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4話 体術スキルの正体!
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眩しい…
俺はカーテンの隙間から差し込む朝日に起こされた。
…レインがいない!
勝手に外に出たのか、寝る前に閉めていたはずの入り口の鍵が開いている。
俺は慌ててマリーのところへ走って行った。
良かった。
…レインはマリーと楽しそうに話していた。
「パパ、おはよー」
レインは朝からご機嫌だ。昨日はマリーに恥ずかしそうにしていたが、もう慣れたようで何よりだ。
「ありがとう、マリー」
「構わないですよ、私もすごく楽しいので!」
俺はマリーに仕事の間、レインを預かってくれないか頼んだ。彼女は快く引き受けてくれた。
本当に良い人だな。
俺はレインを宿に残し、昨日行ったギルドへ向かった。
これからマリーの宿に泊まる時やレインに飯を食わせてやるためにお金が必要である。
よし、やるか。
俺は心の中で気合を入れて、ギルドの建物へ入った。
朝早いにもかかわらず、人が多いな。
昨日ここで聞いたことだが、仕事を受けるには、依頼主が掲示板で発注している仕事内容や報酬を見て自分で選ぶ必要があった。
掲示板の前にできた人だかりをかけ分けて、何とか文字が見えるところまでたどり着いた。
依頼コード502 ーーネズミ退治ーー
ーーネズミに畑を荒らされて困っていますーー
報酬 ーー銀貨十枚ーー
これなら初心者の俺にも出来そうだ。
俺は簡単そうな依頼を受け、依頼書にあった畑まで歩いて行った。
なるほど。
たしかにその畑は、育ちきっていない野菜がゴロゴロと転がっていた。
そのネズミはどこにいるんだ?
突然地面から妙な音が鳴った。
ドーン、ズズズ…
一瞬静かになった後、畑の奥の方地面から大型犬のような生き物が出てきた。
…なんだよ、あれは。
それはよく見ると、見たこともない巨大で真っ赤な目をしているネズミであった。
異世界にモンスターありということか。俺は喧嘩慣れしているからこそわかるが、このネズミはヤバイ感じがする。逃げた方が良いかもしれない。
いやいや、銀貨十枚程度の仕事で逃げてしまえば、これからどうすることもできない。
俺はやるしかないと腹を括った。
とは言っても、普通にただ勝つまでは勝ち目なしである。
スキルを使ってみるか。
確か、俺のスキルは体術と威圧だったはずだ。威圧ということはこうすれば良いのか?
俺はこちらへ向かってきた大ネズミにガンを飛ばしてみた。
…ピタッ
嘘だろ。大ネズミの動きが止まった。
ここからは物理攻撃しかないな。
俺が数回攻撃すると、大ネズミは気を失った。たしか、倒したモンスターをギルドに持っていけば報酬をもらえるのだったな。
攻撃してみて気付いたが、体術スキルは無条件でパワーが上がったりするわけではないようだ。このスキルの使い方は今後、調べるしかない。
倒したネズミをギルドへ持って行き、銀貨十枚と交換することができた。
今日の仕事はとりあえずこのくらいにしておいて、情報収集をしようと思う。
俺はカーテンの隙間から差し込む朝日に起こされた。
…レインがいない!
勝手に外に出たのか、寝る前に閉めていたはずの入り口の鍵が開いている。
俺は慌ててマリーのところへ走って行った。
良かった。
…レインはマリーと楽しそうに話していた。
「パパ、おはよー」
レインは朝からご機嫌だ。昨日はマリーに恥ずかしそうにしていたが、もう慣れたようで何よりだ。
「ありがとう、マリー」
「構わないですよ、私もすごく楽しいので!」
俺はマリーに仕事の間、レインを預かってくれないか頼んだ。彼女は快く引き受けてくれた。
本当に良い人だな。
俺はレインを宿に残し、昨日行ったギルドへ向かった。
これからマリーの宿に泊まる時やレインに飯を食わせてやるためにお金が必要である。
よし、やるか。
俺は心の中で気合を入れて、ギルドの建物へ入った。
朝早いにもかかわらず、人が多いな。
昨日ここで聞いたことだが、仕事を受けるには、依頼主が掲示板で発注している仕事内容や報酬を見て自分で選ぶ必要があった。
掲示板の前にできた人だかりをかけ分けて、何とか文字が見えるところまでたどり着いた。
依頼コード502 ーーネズミ退治ーー
ーーネズミに畑を荒らされて困っていますーー
報酬 ーー銀貨十枚ーー
これなら初心者の俺にも出来そうだ。
俺は簡単そうな依頼を受け、依頼書にあった畑まで歩いて行った。
なるほど。
たしかにその畑は、育ちきっていない野菜がゴロゴロと転がっていた。
そのネズミはどこにいるんだ?
突然地面から妙な音が鳴った。
ドーン、ズズズ…
一瞬静かになった後、畑の奥の方地面から大型犬のような生き物が出てきた。
…なんだよ、あれは。
それはよく見ると、見たこともない巨大で真っ赤な目をしているネズミであった。
異世界にモンスターありということか。俺は喧嘩慣れしているからこそわかるが、このネズミはヤバイ感じがする。逃げた方が良いかもしれない。
いやいや、銀貨十枚程度の仕事で逃げてしまえば、これからどうすることもできない。
俺はやるしかないと腹を括った。
とは言っても、普通にただ勝つまでは勝ち目なしである。
スキルを使ってみるか。
確か、俺のスキルは体術と威圧だったはずだ。威圧ということはこうすれば良いのか?
俺はこちらへ向かってきた大ネズミにガンを飛ばしてみた。
…ピタッ
嘘だろ。大ネズミの動きが止まった。
ここからは物理攻撃しかないな。
俺が数回攻撃すると、大ネズミは気を失った。たしか、倒したモンスターをギルドに持っていけば報酬をもらえるのだったな。
攻撃してみて気付いたが、体術スキルは無条件でパワーが上がったりするわけではないようだ。このスキルの使い方は今後、調べるしかない。
倒したネズミをギルドへ持って行き、銀貨十枚と交換することができた。
今日の仕事はとりあえずこのくらいにしておいて、情報収集をしようと思う。
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