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23話
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ジュリエット様は求婚した全員に嫌われているって話になってから、伯父夫妻の顔色が悪い。
「はぁ…お兄様。ジュリエットが何かしても今後我が家は関わらないわよ。関係の無いミュリエルまで巻き込んで」
「分かっている…ミュリエルに絡まないよう言い聞かせておいたのだが…」
「言っても聞かない事は分かっていたでしょう?いい加減、甘やかすのは止めて頂戴!」
伯父様とお母様のやり取りから、今までにも色々あっただろう事は伝わってくる。
お茶会では挨拶しかしていなかったから「派手で偉そう」という印象しかないけれど…もっとヤバイ人だったのかしら?
「ランベール家には長くご迷惑をおかけして申し訳ありません。ミュリエル様もごめんなさいね」
グレース公爵夫人が頭を下げる。
「いえ…」
「私とて王家から抗議が来るまで放置したのだ。お前だけでは無い。責任は私にもある」
王家から抗議まで来たの?ジュリエット様は何をしたのかしら?
とりあえず、ジュリエット様はお兄様と私に接近禁止。フェル兄様との婚約は元々無理だったそう。
同じ家に2代続けて嫁入りするのは駄目らしい。
伯父夫妻と両親は今後の対策を話し合うため、私達はサロンへ場所を変えた。
*****
「やっと開放されたよ」
フェル兄様は婚約話が無くなったからか、凄く嬉しそうだわ。
「フェルを追いかけさせて、2年はある程度抑えられたからな」
「僕は構わないが、ミュリーに矛先が向いたのは許さないよ」
「分かってる。だから今回で終わったんだろ?」
アルベール様がどういう事か説明してくれた。
公爵家と侯爵家は10歳より前から王家と定期的に交流を持っているそう。将来の伴侶や側近になるし、国としても要職に就いていたり、防衛の要となる領地を持つ家々との交流は必要不可欠。
「ミュリーは社交場に出られる体力が無くて、父様が断っていたんだよ」
確かにお勉強が始まっても、私には体力が無かったわ。最悪お茶会の会場まで歩くだけで倒れる…。
ジュリエット様もある程度マナーを身につけてから、王家との茶会に出るようなり第一王子殿下を追いかけ回し始めた。無下にされ続けると第二王子殿下に矛先が変わった。
うんざりした王子達から公爵家に苦情が何度も来て、ジュリエット様もお叱りを受けたが殿下方を追い回すのを止めなかった。
その結果、王宮は出入り禁止となった。この時に「まだ子供だから」と夫人が庇ったらしい。
その後厳しく教育し直し、ちゃんとした令嬢になれれば良かったのだけれど、ジュリエット様は変わらなかった。
伯父様は王家から抗議が来て初めて、ジュリエット様の不味さに気がついたらしい。
「もうこの時点でヤバイだろ?再教育も母上が甘くて意味無かったしな。俺はちゃんと教育が終わらなければ、茶会に出すなって言ったんだけどなぁ」
そして矯正されないまま10歳のお茶会デビュー。
王子達に会えないせいか、ここから公爵家の嫡男に矛先が変わる。お茶会で執拗に追いかけ回し、王子の時と同じく何度も苦情が来た。
「それでも母上は甘くてね。限られた者しかいない王家の茶会と違って悪評がどんどん広まる」
ジュリエット様が学園に入学すると矛先はお兄様に。
