DEAD or ALIVE

あまんちゅ

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第四章 束の間の休息

第38話 協定

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「俺からも質問だ。結局のところ、お前とブラッド・レーベルとの関係はどういうものなんだ?」

 八崎が聞いた。確かに、それも気になるところだ。彼女の目的がハッキリした今、大事な焦点はそこだろう。

「まあそうなるわよね。隠してもしょうがないし、肝心なところだけかいつまんで話すわ」

 はあ、と一呼吸置いてから、瑞樹は口を開いた。

「私は、ブラッド・レーベルに所属していたの。さっき話した、私の目的のために、奴らを利用してやろうと思ってね。でも、私はアイツらに仲間として認められていたわけではないの。私の行動は常に監視され、警戒されていた。そんな中で、私はミスを犯してしまった。監視の目を盗んで、奴らのデータベースに侵入していたところを、見え猿にバレちゃったの。それで、組織から抜け出そうとあの地下道に逃げ込んだって訳。あんたたちに会ったのは想定外だったけどね」

「そうだったのか」

 俺が答えると、今度は瑞樹から質問が飛んできた。

「アンタたち、芦堂の間宮と新庄をやったって本当?」
「芦堂……そうだな。一応、そういうことになってる」
「ふーん。それなりに腕は立つみたいね。街でも結構噂になってるみたいだし、色々と都合がいいわ」

 瑞樹は口に手を当て、しばらく何かを考えているようだった。

「おい女。そろそろ本題に入れや。こっちはきっちり約束果たしてんだからよォ」

「……それもそうね。あなた達が追ってる私の兄、金平かねひら 賢人けんとについて。でもその前に1つだけハッキリさせておきたいことがあるわ。あのバカ兄貴について話した後、私もあなた達の仲間に入れてもらう」

「なんだと?」

 八崎が怪訝そうに眉をひそめる。瑞樹が、俺たちの仲間に? 瑞樹は確か、ブラッド・レーベルから逃げるため、八崎に紅巾族を味方に引き入れろと条件を出したんだったよな。

 つまり、紅巾族と味方同士になった八崎と仲間になることで、ブラッド・レーベルの連中が簡単に出だしできないようにしたいってことか。瑞樹が言いたいことは分かった。俺は別に反対するつもりはないし、彼女を仲間にしてもいいと思う。

 だけど、他の二人は何て言うだろうか。特に八崎は、なぜか瑞樹に対して敵対心むき出しって感じだし……。仲間になんて絶対ならないからな! ってごねられたらどうしようか。

「俺は構わないけど、八崎と小宮山はどう思う?」

「お前がいいならいいんじゃね?」
「別にええと思うで。この姉ちゃんごっつ可愛いし」

「えぇ……」

 めっちゃ簡単に決めますやんか。いいのかそれで。彼女が敵だったらとかそういうのないの? 八崎お前さっきまであんなツンケンしてたのに。

「ただし、裏切ったら容赦しねえぞ。俺はいつでもお前を殺せる」
「あら怖い。でも大丈夫よ、私って嘘がつけない体質だから」

 八崎と瑞樹の間に、見えない殺気が飛び交っていた。だがそれも一瞬のことで、八崎から先に殺気が消えた。

「安心しろ成瀬。こいつが余計なことしやがったら、俺が速攻ぶっ飛ばしてやるからよ」

「お、おう。そうならないことを祈るよ」

 笑顔で人をぶっ飛ばすと言い放つ八崎を恐ろしく感じる反面、俺のために色々と考えてくれていることが嬉しくもあった。

「さてと、じゃあ早速約束の情報提示といきましょうか。結論から言うと、アイツは今ブラッド・レーベルに攫われてはいないわ」

「え? いやでも」

「確かに、そこのおチビちゃんが持ってた画像に映っていたのは私のバカ兄貴よ。でも、私が見たり聞いたりしている限りでは、ブラッド・レーベルがアイツを捕えたって話は聞いていない」

「そりゃお前が信用されてなかったから、情報を知らせられていなかっただけじゃねえのか?」

 八崎の指摘は最もだ。彼女はブラッド・レーベルに在籍中、常に監視されていたと話していたしな。

「もちろんその可能性もあるわ。でも、ブラッド・レーベルもアイツの行方を追っていたのよ。だから、捕えたとしたらそれなりに動きがあるはず」

 ブラッド・レーベルも金平を? どういうことだ。なんで連中も金平を追う必要があったんだ。それに、ブラッド・レーベルが金平を捕えていないとすると、あの時俺たちの目の前に現れたのは一体誰だったんだ? 死猿と全く同じ格好をしていたんだぞ。

 ……いや、若干違うところがあったような気もする。金平を連れ去った奴は、死猿よりも少し背が低かったような気もする。それに肉付きも若干女性っぽかったような……。

「私が現状で話せるのはここまで。後は、あなた達と行動を共にしていれば自然と情報が集まってくるはずよ」

「はあ? たったそれだけかよ。金平が今どこにいるかの情報は?」

「今は答えられない、というか私も知らないわ。だからこれから探すのよ。私の目標達成のために、嫌でもバカ兄貴のことも耳に入ってくるはずだから」

「……チッ。結局、何にも分からず仕舞いかよ」

 八崎は苛立たしそうに舌打ちをした。しかし、事態は確実に前に進んでいる。ブラッド・レーベルに奴が捕まっていないということが分かっただけでも、大きな進歩だ。

 金平を連れ去った奴は、別にいる。ソイツを見つけ出すことが、次の目標だ。だけど、これ以上俺たちができることなんてあるのか? それに、このままだと八崎や小宮山を危険な目に遭わせてしまうことになる可能性が高い。

 芦堂の時みたいに殴り合いの喧嘩だけならまだしも、ブラッド・レーベルのように銃を使ってくる奴もいる。そうなったら、命の危険だってあるんだ。そんな戦いに巻き込むわけには……。

「さあ、とりあえず今日はここまでにしましょう。続きはまた明日。いつまでもこんなカビ臭いところにはいられないわ」

 瑞樹はそう言うと、そそくさと入り口から出て行ってしまった。俺たち3人は顔を見合わせ、ひとまずここから出ることにした。俺は八崎の肩を借りて、八崎の家を目指し歩き出したのだった。
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