当たりをつける。この透明な扉に覚えはないのだが、横にある仕掛け遊具らしきものは記憶にあるので、来るときは戸締りされて中が見えなくなっていたのだろう。
扉に近寄ると甘い香りが強くなった。むかし母が食べさせてくれた菓子のものに似ている。あの甘味を思い出して小さく喉を鳴らしたユクミは我に返ってふるふると頭を振り、目を凝らして中を見た。
細かな品々が所狭しと並ぶ中、奥に小柄な中年女性が座っている。彼女を目にした途端、ユクミは隠している尻尾が逆立つのではないかと思うほど驚いた。
女性の気配は、この異界に来てから初めての『完全な人間』のものだった。
この異界に完全な人間が存在しないと思っていたユクミは、つい穴が開くほど彼女を見つめる。その視線を感じたのだろうか、女性は落としていた視線をふと上げた。ユクミと目が合ってにこりと笑い、ゆるゆると手招きをする。
無視をしても良かったのだが、この女性が何者なのか気になった。それでほんの少しだけ、ユクミは彼女と話そうと決めた。
扉を開けると、中からの暖かい空気がユクミの頬を撫でる。
「いらっしゃい。初めて見る子ね」
言って、女性は少し眉を寄せた。
「……初めて見る子、でいいのよね?」
「うん」
ユクミがうなずくと、女性は安堵したように頬を緩める。
「良かった。なんか知らないけど、今日は起きてからずっと頭がボンヤリしてるのよね」
もう歳なのかなあ、と呟きながらも女性は釈然としない調子で首をひねっている。彼女の顔にも声にもユクミは覚えがない。
「あなたは、誰?」
「この駄菓子屋のおばちゃんよ。皆はアヤさんって呼ぶわ。あなたは何ちゃん?」
「……ユクミ」
「ユクミちゃんね。着物、よく似合ってるわ。可愛いね」
「ありがとう」
アヤは「知穂」ではなく最初に「ユクミ」と呼んでくれた。それがなんだか嬉しい。
「アヤさんは、ずっとここにいるの?」
「そうよ。この店は元々、私のお母さんがやってたんだけどね。年を取って引退したから私が継いだの」
ユクミが聞きたかったのはそういうことではなかったのだが、とにかくアヤがこの地に長くいるのは変わらないようだ。
(それが気配と何か関係してるのかな)
分からないなりにユクミが状況を考えていると、アヤが自分の横をとんとんと叩いて示す。
「ユクミちゃん。外にいるのは寒いでしょう? こっちへ来たら?」
しかしそれにはユクミは首を横に振った。
「もう行くから」
「あら、そうなのね」
残念そうに言ってアヤは立ち上がる。扉近くまで来ると近くの棚から何かを取り出し、ユクミに差し出した。
「はい、これ。どうぞ」
「……お金、持ってない」
「いいのよ。初めましてのプレゼントだから」
それが友介の言い方に似ていたのでユクミは手を出した。アヤがユクミの手に乗せてくれたのは、友介がくれたものとよく似た素材で、友介がくれたものよりもう少し大きな袋だ。
「お父さんやお母さんに『これは食べちゃ駄目』って言われたら食べないでね」
ユクミには父も母もいない。それでもアヤの気持ちが嬉しかったのでユクミは素直に頭を下げる。
「また遊びに来てね、ユクミちゃん。待ってるわ」
手を振るアヤに背を向けて、ユクミは再び道を行く。
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