両家で話し合ってジュリエット様の再再教育と、これ以上悪評が広まらないように、数年はお兄様に引き付け大人しくさせる事となった。
「でも挨拶以上を禁止されていたミュリエルに絡んだから、フェルもおじさん達も怒ってね。それも今回で終わりとなった。ちなみに、再再教育も失敗だからな」
「あの…ジュリエット様は周りの目は気にならないのかしら?」
あの刺さるような視線はかなり居心地が悪い。
「あいつは注目されたいんだ。どういう意味でも」
「良い視線ではありませんのに?」
「王子殿下に「お前のような女は嫌いだ」と面と向かって言われても追いかけていたからな。都合の悪い事は聞こえないし見えないんだろ」
ジュリエット様のメンタル凄くない?はっきり言われても追いかけるとか、ちょっと怖いんだけど…。
フェーリもさすがにドン引きして『うわぁ…』と言っているわ。
「デビュタントで失敗すれば、嫁入り先が更に無くなるな」
シャルロット様達に教えてもらった令嬢の結婚事情だと、公爵令嬢なら性格に問題があっても、支援と公爵家という後ろ盾が欲しい相手は居るそう。
もしジュリエット様が結婚せずに働くとしたら、王宮の侍女くらい。でも人に仕えられるのかな…性格的に。
あとは同盟国に嫁ぐ。これは夜会で問題を起こしたら多分無理…。夜会には外交官とか来るし、国際問題は避けたいから。
*****
なかなか濃い話を聞いたから疲れてしまったわ。アルベール様達が帰った後、お兄様と2人してつい溜息がもれる。
「さすがに疲れたね。ミュリー、ちゃんと話してなくてごめんね」
「いえ、知っていてもジュリエット様は同じ事をしたと思いますし…学園で避けるのは難しいです」
ランチ中に来られたから逃げられなかったし。
「グレース夫人も、もう甘やかさないだろう」
「そうだと良いのですが…」
結構ヤバイ状態なのに甘やかしている伯母様が、今更本当に厳しく出来るのだろうか?
そして、ジュリエット様が変われるのか…。来年のデビュタントで失敗すれば本当にヤバイと思う。
「まぁ…今から変わるとも思えないけどね」
「デビュタントで失敗したら、どうなるのですか?」
「どうかな?父様達は甘い処分は許さないだろうからね」
伯母様はどうしてこうなるまで甘やかしたのかしら?
お母様達も私に甘いけれど、叱る時はきちんと叱ってくれたわ。何故駄目なのか、どうすれば良かったのか。
間違いをちゃんと正してくれる人が、ジュリエット様にはいなかったのかしら?
本人が見ようとも聞こうともしないから、どちらにしろ意味は無いのかな…。
「はぁ…お兄様。ジュリエットが何かしても今後我が家は関わらないわよ。関係の無いミュリエルまで巻き込んで」
「分かっている…ミュリエルに絡まないよう言い聞かせておいたのだが…」
「言っても聞かない事は分かっていたでしょう?いい加減、甘やかすのは止めて頂戴!」
伯父様とお母様のやり取りから、今までにも色々あっただろう事は伝わってくる。
お茶会では挨拶しかしていなかったから「派手で偉そう」という印象しかないけれど…もっとヤバイ人だったのかしら?
「ランベール家には長くご迷惑をおかけして申し訳ありません。ミュリエル様もごめんなさいね」
グレース公爵夫人が頭を下げる。
「いえ…」
「私とて王家から抗議が来るまで放置したのだ。お前だけでは無い。責任は私にもある」
王家から抗議まで来たの?ジュリエット様は何をしたのかしら?
とりあえず、ジュリエット様はお兄様と私に接近禁止。フェル兄様との婚約は元々無理だったそう。
同じ家に2代続けて嫁入りするのは駄目らしい。
伯父夫妻と両親は今後の対策を話し合うため、私達はサロンへ場所を変えた。
*****
「やっと開放されたよ」
フェル兄様は婚約話が無くなったからか、凄く嬉しそうだわ。
「フェルを追いかけさせて、2年はある程度抑えられたからな」
「僕は構わないが、ミュリーに矛先が向いたのは許さないよ」
「分かってる。だから今回で終わったんだろ?」
アルベール様がどういう事か説明してくれた。
公爵家と侯爵家は10歳より前から王家と定期的に交流を持っているそう。将来の伴侶や側近になるし、国としても要職に就いていたり、防衛の要となる領地を持つ家々との交流は必要不可欠。
「ミュリーは社交場に出られる体力が無くて、父様が断っていたんだよ」
確かにお勉強が始まっても、私には体力が無かったわ。最悪お茶会の会場まで歩くだけで倒れる…。
ジュリエット様もある程度マナーを身につけてから、王家との茶会に出るようなり第一王子殿下を追いかけ回し始めた。無下にされ続けると第二王子殿下に矛先が変わった。
うんざりした王子達から公爵家に苦情が何度も来て、ジュリエット様もお叱りを受けたが殿下方を追い回すのを止めなかった。
その結果、王宮は出入り禁止となった。この時に「まだ子供だから」と夫人が庇ったらしい。
その後厳しく教育し直し、ちゃんとした令嬢になれれば良かったのだけれど、ジュリエット様は変わらなかった。
伯父様は王家から抗議が来て初めて、ジュリエット様の不味さに気がついたらしい。
「もうこの時点でヤバイだろ?再教育も母上が甘くて意味無かったしな。俺はちゃんと教育が終わらなければ、茶会に出すなって言ったんだけどなぁ」
そして矯正されないまま10歳のお茶会デビュー。
王子達に会えないせいか、ここから公爵家の嫡男に矛先が変わる。お茶会で執拗に追いかけ回し、王子の時と同じく何度も苦情が来た。
「それでも母上は甘くてね。限られた者しかいない王家の茶会と違って悪評がどんどん広まる」
ジュリエット様が学園に入学すると矛先はお兄様に。
両家で話し合ってジュリエット様の再再教育と、これ以上悪評が広まらないように、数年はお兄様に引き付け大人しくさせる事となった。
「でも挨拶以上を禁止されていたミュリエルに絡んだから、フェルもおじさん達も怒ってね。それも今回で終わりとなった。ちなみに、再再教育も失敗だからな」
「あの…ジュリエット様は周りの目は気にならないのかしら?」
あの刺さるような視線はかなり居心地が悪い。
「あいつは注目されたいんだ。どういう意味でも」
「良い視線ではありませんのに?」
「王子殿下に「お前のような女は嫌いだ」と面と向かって言われても追いかけていたからな。都合の悪い事は聞こえないし見えないんだろ」
ジュリエット様のメンタル凄くない?はっきり言われても追いかけるとか、ちょっと怖いんだけど…。
フェーリもさすがにドン引きして『うわぁ…』と言っているわ。
「デビュタントで失敗すれば、嫁入り先が更に無くなるな」
シャルロット様達に教えてもらった令嬢の結婚事情だと、公爵令嬢なら性格に問題があっても、支援と公爵家という後ろ盾が欲しい相手は居るそう。
もしジュリエット様が結婚せずに働くとしたら、王宮の侍女くらい。でも人に仕えられるのかな…性格的に。
あとは同盟国に嫁ぐ。これは夜会で問題を起こしたら多分無理…。夜会には外交官とか来るし、国際問題は避けたいから。
*****
なかなか濃い話を聞いたから疲れてしまったわ。アルベール様達が帰った後、お兄様と2人してつい溜息がもれる。
「さすがに疲れたね。ミュリー、ちゃんと話してなくてごめんね」
「いえ、知っていてもジュリエット様は同じ事をしたと思いますし…学園で避けるのは難しいです」
ランチ中に来られたから逃げられなかったし。
「グレース夫人も、もう甘やかさないだろう」
「そうだと良いのですが…」
結構ヤバイ状態なのに甘やかしている伯母様が、今更本当に厳しく出来るのだろうか?
そして、ジュリエット様が変われるのか…。来年のデビュタントで失敗すれば本当にヤバイと思う。
「まぁ…今から変わるとも思えないけどね」
「デビュタントで失敗したら、どうなるのですか?」
「どうかな?父様達は甘い処分は許さないだろうからね」
伯母様はどうしてこうなるまで甘やかしたのかしら?
お母様達も私に甘いけれど、叱る時はきちんと叱ってくれたわ。何故駄目なのか、どうすれば良かったのか。
間違いをちゃんと正してくれる人が、ジュリエット様にはいなかったのかしら?
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